この規格ページの目次
3
Q 17065 : 2012 (ISO/IEC 17065 : 2012)
3 用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Q 17000によるほか,次による。
3.1
依頼者(client)
認証機関に対して,製品要求事項(3.8参照)を含む認証要求事項(3.7参照)が満たされていることを
確実にする責任をもつ組織又は個人。
注記 この規格では,特に規定しない限り,“依頼者”という用語は“申請者”及び“依頼者”の両方
に用いられる。
3.2
コンサルティング(consultancy)
次のいずれかに関与すること。
a) 認証された又は申請された製品の,設計,製造,据付け,保守又は流通。
b) 認証された又は申請されたプロセスの,設計,実施,運用又は維持。
c) 認証された又は申請されたサービスの,設計,実施,提供又は維持。
注記 この規格では,“コンサルティング”という用語は,認証機関,認証機関の要員,認証機関に関
連する組織,及び認証機関にリンクされた組織の活動に関連して用いられる。
3.3
評価(evaluation)
適合性評価活動の選択機能と確定機能との組合せ。
注記 選択機能及び確定機能は,JIS Q 17000:2005のA.2及びA.3に規定されている。
3.4
製品(product)
プロセスの結果。
注記1 四つの一般的な製品分類がJIS Q 9000:2006に示されている。
− サービス(例 輸送)(3.6参照)
− ソフトウェア(例 コンピュータプログラム,辞書)
− ハードウェア(例 エンジン,機械部品)
− 素材製品(例 潤滑剤)
多くの製品は,異なる一般的な製品分類に属する要素からなる。製品をサービス,ソフト
ウェア,ハードウェア又は素材製品のいずれで呼ぶかは,その製品の支配的な要素で決まる。
注記2 製品には,植物の生育,その他の天然資源の形成のような,自然のプロセスの結果を含む。
注記3 JIS Q 17000:2005の3.3参照。
3.5
プロセス(process)
インプットをアウトプットに変換する,相互に関連する又は相互に作用する一連の活動。
例 溶接工学プロセス,熱処理プロセス,プロセス能力の確認を要する製造プロセス(例 規定され
た許容範囲内での製品の操作又は生産),食品生産プロセス,植物生育プロセス
注記 JIS Q 9000:2006の3.4.1参照。
3.6
サービス(service)
――――― [JIS Q 17065 pdf 6] ―――――
4
Q 17065 : 2012 (ISO/IEC 17065 : 2012)
供給者及び顧客との間のインタフェースで実行される,少なくとも一つの活動の結果であり,一般に無
形のもの。
注記1 サービスの提供には,例えば,次を含むことができる。
− 顧客支給の有形の製品(例 修理されるべき自動車)に対して行う活動
− 顧客支給の無形の製品(例 納税申告に必要な収支情報)に対して行う活動
− 無形の製品の提供(例 知識伝達という意味での情報提供)
− 顧客のための雰囲気造り(例 ホテル及びレストラン内)
注記2 JIS Q 9000:2006の3.4.2参照。
3.7
認証要求事項(certification requirement)
認証を確立又は維持する条件として依頼者(3.1参照)が満たす規定要求事項で,製品要求事項(3.8参
照)を含む。
注記 認証要求事項には,この規格を満たすために,認証機関が[通常は,認証の合意(4.1.2参照)
を通じて]依頼者に課す要求事項を含み,また,認証スキームが依頼者に課す要求事項も含め
ることができる。この規格の“認証要求事項”には,認証スキームが認証機関に課す要求事項
を含まない。
例 認証要求事項であるが,製品要求事項でないものには,次の例がある。
− 認証の合意
− 料金の支払い
− 認証された製品の変更に関する情報の提供
− サーベイランス活動のための,認証された製品へのアクセスの提供
3.8
製品要求事項(product requirement)
認証スキームが特定した規格又はその他の規準文書で規定される,製品に直接的に関連する要求事項。
注記 製品要求事項は,規制,規格及び技術仕様書のような規準文書に規定されることがある。
3.9
認証スキーム(certification scheme)
規定された製品に関して,同一の規定要求事項,特定の規則及び手順が適用される認証システム。
注記1 JIS Q 17000:2005の2.8参照。
注記2 “認証システム”は,JIS Q 17000:2005の2.7に定義される“適合性評価システム”である。
注記3 製品,プロセス及びサービスの認証を実施するための規則,手順及びマネジメントは,認証
スキームによって規定される。
注記4 認証スキームの開発に関する一般的な手引は,ISO/IEC 17067に,ISO/IEC Guide 28及び
ISO/IEC Guide 53と組み合わせて示されている。
3.10
認証範囲(scope of certification)
次の事項の特定。
− 認証が授与される製品,プロセス又はサービス
− 適用する認証スキーム
− 製品,プロセス又はサービスの適合判定の基準となった規格及びその他の規準文書(発行日を含む。)
――――― [JIS Q 17065 pdf 7] ―――――
5
Q 17065 : 2012 (ISO/IEC 17065 : 2012)
3.11
スキームオーナ(scheme owner)
特定の認証スキーム(3.9参照)の開発及び維持に責任をもつ個人又は組織。
注記 スキームオーナは,認証機関自身,政府関係当局,業界団体,認証機関のグループ,その他の
ことがある。
3.12
認証機関(certification body)
認証スキームを運用する第三者適合性評価機関。
注記 認証機関は,非政府機関又は政府機関(規制権限を伴うか否かに関わらない。)のいずれでもあ
り得る。
3.13
公平性(impartiality)
客観性の実在。
注記1 客観性とは,利害抵触がないか,又は機関の活動に悪影響を及ぼすことがないよう,利害抵
触が解決されていることを意味すると理解されている。
注記2 公平性の要素を伝えるのに有用なその他の用語には,独立性,利害抵触がないこと,偏見が
ないこと,先入観がないこと,中立,公正,心が広いこと,公明正大,利害との分離,及び
均衡がある。
4 一般要求事項
4.1 法的及び契約上の事項
4.1.1 法的責任
認証機関は,その全ての認証活動に法的責任を負うことができる法人又は法人の一部として明確に位置
付けられていなければならない。
注記 政府の認証機関は,その政府としての地位によって,法人であるとみなされる。
4.1.2 認証の合意
4.1.2.1 認証機関は,依頼者への認証活動の提供に関し,法的に拘束力のある合意を結ばなければならな
い。認証の合意は,認証機関及び依頼者が負うべき責任を考慮に入れなければならない。
4.1.2.2 認証機関は,その認証の合意によって,少なくとも次の事項に適合するよう依頼者に要求するこ
とを確実にしなければならない。
a) 認証機関から連絡を受けたときの適切な変更の実施(7.10参照)を含めて,依頼者は常に認証要求事
項(3.7参照)を満たす。
b) 認証が継続的な生産に適用される場合,認証された製品は,製品要求事項(3.8参照)を継続的に満た
す。
c) 依頼者が次の事項に必要な全ての手配を行う。
1) 評価(3.3参照)及びサーベイランス(必要な場合。)の実施。これには,文書及び記録の調査,並
びに関連する機器・設備,場所,区域,要員及び依頼者の下請負業者へのアクセスを含む。
2) 苦情の調査
3) 該当する場合,オブザーバの参加
d) 依頼者は,認証範囲(3.10参照)と整合した,認証に関する表明を行う。
――――― [JIS Q 17065 pdf 8] ―――――
6
Q 17065 : 2012 (ISO/IEC 17065 : 2012)
e) 依頼者は,認証機関の評価を損なうような製品認証の使い方をせず,また,誤解を招く又は認証範囲
を逸脱すると認証機関が考えるような製品認証に関する表明を行わない。
f) 認証の一時停止,取消し又は終了の場合,依頼者が,製品認証に言及している全ての宣伝・広告物の
使用を中止し,認証スキームの要求に従って処置をとり(例えば,認証文書の返却),その他の要求さ
れた処置をとる。
g) 認証文書の写しを依頼者が他者に提供する場合,認証文書の全部又は認証スキームに規定されたとお
りに複製する。
h) 依頼者が,文書,パンフレット,宣伝・広告物などの媒体で製品認証について言及する場合,認証機
関の要求事項又は認証スキームの規定に従う。
i) 認証スキームで規定された場合,依頼者が,適合マークの使用及び製品に関する情報についての全て
の要求事項に従う。
注記 JIS Q 17030,ISO/IEC Guide 23及びISO Guide 27も参照。
j) 依頼者が知り得た認証要求事項への適合性に関する全ての苦情の記録を残し,要請に応じて,これら
の記録を認証機関が利用できるようにする。また,次の事項を行う。
1) 上記の苦情,及び認証要求事項への適合性に影響を与えると判明した製品の不備に関して,適切な
処置をとる。
2) とった処置を文書化する。
注記 認証機関によるj)の検証について,認証スキームで規定することができる。
k) 依頼者は,認証要求事項に適合する能力に影響を与える可能性のある変更について,遅滞なく認証機
関に通知する。
注記 変更の例には,次の事項がある。
− 法律上,商業上,組織上の地位又は所有権の変更
− 組織及び経営層(例えば,主要な管理層,意思決定又は専門業務に携わる要員)の変更
− 製品又は生産方法に対する変更
− 連絡先及び生産する事業所の変更
− 品質マネジメントシステムの重大な変更
4.1.3 ライセンス,認証書及び適合マークの使用
4.1.3.1 認証機関は,ライセンス,認証書,適合マーク及び製品が認証されていることを示す他のメカニ
ズムの,所有権,使用及び表示を,認証スキームの規定に従って管理しなければならない。
注記1 認証機関から認められた認証書及びマークの使用に関する指針は,ISO/IEC Guide 23に記載
されている。
注記2 JIS Q 17030は,第三者マークの使用に関する要求事項について規定している。
4.1.3.2 認証スキームについての不適切な言及,又はライセンス,認証書,マーク若しくは製品が認証さ
れていることを示すその他のメカニズムの誤解を招く使用が,文書その他の広報資料で見つかった場合,
認証機関は,適切な処置をとらなければならない。
注記 このような処置は,ISO Guide 27に記載されており,是正処置,認証の取消し,違反の公表,
及び必要な場合は,法的手段をとることが含まれる。
4.2 公平性のマネジメント
4.2.1 認証活動は,公平に行われなければならない。
4.2.2 認証機関は,その認証活動の公平性に責任を負い,公平性を損なう商業的,財務的又はその他の圧
――――― [JIS Q 17065 pdf 9] ―――――
7
Q 17065 : 2012 (ISO/IEC 17065 : 2012)
力を容認してはならない。
4.2.3 認証機関は,その公平性に対するリスクを継続的に特定しなければならない。これには,認証機関
の活動,認証機関が他との関係をもつこと,又は要員が他との関係をもつこと(4.2.12参照)から生じる
リスクを含む。ただし,このような関係をもつことは,認証機関にとって必ずしも公平性に対するリスク
となるとは限らない。
注記1 認証機関の公平性に対するリスクとなる関係としては,所有,統治,マネジメント,要員,
共有資源,財務,契約,マーケティング(ブランド設定を含む。),及び売上手数料の支払い
又は新規依頼者の紹介に関わるその他の誘引条件に基づく関係が挙げられる。
注記2 リスクの特定とは,JIS Q 31000に示されるリスクアセスメントを意味するものではない。
4.2.4 公平性に対するリスクが特定された場合,認証機関は,どのようにそのリスクを排除又は最小化す
るかを実証できなければならない。5.2に規定するメカニズムが,これらに関する情報を利用できるように
しなければならない。
4.2.5 認証機関には,公平性に対するトップマネジメントのコミットメントがなければならない。
4.2.6 認証機関,並びに認証機関が属する同じ法人及び認証機関の組織統制(organizational control)(7.6.4
参照)の下にある法人のいかなる部門も,次の事項を行ってはならない。
a) 認証された製品の設計,製造,据付け,流通又は保守
b) 認証されたプロセスの設計,実施,運用又は維持
c) 認証されたサービスの設計,実施,提供又は維持
d) 依頼者へのコンサルティング(3.2参照)の申出又は提供
e) 認証スキームが依頼者のマネジメントシステムの評価を要求している場合,その依頼者への,マネジ
メントシステムのコンサルティング又は内部監査の申出又は提供
注記1 これは,次を妨げるものではない。
− 認証機関と依頼者との情報交換(例えば,所見の説明又は要求事項の明確化)
− 認証機関の運営に必要な,認証した製品の使用,据付け及び保守
注記2 “マネジメントシステムのコンサルティング”は,JIS Q 17021:2011の3.3に定義されている。
4.2.7 認証機関は,認証機関と関係のある別法人の活動,又は認証機関がその一部を構成する法人と関係
のある別法人の活動が,認証活動の公平性を損なわないことを確実にしなければならない。
注記 4.2.3の注記1参照。
4.2.8 4.2.7に示す別法人が,認証された製品(申請された製品を含む。)を販売するか若しくは生産する,
又はコンサルティング(3.2参照)を申し出るか若しくは提供する場合,認証機関の管理層の要員並びにレ
ビュー及び認証の決定のプロセスに関わる要員は,その別法人の活動に従事してはならない。また,その
別法人の要員を,認証機関のマネジメント,レビュー,及び認証の決定に関与させてはならない。
注記 評価を行う要員については,公平性に関する要求事項を箇条6に規定しており,また,追加の
要求事項が6.2.1及び6.2.2.1に示したその他の関連する規格に規定されている。
4.2.9 認証機関の活動は,コンサルティング(3.2参照)を提供する組織の活動と結び付けてマーケティ
ング又は営業してはならない。認証機関は,特定のコンサルティング組織を用いれば,認証が簡単,容易,
迅速又は廉価になると,明示又は暗示してはならない。
4.2.10 認証機関は,要員がコンサルティング(3.2参照)を提供した製品のレビュー又は認証の決定に,
認証機関が規定する期間,その要員を従事させてはならない。
注記1 この期間は,認証スキームで規定することができ,認証機関が規定する場合は,レビュー又
――――― [JIS Q 17065 pdf 10] ―――――
次のページ PDF 11
JIS Q 17065:2012の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO/IEC 17065:2012(IDT)
JIS Q 17065:2012の国際規格 ICS 分類一覧
- 03 : サービス.経営組織,管理及び品質.行政.運輸.社会学. > 03.120 : 品質 > 03.120.20 : 生産品及び生産者証明.適合性評価
JIS Q 17065:2012の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISQ17000:2005
- 適合性評価―用語及び一般原則
- JISQ17020:2012
- 適合性評価―検査を実施する各種機関の運営に関する要求事項
- JISQ17021:2011
- 適合性評価―マネジメントシステムの審査及び認証を行う機関に対する要求事項
- JISQ17025:2018
- 試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項