JIS M 8226:2006 鉄鉱石―ひ素定量方法 | ページ 2

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4.7 七モリブデン酸六アンモニウム[(NH4)6Mo7O24・4H2O]溶液(10 g/l)
水400 mlをビーカー(1 l)に入れ,硫酸(4.6)133 mlをかき混ぜながら注意して加える。冷却した後,七
モリブテン酸六アンモニウム四水和物(10±0.1) を加えて,かき混ぜながら溶解する。1 lの全量フラスコ
又はすり合わせ栓付きメスシリンダに移し入れ,標線まで水で薄めて混合する。
4.8 硫酸ヒドラジニウム(N2H4・H2SO4)溶液(0.15 g/l)
4.9 モリブデン酸―ヒドラジニウム混合液 100 mlの全量フラスコに水70 mlを入れ,七モリブデン酸
六アンモニウム溶液(4.7)(10±0.1) l及び硫酸ヒドラジニウム溶液(4.8)10 mlを加えて,標線まで水で薄め
て,混合する。この混合液は,使用の都度調製する。
4.10 標準ひ素溶液A,200 最一 酸化二ひ素(As2O3)数百mgを105 ℃で1時間乾燥してデシケータ
内で放冷する。この乾燥品0.132 gをはかりとって,水酸化ナトリウム溶液(40 g/l)2 mlに溶かし,水30
mlを加え,メチルオレンジ指示薬を用いて硫酸(4.6)の希釈液(1+9)で中和し,次に炭酸水素ナトリウム4 g
を加える。これを500 mlの全量フラスコに移し入れ,水で標線まで薄めて混合する。
この標準溶液Aの1 mlは,ひ素200 する。
参考 メチルオレンジ指示薬の調製は,JIS K 8001の4.4表7に記載されている。
4.11 標準ひ素溶液B,5 最一 準ひ素溶液A(4.10)25 mlを分取し,1 lの全量フラスコに移し入れ,水
で標線まで薄めて混合する。
この標準溶液Bの1 mlは,ひ素5 する。
5. 装置 装置は,通常の分析用器具及び次のものを使用する。
備考 ピペット及び全量フラスコは,ISO 648及びISO 1042に規定されている1標線付きピペット及
び1標線付き全量フラスコでなければならない。
5.1 ジルコニウムるつぼ又はガラス質カーボン(vitreous carbon)るつぼ 容量約30 mlのもの。
5.2 蒸留装置 蒸留装置は,注入漏斗付きの側管をもつ250 ml蒸留フラスコ,Y字形連結管,飛まつ除
去管(SH)及び水冷コンデンサで構成される(附属書1図1)。
蒸留フラスコの容量45 ml及び50 mlの位置にマークを付ける。
装置のすり合せ接合部は,ボールジョイントを用いてもよい。
備考1. 最初に装置を使用する際は,蒸留装置,受器アダプタ及び受器をよく洗浄して(すべての内
壁が薄膜状にぬれることを確認するのがよい。),この状態を必要な限り維持するのがよい。
ガラスすり合せ接合部は,有機潤滑剤をきれいに洗浄し除去した後,必要最少限の硫酸(4.6)
で滑らかにする。これとは別に,ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製スリーブを用いて
もよい。
2. 蒸留段階後に使用する器具(受器,ピペット,100 mlの全量フラスコなど)は,次の方法で
特別に洗浄処理をするのがよい。
最初に使用する際は,よく洗浄して,硝酸(1+10)を数時間,容器中に入れておく。これら
の容器はひ素定量用専用に保存し,また,ひ素定量用とラベルで表示しておく。常時使用の
場合は,希硝酸を入れておく時間は30分間に短縮できる。りん酸塩の混入をまねく洗剤は,
この操作では使用しないことが望ましい。
参考 原文ではクロム酸混液又は相当品による洗浄をするようにと規定しているが,クロム酸は環境
上有害なため,使用しないようにその部分は削除した。

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3. ヒータは,少なくとも2 ml/minの割合で蒸留できるものを使用するのがよい。困難な場合に
は,適切な断熱テープを用いて飛まつ除去管(図1の7)を断熱する。
6
5
7
8
3
4
2
9
1
10
1 熱源
2 蒸留フラスコ
3 Y字形連結管
4 注入漏斗
5 試薬注入用アダプタ(TA)
6 温度計
7 飛まつ除去管(SH)
8 水冷コンデンサ
9 受器アダプタ
10 受器[トールビーカー(200 ml) ]
附属書1図 1 ひ素蒸留装置

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5.3 分光光度計 840nm付近の吸光度の測定に適したもの。
6. サンプリング及び試料
6.1 分析用試料(laboratory sample)分析には,JIS M 8702に従って採取し,調製した粒度100 下
の分析用試料を用いる。化合水又は酸化しやすい化合物の含有率が著しく高い鉱石の場合には,粒度160
下の試料を用いる。
備考 化合水及び酸化しやすい化合物の著しく高い含有率についてのガイドラインは,ISO 7764に記
載されている。
参考 粒度160 下の試料を用いる鉄鉱石の区分は,JIS M 8202の5.1(分析用試料)のb)による。
6.2 事前乾燥試料(predried test samples)の調製 分析用試料を十分に混合し,容器の全量を代表する
ように数インクリメントで試料を採取する。試料をISO 7764に従って(105±2) ℃で乾燥する(これを事
前乾燥試料という。)。
7. 操作
7.1 分析回数 分析は,事前乾燥試料1個について,附属書1Aに従って少なくとも独立に2回の分析を
行う。
備考 “独立に”という表現は,2度目又は続いて行った分析結果が以前の結果によって影響を受け
ないことを意味する。特にこの分析方法では,この条件は操作の繰返しが同一人が異なった時
間に,又は異なった人によって,いずれの場合も適切な検量線の再校正を含めて行われなけれ
ばならないことを意味する。
7.2 空試験及びチェック試験 一連の定量ごとに,1回の空試験と,同一種類の鉄鉱石認証標準物質の1
個を,1分析試料(1個又は数個)と併行して同一条件で分析しなければならない。認証標準物質の事前乾
燥試料は,6.2に従って調製しなければならない。
同時に数試料を分析する場合,操作が同じで同一の試薬瓶からの試薬を使うときには,1個の空試験値
で代表することができる。
同時に同一種類の鉱石の数試料を分析する場合は,1個の認証標準物質の分析値を使用することができ
る。
備考 認証標準物質は,分析試料と同一種類で,両者の性質が分析操作の変更を必要としない程度に
よく類似したものでなければならない。
7.3 分析試料(test portion) 分析試料は,6.2に従って得られた事前乾燥試料から数インクリメントを
とって,約1 gを0.001 gのけたまではかる。
備考 分析試料は,水分の再吸収を防ぐために迅速にはかりとるのがよい。
7.4 定量
7.4.1 試料の分解 ジルコニウムるつぼ又はガラス質カーボンるつぼ(5.1)に過酸化ナトリウム(4.1)3 gを
入れる。直ちにはかりとった分析試料(7.3)を入れて,薄い金属スパチュラ又はガラス棒でよく混合する。
(420±10) ℃のマッフル炉に1時間入れて焼成する。
るつぼを完全に室温まで放冷し(必要な場合,るつぼを金属ブロック上に置いて冷却してもよい。),時
計皿で覆い,わずかに時計皿を持ち上げ,焼成物の外側周辺に水0.5 mlを加える。反応が終了した後(数
分後),同じ方法で更に水1 mlを加える。数分後,水15 mlを加え,反応が再び終了したら,加熱して焼
成物を完全に分解する。蒸留フラスコの主開口部にY字形連結管及び試薬注入用アダプタ(附属書1図1

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の5)を取り付け,蒸留フラスコにるつぼの内容物を移す。水15 ml及び塩酸(4.4)10 mlをるつぼに加え,
残留物が溶解するまで煮沸して,蒸留フラスコに移し,水2025 mlで洗浄する。穏やかに煮沸して,塩
素を取り除き,4550 mlに濃縮する。溶液を約50 ℃に冷却する。
7.4.2 三塩化ひ素の蒸留 蒸留装置を完全に連結し(附属書1図1),注入漏斗へ塩酸(4.4)55 mlを加える。
受器アダプタを取り付け,75 mlの位置にマークを付けた受器[トールビーカー(200ml) ]に硝酸(4.5)10 mlを
入れ,先端を浸す。乾いた試薬注入用アダプタ(附属書1図1の5)を用いて臭化カリウム(4.2)及び硫酸
ヒドラジニウム(4.3)1 gを加える。試薬注入用アダプタに代えて,温度計を取り付け,蒸留フラスコに塩酸
(4.4)を加える。
頭部の蒸留温度を約108 ℃に保持し,受器に全量が75 mlになるまで蒸留する(約2 ml/minの割合で蒸
留)。
備考 必要に応じて沸騰石を用いてもよい。
蒸留液を100 mlの全量フラスコに移し入れ,標線まで薄めて混合する(この液を試料原液と呼ぶ。)。
予想ひ素含有率によって,附属書1表1に従って必要分取量を決定する。ひ素含有率が60 最一 満の
場合は,分取せず,試料原液のままとし,ひ素含有率が60 最一李 上の場合は分取した液を100 mlの全量
フラスコに移し,標線まで薄めて混合する。
附属書1表1 蒸留液の分取量
ひ素含有率範囲 試料原液からの分取量
最一最 ml
1 60 分取なし(試料原液)
50 200 25
150 500 10
300 1000 5
試料原液及び空試験液,又は試料原液及び空試験液の分取希釈液を別々にトールビーカー(200ml)に移し
入れる。
7.4.3 吸光度の測定 吸光度の測定は,次による。
a) 試料原液又は分取希釈液を130 ℃以下の温度で熱板又は水浴によって蒸発乾固する。
b) 乾燥残さの入ったビーカーを,(130±5) ℃の乾燥器中に30分間放置する。
備考 乾燥器の代わりに,最低温度125 ℃が得られる熱板を用いてもよい。
c) 冷却した後,モリブデン酸−ヒドラジニウム混合液(4.9)20 mlを加え,熱板上で(95±5) ℃で2530
分間加熱する。
備考 熱板の代わりに水浴を用いてもよい。
d) 室温まで放冷した後,25 mlの全量フラスコに移し入れ,モリブデン酸−ヒドラジニウム混合液(4.9)
を用いてビーカーを洗浄後,洗浄液を全量フラスコに移し入れ,標線までモリブデン酸−ヒドラジニ
ウム混合液(4.9)で薄めて混合する。
e) 10 mmの光路長のセルを用い,840 nm付近の最大吸収波長で,モリブデン酸−ヒドラジニウム混合液
(4.9)を対照液としてゼロ合せをして試料溶液,及び空試験溶液又は希釈空試験溶液の吸光度を測定す
る。試料溶液の吸光度は空試験溶液又は希釈空試験溶液の吸光度を差し引いて補正する。
備考 10 mmセルで吸光度が0.025未満の場合は,20 mmセルを使用するのが望ましい。この場合,
空試験溶液及び検量線シリーズも20 mmセルで測定する。

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7.5 検量線の作成 標準ひ素溶液B(4.11)を各々0 ml,1 ml,2 ml,5 ml及び12 ml分取し,順次蒸留装置
に移し入れ,水で50 mlに薄め,塩酸(4.4)2.5 mlを加えて,以下7.4.2及び7.4.3に従って操作を続ける。
ひ素の量とひ素無添加溶液で得られた吸光度を差し引いて補正した吸光度との関係をプロットし,8.1
に定義する検量線のこう配(Z)を算出する。Z値は,10 mmセルで約76となるのが望ましい。
8. 結果の表示
8.1 ひ素含有率の計算 ひ素含有率WAs( 最一柿 は,式(1)によって計算する。
E Z D
WAs (1)
m
ここに, m : はかりとり試料の質量(g)
E : モリブデン酸−ヒドラジニウム混合液(4.9)を対照液として測定し
た空試験溶液又は希釈空試験溶液の吸光度を差し引いて補正した
試料溶液の吸光度
Z : 検量線こう配で,次の式によって表す。
呈色溶液 25ml 中ひ素量μg
吸光度
D : 希釈率[全蒸留液を使用した場合はD=1,
分取した場合はD=100/分取量(ml) ]
8.2 結果の一般的処理
8.2.1 精度及び許容差 この分析方法の精度( 最一最 次の回帰式で求める(1)。
注(1) 追加の情報は,附属書1B及び附属書1Cに示す。
r =0.046 0 X+0.90 (2)
P =0.105 8 X+0.83 (3)
σr =0.016 3 X+0.32 (4)
σL =0.035 6 X+0.21 (5)
ここに, X : 分析試料のひ素( 最一最
― 室内計算式[式(2)及び式(4)] : 2個の分析値の算術
平均
― 室間計算式[式(3)及び式(5)] : 2分析室の最終分析
値(8.2.3)の算術平均
r : 室内許容差
P : 室間許容差
σr : 室内標準偏差
σL : 室間標準偏差
8.2.2 分析値の採択 認証標準物質で求めた結果について,その分析結果と認証標準物質の認証値との間
に統計的に有意差が認められてはならない。10か所以上の分析室で,真度(accuracy)及び精度(precision)
ともにこの方法と同レベルの分析方法により分析した認証標準物質に対しては,有意差の検定に式(6)を
用いる。

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