JIS R 1687:2009 長繊維強化セラミックス複合材料の高温における引張挙動試験方法 | ページ 2

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表1−記号及び定義(続き)
記号 単位 定義 参照
εm mm/mm 極限引張強さ (Rm) に対応するひずみ 10.1.5,図6
σ MPa 引張方向の応力 10.1.2 式(1),図6
σp MPa 比例限界応力 10.1.9,図6 a),c)

5 原理

  大気中,真空中又は不活性雰囲気の高温度環境のもとで,一定のひずみ速度,応力速度又はクロスヘッ
ド速度によって試験片に一軸引張荷重を負荷し,試験片が破壊するまで試験を行うことによって,引張応
力−ひずみ応答,種々の引張強さ及びそれに対応するひずみ,弾性率,並びに種々の変形エネルギーを決
定する。

6 装置

6.1   試験機 試験機は,JIS B 7721で保証されたグレード1.0のものを使用する。
6.2 試験片の装着
6.2.1 一般事項 試験機で負荷する測定荷重を試験片に伝達するために,種々の形式のグリップを使用で
きる。グリップには,一般に,直接グリップ方式及び間接グリップ方式がある。試験片の曲げひずみを低
減するため,試験片連結カップラー(ユニバーサルジョイントなど)を使用してもよい。
6.2.2 直接グリップ方式 直接グリップ方式では,機械式,油圧式,空気式などの方法で試験機から試験
片に力を伝達する。直接グリップ方式の例を図1に示す。
試験片のつかみ面とグリップ面との間に滑りが生じないように,試験片のつかみ部は刻み目状又はのこ
ぎり歯状などに加工されたグリップ面をもつとともに,十分な側面圧力を負荷しなければならない。
6.2.3 間接グリップ方式 間接グリップ方式では,試験機から試験片へ直接の機械的連結によって力が伝
達される。機械的連結の例として,試験片つかみ部の肩による方式(図2参照)及びつかみ部にあけた穴
にピンを差し込む方式などがある。
1 試験片 2 くさびつかみ 3 つかみ本体 4 つかみ機構
図1−直接グリップ方式の例

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1 拘束板 2 試験片 3 横方向センター合わせ挿入部材 4 つかみ取付
図2−間接グリップ方式の例
6.3 ひずみ測定 長繊維強化セラミックス複合材料試験片の引張試験では,必要に応じてひずみ測定を
行う。伸び計はJIS B 7741に準じて等級1とする。伸び計のゲージ長は10 mm以上(25 mmが望ましい。)
とし,試験片平行部の中央線上に装着する。試験片と機械的に接触する方式の伸び計では,引張挙動及び
測定結果に有害な影響を生じるような損傷及び化学反応を試験片表面に与えてはならない。接触式伸び計
の装着によって,試験片に8.1で許容する以上の曲げ率を生じないことをあらかじめ確認しておく必要が
ある。
6.4 加熱装置 加熱装置は,一定の昇温速度で昇温可能な温度調節装置を備えており,試験片全体又は
一部を加熱し,試験片ゲージ部における平均温度を試験温度に対して±3 ℃以内の精度で保持できるもの
でなければならない。また,試験片ゲージ部の温度こう(勾)配(分布)が,試験温度500 ℃未満の場合
は±5 ℃以内,500 ℃以上の場合は試験温度(℃)に対して±1 %以内に保持できるものでなければなら
ない。
6.5 温度測定 加熱装置及び試験片の温度の測定には,JIS C 1602に準じた熱電対,又はJIS C 1612に
準じた放射温度計を使用する。放射温度計を使用するときには,JIS R 1801などに準拠して対象とする波
長における試験片の放射率,放射率比を測定しておく必要がある。試験片の温度を直接測定する目的で熱
電対を試験片に接触させる場合には,引張挙動及び測定結果に有害な影響を生じるような損傷及び化学反
応を試験片表面に与えるものであってはならない。
6.6 データ収集 試験中の荷重,ゲージ部の伸び・ひずみなどの時間変化を記録するために,校正され
た記録計を使用する。アナログチャート記録計又はデジタルデータ収集システムを用いて,荷重,ゲージ
部の伸び・ひずみなどの時間変化を自動記録する。記録装置は,出力ユニットも含めて,試験システムの
選択範囲において1.0 %以内の精度でなければならない。
6.7 長さ計 マイクロメータは,JIS B 7502に規定するものを使用する。一般に,長繊維強化セラミッ
クス複合材料は,表面の微視的な凹凸が大きいため,測定端が鋭いアンビル形マイクロメータよりも平た
ん(坦)な形状のアンビル形マイクロメータの方が望ましい。

――――― [JIS R 1687 pdf 7] ―――――

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7 試験片

7.1 試験片形状

  この規格では,試験目的及び試験機によって材料に応じた種々の形状の引張試験片を選択することがで
きる。一般的なダンベル形試験片の形状及び寸法を表2及び図3に,また,一般的な短冊形試験片の形状
及び寸法を表3及び図4に示す。その他,推奨する試験片形状の例を附属書Bに示す。
試験片表裏面の仕上げ状態については,未加工状態又は加工状態のいずれでもよく,試験の目的に応じ
て決定する。試験片厚さ (h) は,通常,二次元織物 (2D) の場合は繊維の積層を3層以上,三次元織物 (3D)
の場合は構造ユニットセルを二つ以上含むものとする。

7.2 試験片の準備

  母板から試験片を切り出す場合には,繊維方向と試験片切り出し方向とに注意し記録する。試験片の加
工に当たっては,材料への損傷を防ぐために次の加工条件を遵守しなければならない。
a) 試験片は,できる限り試験片に損傷を与えないように注意して研削加工する。試験片の長さ方向の両
端面を除く4面の表面粗さは# 320800のダイヤモンドと(砥)石で仕上げた程度,又はそれ以上と
する。
b) 機械加工によって長繊維が切断され,それが強度に影響すると考えられる材料に関しては,機械加工
をしない試験片の使用も可とし,その場合はその旨を報告する。
c) 試験片の孔加工は,研削加工,切削加工などによって行う。加工するときには,孔縁部での,ばり,
かえり及びチッピングが発生しないように注意する。
表2−ダンベル形試験片の寸法
単位 mm
項目 寸法 許容値
全長 L2 ≧100 ±0.5
平行部の長さ L1 ≧30 ±0.2
厚さ d ≧2,かつ最小限 a)簡単な織物材では3層 ±0.2
又は,b)複雑な織物材では構造ユニットセルを2単位
平行部幅 W1 ≧5,かつ最小限 a)簡単な織物材では3繊維束 ±0.2
又は,b)複雑な織物材では構造ユニットセルを2単位
つかみ部幅 W2 ≧10,かつ最小限1.4×W1 ±0.2
R部半径 R ≧10 ±2
機械加工部の平行度 0.05
表3−短冊形試験片の寸法
単位 mm
項目 寸法 許容値
長さ L ≧100 ±0.5
厚さ d ≧2,かつ最小限 a)簡単な織物材では3層 ±0.2
又は,b)複雑な織物材では構造ユニットセルを2単位
幅W ≧6,かつ最小限 a)簡単な織物材では3繊維束 ±0.2
又は,b)複雑な織物材では構造ユニットセルを2単位
機械加工部の平行度 0.05

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L1 : 平行部長さ L2 : 全長
W1 : 平行部幅 W2 : つかみ部幅
d : 厚さ R : R部半径
注a) 平行部は,つかみ部へスムーズに移行
b) つかみ部と平行部とは段差のないスムーズな曲面で交差している。
図3−一般的なダンベル形試験片(表2参照)
L : 長さ W : 幅 d : 厚さ
図4−一般的な短冊形試験片(表3参照)

7.3 試験片の本数

  有効試験本数 (n) は,少なくとも5本以上とする。

7.4 有効な試験

  すべての試験条件がこの規格を満足しており,破壊が平行部かつ均熱部内で発生したことが確認された
とき,有効な試験結果が得られたものと判断する。

7.5 試験片のエンドタブ

  グリップによる負荷方式を採用するときには,試験片の両端部に補強タブを用いるのがよい。タブ用の
推奨材料としては,銅板,アルミ板,ガラス繊維強化又は炭素繊維強化のエポキシ樹脂複合材料(0°/90°
のクロスプライなど)がある。タブ長さは30 mm以上,タブ幅は試験片と同一,タブ厚さは両側合わせて
試験片と同等程度がよい。図5に試験実績のあるタブ形状の例を示す。

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単位 mm
W : 試験片幅
注記 表面仕上げは,0.5 μmRa1.0 μmRa,端面仕上げは1 μmRa2 μmRa
図5−傾斜のついたエンドタブの例

8 試験準備

8.1 引張軸方向の調整

  試験片の形状及びグリップ方式を変更した場合には,試験片に発生する曲げ成分をあらかじめ室温にお
いて測定し,曲げ率が比例限界応力の半分又は0.000 5 mm/mm(0.05 %)のひずみにおいて10 %以内で
あることを確認しておかなければならない。引張軸方向調整における曲げ率測定及び曲げ率算出法は,附
属書Aに示す方法による。
この調整作業は,試験片の形状及びグリップ方式を変更した場合には,その都度実施する。

8.2 加熱装置・温度測定の調整

  試験温度で最低3本の熱電対を用いて試験片ゲージ部の中央及び両端の温度を測定する。ゲージ部各点
での温度は,試験温度500 ℃未満の場合は±5 ℃以内,500 ℃以上の場合は試験温度(℃)の±1 %以内の
温度範囲で一定に温度が保持されることを確認しておかなければならない。試験片の温度を直接測定する
代わりに温度制御装置によって間接的に測定してもよいが,温度制御装置によって間接的に試験片の温度
を測定する場合には,あらかじめ温度制御装置(加熱装置)の温度と試験片の温度との相関データを取得
し,目的試験温度に対する試験温度の再現性が,試験温度の±0.5 %以内であることを確認しておかなけ
ればならない。

8.3 試験モード及び試験速度

  試験は荷重制御,変位制御,又はひずみ制御で行う。試験開始後1分間以内で破断が起こるように行う。

――――― [JIS R 1687 pdf 10] ―――――

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