JIS R 1650-3:2002 ファインセラミックス熱電材料の測定方法―第3部:熱拡散率・比熱容量・熱伝導率

JIS R 1650-3:2002 規格概要

この規格 R1650-3は、気孔率が10%以下で均一な熱電材料のレーザフラッシュ法による室温から最大1700Kまでの熱拡散率,レーザフラッシュ法による室温から最大1000Kまでの比熱容量と室温から最大1000Kまでの熱伝導率測定方法について規定。

JISR1650-3 規格全文情報

規格番号
JIS R1650-3 
規格名称
ファインセラミックス熱電材料の測定方法―第3部 : 熱拡散率・比熱容量・熱伝導率
規格名称英語訳
Method for measurement of fine ceramics thermoelectric materials Part 3:Thermal diffusivity, specific heat capacity, and thermal conductivity
制定年月日
2002年3月20日
最新改正日
2016年10月20日
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対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

29.045, 81.060.30
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
ファインセラミックス 2018
改訂:履歴
2002-03-20 制定日, 2007-02-20 確認日, 2011-10-20 確認日, 2016-10-20 確認
ページ
JIS R 1650-3:2002 PDF [12]
R 1650-3 : 2002

まえがき

  この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日
本工業規格である。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。主務大臣及び日本工業標準調査会は,
このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新案登
録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
JIS R 1650-3 : 2002には,次に示す附属書がある。
附属書(参考) 熱拡散率算出時の補正に関する推奨事項
JIS R 1650の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS R 1650-1 ファインセラミックス熱電材料の測定方法−第1部 : 熱電能
JIS R 1650-2 ファインセラミックス熱電材料の測定方法−第2部 : 抵抗率
JIS R 1650-3 ファインセラミックス熱電材料の測定方法−第3部 : 熱拡散率・比熱容量・熱伝導率

(pdf 一覧ページ番号 )

――――― [JIS R 1650-3 pdf 1] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
R 1650-3 : 2002

ファインセラミックス熱電材料の測定方法−第3部 : 熱拡散率・比熱容量・熱伝導率

Method for measurement of fine ceramics thermoelectric materials Part 3 : Thermal diffusivity, specific heat capacity, and thermal conductivity

1. 適用範囲 この規格は,気孔率が10%以下で均一な熱電材料のレーザフラッシュ法による室温から最
大1 700Kまでの熱拡散率,レーザフラッシュ法による室温から最大1 000Kまでの比熱容量と室温から最
大1 000Kまでの熱伝導率測定法について規定する。ただし,測定最大温度はレーザ光の照射面の最大温度
が融点を超えない範囲とする。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS R 1600 ファインセラミック関連用語
JIS R 1611 ファインセラミックスのレーザフラッシュ法による熱拡散率・比熱容量・熱伝導率試験
方法
JIS Z 8401 数値の丸め方
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS R 1600及びJIS R 1611によるほか,次による。
a) 実効パルス幅 ( Effective pulse width)測定回路と同じ応答性でレーザパルスの強度に比例した量
を出力させ,レーザパルスの最大強度をPmとし,0.20.8Pm間で直線近似し,レーザパルスは立ち上
がりと下がりで二つの直線を引き,これら二つの直線をレーザパルスの強度が零のところに外挿して
できる時間差(図1参照)。

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R 1650-3 : 2002
図1 実効パルス幅の定義の説明図
b) 熱損 (Heat loss effect)試料の熱が周辺に逃げることにより,試料の温度が下がる現象。
試料の厚みの平方を熱拡散率で除したもの。
c) 特性時間 (tc) (Characteristic time)
d) 測温面 (Observing surface) 試料の温度上昇を観測している面。
e) 照射面 (Irradiated surface) レーザパルスを照射している側の試料の面。
f) 照射面の特性温度上昇 ( 特性時間をパ
Characteristic temperature rise of irradiated surface)
ルス幅で除したものの平方根に,測温面の最高温度上昇を掛けて,1.5倍したもの
2/1)
5.1 (tc / Tm 。
g) ハーフタイム法 (Half-time method) ハーフタイムを測定することによって熱拡散率を計算する方
法。
h) 対数法 (Logarithmic method) レーザパルスの重心位置を時間軸の原点とし,時間の逆数に対して,
時間の平方根に温度上昇幅を乗じたものの対数を取り,その傾きから熱拡散率を計算する方法。
i) 回帰分析法 (Regression analysis method) カーブフィッテング法ともいう。実験的に得られた曲線に
理論曲線を合わせて,最適の熱拡散率などのパラメータを求める方法。
j) 線膨張 (Thermal expansion) 室温より測定温度まで膨張した長さを室温の長さで除したもの。
k) 温度履歴曲線 (Temperature history curve)レーザ光照射前後の観測面の温度の時間変化(図2参照)。
l) 非接触温度計 (Non-contact-type thermometer) 赤外温度計など試料に直接接触させないで試料の温
度を計測できるもの。
m) 非接触温度計の非線形性 (Nonlinearity of non-contact-type thermometer)非接触温度計の出力と温
度との関係が一定の割合にならないで,測定する温度ごとに異常に異なる非接触温度計の特性。
n) 接触温度計 (Contact-type thermometer) 熱電対などを試料に直接接着させて,試料の温度の絶対値
が測定できるもの。
o) 積算強度 (Total strength) レーザ光強度の積算値,レーザパルスの全熱量。
p) 相対強度 (q) (Relative strength)積算強度に比例した強度,レーザパルスを一定比率で分割し,フォ
トセルなどを通して得られる出力の積算値。
q) 試料の均一性 (Homogeneity of specimen) 組成に偏析分散がなく,気孔も偏在しない試料。

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R 1650-3 : 2002
図2 測温面の温度履歴曲線と温度上昇の定義
4. レーザフラッシュ法による熱拡散率測定
4.1 装置・器具 JIS R 1611による。ただし,実効パルス幅(パルス幅)を0.13msとする。
4.2 試料
4.2.1 形状 JIS R 1611による。ただし,試料の異方性を確認するとき,試料の厚みは4.3.5による。
4.2.2 表面処理 JIS R 1611による。
4.3 測定方法
4.3.1 試料の温度Tbの評価 次の評価による。
a) 試料の温度を直接測定している場合 レーザ照射以前の試料温度よりTbを求める。
b) 試料の温度が直接測定できない場合 近傍温度で代用する。この場合,近傍温度を測定する温度セン
サはできるだけ試料に近づける。また,近傍温度と試料の温度はあらかじめ校正しておく。校正の仕
方は試料の設定位置にあらかじめ熱電対を付けた試料(1)をおき,試料の温度と近傍温度との関係を求
め,この関係から近傍温度に対する試料温度の校正式又は校正表を用いて校正する。このとき実際に
測定する条件(温度プログラムのパターン及び測定雰囲気)と同じにする。
注(1) 基本的には熱拡散率測定用の試料であれば,どんな試料を用いてもよい。
4.3.2 パルスの重心を求める測定 パルスの重心を時間軸の原点とする。重心位置の求め方はJIS R 1611
による。
4.3.3 非接触温度計の非線形性の確認(2) レーザパルスの光の強度をフィルタなどで加減して,得られた
熱拡散率の値が変化しないことを確認する。変化する場合は最大温度上昇幅 歛地替 得られた熱拡
散率の値をプロツトし, 0に外挿して得られる熱拡散値との差が3%以内におさまるように,
決める。
注(2) 非接触温度計の非線形性は用いる非接触温度計の特性によるものであり,非接触温度計の出力
を相対的に対温度換算して,求められた熱拡散率を用いることもできる。特に非接触温度計が
赤外検出器の場合は測定する温度によって,補正量は異なるので, 兢鄰

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R 1650-3 : 2002
4.3.4 レーザパルスの不均一性の測定(3) 4.4.2のハーフタイム法の係数k1を決定する。JIS R 1611の表1
に規定する高純度金属からなる標準試料を用い,厚みdの異なる同種の標準試料を数個用意し,4.4.2式(1)
の係数k1=1.00として見かけの熱拡散率を計算し,標準試料の熱拡散率から係数k1を決定する。このとき
必要に応じて,あらかじめ熱損の補正量k2は評価しておく。
注(3) 4.3.2のパルスの重心位置を求めた後に,その重心位置を時間軸の原点とする。これは4.4の計算
のときにも適用する。
4.3.5 測定試料の異方性の確認 測定試料に熱拡散率の異方性があると考えられるときには本項の確認
をする。厚み0.5mm及び1mmの同じ形状の測定試料を互いに直交した方向から切り出し,4.3.6の手順か
ら,4.4の計算によって熱拡散率を求め,同じ測定結果が得られることを確認する。異なる場合はその測定
結果を報告する。性能指数を計算するときは熱電能の測定方向と直角方向の値を採用する。
4.3.6 試料による測定手順 試料による測定手順は,次の手順によって行う。
a) 試料の厚み JIS R 1611による。ただし,試料の中心近傍を数回計測し,その平均を試料の厚みとす
ることが望ましい。
h) 表面処理 JIS R 1611による。
c) 雰囲気 JIS R 1611による。
d) 雰囲気温度及び試料温度の安定性 JIS R 1611による。
e) 照射強度 測定の再現性が許す限り,できるだけ光学フィルタなどでレーザ光の強度を下げる。また
4.3.3で確認した強度以下で測定する。
f) 測定温度 JIS R 1611による。
g) 測定温度範囲 測定する最大温度範囲は試料の融点から 照]を減じたものとする。
h) 記録 少なくとも ーザ光照射前後の温度履歴曲線を記録する。試料からの熱損
の補正量を評価するときには,c(JIS R 1611参照)が正確に評価できる範囲の温度履歴曲線までを記
録する。
4.4 計算 熱拡散率は下記の4.4.2の方法,4.4.3の方法又は4.4.4の方法によって計算する。
4.4.1 記号の説明 4.4.2の方法及び4.4.3の方法の記号は,次の意味をもつ。
懿 熱拡散率 (m2/s)
d : 室温における試料の厚み (m)
k1 : パルスの不均一性に関する補正係数 (JIS R 1611)
k2 : 熱損に関する補正係数 [3.b) ]
k3 : 非接触温度計の非線形性に関する補正係数 [3.m) ]
v : 線膨張 [3.j) ]
h : 3.h)の対数法の定義で説明した傾き。試料の温度上昇 歛 計算領域を0.3< 0.6と
する。
4.4.2 ハーフタイム法(4)
懿 0.138 8・k1・k2・k3・d2・ (1+v) 2/t1/2 (1)
注(4) 1,k2,k3(5)についてはそれぞれの影響が3%,vについては1%を超えないと判断される場合は,
k1=1.00,又はk2=1.00,又はk3=1.00,又はv=0.00とおくことができる。
(5) 非接触温度計の出力を対温度換算した場合も,k3=1.00とおくことができる。
4.4.3 対数法(6)
懿 −d2・ (1+v) 2/ (4・h) (2)

――――― [JIS R 1650-3 pdf 5] ―――――

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