JIS R 1640:2002 窒化けい素の相組成分析方法

JIS R 1640:2002 規格概要

この規格 R1640は、X線回折装置を用いた窒化けい素の相組成分析方法について規定。

JISR1640 規格全文情報

規格番号
JIS R1640 
規格名称
窒化けい素の相組成分析方法
規格名称英語訳
Methods for the quantitative phase analysis of silicon nitride
制定年月日
2002年1月20日
最新改正日
2016年10月20日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

77.040.30, 77.150.99
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
ファインセラミックス 2018
改訂:履歴
2002-01-20 制定日, 2007-02-20 確認日, 2011-10-20 確認日, 2016-10-20 確認
ページ
JIS R 1640:2002 PDF [17]
R 1640 : 2002

まえがき

  この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日
本工業規格である。
この規格の一部が、技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。主務大臣及び日本工業標準調査会は,
このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は,出願公開後の実用新案
登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
JIS R 1640には,次に示す附属書がある。
附属書1(参考) 窒化けい素の回折図形
附属書2(参考) ガザーラ法
附属書3(参考) プロファイルフィッティング法
附属書4(参考) リートベルト法

(pdf 一覧ページ番号 )

――――― [JIS R 1640 pdf 1] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
R 1640 : 2002

窒化けい素の相組成分析方法

Methods for the quantitative phase analysis of silicon nitride

1. 適用範囲 この規格は,X線回折装置を用いた窒化けい素の相組成分析方法について規定する。
備考 この規格でいう窒化けい素は, 慟打 び けい素を意味し,以下においてそれぞれを 慶
及び 扶 する。また,この規格でいう相組成分析方法は慶 び 扶 溌 量百分率の分析に
適用され,これら両相以外の結晶相又は非晶質相が含まれる場合は,相組成分析はそれら 慶
及び 扶 湶 量比の分析となる。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む)を適用する。
JIS K 0131 X線回折分析通則
JIS R 1600 ファインセラミックス関連用語
JIS Z 8401 数値の丸め方
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS K 0131又はJIS R 1600によるもののほかは,次によ
る。
a) ガザーラ法 (the Gazzara method) 個々の回折線強度を観測データとして用いた,窒化けい素の相組
成分析方法の一つである。この方法は,個々の回折線強度から結晶構造及び回折角(回折線位置)に
依存した部分を取り除いて規格化し,更にそれらの平均値を用いることによって統計誤差を減少させ,
相組成分析の精度を向上させたものである。個々の回折線強度として,ピーク強度又は積分強度を使
用する。
粉末回折パターンにおいて重
b) プロファイルフィッティング法 (the individual profile-fitting method)
なった回折線を個々のブラッグ反射成分に分解するパターン分解法の一つである。各反射の積分強度,
回折線位置,及びプロファイルの幅・形状などに関するパラメータが得られる。比較的狭い2 囲の
分解に適用され,原理的に格子定数,構造パラメータなどの予備知識を必要とせずに適用できる特徴
をもつ。この規格においては,ガザーラ法で用いる積分強度を求める方法として使用する。
c) リートベルト法 (the Rietveld method) 結晶構造モデル及びプロファイルモデルに基づいて計算され
た理論粉末回折パターンを,最小二乗法を用いて観測パターン全体にフィッティングすることによっ
て,結晶構造パラメータを精密化することを目的とした方法である。試料が複数成分の場合,フィッ
ティングによって精密化される各成分のスケール因子が被照射体積に比例することを用いて相組成分
析を行うことができる。
4. 装置 JIS K 0131によって規定されたX線回折装置のうち,集中方式に基づいた回折装置を用いる。

――――― [JIS R 1640 pdf 2] ―――――

2
R 1640 : 2002
5. 試料及びその調整方法 試料は粉末試料とし,JIS K 0131に記された方法によって試料ホルダーへ充
てんする。試料が焼結体の場合は,分析精度の観点から,粉砕によって粉末試料とすることが望ましい。
6. 回折強度の測定 プロファイル強度を測定する。測定は,JIS K 0131によるほか,次の項目について
条件を設定して行う。
a) 回折装置
1) 線管球 ターゲットが銅の管球を使用する。
2) 受光スリット 0.150.3mmの範囲のものを使用する。
3) モノクロメータ S/N比の向上のため,回折側においてグラファイトモノクロメータを使用するこ
とが望ましい。
b) 測定法
1) 走査法 各ステップでの計数時間を一定にした,定時ステップ走査法による(1)。
注(1) 計数統計に関する情報が失われるため,測定したプロファイル強度データに対してスムージン
グを行ってはならない。
2) 走査範囲 相組成分析方法によって,次の範囲を走査する。
2.1) ガザーラ法 1845° (2 ‰ 囲とする。
2.2) リートベルト法 1880° (2 ‰ 囲とする。
3) 走査ステップ幅 0.010.04°の範囲内の値とする(0.02°とすることが望ましい。)。
4) 計数時間 分析対象となる回折ピーク強度が平均で1 000カウント程度得られるように,各ステッ
プでの計数時間を設定する。
7. 窒化けい素の相組成分析方法
7.1 方法の区分 窒化けい素の相組成分析方法は,次のいずれかの方法による。
a) ガザーラ法
b) リートベルト法
7.2 ガザーラ法 ガザーラ法を用いた相組成分析方法は,次による。
a) 測定した回折強度データから,次の方法で回折線強度(積分強度又はピーク強度)を測定する(2)。
注(2) 分析精度の観点から,積分強度の使用が望ましい。
1) 積分強度の測定 プロファイル強度データの走査範囲を表1に示した6個のブロックに分割し,各々
のブロックにプロファイルフィッティング法を適用して回折線の積分強度を求める。プロファイル
フィッティング法を次の条件下において適用する(3)。
注(3) 合成条件などに起因して試料の格子定数が変化し,実際の回折線ピーク位置が,表1に示した位
置からずれる場合がある。
1.1) 解析範囲 プロファイルフィッティング法を適用する各ブロックの解析範囲を表1に示す。回折線
の半値幅が粒径効果などで0.2° (2 上に広がりを起こしている場合には,解析範囲を拡張する。
その場合,ピーク位置から低角側及び高角側へそれぞれ回折線の半値幅の10倍の角度距離を解析範
囲の目安とする。
1.2) プロファイルモデル 多項式バックグラウンド関数を使用し,その次数を0次とする。プロファイ
ル関数として,擬似ヴォイト (pseudo−Voigt) 関数又はピアソンVII (Pearson VII) 関数を使用する。

――――― [JIS R 1640 pdf 3] ―――――

                                                                                              3
R 1640 : 2002
1.3) プロファイル関数の計算打切り ピーク裾野部分においてプロファイル関数の計算強度が,個々の
ブロック内における回折線の最高ピーク強度の0.1%となったところで関数の計算を打ち切る。
1.4) パラメータの精密化 各ブロック内における複数本数の回折線をすべて一度にフィッティングする。
フィッティングにおいては,バックグラウンド,回折線位置,積分強度,半値幅,及びプロファイ
ル形状に関する各パラメータ[プロファイルの非対称性, ラメータ(擬似ヴォイト関数の場合)
又は指数(ピアソンVII関数の場合)]を精密化する(4)。ガザーラ法においては,得られたこれらパ
ラメータの中で,積分強度の値を使用する。
注(4) 半値幅に関するパラメータは個々独立に,一方,プロファイル形状に関するパラメータはその
解析範囲内の各ピークとも同じ値をもつという拘束条件を課すことが望ましい。
表1 プロファイルフィッティング法の適用における解析範囲
ブロック 解析範囲(2 析対象の回折線 回折線位置(2
1 19.621.6 愀 101) 20.6
2 21.924.4 愀 110) 22.9
戀 110) 23.4
3 25.528.1 愀 200) 26.5
戀 200) 27.1
4 30.032.8 愀 201) 31.0
愀 002) 31.8
5 32.737.1 戀 101) 33.7
愀 102) 34.6
愀 210) 35.3
戀 210) 36.1
6 42.544.5 愀 301) 43.5

備考1. 解析範囲の中に び 扶 外の第3相が存在すると
きには,それによる回折線も計算に含めてプロファイ
ルフィッティングを行う。
2. 表1中の慓 は 戰 それぞれ 慶 は 扶 湖 折線
を意味する。

3. 第4ブロックの 002) は分析に使用しない。
2) ピーク強度の測定 表1に示した各回折線のピーク強度を測定する。
2.1) バックグラウンド強度 ピーク両側のバックグラウンド領域におけるプロファイル強度35点の
平均値を求める。平均した2点を結ぶ直線と,ピーク強度から下ろした垂線との交点の強度をその
回折線に対するバックグラウンド強度とする。
2.2) ピーク強度 最大プロファイル強度からバックグラウンド強度を差し引いたものをピーク強度とす
る。
b) 測定回折線強度(積分強度又はピーク強度)を,次の式によって規格化する。規格化には表2に与え
た規格化因子を使用する。
In j I j/R j
In j I j
/R j
I nj 懿 規格化された 慶 の回折線強度
ここに,
In 拿 規格化された 扶 の回折線強度
j
I 愀 測定した 慶 の回折線強度
I 戀 測定した 扶 の回折線強度

――――― [JIS R 1640 pdf 4] ―――――

4
R 1640 : 2002
R 愀 慶 の回折線に対する規格化因子(表2)
R 戀 扶 の回折線に対する規格化因子(表2)
c) 慶 び 扶 殉 された回折線強度の平均値を,次の式によって求める。
7
1
In Inj
7 i 1
4
1
In In j
4 i 1
In 懿 規格化された 慶 湖 折線強度の平均値
ここに,
In 拿 規格化された 扶 湖 折線強度の平均値
d) 試料中の 慶 び 扶 溌 量百分率 (%) を,次の式によって求める(5)。
In
w 100
In In
In
w 100
In In
ここに, w 懿 慶 溌 量百分率
w 拿 扶 溌 量百分率
注(5) 質量百分率を求めるに当たり, 慶 び 扶 譛 度の差異を無視する。
表2 規格化因子
相 番号 (j) 回折線指数 回折線位置(2 因子
愀 1 101 20.6 7.50
2 110 22.9 3.58
3 200 26.5 2.44
4 201 31.0 7.44
5 102 34.6 6.66
6 210 35.3 6.79
7 301 43.5 3.13
戀 1 110 23.4 4.21
2 200 27.1 10.53
3 101 33.7 10.90
4 210 36.1 11.21
7.3 リートベルト法 リートベルト法を用いた相組成分析方法は,次による。
a) 次の条件下においてリートベルト法を適用し,測定した回折強度データから 慶 び 扶 歛 ケ
ール因子を求める。相組成分析には,得られたスケール因子を使用する。
1) 解析範囲 1880° (2 ‰ 囲とする。
2) 初期値 慶 び 扶 晶 ータ及び原子パラメータ(位置座標,温度因子及び席占有率を含
む。)として,表3及び表4に与えたデータを使用する(6)。他のパラメータに関しては,使用するリ
ートベルト法用のコンピュータプログラム又はその使用マニュアルが提供する値を使用する。
注(6) 試料によって格子定数が異なる場合があるので,表3の値を初期値とすると精密化が行えない場
合がある。その場合には,表3に与えた値以外のものを選択して使用する。
3) プロファイルモデル 多項式バックグラウンド関数を使用し,その次数を45次の範囲とする。5

――――― [JIS R 1640 pdf 5] ―――――

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JIS R 1640:2002の国際規格 ICS 分類一覧

JIS R 1640:2002の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISK0131:1996
X線回折分析通則
JISR1600:2011
ファインセラミックス関連用語
JISZ8401:2019
数値の丸め方