JIS R 1661:2004 ファインセラミックスイオン伝導体の導電率測定方法 | ページ 2

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5.7 測定用導線

 測定器と電気炉内の試験片からの電極リードとを接続する測定用導線は,外来ノイズ
及び浮遊容量の影響を受けないように,できるだけ短く接続することが望ましい。

5.8 測定準備

 構成された測定装置が測定上問題がないことを,次に示す手順によって確認する。
a) 測定用導線の影響を除くために,交流インピーダンス計がもつ補償機能によって,測定用導線を含め
た補償を行う。
b) 試験片の電極形成の良否を判定するために,HcとHp端子及びLpとLc端子を,それぞれ同一電極に
接続し,試験片の各電極間のインピーダンスを測定する。それらの値が使用する測定器の電圧端子の
入力インピーダンスに対して十分小さいことを確認する。
c) 交流4端子法における共通モード電圧の影響を確認するために,図2で示すHp端子とLp端子とを試
験片の電圧端子(lp)に接続した状態で試験片のインピーダンスを測定し,得られた表示値がb)にお
ける試験片電圧端子間(hp-lp)の測定値に対して十分小さいことを確認する。

6. 測定

 測定は,次による。
a) 電流端子間の電圧は500 mV以下とする。
b) 測定周波数は100 Hz10 kHzとし,電圧端子間のインピーダンスの絶対値(|Z|)と位相(θ)を測
定する。少なくとも約100 Hz,約1 kHz及び約10 kHzの3種類の周波数における測定が必要である。
測定インピーダンスの位相がすべてほぼゼロとなる場合のインピーダンスの絶対値を有効数字3けた
まで測定し,実測抵抗値(R)とする。
c) 試験片が試験温度に達してから適切な時間間隔で測定を行い,実測抵抗値が一定となった値を定常値
として採用する。定常値を測定できなかった場合は,温度履歴を報告に明示する。

7. 導電率の計算方法

 体積イオン導電率は,次の式によって算出する。
L
R A
ここに, σ : 体積イオン導電率 (S/m)
L : 電圧端子間距離 (m)
R : 実測抵抗値 (Ω)
A : 試験片の断面積 (m2)

8. 測定結果のまとめ方

8.1 導電率

 得られた導電率を平均し,JIS Z 8401によって有効数字2けたに丸める。

8.2 導電率の表示方法

 導電率の表示方法は,次による。
a) 測定温度,導電率及び位相を記述する。
b) 多数の周波数での測定値を記述する場合にはボード線図を用いることが望ましい。
c) 導電率の温度変化を記述する場合には,各温度での導電率の対数を縦軸に,絶対温度の逆数を横軸に
プロットし,直線で結ぶ。

9. 報告

 報告には,必要に応じて,次の事項を記録する。
a) 測定した材料の種類及び製造業者名
b) 試験片の形状及び作製方法

――――― [JIS R 1661 pdf 6] ―――――

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c) 試験片の保管状況(期間,湿度及び温度)
d) 試験室の温度及び湿度
e) 試験片の寸法,かさ密度及び試験した試験片の数
f) 電極の付与方法(材料及び作製法)
g) 測定中の試験片の温度及び試験片周辺の雰囲気
h) 測定結果(導電率及び位相)
i) 測定年月日
j) その他特記すべき事項
k) 定常値を測定できなかった場合には,その温度履歴を示す。

――――― [JIS R 1661 pdf 7] ―――――

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附属書1(規定)安定化ジルコニア(酸化物イオン伝導体)への
電極付与方法

1. 適用範囲

 この附属書は,安定化ジルコニア(酸化物イオン伝導体)へ電極を付与する方法について
規定する。
2. 電極付与方法
2.1 電流端子 導電ペーストの塗布/焼成,スパッタリング,蒸着などの方法によって電極層を形成す
る。材料としては,白金又は銀が望ましい。電極材料は融点に配慮して選択する。金属微粒子ペーストを
用いる場合には,無機成分,特に,シリカ系フラックスを含有するものの使用は避ける。電極での酸素交
換反応の可逆性を保つために,多孔質となるように配慮する。電極形成後に電極材と同質の金属線を電極
リードとして巻き付ける。必要があれば,導電ペーストを用いて固定する。
2.2 電圧端子 2.1に準じる。
3. 報告 本体9.による。

――――― [JIS R 1661 pdf 8] ―――――

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附属書2(規定)ベータアルミナ(ナトリウムイオン伝導体)への
電極付与方法及びイオン導電率測定方法

1. 適用範囲

 この附属書は,ベータアルミナ(ナトリウムイオン伝導体)への電極付与方法及びイオン
導電率を測定する方法について規定する。
2. 試験片の前処理 試験片は吸湿分解を防ぐため,研削加工後,速やかに加熱(例えば,120 ℃で2時
間)乾燥した後,デシケーター内で冷却する。試験片は,測定まで乾燥剤を入れた密閉容器中で保管する。
3. 電極付与方法
3.1 材料 材料は,次による。
a) 亜硝酸ナトリウム JIS K 8019に規定する試薬又はこれに準じる試薬。
b) 硝酸ナトリウム JIS K 8562に規定する試薬又はこれに準じる試薬。
c) 黒鉛粉末 黒鉛粉末は発光分析などに用いられるもので,最高純度のものを使用する。粒径は,60
程度が望ましい。
3.2 電流端子 電流端子として金線を電極リードとして巻き付けその後,可逆電極として,亜硝酸ナト
リウム,硝酸ナトリウム及び高純度黒鉛粉末をほぼ等量(質量)で混合し,アセトンなどを加えてスラリ
ー状にしたものを塗布する。
警告 電極材料の付与に際しては,酸化剤として知られる亜硝酸塩及び硝酸塩を使用するため,室温
以下で取り扱い,引火源が近くにないこと,衝撃・加熱を避けること,炭化水素を含まない高
純度黒鉛の使用,適切な溶媒の選択など,国際化学物質安全性カード(ICSC)(1)などを参照し
て取扱いに十分な安全上の注意を払う。
注(1) 国際化学物質安全性カード(ICSC : International Chemical Safety Cards)
国際化学物質安全性計画(IPCS/WHO,UNEP,ILO : The International Programme on Chemical
Safety)で作成している化学物質の安全性に関する情報。国立医薬品食品衛生研究所(日本語),
国際労働安全衛生情報センター/国際労働機関(英語)が提供しているものの参照が望ましい。
参考 ナトリウム以外のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の混入は,導電率に影響を及ぼす。
3.3 電圧端子 電圧端子への電極付与には,金属微粒子の塗布及び焼付け,スパッタリング,蒸着など
の方法を用いる。電極材料としては金が望ましい。金属微粒子を用いる場合には,試験片との反応を避け
るため無機成分(ガラスなど)を含有するものの使用は避ける。また,電極材料中の不純物には注意が必
要であり,高純度なものが望ましい。
電極形成後に金線を電極リードとして巻き付ける。
4. 導電率測定
4.1 電気炉内の雰囲気 電気炉内の雰囲気は,可能な限り湿分を含まないこととする。電気炉に試験片
を挿入し,電極を安定化するため電気炉の温度を400450 ℃まで上昇した後,その温度で約30分保持す
る。

――――― [JIS R 1661 pdf 9] ―――――

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4.2 測定 本体6.に基づいて測定を行う。測定温度が複数ある場合は,最高温度から開始し,順次,温
度を下げて測定を行う。電極の熱分解のおそれがあるので,450 ℃以上の加熱は避ける。
5. 報告 本体9.による。

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