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Q 9002 : 2018 (ISO/TS 9002 : 2016)
という表現を用いている。
他の文書化した情報は,適合性を実証し,プロセスが計画どおり実行されていると確信するために,又
は要求事項が満たされているか否かを実証するために,(修正が承認された場合を除き)変更せずに保持す
る必要がある(この種の文書化した情報は,しばしば“記録”と呼ばれる。)。JIS Q 9001は,この種の文
書化した情報に言及する際,“文書化した情報を保持する”という表現を用いている。この種の文書化した
情報は,文書化した情報の保持に関して,顧客要求事項,法令・規制要求事項又は組織自体の要求事項に
しばしば関連している。
5 リーダーシップ
5.1 リーダーシップ及びコミットメント
5.1.1 一般
この細分箇条の意図は,トップマネジメントが,品質マネジメントシステムへの積極的参加,品質マネ
ジメントシステムの促進,並びに品質マネジメントシステムのパフォーマンス及び有効性の確保,伝達及
び監視において能動的な役割を果たすことで,リーダーシップ及びコミットメントを実証することを確実
にすることである。リーダーシップ及びコミットメントを実証する方法は,組織の規模及び複雑さ,マネ
ジメントのスタイル,組織の文化などの様々な要因に基づく。
組織の“トップマネジメント”には,例えば,最高経営責任者,取締役社長,総支配人,会長,取締役
会,執行役員,業務執行社員,単独オーナー,パートナ,上級経営幹部及び上級管理者を含めてもよい。
トップマネジメントは,組織内で,権限を委譲し,資源を提供する力をもっている。マネジメントシステ
ムの適用範囲が組織の一部だけの場合,トップマネジメントとは,組織内のその一部を指揮し,管理する
人をいう。
各組織は,それぞれ異なるニーズ,及びトップマネジメントが決定する独自の解決策をもつ。トップマ
ネジメントにとっては,組織の品質マネジメントシステムのプロセスと業務のプロセスとの統合を確実に
することが重要である。
JIS Q 9001:2015の5.1.1のa) j)に関しては,トップマネジメントが次の事項を行うことが含まれる。
a) 品質マネジメントシステムに関する活動の責任を負い,達成された結果について説明できるようにす
ることで,品質マネジメントシステムの有効性を理解し,品質マネジメントシステムの有効性に対し
て説明責任を負うことを明確にする。一部の権限及び責任(JIS Q 9001:2015の5.3参照)は委譲でき
るが,それでもなお説明責任(accountability)はトップマネジメントにある。
b) 組織の戦略的方向性及び状況を考慮しながら,品質方針(JIS Q 9001:2015の5.2参照)及び品質目標
(JIS Q 9001:2015の6.2参照)の確立を確実にする。戦略的計画の立案又はマネジメントレビューを
目的とする場合など,トップマネジメントの日常の会議中に品質方針及び品質目標の確立又はレビュ
ーを行ってもよいかもしれない。
c) 組織の品質マネジメントシステムのプロセスを“付け足しの”又は対立する活動として取り扱うので
はなく,全体的な事業プロセスの中で統合し,マネジメントすることを確実にする。
d) 例えば,インプット及びアウトプットの有効な流れ,並びにリスク及び機会への取組みにおける協力
を達成するために設計した体系的アプローチをもって,プロセス間の有効な相互関係を確実にするこ
とで,プロセスアプローチ及びリスクに基づく考え方を促進する。
e) 十分な品質マネジメントシステム資源(例えば,人々,道具,設備など)が,必要な時に必要な場所
で提供されることを確実にするために,現在及び予想される作業負荷及び日程表を監視する。
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f) 内部の会議,電子メール,個人的な話し合い,組織のイントラネットなどを介して,品質マネジメン
トシステム及びその要求事項の遵守の価値及び便益を伝達する。
g) 組織のアウトプットの監視によって,品質マネジメントシステムが意図した結果を達成することを確
実にする。ときには,システム又はシステムを構成するプロセスの是正又は改善のための処置が必要
となる可能性がある。トップマネジメントは,必要とされる処置を適正に割り当て,資源を確保する
ことを確実にすることが望ましい。
h) 組織内の人々とコミュニケーションをとることで,それらの人々が品質マネジメントシステムの有効
性に寄与するように積極的に参加させ,指揮し,支援する(JIS Q 9001:2015の7.4参照)。これには,
改善が必要な場合に,トップマネジメントがプロジェクトの推進者となり,従業員及びその他の者が
改善チームのメンバーとして参加するように奨励することも含まれ得る。
i) 監査,その他の評価及びマネジメントレビュー(JIS Q 9001:2015の9.3参照)からの情報及び勧告が
責任者に伝達されることを確実にするとともに,改善を促進する(これは,改善の価値及び便益の実
証にも役立ち得る。)。
j) 他の関連する管理職に就いている人々が,それぞれ影響力をもつ独自の分野でリーダーシップを実証
できるように,支援及び手引を提供する。これには,組織が要求事項によりしっかりと適合するよう
に,又は必要に応じて改善を推進できるように後押しする明確な決定をこれらの人々が下す上での指
導及び支援を与えることも含まれ得る。
効果的なリーダーシップ及びコミットメントは,品質マネジメントシステムへの貢献のあり方を,組織
内の人々により深く理解させることにつながる。それは,組織が意図した結果を一貫して達成するために
役立ち得る。
5.1.2 顧客重視
この細分箇条の意図は,トップマネジメントが,組織が顧客要求事項の充足及び顧客満足の向上を重視
し続けることに関してリーダーシップ及びコミットメントを,目に見える形で実証することを確実にする
ことである。
顧客は,一般に,組織の製品及びサービスを購買する人々又は組織だが,組織の製品及びサービスの受
け手である市民,顧客,患者,学生などの個人又は組織を意味することもあり得る。
トップマネジメントは,組織の製品及びサービスに関係する顧客要求事項及び法令・規制要求事項を明
確にするための有効なプロセスが整えられること,並びにこれらの要求事項が理解されることを確実にす
る必要がある。多くの場合,納期遵守のパフォーマンス及び顧客の苦情に重点を置くことで,顧客満足を
達成又は改善するために必要と思われる処置についての情報が得られる可能性がある。
トップマネジメントは,期待した結果が一貫して達成されるように,リスク及び機会に取り組むための
適切な処置がとられることを確実にする必要がある。期待した結果が達成されない場合は,顧客のニーズ
及び期待が達成されるまで,更なる改善を実施するための責任が割り当てられることを確実にするため,
Plan-Do-Check-Act(PDCA)アプローチに従うことが望ましい。
トップマネジメントは,顧客満足データの分析及び評価の結果を用いることで,顧客満足の向上に集中
することができる(JIS Q 9001:2015の9.1.2参照)。この分析の結果として,トップマネジメントは,顧客
に関連するプロセス及び資源の割り振りを含む組織の業務の変更を指示してもよいかもしれない。
5.2 方針
5.2.1 品質方針の確立
この細分箇条の意図は,品質が組織及び顧客にとって何を意味するのかについての全体的な理解を含め,
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組織の戦略的方向性に沿った品質方針が確立されることを確実にすることである。品質方針には,トップ
マネジメントが正式に表明する形で,組織の意図及び方向性を記載する。
JIS Q 9001:2015の5.2.1のa) d)に関し,確立された品質方針は,次の条件を満たすことが望ましい。
a) 組織に適したもので,組織の戦略的方向性を支援する。
b) 目標を設定するための枠組みを与える(これは,品質方針における主張が全て測定可能であることが
望ましいことを意味する。)。
c) 組織が,顧客要求事項,法令・規制要求事項など,適用される要求事項を満たすことへのコミットメ
ントを示す。
d) 品質マネジメントシステムの継続的改善に対するコミットメントを示す。
品質方針を確立するために,次の事項のようなインプットを考慮することができる。
− 品質マネジメントシステムの現在のパフォーマンス,並びに密接に関連する利害関係者のニーズ及び
期待を含めた,組織の状況の明確な理解
− 使命,ビジョン,基本理念及びコアとなる価値に基づく,組織の戦略的な方向性
− 組織が成功するために必要な今後の改善のレベル及び種類
− 期待される顧客満足の水準
− 意図した結果を実現するために必要な資源
− 密接に関連する利害関係者の潜在的貢献
5.2.2 品質方針の伝達
この細分箇条の意図は,組織の人々が品質マネジメントシステムの有効性に貢献できるように,組織の
人々によって品質方針が伝達され,理解され,適用されること,及び密接に関連する利害関係者が品質方
針を利用できるようにすることを確実にすることである。
組織は,品質方針を直ちに利用できるようにし,文書化した情報として維持することを確実にすること
が望ましい。組織は,品質方針を維持するために定期的にレビューし,現時点でなお組織の目的にかなっ
ているかどうかを明確にすることが望ましい。これは,例えばマネジメントレビューのプロセス(JIS Q
9001:2015の9.3参照)の一環として行うことができる。
組織は,組織全体で品質方針が明確に理解されることを確実にする必要がある。これは,組織内の様々
な階層の人々が,認識(JIS Q 9001:2015の7.3参照)及びコミュニケーション(JIS Q 9001:2015の7.4参
照)に関する要求事項を考慮に入れることで達成できる。品質方針は,掲示板,スクリーンセーバー,組
織のウェブサイト,定期会議など,様々な方法で伝達することができる。
組織は,必要に応じて,外部提供者,パートナ,顧客,規制機関などの密接に関連する利害関係者が品
質方針を利用できるようにすることが望ましい。これは,要求に応じて,又はウェブサイト上で品質方針
を公表することによって行うことができる。
5.3 組織の役割,責任及び権限
この細分箇条の意図は,トップマネジメントが,意図した結果の有効性及び達成を確実にするために,
品質マネジメントシステムに関連する役割を割り当てることである。トップマネジメントは,それらの役
割に対する明確な責任及び権限を確立し,有効なコミュニケーション活動を通じて組織の人々がそれぞれ
の職務を理解し,認識することを確実にする必要がある。
責任及び権限は,一人又は複数の人々に与えることができる。これらの人々は,割り当てられた領域及
び/又はプロセスに関して決定を下し,変更を行えることが望ましい。権限は委譲できるが,品質マネジ
メントシステムに関する全体的な責任及び説明責任(accountability)は変わらずトップマネジメントにあ
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るという点を強調することが大切である。
JIS Q 9001:2015の5.3のa) e)に関しては,次の事項についての責任及び権限を割り当てることが望ま
しい。
a) 品質マネジメントシステムが,内部監査員などの特定の役割,又はマネジメントレビューについての
JIS Q 9001の要求事項に適合することを確実にする。
b) プロセスが意図したアウトプットを生み出すことを確実にする。この処置は,品質目標の監視,プロ
セスが意図した結果を達成しているかどうかの明確化,内部監査の実施など,それぞれ異なる責任を
もつ複数の人に割り当てることができる。
c) 品質マネジメントシステムのパフォーマンスを報告する。この報告は一般に,マネジメントレビュー
プロセスの一環として行われる(JIS Q 9001:2015の9.3参照)。複数の人が品質マネジメントシステム
の特定のプロセスに関する報告に責任を負った上で,それらの報告を調整する責任を別の一人に与え
てもよいかもしれない。
d) 顧客重視を推進する(JIS Q 9001:2015の5.1.2参照)。この責任は,一般に,顧客とのコミュニケーシ
ョン,及びあらゆる問題の解決を確実にすることに責任をもつ人に与えられる。この人は,顧客サー
ビス部門又は品質部門の一員である場合が多い。
e) 新規の企業資源計画(ERP)システムの導入,設計・開発プロセスの外部委託の決定,新しい市場機
会による成長,組織の再編,合併,買収などの変更が行われた場合に,品質マネジメントシステムを
“完全に整っている状態”(integrity)に維持する。この責任は,一般に,品質マネジメントシステム
全体の維持を確実にする責任をもち,かつ,潜在的影響を検討せずに変更が計画されないことを確実
にする能力をもつ人(人々)に与えられる。
組織によっては,要求された職務を遂行するために必要な力量をもつ人々の数が限られている可能性が
ある。そのような場合は,役割及び責任の分担を計画することが有益となり得る。こうした計画は,管理
者が施設を離れる休日中,又は事故若しくは病気の場合に役立つ。
トップマネジメントは,品質マネジメントシステムに関連する役割,責任及び権限を伝達する方法を決
定することが望ましい。これは,例えば,職務記述書,作業指示書,任務命令書,組織図,マニュアル,
手順書などの関連する文書化した情報の使用を通じて行うことができる。
6 計画
6.1 リスク及び機会への取組み
6.1.1 この細分箇条の意図は,組織が,品質マネジメントシステムのプロセスを計画するときに,そのリ
スク及び機会を決定し,それらへの取組みを計画することを確実にすることである。その目的は,不適合
なアウトプットを含めて不適合を防止すること,及び顧客満足を高める可能性のある機会を決定すること,
又は組織の品質目標を達成することである。
品質マネジメントシステムに関するリスク及び機会を決定するに当たっては,外部及び内部の課題(JIS
Q 9001:2015の4.1参照),並びに密接に関連する利害関係者の要求事項(JIS Q 9001:2015の4.2参照)を
考慮することが望ましい。品質マネジメントシステムの目標達成を阻むリスクの例には,プロセス,製品
及びサービスが要求事項を満たせないこと,又は組織が顧客満足を達成できないことが含まれる。機会の
例には,新しい顧客を特定できる可能性,新しい製品若しくはサービスの必要性を明確にし,それらを市
場に投入できる可能性,又はプロセスの効率化を図るために,新技術の導入によって,プロセスを改訂す
る若しくは置き換える必要性を明確にできる可能性が含まれる。
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組織は,機会を調べるとき,第一に,機会に伴う,品質マネジメントシステムへの潜在的リスクを決定
し,評価することが望ましい。また,機会を活用するか否かを決定するときにその結果を用いることが望
ましい。
JIS Q 9001:2015の6.1.1のa) d)に関し,組織は,リスク及び機会を決定するに当たって,次の事項に
焦点を当てることが望ましい。
a) 品質マネジメントシステムが,その意図した結果を達成できるという確信を与える。
b) (活動効率の改善,新技術の開発又は適用などによって)望ましい影響を増大させ,新しい可能性を
創出する。
c) (リスク低減又は予防処置を通じて)望ましくない影響を防止又は低減させる。
d) 製品及びサービスの適合を確実なものにする改善を達成し,顧客満足を向上させる。
これがリスクに基づく考え方のアプローチの採用である。組織は,品質マネジメントシステムに必要な
プロセスにこのアプローチを適用することを検討することが望ましい。
JIS Q 9001には,リスク及び機会の決定並びにリスク及び機会への取組みに厳密なリスクマネジメント
(JIS Q 31000に基づく)を用いるという要求事項はない。組織は,ニーズに合った方法を選択することが
できる。JIS Q 31010には,組織の状況によっては考慮することができるリスクアセスメントの手段及び技
法の一覧が記載されている。
組織は,リスク及び機会の決定において,SWOT,PESTLEなどの技法のアウトプットの使用を検討す
ることができる。その他のアプローチには,故障モード影響解析(FMEA),故障モード影響致命度解析
(FMECA),危害要因分析重要管理点(HACCP)などの技法がある。どの方法又はツールを用いることが
望ましいかの決定は,組織に委ねられる。単純なアプローチには,ブレインストーミング,構造化what if
技法(SWIFT),結果/発生確率マトリックスなどの技法が含まれる。
リスクに基づく考え方の適用は,組織が,物事をより円滑に実行し,全般的な業務の進め方を改善する
ことに重点を置く,積極的で予防的な文化を形成する上でも役立ち得る。
リスク及び機会の検討が望ましいような状況は,例えば,戦略会議,マネジメントレビュー,内部監査,
品質に関する多種の会議,品質目標設定のための会議,新しい製品及びサービスの設計・開発の計画段階,
生産プロセスの計画段階など様々である。
6.1.2 この細分箇条の意図は,組織が,決定したリスク及び機会(JIS Q 9001:2015の6.1.1参照)への取
組みを計画し,その取組みを実施し,その取組みの有効性を分析・評価することを確実にすることである。
これらの取組みは,製品及びサービスの適合,又は顧客満足への潜在的影響に基づくことが望ましい。ま
た,必要に応じて,品質マネジメントシステムとそのプロセスの両方に組み込む必要がある。例えば,組
織は,重要な原材料の提供者が1か所である場合に,新たな提供者の開拓への投資を検討することが望ま
しい。
リスクに取り組むために組織がとることができる取組みは,リスクの性質によって異なる。例えば,次
のようなものがある。
a) リスクが生じ得るプロセスを実行しないようにすることによって,リスクを避ける。
b) 例えば,組織の中で経験が浅い人々を支援するために文書化した手順を用いることによって,リスク
を解消する。
c) 投資に対する収益が未知の製品ラインを開始するために新しい資本設備に投資するなど,機会を求め
るためにリスクを負う。
例 機会への取組みの例には,新技術の導入,並びに新しい顧客若しくは市場の模索が含まれる。
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JIS Q 8901:2012の国際規格 ICS 分類一覧
- 27 : エネルギー及び熱伝達工学 > 27.160 : 太陽エネルギー工学
- 03 : サービス.経営組織,管理及び品質.行政.運輸.社会学. > 03.120 : 品質 > 03.120.10 : 品質管理及び品質保証
JIS Q 9002:2018の関連規格と引用規格一覧
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