JIS L 1922:2016 繊維製品の抗ウイルス性試験方法 | ページ 4

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ス(7.9)によって,急速に融解する。これを試験ウイルス懸濁液とする。直ちに使用しない場合は,4 ℃
の温度に設定された保冷庫(7.14)に入れ,保存する。
注記1 10.4.3.15の試験ウイルス懸濁液は,必要に応じて使用直前に,水(9.1)で10倍希釈しても
よい。
注記2 10倍希釈後の試験ウイルス懸濁液の濃度は,1×107 PFU/mL5×107 PFU/mL又はTCID50/mL
であることが望ましい。
10.4.4 試験ウイルス懸濁液の感染価
試験ウイルスの感染価の測定は,次の手順による。
10.4.4.1 ウイルス懸濁液のための希釈系列の準備
10.4.4.1.1 新しい試験管に維持培地(9.8)1.8 mLを入れ,氷水浴中で維持する。
10.4.4.1.2 10.4.4.1.1の試験管内に,10.4.2.16及び10.4.3.15のウイルス懸濁液0.2 mLを加え,ボルテック
スミキサー(7.10)によって試験管を十分にかくはんする。
注記 この操作によって,ウイルス懸濁液は10倍希釈される。
10.4.4.1.3 新しい試験管に維持培地(9.8)1.8 mLを入れ,氷水浴中で維持する。
10.4.4.1.4 10.4.4.1.3の試験管に10.4.4.1.2の溶液0.2 mLを追加し,それらをよく振とうする。
注記 この操作によって,ウイルス懸濁液は100倍希釈される。
10.4.4.1.5 この手順を繰り返し,ウイルス懸濁液の希釈系列を準備する。
注記1 TCID50測定法の場合は,8穴(ウェル)全てが感染する希釈点及び8穴(ウェル)全てが感
染しない希釈点を準備する必要がある。
注記2 ウイルス感染価が108TCID50/mLの場合は,TCID50測定法に供するウイルス懸濁液の希釈系
列は10−8までが必要となる。
10.4.4.2 ウイルス感染価の測定
10.4.4.2.1 プラーク測定法
プラーク測定法によるウイルス感染価の測定は,附属書Bによる。
10.4.4.2.2 TCID50 測定法
TCID50 測定法によるウイルス感染価の測定は,附属書Cによる。

10.5 試験試料の準備

10.5.1 対照試料
JIS L 0803に規定する綿100 %の添付白布3-1,3-2又は3-3,若しくは未加工布を,洗剤及び蛍光漂白剤
を使用せず,60 ℃,10分間の洗濯を10回繰り返す。
注記 抗ウイルス加工繊維製品の未加工品を対照試料としてもよい。
10.5.2 試験片の採取
10.5.2.1 試験片は,試料を20 mm×20 mmの大きさに裁断し,これを積み重ねて質量を0.40 g±0.05 gと
する。試料が糸の場合は,糸を束ねて約20 mmの長さに裁断し,0.40 g±0.05 gの質量とする。
10.5.2.2 試験片の数は,抗ウイルス試料を9検体,対照試料を12検体準備する。
注記 対照試料の6検体及び抗ウイルス試料の6検体は,対照試験に使用する。また,対照試料の3
検体は,試験ウイルス懸濁液接種直後の感染価測定に使用する。残りの抗ウイルス試料の3検
体及び対照試料の3検体は,この試験で所定時間作用後のウイルス感染価の測定に使用する。
10.5.3 試験片の滅菌
10.5.3.1 採取した試験片をバイアル瓶(7.20)に1検体ずつ入れる。これらを金網かごに入れ,金網かご

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の上部全体をアルミニウムはく(箔)で覆う。また,キャップは,別にアルミニウムはく(箔)で包む。
10.5.3.2 10.5.3.1の試験片をオートクレーブ(7.1)に入れ,121 ℃,103 kPaの条件で,15分間高圧蒸気
滅菌する。
10.5.3.3 試験片をオートクレーブから取り出した後,安全キャビネット(7.19)内でアルミニウムはく(箔)
を外して,60分間風乾する。次いで,バイアル瓶(7.20)内に結露がないこと確認し,バイアル瓶(7.20)
のキャップを締める。
注記 抗ウイルス剤又は繊維製品の特性によって高圧蒸気滅菌が適さない場合は,他の適切な滅菌方
法を選択することができる。

10.6 対照試験

10.6.1 概要
対照試験の目的は,試験試料に由来する加工剤活性の抑制効果を確認することである。試験試料に由来
する加工剤活性の抑制効果とは,ウイルスの洗い出し操作の過程において溶出の可能性がある加工剤が細
胞毒性を示さないこと,ウイルスへの細胞の感受性の低下を引き起こさないこと,及び抗ウイルス活性が
不活性化されていることを意味する。
10.6.2 細胞毒性効果の確認
10.6.2.1 10.5.3で滅菌された抗ウイルス繊維製品試料及び標準布試料の各3検体に,SCDLP培地(9.15)
20 mLを加えてバイアル瓶(7.20)のキャップを締め,ボルテックスミキサー(7.10)によって5秒間を5
回繰り返して,かくはんする。
10.6.2.2 附属書B又は附属書Cによって細胞の損傷の有無を確認し,損傷が確認されない場合は,次のス
テップへ進む。
注記 細胞の損傷が認められた場合は,洗い出し液の組成を修正・変更するか,又は洗い出し液の増
量を行うのがよい。
10.6.3 ウイルスへの細胞の感受性及び抗ウイルス活性の不活化の確認
10.6.3.1 10.5.3で滅菌した抗ウイルス繊維製品試料及び標準布試料の各3検体に,SCDLP培地(9.15)20 mL
を加えてバイアル瓶(7.20)のキャップを締め,ボルテックスミキサー(7.10)によって5秒間を5回繰り
返して,かくはんする。
10.6.3.2 新しい試験管に10.6.3.1の洗い出し液5 mLを入れる。
10.6.3.3 この試験管に4×104 PFU/mL6×104 PFU/mL又はTCID50/mLの濃度に調製したウイルス懸濁液
50 μLを加える。
10.6.3.4 この試験管を25 ℃で30分間静置する。
10.6.3.5 附属書B又は附属書Cによって,ウイルス感染価を求める。
注記 TCID50測定法の場合は,希釈系列の作製のときに10.6.3.1の洗い出し液を用いる。
10.6.3.6 試験の検証のための条件
log(対照試料のPFU/mL又はTCID50/mL)−log(抗ウイルス試料のPFU/mL又はTCID50/mL)≦0.5
注記 上記の式の値が0.5を超える場合は,洗い出し液の組成を修正・変更するか,又は洗い出し液
の増量を行うのがよい。

11 試験手順

11.1 試験片の準備

  10.5で準備した試験片の入ったバイアル瓶(7.20)を準備する。

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11.2 試験片への試験ウイルス懸濁液の接種

  10.4で調製した試験ウイルス懸濁液をピペットによって正確に0.2 mL採取し,バイアル瓶の中の試験片
の数箇所に接種後,バイアル瓶のキャップを締める。

11.3 作用時間

  11.2の試験ウイルス懸濁液を接種した試験片の入ったバイアル瓶を25 ℃に設定したインキュベーター
(7.25)内で,2時間静置する。
注記 作用時間は,受渡当事者間の合意によって24時間を限度に変更してもよい。

11.4 接種直後のウイルスの洗い出し

  11.2の対照試料3検体の入ったバイアル瓶に,SCDLP培地(9.15)20 mLを加える。その後,キャップ
を締め,ボルテックスミキサー(7.10)によって,5秒間を5回繰り返してかくはんし,各試験片からウイ
ルスを洗い出す。
注記1 10.6の対照試験において,洗い出し液の組成を修正,変更するか,又は洗い出し液の増量を
行った場合には,それと同じ条件で洗い出し操作を行う。
注記2 このウイルス懸濁液を,対照試料試験片の接種直後のウイルス洗い出し原液とする。

11.5 作用後のウイルスの洗い出し

  11.3の作用後,抗ウイルス繊維製品試料の三つの試験片及び標準布試料の三つの試験片の入ったバイア
ル瓶(7.20)に,SCDLP培地(9.15)20 mLを加える。その後,キャップを締め,ボルテックスミキサー
(7.10)によって,5秒間を5回繰り返してかくはんし,各試験片からウイルスを洗い出す。
注記1 10.6の対照試験において,洗い出し液の組成を修正,変更するか,又は洗い出し液の増量を
行った場合には,それと同じ条件で洗い出し操作を行う。
注記2 これらのウイルス懸濁液を,抗ウイルス試料及び対照試料の作用後のウイルス洗い出し原液
とする。試験ウイルス懸濁液の濃度が108(PFU/mL又はTCID50/mL)の場合は,ウイルス懸
濁液の濃度は1×106(PFU/mL又はTCID50/mL)となる。なぜなら,洗い出し原液には0.2 mL
の試験ウイルス懸濁液が入っている。それをSCDLP培地(9.15)20 mLで希釈するため,0.2
/20=0.01=1×10−2,したがって,ウイルス懸濁液の濃度は,108×1×10−2=1×106となる。

12 ウイルス洗い出し液の希釈系列の作製

12.1 試験管に維持培地(9.8)1.8 mLを入れ,低温に保つ。
12.2 12.1の試験管に11.4及び11.5の洗い出し液0.2 mLを入れ,ボルテックスミキサー(7.10)によって
十分にかくはんする。
注記 これが1/10(10−1)希釈液となる。この希釈系列におけるウイルス懸濁液の濃度は,1×106×
10−1=1×105(PFU/mL又はTCID50/mL)となる。
12.3 新しい試験管に維持培地(9.8)1.8 mLを入れ,低温に保つ。
12.4 12.2のウイルス懸濁液0.2 mLを,12.3の試験管に入れて十分にかくはんする。
注記 これが1/100(10−2)希釈液となる。この希釈系列におけるウイルス懸濁液の濃度は,1×105
×10−1=1×104(PFU/mL又はTCID50/mL)となる。
12.5 ウイルス懸濁液の希釈系列を作製するために,12.112.4の手順を繰り返す。
注記1 TCID50測定法の場合は,ウイルス懸濁液の希釈系列は,8穴(ウェル)全てが感染する希釈
点,及び8穴(ウェル)全てが感染しない希釈点を準備する必要がある。ただし,洗い出し
原液において8穴(ウェル)全てに感染が確認されない場合,一段階前の希釈系列は8穴(ウ

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ェル)全てが感染したと仮定して計算し,得られた結果には不等号を付ける。
注記2 試験ウイルス懸濁液の濃度が108TCID50/mLの場合は,0.2 mLの試験ウイルス懸濁液は20 mL
の洗い出し液によって希釈する。その結果,洗い出しウイルス懸濁液は,1×106 TCID50/mL
の濃度になる。そのため,TCID50測定法の場合は,1穴(ウェル)当たり0.1 mLのウイルス
懸濁液を接種するため,ウイルス懸濁液の希釈系列は10−6までが必要となる。

13 抗ウイルス感染価の測定

13.1 プラーク測定法

  プラーク測定法による感染価の測定は,附属書Bによる。

13.2 TCID50測定法

  TCID50測定法は,附属書Cによる。

14 抗ウイルス感染価の計算

14.1 プラーク測定法

  プラーク測定法による感染価の計算は,次の式(1)及び式(2)による。
P Z R (1)
ここに, P : 感染価(PFU/0.1 mL)
Z : 2穴のプラーク数の平均値(個)
R : 希釈倍率
W 10 (2)
ここに, W : 感染価(PFU/mL)
さらに,試験片の感染価(PFU/試験片)は,次の式による。
VP W C
ここに, VP : 感染価(PFU/試験片)
C : 洗い出し液量(mL)

14.2 TCID50測定法

14.2.1 ベーレンス・ケルバー(Behrens and Karber)法
ベーレンス・ケルバー法による感染価の計算は,次の式(3)による。
a
Y X 10

(pdf 一覧ページ番号 )

                         a    p  5.0
ここに, Y : 感染価(TCID50/0.1 mL)
X : 洗い出し原液の希釈倍率
p : 各希釈系列において細胞変性効果が認められる割合(細胞変
性効果ありの穴数/総穴数)

――――― [JIS L 1922 pdf 19] ―――――

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p : 原液を含む各希釈系列のp値の総和
すなわち,感染価Aは,次の式による。
A 10
ここに, A : 感染価(TCID50/mL)
さらに,試験片の感染価(TCID50/試験片)は,次の式による。
V A C
ここに, V : 感染価(TCID50/試験片)
C : 洗い出しウイルス懸濁液の量
14.2.2 TCID50測定法の計算例
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
− 黒丸 : 細胞変性効果あり
− グレー丸 : 細胞変性効果なし
− 白丸 : 接種なし
1 洗い出し原液
2 1/10希釈(10倍希釈)
3 1/100希釈(100倍希釈)
4 1/1 000希釈(1 000倍希釈)
5 1/10 000希釈(10 000倍希釈)
図4−TCID50測定法の例

――――― [JIS L 1922 pdf 20] ―――――

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JIS L 1922:2016の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 18184:2014(MOD)

JIS L 1922:2016の国際規格 ICS 分類一覧

JIS L 1922:2016の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISK3600:2000
バイオテクノロジー用語
JISK8008:1992
生化学試薬通則
JISL0803:2011
染色堅ろう度試験用添付白布