JIS L 0207:2005 繊維用語(染色加工部門) | ページ 5

                                                                                             19
L 0207 : 2005
番号 用語 定義 対応英語(参考)
5002 あざみ起毛 teasel raising
あざみの果穂(かほ)を乾燥させ,硬くなったかぎ状の
とげ(刺)を用いて生地を引っかくようにして行う起毛。
主として高級紡毛織物に用いる。
5003 圧縮収縮仕上げ compressive shrinkage
主として綿織物などをオーバフィードさせながら蒸気プ
レスを行うことによって密度を高め,防縮性を付与する
仕上げ。
5004 後処理 aftertreatment
染色した後に行われる処理の総称。染色されたものの堅
ろう度を向上させるための洗浄及び/又はフィックス処
理を指すことが多い。
5005 裏のり付け back sizing
硬さ,重厚感,腰,強さなどを付与するための,生地の
裏面へののり付け。
5006 エメリ加工, emerizing,buff finish
ロールに巻きつけたエメリ(金剛砂)ペーパによる起毛
バフ加工 加工。合成繊維織編物,綿織物など多方面に用いられる。
5007 エンボス加工 embossing
織物などを,加熱した凹凸のある金属ローラと弾力性の
あるローラの間を通して,凹凸のある模様を付ける加工。
5008 オイリング oiling
繊維に平滑性,収束性,制電性,湿潤性,柔軟性などを
与えるための,油剤及び界面活性剤の付与。
5009 オーガンジ加工 organdie finish
薄く透き通ったかたい風合にする加工。綿の場合には,
常温で濃硫酸などを作用させる。
5010 かま(釜)蒸じゅ full decatizing
あな(孔)のあいたロールに生地を巻きつけて,高圧容
う 器に入れ,減圧にした後,水蒸気を吹き込むセット処理。
羊毛織編物に強いセット効果を与える。
5011 カレンダ仕上げ calendering
種々の回転ロールの間に織物を通して,表面を加圧して
平滑にし,光沢及び種々の風合を与える仕上げ。
5012 擬麻加工 imitation linen finish
綿布などに麻のような風合,外観を与える加工。コール
ドマーセライズなどの方法がある。
5013 起毛 raising
布面から毛羽をかき出し,毛羽立たせる仕上げ。針金起
毛機, あざみ起毛機,エメリ起毛機などを用いる。
5014 キュアリング curing
繊維加工剤の重縮合,繊維との結合などの反応を促進す
るための加熱処理。
5015 クリア仕上げ clear finish
毛織物の表面を毛焼き又はせん(剪)毛して,織物組織
の表面をはっきり表す仕上げ。
5016 クロリンリテンシ chlorine retention
アミノ系樹脂剤による樹脂加工製品を次亜塩素酸塩で漂
ョン 白したときの樹脂中の塩素の残留。
5017 ケミカルブリーチ chemical bleach-out
ジーンズなどの縫製品を,次亜塩素酸ソーダなどを用い
アウト てワッシャで処理し不均一に脱色させ,着古して色あせ
た,ソフト感のあるものにする加工。
5018 仕上げ finish
染色加工工程の中で染色以降の工程及び付加価値を高め
る特殊工程。
5019 修整 mending
生機(きばた)の糸欠点(太糸,スラブ糸など)及び織
編欠点(糸切れ部分など)を修理し,糸の結び目を表か
ら裏側に移したりする工程。仕上げ補修では,ちり(塵)
取り,インクなどを用いて小さな色修整などを行う。
5020 柔軟仕上げ softening
糸又は織編物を柔軟化する仕上げ。機械的に柔軟化する
方法と柔軟剤によって繊維間及び繊維表面の摩擦係数を
低下させる方法とがある。

――――― [JIS L 0207 pdf 21] ―――――

20
L 0207 : 2005
番号 用語 定義 対応英語(参考)
5021 シュライナ加工 schreiner finish
無数の平行な細線を印刻した金属ロールをもつシュライ
ナカレンダに織物を通して組織を平滑にし, 絹のような
光沢を付与する加工。
5022 シュランク仕上げ shrunk finish
毛織物の仕上げ工程のほぼ最終にたて方向に引き延ばさ
れたひずみを取り,緩和収縮をできるだけ小さくする仕
上げ。縫製前のスポンジングと同じ意味で使用すること
もある。
5023 蒸じゅう, decatizing
布及びラッピングロスを多孔シリンダに巻き取り,蒸気
デカタイジング による加熱と空気による冷却とを行って,布の安定性,
光沢及び風合を改良する仕上げ。フルデカタイジング[か
ま(釜)蒸じゅう機],セミデカタイジング(常圧蒸じゅう
機),連続蒸じゅう機などを用いる。毛織物の仕上げにお
けるほぼ最後の工程。
5024 植毛, flock finish
布,プラスチック製品などの表面に,細くて短い繊維を
フロック加工, 静電気及び接着剤によって毛羽状に植え付ける加工。
電着加工
5025 針布起毛 wire raising
織編物の表面を針布を巻いたロール(針金起毛機)で引
(しんぷきもう)っかく起毛。
5026 水中起毛 wet sueding
セルロース系繊維織物に湿潤状態で研磨ロールを使用し
て行う起毛。繊維が膨潤した状態で起毛するため,繊細
な起毛効果を得る。
5027 スエード仕上げ sueding
布,合成皮革などに細かい起毛を施しスエードに似せる
仕上げ。
5028 スポンジング sponging
主として毛織物の緩和収縮を小さくするため,縫製の裁
断に入る前にスチーミングし振動を与えて十分収縮させ
る仕上げ。最近ではレーヨン及び/又は合成繊維の織物
もしわ直し及び寸法安定を目的として行われるようにな
ってきた。高級テーラでは,水に浸して自然乾燥するこ
とが一般的でこれもスポンジングの一つ。シュランクと
もいう。
5029 製品洗い garment wash
縫製品に仕上げた状態で洗濯をして,使い古した製品に
見せる処理。主としてジーンズにおいて施されている。
5030 セーム仕上げ shammy finish
ダブルトリコットのような編地を起毛・せん毛して,し
か皮(セーム皮)のような外観・風合を与える仕上げ。
スエード仕上げともいう。
5031 増量加工 weighting
絹織物の質量感,厚地感を増しドレープ性などの風合を
改善するための加工。すず(錫)又はタンニンによる増量
が行われていたが,現在ではメタクリルアミドなどを用
いたグラフト重合に代わっている。
5032 脱キャリア carrier removal
キャリアを用いて染色した後の,熱処理によるキャリア
の除去。
5033 チンツ加工 chintz finish
綿織物をのり付けした後,カレンダ掛けして強い光沢を
出す加工。
5034 つや(艶)消し delustering
織編物の表面につや消剤を付与して光沢を少なくする加
工。
5035 つや出し glazing
織物に高圧の熱カレンダ又はペーパプレスで加圧するこ
とによって光沢を与える加工。

――――― [JIS L 0207 pdf 22] ―――――

                                                                                             21
L 0207 : 2005
番号 用語 定義 対応英語(参考)
5036 透明加工 transparent finish
織編物の一部又は全部を半透明化する加工。膨潤剤,溶
解剤などを用いてその部分をゼラチン状化し,繊維の表
面及び内部における光の反射を少なくして透明度を高め
る。
5037 ナップ仕上げ napping
毛織物を,洗じゅう,縮じゅう,起毛・せん毛して毛足
をそろえた後,小さい玉状の毛羽が無数にある感じにす
る仕上げ。ナッピングともいう。
5038 バッキング carpet backing
カーペットのパイル糸の抜け防止,歩行性,裁断性など
の向上のために行う裏側への布,樹脂,ゴムなどの接着
又は塗布。
5039 パッド・ドライ・ pad-dry-cure method
樹脂を含む液をパディングし,中間乾燥後,乾熱処理を
キュアー法 行い樹脂を固着させる方法。
5040 ビーティング 布を打って,柔軟性及び光沢を改善する加工。 beating
5041 ファイナルセット final set
染色工程が終わった布を規格幅及び長さに合わせるとと
もに,布表面の凹凸及び組織のひずみを修正するために
行う仕上げセット。
5042 フィックス処理 fixing treatment
直接染料,反応染料,酸性染料などの水溶性染料で染色
後,染料固着剤(フィックス剤)で処理して染料を難溶
性とし,湿潤堅ろう度を向上させる処理。
5043 フェース仕上げ face finish
毛羽を立たせたのち,せん毛して毛羽を刈りそろえ,更
に,毛羽伏せして光沢のある布面にする仕上げ。
5044 フェルトカレンダ felt calendering
加熱した金属ロールとその周囲をエンドレスに回るフェ
加工 ルト織物の間で織物を圧縮し,表面を平滑にして光沢を
与える布の加工。
5045 ブラッシング brushing
ブラッシュローラなどによって織物の表面についている
毛羽及びほこりを払い落としたり,毛並みを整える処理。
5046 フリース仕上げ fleece finish
毛羽が布はく(帛)表面を密に覆う起毛仕上げ。合成繊維
織編物の両面を起毛して軽くて触感のよい保温性に優れ
た布を得る加工をいう場合もある。
5047 ブリーチアウト bleach-out
ジーンズなどの製品を使い古しの感じにするために,漂
白剤を併用する処理。
5048 プリーツ加工 スカート,ブラウスなどにひだをつける加工。 pleating
5049 プレス仕上げ pressing
織物の仕上げ工程において,乾熱又は湿熱を与え圧力を
掛けてしわを取り除き,表面を平滑にする仕上げ。
5050 ペーパプレス仕上 papering
織物をジグザグ状に折り畳み,その間につや(艶)紙を
げ 入れ,蒸気ボックス又は電熱で加熱しつつ全体に圧力を
掛けて,織物につやを付ける仕上げ。
5051 ベロア仕上げ velour finish
毛織編物に対し,洗じゅう,縮じゅう,起毛・せん毛を
行い,布面に豊富に毛羽を出して刈りそろえ,密集した
毛羽が出た外観を与える仕上げ。
5052 ボンディング加工 bonding finish
2種類又はそれ以上の異なる布地を張り合わせる加工。
保温性が高く,防寒衣料に用いる。
5053 マット仕上げ 織物を,つやが少ない,光沢のにぶい表面にする仕上げ。 mat finish
5054 ミルド仕上げ milled finish
毛織物をロープ洗浄し,縮じゅう,起毛・せん毛を行い,
表裏ともに細かい毛羽を残す仕上げ。
5055 メルトン仕上げ melton finish
縮じゅうによって毛羽を絡み合わせて表面を覆い,地組
織を見えなくする紡毛織物の仕上げ。
5056 モアレ仕上げ moare finish
織物上に木目状の光沢模様を付与するカレンダ仕上げの
一つ。たて糸が圧迫された部分と圧迫されない部分とで
光の反射に差が生じ木目模様となる仕上げ。

――――― [JIS L 0207 pdf 23] ―――――

22
L 0207 : 2005
番号 用語 定義 対応英語(参考)
5057 モス仕上げ moss finish
密度の高い紡毛織物を,毛羽が刈りそろ(揃)えられた
状態にする仕上げ。
5058 ラミネート加工 laminate finish
織編物に各種の機能性をもつ布,フィルム,紙などを張
り合わせる加工。
5059 ワッシャ加工 washer treatment
織編物のひずみを取ったり,リラックス処理及び/又は
強ねん(撚)織物のしぼ立てを目的に,ワッシャ機で行
う加工。
f) 機能加工
番号 用語 定義 対応英語(参考)
6001 ウォッシュ・アン wash and wear finish,
綿及びその混紡製品を洗濯・乾燥後,アイロンを掛けず
ド・ウエア加工,に着用できることを目的とした加工。 easy-care finish
W&W加工,
イージーケア加工
6002 ウレタンコーティ polyurethane coating
基布上にポリウレタンの溶液又はエマルションを塗布・
ング 乾燥して,基布の表面に微多孔質の薄膜を形成させ,透
湿防水性を付与する加工。人工皮革などの用途にも使用
される。
6003 液体アンモニア加 liquid ammonia process
液体アンモニアを用いる綿の改質加工。マーセライズ加工
工 によく似た効果が得られるが,マーセライズ加工に比べて
光沢,染色性の向上は少ない。一方,強度,防縮性(寸法
安定性),防しわ性,セット性などは大きく向上する。
6004 温感変色加工 thermochromic finish
繊維に対して,温度によって変色する機能を与える加工。
例えば,温度によって発色が変化する機能性色素と酸性
物質とを有機溶剤に溶解しマイクロカプセルに封入した
ものを樹脂で繊維上に固定する。
6005 絹鳴り加工 scroop finish
絹以外の繊維に対して,各種の薬剤処理で絹鳴りに似た
音を発生させる加工。
6006 吸汗加工 sweat absorbent finish
疎水性の合成繊維の繊維表面を親水性にして汗の表面拡
散をしやすくする加工。
6007 吸湿加工 hygroscopic finish
疎水性の合成繊維の繊維表面を親水性にして水蒸気の吸
着を高める加工。
6008 吸水加工 water absorbent finish
疎水性の合成繊維の繊維表面を親水性にして吸水性を高
める加工。
6009 銀面仕上げ grain finish
人工皮革及び合成皮革で,表面を皮革ようの銀面にする
加工。銀付き仕上げともいう。
6010 形態安定加工 shape stabilizing finish
綿及び綿・ポリエステル混紡衣服に着用と洗濯とを繰り
返しても形態安定性を長期にわたり保持できるような性
能を付与する加工。織物に前処理として液体アンモニア
加工を行い,縫製後ポストキュア法によって樹脂加工す
る方法, 気相でホルムアルデヒド処理する方法などがあ
る。
6011 ケミカルセット chemical set
化学薬剤を使用する織編物のセット加工。例えばモノエ
タノールアミンサルファイトなどの還元剤によって羊毛
のズボン,スカートなどのプリーツセット加工を行う。
6012 抗菌防臭加工 antibacterial finish
繊維上の菌の増殖を抑制し,防臭効果をもたせる加工。

――――― [JIS L 0207 pdf 24] ―――――

                                                                                             23
L 0207 : 2005
番号 用語 定義 対応英語(参考)
6013 抗スナッグ加工, antisnag finish
長繊維使用の編物, 特に仮よ(撚)り加工糸編物が突起に
スナッギング防止引っ掛かって,長繊維が布面上に引き出されることを防
加工 止する加工。
6014 酵素加工, biological wash
セルロース分解酵素によって,風合の柔軟化・毛羽除去
バイオウォッシュなどの表面処理を行う加工。
加工
6015 抗ピル加工 anti-pilling finish
織編物の表面での摩擦による毛玉(ピル)の発生を防止
する加工。樹脂加工による繊維の固定,ガス焼き,せん
毛による長い毛羽の除去,化学処理による毛羽のぜい化
などがある。
6016 コーティング coating
布などの上への,機能性を付与するゴム,合成樹脂など
の溶液又はエマルションの塗布。
6017 樹脂加工 resin finish
合成樹脂,初期縮重合物などを用いて行うすべての加工
の総称。セルロース系繊維を対象とした防しわ加工,ウ
ォッシュ・アンド・ウエア加工,各種繊維製品への腰の
付与,硬仕上げ,光沢付与などの加工をいう。
6018 消臭加工 deodorant finish
繊維が臭気成分に触れることによって不快臭を減少させ
る効果を示す加工。不快臭とは汗臭,加齢臭,排せつ臭,
たばこ臭,生ごみ臭などをいう。
6019 しわ加工 artificial creasing
布に耐久性のあるしわを付与する加工。合成繊維ではそ
の熱可塑性を利用し,セルロース系繊維では樹脂加工剤
による架橋反応を利用する。
6020 親水化加工 hydrophilic finish
合成繊維に加工剤処理又はグラフト重合によって親水性
を付与する加工。吸水性,吸汗性及び吸湿性を高め着用
時の蒸れを少なくする。
6021 ストレッチ加工 stretch finish
織物を構成する糸に屈曲を与えた後,固定し,主として
よこ方向にストレッチ性を付与する加工。
6022 ストーンウォッシ stone washed finish
ジーンズなどの縫製品を洗い古着に似せるために,軽石
ュ加工 を用いて洗う加工。
6023 スリップ防止加工 antislip finish
薬剤を用いて織物などのたて糸とよこ糸の滑りを防止す
る加工。コロイダルシリカ, 接着性加工剤などを付与す
る。
6024 制菌加工 microbial control finish
繊維上の菌の増殖を抑制する加工。一般用途では,黄色
ぶどう球菌,肺炎かん(桿)菌,大腸菌,緑のう(膿)
菌などを対象としている。
6025 セリシン定着加工 sericin fixing
絹のセリシンを薬剤で処理して絹に固定する加工。手触
りはやや粗硬になるため絹の擬麻加工ともいう。
6026 ソイルリリース加 soil release finish
疎水性の合成繊維に対して親水性の化合物を付与し,汚
工,SR加工 れても洗濯で除去しやすくする加工。
6027 ソイルガード加 soil guard finish
主としてふっ素系樹脂を用いて,繊維に汚れが付きにく
工,SG加工 くする加工。
6028 帯電防止加工, antistatic finish
繊維上に発生する静電気を減衰させるための加工。高級
制電加工 アルコール,界面活性剤などの吸湿剤,第4級アンモニ
ウム塩,オキシエチレン基をもつポリマーなどの帯電防
止加工剤を用いる。
6029 低ホルマリン加工 less formaldehyde finish
セルロース系繊維に対する樹脂加工において,遊離ホル
ムアルデヒド濃度が下着類などのホルムアルデヒド規制
値(75 ppm以下)に適合する加工。
6030 電磁波シールド加 electromagnetic wave
電磁波による人体及び機器への影響を減らすため,繊維
工 を導電性にし微弱な電磁波を吸収する加工。 shield finish

――――― [JIS L 0207 pdf 25] ―――――

次のページ PDF 26

JIS L 0207:2005の国際規格 ICS 分類一覧

JIS L 0207:2005の関連規格と引用規格一覧