JIS P 8126:2015 紙及び板紙―圧縮強さ試験方法―リングクラッシュ法 | ページ 2

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6 試料の採取

  ロットを評価するための試験を行う場合は,JIS P 8110に規定する方法によって,試料を採取する。そ
れ以外の場合は,試料を代表するように試験片を採取する。

7 調湿

  試料は,JIS P 8111に規定する方法によって調湿し,試験片の調製及び試験操作を通して,調湿雰囲気
で保持する。

8 試験片の調製

  比ISOリングクラッシュ圧縮強さを計算する場合,試料の坪量は,JIS P 8124に規定する方法によって
測定する。
試験片の厚さは,JIS P 8118に規定する方法によって測定する。
試験片は,試料の調湿と同じ雰囲気中で調製する。手による汚染,特に,水分は,試験結果に影響を与
えるため,試料の調製及び試験操作を通して,手袋を着用することが望ましい。
5.20
試験片の寸法は,幅12.7 mm±0.1 mm,長さ152.4 mm mmとし,測定結果に影響を与える,しわ,
折れ,及びその他明らかな欠点がないものを,試料から一度に切り取る。試験片の切断面は,裂け目,さ
さくれなどがなく,真っすぐできれいであり,平行度は0.015 mm以下とする。
特に指定がない限り,試験片は縦方向及び横方向で,少なくとも,各10枚採取する。長辺が抄紙方向に
対して直角な試験片は,縦方向圧縮強さの測定に,抄紙方向に対し平行な試験片は,横方向圧縮強さの測
定に使用する。
繊維構成が表裏で異なっているすき合せ板紙で,箱の外側に使用される場合は,外側となる面を打抜切
断器の押刃側に向け,少なくとも,10枚切り取る。
表裏が判別できない紙及び板紙の場合又は箱の外側に使用されるかどうかが不明な場合,同じ面を打抜
切断器の押刃側に向け,少なくとも,10枚切り取る。
注記 打抜切断器は,試験片の長辺方向の切口が不ぞろいになりやすく,短辺方向は,カールしやす
い傾向がある。試験片のカールの内側がディスク側に向いた場合は,ディスクを持ち上げてし
まうので,測定誤差の原因になりやすい。

9 操作

  試験片支持具に,試験片の厚さに適合した直径のディスク(5.2)を取り付ける。ディスクは,ディスク
と支持具との間の溝幅が,試験片が抵抗なく挿入できる十分な幅をもち,試験片の平均厚さの175 %を超
えないように選ばなければならない。表1に,試験片の厚さごとの推奨ディスク直径の指針を示す。
試験片を差込み溝に慎重に挿入し,試験片の両端合わせ目が,差込み溝から離れた位置にくるまで支持
具に徐々に挿入する。試験片支持具に,試験片の打抜切断器で押刃側とした面の半数が内側を向き,残り
の半数が外側に向くように試験片を配置する。このとき,ディスクが浮き上がらないように,更に試験片
の下端が内枠の下に挟まれたり,試験片が浮き上がった状態にならないように,注意して挿入する。
支持具を,圧縮試験機(5.3)の下部圧縮板の中央に置く。必要があれば,支持具を常に同じ位置に置く
ための,位置決め用のマーク又はブロックを取り付けておく。測定の際,試験片両端の合わせ目が,常に,
右又は左側の同じ位置にくるよう支持具を置く。試験片が圧潰するまで試験機を運転し,圧潰したときの
最大圧縮力重を,ニュートン単位で記録する。

――――― [JIS P 8126 pdf 6] ―――――

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この操作を,残りの試験片で繰り返す。
注記 紙又は板紙は水分に非常に敏感であるため,この規格の試験において,試験所間の測定結果の
差異は,水分に関する知見で説明できる場合がある。
表1−試験片の厚さ及び推奨ディスクの直径
単位 mm
試験片の厚さa) 推奨ディスクの直径(d±0.05)
0.1000.140 48.90
0.1410.170 48.80
0.1710.200 48.70
0.2010.230 48.60
0.2310.280 48.50
0.2810.320 48.40
0.3210.370 48.20
0.3710.420 48.00
0.4210.500 47.80
0.5010.580 47.60
注a) 上記は,ディスク直径の推奨範囲である。5.2で規定した175 %は,支配
的な要因となる。しかし,より小さい許容差でディスクが製作できる場合
は,175 %は大きすぎる可能性があるため,次に溝幅が狭いディスクを使
用する。

10 計算

10.1   ISOリングクラッシュ圧縮強さ
縦及び横方向のそれぞれについて,式(1)によって,平均ISOリングクラッシュ圧縮強さX(kN/m)を
計算する。
F
X (1)
l
ここに, F : 平均最大圧縮力(N)
l : 試験片の長さ(mm)
ISOリングクラッシュ圧縮強さ(kN/m)を,縦及び横方向それぞれについて,有効数字3桁で報告する。
さらに,標準偏差も計算し,報告する。
10.2 比ISOリングクラッシュ圧縮強さ
必要な場合には,式(2)によって,比ISOリングクラッシュ圧縮強さY(kNm/g)を計算する。
X
Y (2)
g
ここに, X : ISOリングクラッシュ圧縮強さ(kN/m)
g : 試験用紙の坪量(g/m2)
比ISOリングクラッシュ圧縮強さを,有効数字3桁で報告する。

11 報告書

  報告書には,必要に応じて,次の事項を記載する。
a) 規格名称又は規格番号

――――― [JIS P 8126 pdf 7] ―――――

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b) 試験年月日及び試験場所
c) 試験材料の種類及び名称
d) 調湿条件
e) 使用した切断器及び試験機の名称及び形式
f) 試験片の厚さ及び試験片支持具で使用したディスクの直径
g) 試験片の方向(縦又は横)及び試験回数
h) 各方向での平均ISO圧縮強さ(kN/m)
i) 各方向での標準偏差(kN/m)
j) 必要な場合には,各方向での比ISOリングクラッシュ圧縮強さ(kNm/g)
k) この規格で規定した操作から逸脱した事項,又は測定結果に影響すると考えられる事項

――――― [JIS P 8126 pdf 8] ―――――

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附属書A
(参考)
精度
A.1 一般
精度データは,5.3に記載した圧縮試験機を使用して試験を実施した国際的機関から入手できる。
繰返し許容差及び再現性の許容差は,同様の試験条件下で,同様の試料に対して実施した二つの試験結
果を比較した場合,20例のうち,19例で期待される最大偏差の推定値である。これらの推定値は,異なる
試料又は異なる試験条件の場合,有効ではない。これらの計算は,ISO/TR 24498[2]及びTAPPI Test method
T1200 sp-07[3]によって実施した。
表A.1及び表A.3に記載した繰返し精度の標準偏差は,“プールした”繰返し精度の標準偏差,すなわち,
参加した試験所で得た,標準偏差の二乗平均平方根を求めたものである。この算出方法は,従来のJIS Z
8402-1[1]における繰返し精度の定義とは異なるものである。
繰返し許容差及び再現許容差は,繰返し精度及び再現性の標準偏差に2.77を乗じて算出する。
注記 2.77=1.962,試験結果が正規分布に従い,かつ,標準偏差sが多くの試験によって得られた
ものであることを条件とする。
A.2 TAPPI-CTSによる精度データ
表A.1及び表A.2に示す繰返し精度及び再現性の数値は,2006年に実施されたCTS Containerboard
Interlaboratry Programで得られた試験結果に基づくものである。データは,12週にわたり,36 lb(約175 g/m2)
のライナ及び69 lb(約335 g/m2)のライナで試験した結果,並びに24週にわたり,26 lb(約126 g/m2)
の中芯及び42 lb(約205 g/m2)のライナで試験した結果である。
精度の数値は,一つの試験結果当たり10回の測定,及び1試験所当たり一つの試験結果を基に算出する。
各週ごとに,ライナの精度を約60(5768)の試験所の結果によって計算し,及び中芯の精度を約20(20
25)の試験所の結果によって計算する。TAPPI標準調湿条件で,プラテン式機器を使用して測定した試
験所のデータだけを計算に用いた。
表A.1−TAPPI-CTSによる試験方法の繰返し精度の推定値
試料 試験所数 平均値 標準偏差 変動係数 繰返し許容差
sr CV, r r
kN/m kN/m % kN/m
26 lb中芯 約20 1.18 0.06 5.30 0.17
36 lbライナ 約60 2.20 0.10 4.64 0.28
42 lbライナ 約60 3.12 0.10 3.19 0.28
69 lbライナ 約60 4.71 0.14 2.95 0.39

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表A.2−TAPPI-CTSによる試験方法の再現性の推定値
試料 試験所数 平均値 標準偏差 変動係数 再現性許容差
sR CV, R R
kN/m kN/m % kN/m
26 lb中芯 約20 1.18 0.27 22.5 0.74
36 lbライナ 約60 2.20 0.37 16.7 1.02
42 lbライナ 約60 3.12 0.47 15.1 1.31
69 lbライナ 約60 4.71 0.64 13.6 1.77
A.3 CEPI-CTSによる精度データ
CEPI-CTS programによる,繰返し精度及び再現性の推定値(表A.3及び表A.4参照)は,2008年に実施
した,ラウンドロビン試験に基づく。15の試験所が参加し,3種の異なる試料を試験した。各試料につい
て,13又は14試験所の精度計算を含んでいる。TAPPI-CTSデータと同様に,繰返し許容差及び再現性許
容差は,測定値の絶対値に依存しており,強度の高い紙(高測定値)では,僅かに低い変動を示す。
CEPI-CTSによるデータを使用する場合,繰返し許容差及び再現性許容差のデータを再計算する必要が
ある。
繰返し許容差rは,次の式によって計算する。
r .196 2 sW
再現性許容差Rは,次の式によって計算する。
2 2
R .196 2 sW sL
ここに, sW : 試験所内の標準偏差
sL : 試験所間の標準偏差
表A.3−CEPI-CTSによる試験方法の繰返し精度の推定値
試料 試験所数 平均値 標準偏差 変動係数 繰返し許容差
sr CV, r r
kN/m kN/m % kN/m
水準1 14 0.81 0.05 5.61 0.13
水準2 13 2.01 0.09 4.51 0.25
水準3 13 3.34 0.15 4.37 0.41
表A.4−CEPI-CTSによる試験方法の再現性の推定値
試料 試験所数 平均値 標準偏差 変動係数 再現性許容差
sR CV, R R
kN/m kN/m % kN/m
水準1 14 0.81 0.12 14.7 0.33
水準2 13 2.01 0.25 12.7 0.70
水準3 13 3.34 0.41 12.4 1.15

――――― [JIS P 8126 pdf 10] ―――――

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JIS P 8126:2015の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 12192:2011(MOD)

JIS P 8126:2015の国際規格 ICS 分類一覧

JIS P 8126:2015の関連規格と引用規格一覧