9
R 1692 : 2012
c) 試験片形状及び寸法
d) 試験片の個数
e) 熱疲労試験機の名称及び形式
f) 熱疲労試験条件(低温の温度,高温の温度,移し換え時間,温度復帰時間,さらし時間,熱サイクル
数)
g) 4点曲げ試験機の名称及び形式
h) 4点曲げ試験条件(クロスヘッド速度,支点間距離)
i) 残存強度比−熱サイクル数のプロット図
j) 4点曲げ強さの平均値及び標準偏差
k) 残存強度比の平均値及び標準偏差
10.2 選択項目
熱疲労試験の結果には,次の各項目を必要に応じて報告する。
a) 走査型電子顕微鏡,光学顕微鏡などで測定したき裂の長さ及び深さ
b) 応力拡大係数の平均値及び標準偏差
c) 応力拡大係数−き裂深さのプロット図
10.3 補足項目
熱疲労試験の結果には,次の各項目を追加して報告することが望ましい。
a) 材料の製造業者及び製造年月日
b) 材料の添加物の種類及び焼結方法
c) 材料の化学成分
d) 素材からの試験片の採取条件及び加工条件
e) ファインセラミックスと金属板との接合方法
f) 温度,湿度などの試験環境条件
g) 熱疲労試験の熱媒体の種類
h) 試験年月日,試験場所及び試験者名
――――― [JIS R 1692 pdf 11] ―――――
10
R 1692 : 2012
附属書A
(参考)
き裂寸法の測定
A.1 き裂寸法の測定
熱疲労によって,図5に示すようにファインセラミックスに発生・進展するき裂は,金属板のエッジ付
近のファインセラミックスに発生し,ファインセラミックス表面から約20°40°の角度で内部方向に進
展し,その後界面方向と平行に進展する。図5に示すファインセラミックス破断面のき裂を観察すると図
6に示すような半円弧状き裂の形状となっている。ファインセラミックス基板の長手方向に対して垂直な
面に投影したき裂長さ2a及び深さbを測定する。ここでは,走査型電子顕微鏡と光学顕微鏡によるき裂寸
法の測定について紹介する。
A.2 走査型電子顕微鏡によるき裂寸法の測定
走査型電子顕微鏡で,ファインセラミックスの破面を観察する。熱疲労によってファインセラミックス
にき裂が発生・進展した破面の観察例を図A.1に示す。図6に示すようにファインセラミックス基板の長
手方向に対して垂直な面に投影したき裂を半だ円き裂と近似して,き裂の長さ2a及びき裂の深さbを測定
する。
なお,走査型電子顕微鏡によるファインセラミックスの破面観察の方法について簡単に説明する。電子
銃がタングステンフラメントタイプの従来型の走査型電子顕微鏡でファインセラミックスの破面観察を行
うためには,導電性を改善するためにイオンスパッタ装置を用いて蒸着膜を付ける必要がある。これはフ
ァインセラミックスが不導体のためである。電界放出型走査型電子顕微鏡の場合は,蒸着膜を付けなくて
もファインセラミックス破面を観察することができる。
b
2a
図A.1−熱疲労によってファインセラミックスに発生したき裂を
電界放出型走査型電子顕微鏡で観察した例
A.3 光学顕微鏡によるき裂寸法の測定
X,Y,Z軸方向の測長機能を備える光学顕微鏡で,熱疲労によってファインセラミックスに発生・進展
――――― [JIS R 1692 pdf 12] ―――――
11
R 1692 : 2012
したき裂長さ2a及び深さbを測定する。き裂をファインセラミックス基板の上面(金属板面側)から観察
した例を図A.2に示す。
き裂長さ2aは,光学顕微鏡で観察されたき裂の進展領域の幅をX, Y軸方向の測長機能を利用して測定
した。
き裂の深さbは,光学顕微鏡のZ軸方向(上下方向)の測長機能を用いて次のように測定した。
a) ファインセラミックスに発生したき裂進展領域から,光学顕微鏡の焦点が合う最も深い位置をき裂の
最深位置とした。図A.2のき裂ではB点である。
b) ファインセラミックス表面位置の代表をA点とした。
c) 点とB点の高さの差をき裂深さbとした。
B
セラミックス
き裂 A
2a
図A.2−熱疲労によってファインセラミックスに発生したき裂を光学顕微鏡で観察した例
A.4 走査型電子顕微鏡及び光学顕微鏡によるき裂寸法の比較
走査型電子顕微鏡で測定したき裂深さと光学顕微鏡で測定したき裂深さの関係を図A.3に示す。図から
両試験片ともに光学顕微鏡で測定したき裂深さと走査型電子顕微鏡で測定したき裂深さとはおおむね同じ
である。
350
,
b,
b m
μ
m
300
走査型電子顕微鏡によるき裂深さ
250
200
150
100
50
走査型電子顕微鏡によるき裂深さ
0
0 50 100 150 200 250 300 350
光学顕微鏡によるき裂深さ b,
光学顕微鏡によるき裂深さb,μm
図A.3−走査型電子顕微鏡及び光学顕微鏡で測定したき裂深さの比較
A.5 走査型電子顕微鏡及び光学顕微鏡による残存強度比とき裂深さとの関係
走査型電子顕微鏡及び光学顕微鏡から測定したき裂深さと残存強度比との関係を図A.4に示す。図から,
――――― [JIS R 1692 pdf 13] ―――――
12
R 1692 : 2012
光学顕微鏡で測定したき裂深さと残存強度比と走査型電子顕微鏡で観察したき裂深さと残存強度比との関
係はほぼ等しいことが分かる。
1.2 1.2
: 走査型電子顕微鏡 : 走査型電子顕微鏡
: 光学顕微鏡 : 光学顕微鏡
1 1
0
b0
0
0
b
b
σ
σ
0.8 0.8
/
/
/
b
b
σ
残存強度比σ
b
残存強度比
残存強度比
0.6 0.6
残存強度比
0.4 0.4
0.2 0.2
0 0
0 50 100 150 200 250 300 350 0 0.05 0.1 0.15 0.2 0.25 0.3
b,
き裂深さ
き裂深さb,μm き裂深さ1/b1/2,1/μm1/2
一
き裂深さ 1/b1/2 ,1/
図A.4−残存強度比と光学顕微鏡及び走査型電子顕微鏡で測定したき裂深さとの関係
A.6 走査型電子顕微鏡及び光学顕微鏡による応力拡大係数
走査型電子顕微鏡及び光学顕微鏡から測定したき裂寸法を用いて計算した応力拡大係数とき裂深さの関
係を図A.5に示す。図から光学顕微鏡で測定したき裂寸法を用いて計算した応力拡大係数と走査型電子顕
微鏡で測定したき裂寸法を用いて計算した応力拡大係数とはほぼ等しいことが分かる。
10
9 : 走査型電子顕微鏡
: 光学顕微鏡
2
m1/
2
8
1/
Pa
MP a
m
7
I,
,
数 KKM
6
応力拡大係数
5
4
拡大係
3
応力
2
1
0
0 50 100 150 200 250 300 350
き裂深さb,μm
き裂深さ b,
図A.5−応力拡大係数と光学顕微鏡及び走査型電子顕微鏡で測定したき裂深さとの関係
――――― [JIS R 1692 pdf 14] ―――――
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R 1692 : 2012
附属書B
(参考)
応力拡大係数の計算式
B.1 応力拡大係数の計算式
ファインセラミックス基板が破壊したときの応力拡大係数の計算には,ファインセラミックスに発生し
たき裂形状によって適切な計算式を用いる必要がある。ここでは,き裂を試験片表面の半円弧状き裂と仮
定し,き裂に4点曲げによる曲げ負荷が作用する場合の応力拡大係数を次に示す式(B.1)式(B.15)を用い
て算出する[1]。ここで, 戰 曲げ強さ試験から求めた4点曲げ強さ,aとbはき裂の観察から求めた
き裂半長とき裂深さ,wとtは試験片の幅と板厚である。
b b b b a
K=H F , , , (B.1)
E(K) t a w
1
.1652
b b
E(K)= 1+.1464 , ≦1 (B.2)
a a
2 4
b b
F= M1+M2 +M3 f gfw (B.3)
t t
ab
M1=.113−.009 (B.4)
.089
M2=−.054+ (B.5)
ab
2.0+
24
0.1 b
M3=5.0− +14 0.1− (B.6)
b a
.065+
a
2
tb
g=1+ 1.0+.035 1(−sin)2 (B.7)
1
2 4
=ab
f cos 2 2
+sin (B.8)
1
2
a b
fw= sec (B.9)
2w t
H=H1+(H2−H1) sinp (B.10)
b b
p=2.0+ +6.0 (B.11)
a t
――――― [JIS R 1692 pdf 15] ―――――
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JIS R 1692:2012の国際規格 ICS 分類一覧
- 81 : ガラス及びセラミック工業 > 81.060 : セラミックス > 81.060.30 : ニューセラミックス
JIS R 1692:2012の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB0601:2013
- 製品の幾何特性仕様(GPS)―表面性状:輪郭曲線方式―用語,定義及び表面性状パラメータ
- JISB7502:2016
- マイクロメータ
- JISB7507:2016
- ノギス
- JISR1600:2011
- ファインセラミックス関連用語
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方