JIS Q 20000-1:2020 情報技術―サービスマネジメント―第1部:サービスマネジメントシステム要求事項 | ページ 2

                                                                                              3
Q 20000-1 : 2020 (ISO/IEC 20000-1 : 2018)
b) サプライチェーンに属するものを含め,全てのサービス提供者によるサービスのライフサイクルに対
する一貫した取組みを求める顧客
c) サービスの計画立案,設計,移行,提供及び改善に関する能力を実証する組織
d) 自らのSMS及びサービスを,監視,測定及びレビューする組織
e) サービスの計画立案,設計,移行,提供及び改善を,SMSの効果的な実施及び運用を通じて改善する
組織
f) この規格に規定する要求事項に対する適合性評価を実施する組織又は他の関係者
g) サービスマネジメントの教育・訓練又は助言の提供者
この規格で使用する用語“サービス”は,SMSの適用範囲のサービスを意味する。この規格で使用する
用語“組織”は,顧客に対するサービスを管理及び提供する,SMSの適用範囲の組織を意味する。SMS
の適用範囲の組織は,より大きな組織の一部,例えば,大企業の一部門である場合がある。内部又は外部
の顧客に対するサービスを管理及び提供する組織又は組織の一部は,サービス提供者としても知られる。
用語“サービス”又は“組織”を異なる意図で使用するときは,この規格では明確に区別している。

1.2 適用

  この規格が規定する全ての要求事項は,汎用的であり,組織の形態若しくは規模,又は提供するサービ
スの性質を問わず,あらゆる組織に適用できることを意図している。組織がこの規格への適合を宣言する
場合には,組織の性質を問わず,箇条4箇条10までのいかなる要求事項の除外も認められない。
この規格に規定する要求事項への適合は,組織自身が,それらの要求事項を満たす証拠を示すことで実
証することができる。
箇条4及び箇条5への適合は,組織自身が実証する。ただし,組織は他の関係者の支援を受けることが
できる。例えば,別の関係者が組織に代わって内部監査を実施,又はSMSの準備を支援することができる。
もう一つの方法として,他の関係者が箇条6箇条10(8.2.3参照)の要求事項を満たすことに関与して
いる場合,組織はこの規格に規定する要求事項に対する説明責任を保持し,管理している証拠を示すこと
ができる。例えば,組織は,インフラストラクチャのサービスコンポーネントを提供する,又はインシデ
ント管理プロセスを含むサービスデスクを運営する,他の関係者を管理している証拠を実証できる。
SMSの適用範囲内の全てのサービス,サービスコンポーネント又はプロセスの提供若しくは運用に他の
関係者を利用する場合,組織は,この規格に規定する要求事項への適合を実証することができない。
この規格の適用範囲には,製品又はツールについての仕様を含んでいない。しかし,組織はこの規格を
SMSの運用を支援する製品又はツールの,開発又は入手に役立てるために利用できる。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO/IEC 20000-1:2018,Information technology−Service management−Part 1: Service management
system requirements(IDT)
なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ
とを示す。

2 引用規格

  この規格に引用規格はない。

3 用語及び定義

  この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。

――――― [JIS Q 20000-1 pdf 6] ―――――

4
Q 20000-1 : 2020 (ISO/IEC 20000-1 : 2018)

3.1 マネジメントシステム規格に固有の用語

3.1.1
監査(audit)
監査基準が満たされている程度を判定するために,監査証拠を収集し,それを客観的に評価するための,
体系的で,独立し,文書化したプロセス(3.1.18)。
注記1 監査は,内部監査(第一者)又は外部監査(第二者・第三者)のいずれでも,又は複合監査
(複数の分野の組合せ)でもあり得る。
注記2 内部監査は,その組織(3.1.14)自体が行うか,又は組織の代理で外部関係者が行う。
注記3 “監査証拠”及び“監査基準”は,JIS Q 19011に定義されている。
3.1.2
力量(competence)
意図した結果を達成するために,知識及び技能を適用する能力。
3.1.3
適合(conformity)
要求事項(3.1.19)を満たしていること。
注記1 適合は,この規格の要求事項及び組織のSMSの要求事項に関係する。
注記2 附属書SLの元の定義を,注記1を追加することによって修正している。
3.1.4
継続的改善(continual improvement)
パフォーマンス(3.1.16)を向上するために繰り返し行われる活動。
3.1.5
是正処置(corrective action)
検出された不適合(3.1.12)又は他の望ましくない状況の原因を除去する,又は再発の起こりやすさを低
減するための処置。
注記 附属書SLの元の定義の,“不適合の原因を除去し,再発を防止するための処置”に文言を追加
することによって,変更している。
3.1.6
文書化した情報(documented information)
組織(3.1.14)が管理し,維持するよう要求されている情報,及びそれが含まれている媒体。
例 方針(3.1.17),計画,プロセス記述,手順(3.2.11),サービスレベル合意書(3.2.20)又は契約書。
注記1 文書化した情報は,あらゆる形式及び媒体の形をとることができ,あらゆる情報源から得る
ことができる。
注記2 文書化した情報には,次に示すものがあり得る。
− 関連するプロセス(3.1.18)を含むマネジメントシステム(3.1.9)
− 組織の運用のために作成された情報(文書類)
− 達成された結果の証拠[記録(3.2.12)]
注記3 附属書SLの元の定義に,例を追加することによって修正している。
3.1.7
有効性(effectiveness)
計画した活動を実行し,計画した結果を達成した程度。

――――― [JIS Q 20000-1 pdf 7] ―――――

                                                                                              5
Q 20000-1 : 2020 (ISO/IEC 20000-1 : 2018)
3.1.8
利害関係者(interested party)
SMS(3.2.23)又はサービス(3.2.15)に関係したある決定事項若しくは活動に影響を与え得るか,その
影響を受け得るか,又はその影響を受けると認識している,個人又は組織(3.1.14)。
注記1 利害関係者は,組織の内部又は外部の者であり得る。
注記2 利害関係者は,SMSの適用範囲外の組織の一部,顧客(3.2.3),利用者(3.2.28),コミュニ
ティ,外部供給者(3.2.4),規制当局,公共団体,非政府組織,投資家又は被雇用者を含み得
る。
注記3 利害関係者がこの規格の要求事項(3.1.19)で規定されている場合,利害関係者は,要求事項
の状況によって異なり得る。
注記4 附属書SLの元の定義の,用語“ステークホルダー”を削除し,定義に“SMS又はサービス
に関係した”を追加し,注記1注記3を追加することによって修正している。
3.1.9
マネジメントシステム(management system)
方針(3.1.17),目的(3.1.13)及びその目的を達成するためのプロセス(3.1.18)を確立するための,相
互に関連する又は相互に作用する,組織(3.1.14)の一連の要素。
注記1 一つのマネジメントシステムは,単一又は複数の分野を取り扱うことができる。
注記2 システムの要素には,組織の構造,役割及び責任,計画の策定,運用,方針,目的,計画,
プロセス及び手順(3.2.11)が含まれる。
注記3 マネジメントシステムの適用範囲としては,組織全体,組織内の固有で特定された機能,組
織内の固有で特定された部門,複数の組織の集まりを横断する一つ又は複数の機能,などが
あり得る。
注記4 附属書SLの元の定義を,システムがマネジメントシステムであることを明確化し,注記2
に要素を追加することによって修正している。
3.1.10
測定(measurement)
値を決定するプロセス(3.1.18)。
3.1.11
監視(monitoring)
システム,プロセス(3.1.18)又は活動の状況を明確にすること。
注記 状況を明確にするために,点検,監督又は注意深い観察が必要な場合もある。
3.1.12
不適合(nonconformity)
要求事項(3.1.19)を満たしていないこと。
注記 不適合は,組織のSMSの要求事項と同様に,この規格の要求事項に関係する。
3.1.13
目的(objective)
達成する結果。
注記1 目的は,戦略的,戦術的又は運用的であり得る。
注記2 目的は,様々な領域[例えば,財務,安全衛生,サービスマネジメント(3.2.22),環境の到

――――― [JIS Q 20000-1 pdf 8] ―――――

6
Q 20000-1 : 2020 (ISO/IEC 20000-1 : 2018)
達点(goal)]に関連し得るものであり,様々な階層[例えば,戦略的レベル,組織全体,サ
ービス(3.2.15)単位,プロジェクト単位,製品ごと,プロセス(3.1.18)ごと]で適用でき
る。
注記3 目的は,例えば,意図する成果,目的(purpose),運用基準など,別の形で表現することも
できる。また,サービスマネジメントの目的という表現の仕方もある。又は,同じような意
味をもつ別の言葉[例 狙い(aim),到達点(goal),目標(target)]で表すこともできる。
注記4 SMS(3.2.23)の場合,組織は,特定の結果を達成するため,サービスマネジメントの方針
(3.1.17)と整合のとれたサービスマネジメントの目的を設定する。
注記5 附属書SLの元の定義を,注記2に“サービスマネジメント”及び“サービス”を追加する
ことによって修正している。
3.1.14
組織(organization)
自らの目的(3.1.13)を達成するため,責任,権限及び相互関係を伴う独自の機能をもつ,個人又は人々
の集まり。
注記1 組織という概念には,法人か否か,公的か私的かを問わず,自営業者,会社,法人,事務所,
企業,当局,共同経営会社,非営利団体若しくは協会,又はこれらの一部若しくは組合せが
含まれる。ただし,これらに限定されるものではない。
注記2 内部又は外部の顧客(3.2.3)へのサービス(3.2.15)を管理及び提供する組織又は組織の一部
は,サービス提供者(3.2.24)として知られる。
注記3 SMS(3.2.23)の適用範囲が組織の一部だけを対象とする場合,組織とは,この規格でこの
用語を使用するとき,SMSの適用範囲内である組織の部分を意味する。組織という用語を異
なる意図で使用するときは,明確に区別している。
注記4 附属書SLの元の定義を,注記2及び注記3を追加することによって修正している。
3.1.15
外部委託する(動詞)(outsource, verb)
ある組織の機能又はプロセス(3.1.18)の一部を外部の組織(3.1.14)が実施するという取決めを行う。
注記 外部委託した機能又はプロセスはSMS(3.2.23)の適用範囲内にあるが,外部の組織は適用範
囲の外にある。
3.1.16
パフォーマンス(performance)
測定可能な結果。
注記1 パフォーマンスは,定量的又は定性的な所見のいずれにも関連し得る。
注記2 パフォーマンスは,活動,プロセス(3.1.18),製品,サービス(3.2.15),システム又は組織
(3.1.14)の運営管理に関連し得る。
注記3 附属書SLの元の定義を,注記2に“サービス”を追加することによって修正している。
3.1.17
方針(policy)
トップマネジメント(3.1.21)によって正式に表明された組織(3.1.14)の意図及び方向付け。

――――― [JIS Q 20000-1 pdf 9] ―――――

                                                                                              7
Q 20000-1 : 2020 (ISO/IEC 20000-1 : 2018)
3.1.18
プロセス(process)
意図した結果を得るためにインプットを使用する,相互に関連する又は相互に作用する一連の活動。
注記1 プロセスの“意図した結果”を,アウトプット,製品又はサービス(3.2.15)のいずれと呼ぶ
かは,それが用いられている文脈による。
注記2 プロセスへのインプットは,通常,他のプロセスのアウトプットであり,また,プロセスか
らのアウトプットは,通常,他のプロセスのインプットである。
注記3 連続した二つ以上の相互に関連する及び相互に作用するプロセスを,一つ以上のプロセスと
呼ぶこともあり得る。
注記4 組織(3.1.14)内のプロセスは,価値を付加するために,通常,管理された条件下で計画され,
実行される。
注記5 附属書SLの元の定義を,“インプットをアウトプットに変換する,相互に関連する又は相互
に作用する一連の活動”から変更している。附属書SLの元の定義を,注記1注記4を追加
することによって修正している。変更した定義及び注記1注記4の出典は,JIS Q 9000:2015
である。
3.1.19
要求事項(requirement)
明示されている,通常,暗黙のうちに了解されている又は義務として要求されている,ニーズ又は期待。
注記1 “通常,暗黙のうちに了解されている”とは,対象となるニーズ又は期待が暗黙のうちに了
解されていることが,組織(3.1.14)及び利害関係者(3.1.8)にとって,慣習又は慣行である
ことを意味する。
注記2 規定要求事項とは,例えば,文書化した情報(3.1.6)の中で明示されている要求事項をいう。
注記3 SMS(3.2.23)の場合,サービスの要求事項(3.2.26)は,通常,暗黙のうちに了解されてい
るよりは,むしろ文書化及び合意される。法令・規制要求事項のような他の要求事項も存在
し得る。
注記4 附属書SLの元の定義を,注記3を追加することによって修正している。
3.1.20
リスク(risk)
不確かさの影響。
注記1 影響とは,期待されていることから,好ましい方向又は好ましくない方向にかい(乖)離す
ることをいう。
注記2 不確かさとは,事象,その結果又はその起こりやすさに関する,情報,理解又は知識に,た
とえ部分的にでも不備がある状態をいう。
注記3 リスクは,起こり得る事象(JIS Q 0073:2010の3.5.1.3の定義を参照)及び結果(JIS Q
0073:2010の3.6.1.3の定義を参照),又はこれらの組合せについて述べることによって,その
特徴を示すことが多い。
注記4 リスクは,ある事象(その周辺状況の変化を含む)の結果とその発生の起こりやすさ(JIS Q
0073:2010の3.6.1.1の定義を参照)との組合せとして表現されることが多い。

――――― [JIS Q 20000-1 pdf 10] ―――――

次のページ PDF 11

JIS Q 20000-1:2020の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO/IEC 20000-1:2018(IDT)

JIS Q 20000-1:2020の国際規格 ICS 分類一覧