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試験モード及び試験速度は報告する。
9 試験方法
9.1 試験片寸法の測定
各試験片の平行部の板厚及び幅を0.02 mmの精度で測定する。平行部の少なくとも三つの異なる断面で
寸法を計測する。引張応力の計算に用いるために,計測した寸法及び計測位置を報告する。応力の計算に
は,複数の測定寸法の平均値を用いる。
9.2 試験手順
試験手順は,次による。
a) 試験片の取付け 曲げ又はねじりが負荷されないように注意しながら,試験機に試験片を取り付ける。
試験片取付け時に予荷重(プリロード)を与える場合は,破断荷重の5 %を超えてはならない。
b) 伸び計の取付け 伸び計によってひずみを計測する場合,常温の無負荷状態で試験片の平行部に伸び
計を装着して出力のゼロバランスをとる。次に昇温・安定させた後,試験前に再度ゼロバランスをと
る。熱膨張率の大きな材料を試験する場合,常温であらかじめ熱膨張を考慮して伸び計を取り付ける。
c) 昇温 試験温度までの昇温は,試験片に熱衝撃がかからない程度の1030 ℃/分程度の昇温速度で
実施する。昇温時には,試験片及び試験ジグの熱膨張によって試験片に過大な負荷がかからないよう
にするため,荷重制御でゼロ荷重の状態で昇温するか,又は予荷重を負荷したまま昇温する。この場
合,予荷重は破断荷重の5 %を超えてはならない。
d) 温度保持 試験温度に到達した後に,試験片及び伸び計の温度分布が定常状態になるまで試験温度で
1530分間程度保持した後に,試験を開始する。ただし,この条件は,熱処理時間の影響を評価する
ときには除外する。昇温時間と保持時間とは報告する。試験温度を連続的に記録できない場合は,少
なくとも試験前後の温度は記録する。
e) 測定 伸び計のゼロバランス後,データ記録のための自動データ収集システムを立ち上げ,試験を開
始する。試験片の破断後,試験機及びデータ収集システムを停止し,負荷に対して1 %の精度で破断
荷重を記録する。試験終了後,グリップの面から試験片を注意して取り除く。破断面が互いに接触し
たり,他の物体に接触したりして破断面を損傷させないように注意する。試験片及び平行部からの飛
散物を合わせて回収する。
9.3 試験後処理
ゲージ部中心点からの破断部相対位置を計測して報告する。このとき,ゲージ部中心位置を0 mmとし
て試験片上側を正とし,下側を負とする方式を採用する。破断面が試験片軸に垂直でないときには,平均
的な破断位置を報告してよい。もし破断が,平行部以外及び均熱部以外で発生したときは,その結果は有
効な測定値としてはならない。
10 計算
10.1 結果の算出
10.1.1 一般事項
長繊維強化セラミックス複合材料は,次のように,異なる応力−ひずみ挙動を示すことがある。したが
って,試験結果の解釈に当たっては,応力−ひずみ応答の相違を考慮する必要がある。
a) 応力−ひずみ曲線の初期に線形域が現れる場合[図6 a)]。
b) 応力−ひずみ曲線がいたるところで非線形を示す場合[図6 b)]。
――――― [JIS R 1687 pdf 11] ―――――
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c) 応力−ひずみ曲線の初期に立上がり領域と線形域とが現れる場合[図6 c)]。
10.1.2 引張方向の応力
引張方向の応力を式(1)で計算する。
σ F/ A (1)
ここに, σ : 引張方向の応力 (MPa)
F : 引張荷重 (N)
A : 試験片の断面積 (mm2)
断面積は,次の式で計算する。
A W1d (ダンベル形試験片の断面積の場合) (2a)
A Wd (短冊形試験片の断面積の場合) (2b)
ここに, W1 : ダンベル形試験片平行部の平均幅 (mm)
W : 短冊形試験片の平均幅 (mm)
d : 平行部の平均厚さ (mm)
10.1.3 引張方向のひずみ
引張方向のひずみを式(3)で計算する。
ε l l0/ l0 (3)
ここに, ε : 引張方向のひずみ
l : ある瞬間のゲージ長(試験片又は伸び計のゲージ長)(mm)
l0 : 初期ゲージ長 (mm)
図6 c) のように,応力−ひずみ曲線の初期に立上がり領域と線形域とが現れる場合,立上がり領域は引
張試験に伴うみかけの現象であることから,図6 c) に示すように,応力−ひずみ曲線の線形域をゼロ応力
の側に拡張してひずみ軸との交点を求めることによって,応力−ひずみ曲線を修正する(Toe補正)。この
立上がり領域分の修正ひずみは,これより大きいすべてのひずみ値からこれを差し引いて補正する。その
結果得られた応力−ひずみ曲線を,10.1.310.1.12に示した各計算に使用する。ただし,この修正を行っ
た場合は,元データ及び補正された曲線の両方を報告する。
注記 応力−ひずみ曲線状のひずみの大きい領域では,次の二つの異なる挙動が現れる場合がある。
− 図6 a) 図6 c) の実線に示すように破壊前に応力が低下する場合。
− 図6 a) 図6 c) の破線に示すように破壊時まで応力の増加する場合。
――――― [JIS R 1687 pdf 12] ―――――
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a) 応力−ひずみ曲線の初期に線形域が現れる場合
b) 応力−ひずみ曲線がいたるところで非線形を示す場合
c) 応力−ひずみ曲線の初期に立上がり領域と線形域とが現れる場合
図6−長繊維強化セラミックス複合材料における模式的な応力−ひずみ (σ−ε) 曲線
――――― [JIS R 1687 pdf 13] ―――――
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10.1.4 極限引張強さ
極限引張強さを式(4)で計算する。
Rm Fm / A (4)
ここに, Rm : 極限引張強さ (MPa)
Fm : 最大荷重 (N)
10.1.5 極限引張強さに対応するひずみ(必要に応じて実施)
極限引張強さを示したときの発生ひずみ (εm) を,極限引張強さに対応するひずみとして確定する。
10.1.6 引張破壊強さ
引張破壊強さを式(5)で計算する。
Rf Ff / A (5)
ここに, Rf : 引張破壊強さ (MPa)
Ff : 破壊荷重 (N)
図6 a)図6 c) に破線で示すように,場合によってはRm=Rfとなる。
10.1.7 引張破壊ひずみ
引張破壊時に対応する工学ひずみεfを,引張破壊ひずみとして確定する。
図6 a)図6 c) に示すように,場合によってはεm=εfである。
10.1.8 弾性率
弾性率の計算を式(6)によって計算する。
σ
E (6)
ε
ここに, E : 弾性率
Δσ/Δε : 図6 a),図6 c) に示された線形領域における応力−
ひずみ (σ−ε) 曲線の傾き
図6 b) にみられるような線形関係を全く示さない応力−ひずみ曲線を示す材料では,弾性率の定義はで
きない。
10.1.9 比例限界応力
10.1.9.1 一般事項
比例限界応力σpは,次の方法によって決定する(図7参照)。ただし,図6 b) のように線形領域を全く
示さない応力−ひずみ曲線では,比例限界応力σpは定義されない。
10.1.9.2 オフセット法
応力−ひずみ曲線が明りょう(瞭)な直線性を示さないような場合,弾性率を測定するために用いた応
力−ひずみ曲線の線形領域にほぼ平行に直線(1 : オフセット直線)を引くことによって決定する。その直
線の軸方向ひずみ座標軸との交点のひずみ値が,オフセットひずみ (strain offset)(図7の2)である。比
例限界応力σpは,オフセット直線と応力−ひずみ曲線との交点(図7の3)として定義される応力値であ
る。
――――― [JIS R 1687 pdf 14] ―――――
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10.1.9.3 引張伸び法
規定のひずみ(図7の4)に対応する応力−ひずみ曲線上の応力を特定し,これを比例限界応力σpとす
る。規定のひずみは,応力−ひずみ曲線の線形部分に認められる場合も認められない場合もあるが,σpを
決定した規定のひずみは一定値とし,一連のすべての試験に対してこれを記載する。
注記 ひずみ0.000 5 mm/mmは,オフセット法による規定のオフセットひずみ,又は引張伸び法によ
る規定のひずみとして,有効であったとの実績がある。
10.1.9.4 測定者による規定法 (user-defined method)
内容が明りょうに規定され,記述された方法によって,σpを決定する。その方法を報告書に記載すると
ともに,一連のすべての試験に対して適用する。
図7−比例限界応力 (σp) 測定のための測定方法
10.1.10 比例限界応力におけるひずみ(必要に応じて実施)
引張試験で測定された比例限界応力に対応するひずみとして,比例限界応力におけるひずみεpを決定す
る。
10.1.11 回復弾性エネルギー (recoverable elastic energy) 又は弾性エネルギー係数 (modulus of resilience)
(必要に応じて実施)
ERを,応力−ひずみ曲線の線形部分下部の面積として,ジュール/立方メートル (J/m3) 単位で計算す
る。又は,別法として式(7)によって概算する[図6 c) 参照]。
εp
1
ER σ εd (7)
σ pε p
2
0
ここに, σp : 比例限界応力 (Pa)
εp : 比例限界応力に対するひずみ (mm/mm)
10.1.12 非回復累積損傷エネルギー (irrecoverable cumulative damage energy) 又はじん性率 (modulus of
toughness)(必要に応じて実施)
ETを,応力−ひずみ曲線の下部の全面積としてジュール/立方メートル (J/m3) 単位で計算する[図6 c)
――――― [JIS R 1687 pdf 15] ―――――
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JIS R 1687:2009の国際規格 ICS 分類一覧
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