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Q 9001 : 2015 (ISO 9001 : 2015)
図1は,プロセスを図示し,その要素の相互作用を示したものである。管理のために必要な,監視及び
測定のチェックポイントは,各プロセスに固有なものであり,関係するリスクによって異なる。
図1−単一プロセスの要素の図示
0.3.2 PDCAサイクル
PDCAサイクルは,あらゆるプロセス及び品質マネジメントシステム全体に適用できる。図2は,箇条
4箇条10をPDCAサイクルとの関係でどのようにまとめることができるかを示したものである。
注記 ( )内の数字はこの規格の箇条番号を示す。
図2−PDCAサイクルを使った,この規格の構造の説明
PDCAサイクルは,次のように簡潔に説明できる。
――――― [JIS Q 9001 pdf 6] ―――――
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Q 9001 : 2015 (ISO 9001 : 2015)
− Plan : システム及びそのプロセスの目標を設定し,顧客要求事項及び組織の方針に沿った結果を出す
ために必要な資源を用意し,リスク及び機会を特定し,かつ,それらに取り組む。
− Do : 計画されたことを実行する。
− Check : 方針,目標,要求事項及び計画した活動に照らして,プロセス並びにその結果としての製品
及びサービスを監視し,(該当する場合には,必ず)測定し,その結果を報告する。
− Act : 必要に応じて,パフォーマンスを改善するための処置をとる。
0.3.3 リスクに基づく考え方
リスクに基づく考え方(A.4参照)は,有効な品質マネジメントシステムを達成するために必須である。
リスクに基づく考え方の概念は,例えば,起こり得る不適合を除去するための予防処置を実施する,発生
したあらゆる不適合を分析する,及び不適合の影響に対して適切な,再発防止のための取組みを行うとい
うことを含めて,この規格の旧版に含まれていた。
組織は,この規格の要求事項に適合するために,リスク及び機会への取組みを計画し,実施する必要が
ある。リスク及び機会の双方への取組みによって,品質マネジメントシステムの有効性の向上,改善され
た結果の達成,及び好ましくない影響の防止のための基礎が確立する。
機会は,意図した結果を達成するための好ましい状況,例えば,組織が顧客を引き付け,新たな製品及
びサービスを開発し,無駄を削減し,又は生産性を向上させることを可能にするような状況の集まりの結
果として生じることがある。機会への取組みには,関連するリスクを考慮することも含まれ得る。リスク
とは,不確かさの影響であり,そうした不確かさは,好ましい影響又は好ましくない影響をもち得る。リ
スクから生じる,好ましい方向へのかい(乖)離は,機会を提供し得るが,リスクの好ましい影響の全て
が機会をもたらすとは限らない。
0.4 他のマネジメントシステム規格との関係
この規格は,マネジメントシステムに関する規格間の一致性を向上させるために国際標準化機構(ISO)
が作成した枠組みを適用する(A.1参照)。
この規格は,組織が,品質マネジメントシステムを他のマネジメントシステム規格の要求事項に合わせ
たり,又は統合したりするために,PDCAサイクル及びリスクに基づく考え方と併せてプロセスアプロー
チを用いることができるようにしている。
この規格は,次に示すJIS Q 9000及びJIS Q 9004に関係している。
− JIS Q 9000(品質マネジメントシステム−基本及び用語)は,この規格を適切に理解し,実施するた
めに不可欠な予備知識を与えている。
− JIS Q 9004(組織の持続的成功のための運営管理−品質マネジメントアプローチ)は,この規格の要
求事項を超えて進んでいくことを選択する組織のための手引を提供している。
附属書Bは,ISO/TC 176が作成した他の品質マネジメント及び品質マネジメントシステム規格類につ
いて詳述している。
この規格には,環境マネジメント,労働安全衛生マネジメント又は財務マネジメントのような他のマネ
ジメントシステムに固有な要求事項は含んでいない。
幾つかの分野において,この規格の要求事項に基づく,分野固有の品質マネジメントシステム規格が作
成されている。これらの規格の中には,品質マネジメントシステムの追加的な要求事項を規定しているも
のもあれば,特定の分野内でのこの規格の適用に関する手引の提供に限定しているものもある。
この規格が基礎としたISO 9001:2015と旧版(ISO 9001:2008)との間の箇条の相関に関するマトリクス
は,ISO/TC 176/SC 2のウェブサイト(www.iso.org/tc176/sc02/public)で公表されている。
――――― [JIS Q 9001 pdf 7] ―――――
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Q 9001 : 2015 (ISO 9001 : 2015)
1 適用範囲
この規格は,次の場合の品質マネジメントシステムに関する要求事項について規定する。
a) 組織が,顧客要求事項及び適用される法令・規制要求事項を満たした製品及びサービスを一貫して提
供する能力をもつことを実証する必要がある場合。
b) 組織が,品質マネジメントシステムの改善のプロセスを含むシステムの効果的な適用,並びに顧客要
求事項及び適用される法令・規制要求事項への適合の保証を通して,顧客満足の向上を目指す場合。
この規格の要求事項は,汎用性があり,業種・形態,規模,又は提供する製品及びサービスを問わず,
あらゆる組織に適用できることを意図している。
注記1 この規格の“製品”又は“サービス”という用語は,顧客向けに意図した製品及びサービス,
又は顧客に要求された製品及びサービスに限定して用いる。
注記2 法令・規制要求事項は,法的要求事項と表現することもある。
注記3 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 9001:2015,Quality management systems−Requirements(IDT)
なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”
ことを示す。
2 引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用
規格は,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)は適用しない。
JIS Q 9000:2015 品質マネジメントシステム−基本及び用語
注記 対応国際規格 : ISO 9000:2015,Quality management systems−Fundamentals and vocabulary(IDT)
3 用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Q 9000:2015による。
4 組織の状況
4.1 組織及びその状況の理解
組織は,組織の目的及び戦略的な方向性に関連し,かつ,その品質マネジメントシステムの意図した結
果を達成する組織の能力に影響を与える,外部及び内部の課題を明確にしなければならない。
組織は,これらの外部及び内部の課題に関する情報を監視し,レビューしなければならない。
注記1 課題には,検討の対象となる,好ましい要因又は状態,及び好ましくない要因又は状態が含
まれ得る。
注記2 外部の状況の理解は,国際,国内,地方又は地域を問わず,法令,技術,競争,市場,文化,
社会及び経済の環境から生じる課題を検討することによって容易になり得る。
注記3 内部の状況の理解は,組織の価値観,文化,知識及びパフォーマンスに関する課題を検討す
ることによって容易になり得る。
4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解
次の事項は,顧客要求事項及び適用される法令・規制要求事項を満たした製品及びサービスを一貫して
提供する組織の能力に影響又は潜在的影響を与えるため,組織は,これらを明確にしなければならない。
a) 品質マネジメントシステムに密接に関連する利害関係者
――――― [JIS Q 9001 pdf 8] ―――――
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Q 9001 : 2015 (ISO 9001 : 2015)
b) 品質マネジメントシステムに密接に関連するそれらの利害関係者の要求事項
組織は,これらの利害関係者及びその関連する要求事項に関する情報を監視し,レビューしなければな
らない。
4.3 品質マネジメントシステムの適用範囲の決定
組織は,品質マネジメントシステムの適用範囲を定めるために,その境界及び適用可能性を決定しなけ
ればならない。
この適用範囲を決定するとき,組織は,次の事項を考慮しなければならない。
a) 4.1に規定する外部及び内部の課題
b) 4.2に規定する,密接に関連する利害関係者の要求事項
c) 組織の製品及びサービス
決定した品質マネジメントシステムの適用範囲内でこの規格の要求事項が適用可能ならば,組織は,こ
れらを全て適用しなければならない。
組織の品質マネジメントシステムの適用範囲は,文書化した情報として利用可能な状態にし,維持しな
ければならない。適用範囲では,対象となる製品及びサービスの種類を明確に記載し,組織が自らの品質
マネジメントシステムの適用範囲への適用が不可能であることを決定したこの規格の要求事項全てについ
て,その正当性を示さなければならない。
適用不可能なことを決定した要求事項が,組織の製品及びサービスの適合並びに顧客満足の向上を確実
にする組織の能力又は責任に影響を及ぼさない場合に限り,この規格への適合を表明してよい。
4.4 品質マネジメントシステム及びそのプロセス
4.4.1 組織は,この規格の要求事項に従って,必要なプロセス及びそれらの相互作用を含む,品質マネジ
メントシステムを確立し,実施し,維持し,かつ,継続的に改善しなければならない。
組織は,品質マネジメントシステムに必要なプロセス及びそれらの組織全体にわたる適用を決定しなけ
ればならない。また,次の事項を実施しなければならない。
a) これらのプロセスに必要なインプット,及びこれらのプロセスから期待されるアウトプットを明確に
する。
b) これらのプロセスの順序及び相互作用を明確にする。
c) これらのプロセスの効果的な運用及び管理を確実にするために必要な判断基準及び方法(監視,測定
及び関連するパフォーマンス指標を含む。)を決定し,適用する。
d) これらのプロセスに必要な資源を明確にし,及びそれが利用できることを確実にする。
e) これらのプロセスに関する責任及び権限を割り当てる。
f) 6.1の要求事項に従って決定したとおりにリスク及び機会に取り組む。
g) これらのプロセスを評価し,これらのプロセスの意図した結果の達成を確実にするために必要な変更
を実施する。
h) これらのプロセス及び品質マネジメントシステムを改善する。
4.4.2 組織は,必要な程度まで,次の事項を行わなければならない。
a) プロセスの運用を支援するための文書化した情報を維持する。
b) プロセスが計画どおりに実施されたと確信するための文書化した情報を保持する。
――――― [JIS Q 9001 pdf 9] ―――――
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Q 9001 : 2015 (ISO 9001 : 2015)
5 リーダーシップ
5.1 リーダーシップ及びコミットメント
5.1.1 一般
トップマネジメントは,次に示す事項によって,品質マネジメントシステムに関するリーダーシップ及
びコミットメントを実証しなければならない。
a) 品質マネジメントシステムの有効性に説明責任(accountability)を負う。
b) 品質マネジメントシステムに関する品質方針及び品質目標を確立し,それらが組織の状況及び戦略的
な方向性と両立することを確実にする。
c) 組織の事業プロセスへの品質マネジメントシステム要求事項の統合を確実にする。
d) プロセスアプローチ及びリスクに基づく考え方の利用を促進する。
e) 品質マネジメントシステムに必要な資源が利用可能であることを確実にする。
f) 有効な品質マネジメント及び品質マネジメントシステム要求事項への適合の重要性を伝達する。
g) 品質マネジメントシステムがその意図した結果を達成することを確実にする。
h) 品質マネジメントシステムの有効性に寄与するよう人々を積極的に参加させ,指揮し,支援する。
i) 改善を促進する。
j) その他の関連する管理層がその責任の領域においてリーダーシップを実証するよう,管理層の役割を
支援する。
注記 この規格で“事業”という場合,それは,組織が公的か私的か,営利か非営利かを問わず,組
織の存在の目的の中核となる活動という広義の意味で解釈され得る。
5.1.2 顧客重視
トップマネジメントは,次の事項を確実にすることによって,顧客重視に関するリーダーシップ及びコ
ミットメントを実証しなければならない。
a) 顧客要求事項及び適用される法令・規制要求事項を明確にし,理解し,一貫してそれを満たしている。
b) 製品及びサービスの適合並びに顧客満足を向上させる能力に影響を与え得る,リスク及び機会を決定
し,取り組んでいる。
c) 顧客満足向上の重視が維持されている。
5.2 方針
5.2.1 品質方針の確立
トップマネジメントは,次の事項を満たす品質方針を確立し,実施し,維持しなければならない。
a) 組織の目的及び状況に対して適切であり,組織の戦略的な方向性を支援する。
b) 品質目標の設定のための枠組みを与える。
c) 適用される要求事項を満たすことへのコミットメントを含む。
d) 品質マネジメントシステムの継続的改善へのコミットメントを含む。
5.2.2 品質方針の伝達
品質方針は,次に示す事項を満たさなければならない。
a) 文書化した情報として利用可能な状態にされ,維持される。
b) 組織内に伝達され,理解され,適用される。
c) 必要に応じて,密接に関連する利害関係者が入手可能である。
5.3 組織の役割,責任及び権限
トップマネジメントは,関連する役割に対して,責任及び権限が割り当てられ,組織内に伝達され,理
――――― [JIS Q 9001 pdf 10] ―――――
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JIS Q 8901:2012の国際規格 ICS 分類一覧
- 27 : エネルギー及び熱伝達工学 > 27.160 : 太陽エネルギー工学
- 03 : サービス.経営組織,管理及び品質.行政.運輸.社会学. > 03.120 : 品質 > 03.120.10 : 品質管理及び品質保証
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