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Q 9002 : 2018 (ISO/TS 9002 : 2016)
d) 例えば,生産レベルが不明の場合に,原材料の事前購買を促進するために顧客と協力することによっ
て,リスクを共有する。
e) 組織が,潜在的影響又は必要な取組みにかかるコストに基づきリスク自体を受け入れている場合は,
一切の取組みを行わない。
組織は,品質マネジメントシステムとそのプロセスの両方のために,リスク及び機会に関する文書化し
た情報の必要性を検討してもよい(JIS Q 9001:2015の4.4.1参照)。
6.2 品質目標及びそれを達成するための計画策定
6.2.1 この細分箇条の意図は,組織が品質目標を確立し,それらの目標を達成するために適切な活動を計
画することを確実にすることである。
組織の戦略的方向性及び組織の品質方針の効果的な展開を確実にするため,必要に応じて,関連する機
能,階層及びプロセスにおいて品質目標を確立することが望ましい。例えば,調達機能又は設計プロセス
のために,品質目標を運用レベルで設定してもよいかもしれない。
JIS Q 9001:2015の6.2.1のa) g)に関し,品質目標は次の条件を満たすことが望ましい。
a) 品質方針と整合している。すなわち,組織が品質目標を確立する際には,品質方針をインプットとし
て用いる必要がある。例えば,組織の品質方針に顧客の期待を上回るという文言がある場合は,納期
厳守又は顧客の苦情に関する品質目標の設定が可能になるかもしれない。
b) 測定可能である。例えば,達成の必要がある期間又は所定の量を規定する方法がある。品質目標は,
定量的な方法だけでなく,定性的な方法(例えば,サービスのパフォーマンスレベル)を併用するこ
とで測定可能なものにすることができる。
c) 適用される要求事項に取り組んでいる。
d) 製品及びサービスの適合,並びに顧客満足の向上に関連している。例えば,“全数納期遵守”(OTIF)
などの製品に関する機能性若しくはパフォーマンスニーズを規定する,又はサービスレベル合意書を
定める。
e) 品質目標の達成における進捗状況を監視及び/又はレビューする。これは,進捗報告書,顧客のフィ
ードバック,マネジメントレビューなどを含む適切な手段で行うことができる。
f) 必要に応じて伝達する(JIS Q 9001:2015の7.4参照)。組織は,組織全体に,及び必要に応じて利害関
係者にも品質目標を伝達することが望ましい。例えば,関連する人々に彼らの活動に関係する品質目
標を伝えるための会議を通じて,期待するスクラップの削減を製造担当者に通知することによって,
外部委託したサービス提供者に対してサービスの納期厳守に関する品質目標を書面で指定することに
よって,などである。
g) 必要に応じて更新する。新しい課題又は要求事項に取り組むことを確実にするため,品質目標の達成
能力に影響を及ぼし得る,将来的な変化,又は実際の変化を考慮し,必要に応じて処置をとる必要が
ある。
品質目標は,SMART[すなわち,具体的(Specific),測定可能(Measurable),達成可能で(Achievable),
関連性のある(Relevant),及び期間が限定されている(Time-bound)品質目標の設定],バランススコアカ
ード,ダッシュボードなどの適切な技法を用いて設定及び測定することが望ましい。また,品質目標は,
実施された変更を反映させるため,必要に応じて更新又は追加することが望ましい。
品質目標を設定するときには,組織は,現在の実現能力及び制約,顧客のフィードバック,その他の市
場における課題などの要因も考慮することが望ましい。
例 サービス提供・顧客インターフェース,又は製造ラインでは,品質目標は非常に単純で直接的な
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ものにできる。
− 例えば,バスを運行する輸送機関は,設定時間内で,計画された時刻表どおり運行されるバスの割合
で目標を設定してもよいかもしれない。
− 生産現場では,不合格品の最大許容レベルを設け,目標とする1時間当たりのアウトプットを設定す
ることができる。
− 美容院では,就労可能なスタッフ全員の手が空いていない場合,一人を新しい顧客の挨拶係に指名す
ることができる。ここでの目標は,“来店した顧客に1分以内に出迎えの挨拶をし,その顧客の要求事
項を明確にすること”でよいかもしれない。
組織は,品質目標に関する文書化した情報を維持する必要がある。組織が文書化した情報を維持すると
ころとして選択できる例としては,事業計画,バランススコアカード,ダッシュボード,イントラネット
及び掲示板が含まれるが,これらに限定されるものではない。
6.2.2 この細分箇条の意図は,組織がその品質目標を達成するための処置を計画することである。
JIS Q 9001:2015の6.2.2のa) e)に関して,組織は,次の事項を行うことが望ましい。
a) 品質目標を達成するために実施する必要がある処置を決定する。
b) 十分な資源が利用可能であることを確実にする(JIS Q 9001:2015の箇条7参照)。
c) 特定の品質目標を達成する責任を誰が負うのかを明確にする(責任者は個人でなく,チーム又は部門
にすることもできる。)。
d) 処置をいつ完了するのかを決定する。
e) 結果の評価方法を決定する。
所定の品質目標の達成に関する結果の評価(JIS Q 9001:2015の9.1.3参照)は,マネジメントレビュー
又はパフォーマンス評価の一部にすることができる。また,提案された完了日を伴ったプロジェクトマネ
ジメント,KPI,又は継続的レビュー,フィードバック会議などの他の手段を介して行うことも可能であ
る。
6.3 変更の計画
この細分箇条の意図は,事業環境の変化に適応するために,組織の品質マネジメントシステムの変更の
必要性を決定すること,並びに提案された変更の計画,導入及び実施が統制のとれた形で行われることを
確実にすることである。
変更の適正な計画は,手直し,サービスの取消し又は延期などの悪影響の回避に役立ち得る。また,不
適合なアウトプットの減少,ヒューマンエラーによるインシデントの減少などの良い影響をもたらすこと
もできる。変更を計画的に行う目的は,品質マネジメントシステムを“完全に整っている状態”(integrity)
に維持すること,並びに変更中に適合する製品及びサービスを引き続き提供する組織の能力を維持するこ
とである。組織は,全面的実施の前に,変更をまず試験的に実施する,変更が円滑に実施できなかった場
合にとるべき処置を決定するなど,変更の悪影響の可能性を抑えることができる処置を検討することが望
ましい。
リスクに基づく考え方の適用は,品質マネジメントシステムの変更を計画するときに必要な処置を決定
する上で役立ち得る。組織は,あらゆる変更に関して,資源の利用可能性,及び必要な責任の割振り又は
再割当てを考慮することが望ましい。これは,変更を管理するために人をチームに割り当てること,又は
十分な資源が利用可能になるまで変更を延期することによって行える。
品質マネジメントシステムの変更の必要性は,多くの異なる形で,例えば,マネジメントレビューの一
環として明確になることもあれば,監査結果,不適合のレビュー,苦情分析,プロセスパフォーマンスの
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分析,状況の変化,又は顧客及びその他の密接に関連する利害関係者のニーズの変化から明確になること
もある。
変更の必要性は,例えば,製造ラインをある場所から別の場所に移す,不適合なアウトプットが生じる
傾向を改善するためのプロセスの方法を変更する,サービス又はプロセスのために新しい情報通信技術
(ICT)を使用する,重要なプロセスを外部委託する,重要な役割に就いていた人々が(退職又は健康上
の問題で)離職する,オンライン発注処理に移行するなどに起因して生じ得る。
組織は,こうした変更が品質マネジメントシステムに与える影響を評価し,望ましくない影響を防ぐた
めの処置をとることが望ましい。これには,プロジェクトマネジメント方式の適用から,実施前に新しい
プロセス及びシステムのパフォーマンス及び妥当性確認試験を試験的に確立することまで,様々な処置が
あり得る。必要な計画及び処置のレベルは,起こり得る変更の影響によって異なる。
変更の計画を後押しするために組織がとることのできる処置の例には,次の事項が含まれる。
a) 組織は,注文処理のための新しいソフトウェアの導入に伴い,パフォーマンス試験及び妥当性確認を
計画し,限られた期間に旧システムと新システムの両方を同時に実行して,新システムを全面的に採
用する前にそれが意図したとおり機能することを確実にしてもよいかもしれない。
b) 組織は,新しい地理的領域でサービスを提供するための新しいオフィスの設立の決定を下すに当たっ
て,正式なプロジェクトマネジメント技法の適用を選択してもよいかもしれない。
7 支援
7.1 資源
7.1.1 一般
この細分箇条の意図は,組織が品質マネジメントシステムの確立,実施,維持及び継続的改善,並びに
その有効な運用に必要な支援及び資源を提供することを確実にすることである。
組織は,提供する必要がある資源を明確にするに当たり,内部の資源の現在の実現能力(例えば,人々,
設備能力,組織の知識),並びに制約(例えば,予算,資源の数,スケジュール)を考慮することが望まし
い。
組織は,資源の明確化において,リスクに基づく考え方を用いて,これらの資源を提供するためのコス
トと便益との比較分析を考慮することができる。次に,外部で調達するものも含め,必要な資源について,
及び必要な資源が提供されることを確実にするために必要な処置について,決定を下すことが望ましい。
これはJIS Q 9001:2015の7.1.17.1.6に当てはまる。
7.1.2 人々
この細分箇条の意図は,組織が,品質マネジメントシステムのプロセスの運用及び管理,並びに品質マ
ネジメントシステムの有効な実施に必要となる適正な人材をもつことを確実にすることである。品質マネ
ジメントシステム(例えば,業務活動,監査,検査,試験,苦情調査)における機能及び役割を遂行する
関係者の現在の作業負荷及び力量を考慮することが望ましい。
組織は,必要な人々を明確にするに当たって,リスクに基づく考え方を用いること,並びに特定のプロ
セスのために指定された責任及び権限を考慮することが望ましい。
組織は,追加の人員を募集すること,又は外部提供者を使用することを決定してもよいかもしれない。
その場合,組織は,必要なパフォーマンスの達成を確実にするための追加的な教育訓練の必要性,サービ
スレベル合意書の確立,サービス提供者に対する監査などの要因を考慮することが望ましい。力量に関す
る要求事項(JIS Q 9001:2015の7.2参照)を十分に考慮することが望ましい。
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7.1.3 インフラストラクチャ
この細分箇条の意図は,組織が,適合する製品及びサービスを顧客に一貫して提供するために必要な施
設,設備及びサービスをもつことを確実にすることである。
“明確にし”,“提供し”及び“維持し”に関する処置は,組織の異なるプロセス又は機能によって実行
される可能性のある三つの異なる活動に関係する。例えば,特定のプロセスを担当する者が,特定のイン
フラストラクチャの要求事項を明確にするかもしれない。そのインフラストラクチャは,購買プロセスに
よって取得及び提供される。また,それを維持するための活動(設備保守,清掃・整備,情報技術の更新,
情報及び通信システムの定期試験,施設及び設備の定期検査など)を確立することが必要になる。
インフラストラクチャは,製品及びサービスの適合の達成に重大な影響を及ぼし得る。組織は,次の事
項を行う必要がある。
a) 組織のプロセスの有効な運用のために必要な,意図した結果を達成するためのインフラストラクチャ
を明確にする。
b) 必要なインフラストラクチャを提供し,維持する。
組織は,必要なインフラストラクチャを明確にするに当たって,適合する製品及びサービスを提供する
にはどの施設,設備,コンピュータソフトウェア,サービス,輸送などが必要かを検討することが望まし
い。インフラストラクチャの必要性は,組織が提供する製品及びサービスの種類によって異なり得る。典
型的な製造及び組立プロセスでは,製造,こん(梱)包,流通,輸送及びICTシステムに関する施設がイ
ンフラストラクチャに含まれることがあり得る。
サービス組織においては,ITシステム又は作業場がインフラストラクチャに含まれ得る。例えば,ヘル
スサービス又はコンサルタントサービスの提供においては,オンライン購買若しくはバンキングのための
インターネットシステム,又は本社が挙げられる。
インフラストラクチャのその他の例には,次が含まれる。
− ボトリング会社において汚染を防止するための防護設備
− 病院での適切な空調及び清潔な室内環境
− 顧客のクレジットカード取引を処理するためのICT
− 工場で操作員が工程を監視するために必要な工程の音を聞けるように騒音レベルを管理する資源
7.1.4 プロセスの運用に関する環境
この細分箇条の意図は,組織が,プロセスの運用に必要な環境を明確にし,提供し,適合する製品及び
サービスの提供を円滑化することを確実にすることである。
プロセスの運用に必要な環境を明確にするときには,必要に応じて利害関係者からのインプットを考慮
することが望ましい。例えば,規制当局が,汚染防止のために,作業環境の清潔さに関する特定の要求事
項を定めていることがあり得る。
プロセス環境に関する要求事項は,提供する製品及びサービスの種類によって大きく異なり得る。場合
によっては,プロセス環境は温度,照明,衛生状態,気流,騒音などの物理的な課題に取り組むだけでよ
い場合もある。その他の場合には,清浄などの物理的課題が重要な要因になり得る。例えば,クリーンル
ーム環境を必要とするコンピュータチップの製造の場合が挙げられる。
プロセスにおいて人的要因が不可欠な場合もあり得る。したがって,プロセスの運用のための環境を明
確にするときには,例えば,(起こり得るミス,燃え尽き症候群又はいじめを防止するために)従業員の高
い作業負荷及びストレスを避けること,並びに(例えば,サービスエリアの待ち時間の)情報を顧客に提
供することによって,人的要因を考慮することが望ましい。
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社会的,心理的課題など,他の要因も考慮を要することがあり得る。例えば,就学前児童の学習環境を
奨励する。対立を避けるために,適切な環境で仲介サービスを行う。パイロットの飛行時間を制限する,
又は輸送サービス及び流通サービスに従事する者の運転時間を制限するといった方法で,事故を防止する
ために十分な休憩時間をとる,などの人的要因。
この細分箇条は,適切な場合を除き,JIS Q 9001:2015の7.1.4の要求事項に適合するために,厳密な環
境マネジメントシステム又は労働安全衛生マネジメントシステムを実施するのが望ましいということを意
図しているわけではない。
プロセスの運用に関する環境が明確になった段階で,これを適切に維持し,必要に応じて管理すること
が望ましい。
7.1.5 監視及び測定のための資源
7.1.5.1 一般
この細分箇条の意図は,組織が,組織の製品及びサービスの適合を評価するときに,監視及び測定の結
果が妥当で信頼できるものであることを確実にするために,適切な資源を明確にし,提供することを確実
にすることである。
監視及び測定に必要な資源は,組織が提供する製品及びサービスの種類,並びに品質マネジメントシス
テムのために確立されたプロセスによって大きく異なる。
状態を明確にするには,単純な確認又は監視で十分な場合もある。その他の場合は測定が必要であり,
そのためには,検証若しくは校正又はそれらの両方を要する測定機器が必要となることがあり得る。
監視とは,活動,プロセス,製品又はサービスの量的な状態又は質的な状態(又はそれらの両方)を明
確にするために重要な観察,監督及び確認を意味する。正しい数量があること若しくはその注文が完了し
ていることを確実にするための単純な確認,何かが正しいことを示す基準,顧客とコールセンターとの会
話を聞くこと(“品質向上を目的としてこの通話を録音させていただくことがあります”),又はサービス提
供中の質問(提供された食事及びサービスに満足したかどうかをウエイターが顧客に尋ねることなど)も
監視になり得る。
測定では,適切な測定用資源を使用し,数量,大きさ又は寸法の確定を考える。これには,各国の又は
国際的な測定基準に照らしてトレーサブルな,校正又は検証済み機器の使用が含まれ得る。サービスの場
合は,例えば,ソーシャルサービスモデルなど,サービスフィードバックのための既知の有効なモデルの
使用が含まれ得る。
組織は,製品及びサービスの適合を明確にする上で,監視及び測定がどれだけ重要かを検討する必要が
ある。
組織は,結果が妥当であることを確実にするための監視及び測定の重要性を明らかにするに当たって,
プロセス,製品及びサービスに関して何を監視及び/又は測定する必要があるのかを明確にすることが望
ましい。次に,組織は,この監視及び測定に必要な資源を明確にし,必要とされていることに対して適切
であることを確実にするのが望ましい。
選択した監視及び測定に関する資源が目的と合致していることを実証するために,文書化した情報を利
用できるようにすることが望ましい。これには,妥当な結果を確実にするために,どのような頻度の確認
が必要かをまとめたスケジュール,又は国家標準若しくはそれに代わって使用する代替的基準へのトレー
サビリティを実証する情報が含まれ得る。
場合によっては,製品及びサービスが正しく提供されているかどうかを評価するために,専門家が必要
となることもあり得る。例えば,レストランのシェフ,児童養護制度の提供を評価するためのソーシャル
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JIS Q 8901:2012の国際規格 ICS 分類一覧
- 27 : エネルギー及び熱伝達工学 > 27.160 : 太陽エネルギー工学
- 03 : サービス.経営組織,管理及び品質.行政.運輸.社会学. > 03.120 : 品質 > 03.120.10 : 品質管理及び品質保証
JIS Q 9002:2018の関連規格と引用規格一覧
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