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もつものとする。
b) 分光放射率を測定する面を表面,その裏側を裏面と呼ぶ。試験片裏面を試験片加熱装置になるべく密
着させるため十分に平滑にする。加工した試験片表面の放射率を測定する場合は,仕上げ加工条件及
び仕上げ状態を記録する。
c) 試験片温度を測定する目的で,試験片表面に温度計(熱電対又は測温抵抗体)を接着する場合は,分
光器の測定スポット内に温度計,接着剤などが入らないように注意する。熱電対による表面温度測定
では,JIS R 1802に規定する方法を用いることが望ましい。
d) 試験片表面の温度を直接測定できない場合は,試験片の側面又は底面から加工した止まり穴に,温度
計(熱電対又は抵抗測温体)を埋め込んでもよい。温度計からの熱の逃げを防ぐため,熱電対又は測
温抵抗体の素線径は0.5 mm以下であることが望ましい。
7.2 試験片の材質
試験片の材質は,波長1.6725 μmの範囲において不透明であり,その波長範囲における垂直全放射率
が0.2以上であるものとする。
7.3 試験片の数
試験片の数は,1個以上とする。
8 測定準備
8.1 測定環境
測定装置は23 ℃±5 ℃の温度環境(温度5級)におき,測定中の環境温度の変動は±1.5 ℃に制御する。
湿度は,相対湿度60 %以下であることが望ましい。また,空調などによる気流が試験片位置を直接通過し
ないようにする。
8.2 FTIRの光学系雰囲気置換
FTIRの光学系(導入光学系,干渉計及び検出器)は,水蒸気,二酸化炭素などによる赤外吸収の影響を
避けるため,露点が−60 ℃以下の乾燥空気,又は相当する乾燥窒素ガスで置換するか,又は真空にした環
境に設置してもよい。
8.3 黒体炉及び試験片の位置
黒体炉及び試験片は,FTIRの導入光学系に対して,光学的に等価な位置に置く。
8.4 FTIRのパラメータ設定
分解能は16 cm−1より高い値に設定する。サンプリングは100回以上とする。光束径及びスムージング
の方法については規定しない。
8.5 FTIRの波長(波数)校正及び赤外放射輝度測定値の線形性確認
8.5.1 波長(波数)の校正
波長(波数)の校正は標準ポリスチレン膜の赤外吸収スペクトル測定によって行う。透過法によって得
られたデータが,放射率測定に用いる分解能の範囲内で,第十五改正日本薬局方[B]一般試験法2.分光学的
測定法 2.25赤外吸収スペクトル測定法に記載のポリスチレン膜の吸収位置と一致することを確認する。
8.5.2 赤外放射輝度測定値の線形性確認
赤外放射輝度測定値の線形性確認は,次に示すいずれかの方法で実施する。
a) 黒体炉の温度を,測定を実施する温度に設定する。黒体炉からの赤外放射輝度スペクトルを測定し,
参照スペクトルとする。再度,黒体炉からの赤外放射輝度スペクトルを測定し,参照スペクトルとの
比を取って,100 %ラインを確認する。次に,導入光学系に透過率50 %のニュートラルフィルタを挿
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入して,黒体炉からの赤外放射輝度スペクトルを測定し,参照スペクトルとの比を取って,50 %ライ
ンを確認する。次に,導入光学系の光路を遮断して,黒体炉からの赤外放射輝度スペクトルを測定し,
参照スペクトルとの比を取って0 %ラインを確認する。これを月に一回程度実施することが望ましい。
b) 黒体炉からの赤外放射輝度スペクトル[Ib(λ,T)]を測定する。温度は,測定最高温度及び測定最低温
度又は測定最高温度での輝度値の30 %程度に相当する温度のうちのより低い温度を含む3点以上とす
る。プランクの式によって各温度における赤外放射輝度スペクトル[L(λ,T)]を計算する。三つ以上の
測定温度点における黒体炉からの赤外放射輝度スペクトルの実測値Ib(λ,T1,2,3) について,それぞれの
輝度信号比[=Ib(λ,Ti)/Ib(λ,Tj)]を計算し,それと同じ温度条件において,プランクの式から計算され
る黒体放射輝度の比[=L(λ,Ti)/L(λ,Tj)]の値について,波長を横軸にしてプロットする。各温度及び
波長において両者の値がよく一致することを確認する。
8.6 測定装置の安定性及び測定結果の妥当性確認
8.6.1 黒体炉の赤外放射輝度スペクトル測定
黒体炉からの赤外放射輝度スペクトルを510分程度の時間間隔で2回測定し,両者の比が(100±1)%
になることを確認する。また,水蒸気及び二酸化炭素(CO2)による吸収の差異が十分に少ないことを確
認する。
赤外スペクトルの取得手順は9.19.3に,分光放射率の算出は10.1によって実施する。
8.6.2 標準物質からの赤外放射輝度スペクトル測定
分光放射率が既知の標準物質(試験片)を測定し,標準物質(試験片)に添付されたデータとよく対応
した分光放射率が得られることを確認する。
赤外スペクトルの取得手順は9.19.3に,分光放射率の算出は10.1によって実施する。
9 測定の手順
9.1 背景放射の測定
背景放射測定用ミラーを試験片測定位置±5 mmに設置し,室温付近にて温度を保持する。分光器の測
定スポットがミラーの中央にあり,ミラーの外にはみ出していないことを確認する。干渉計側からミラー
に入射した光が,ミラー表面で反射して再び干渉計に戻らないように,ミラーの法線方向をミラーから干
渉計への光軸に対して10°程度傾ける。
背景放射のスペクトルを510分程度の時間間隔で2回以上,望ましくは3回以上測定し,両者の比が
(100±1)%になることを確認した上で,いずれか一方又はそれらの平均値を背景放射輝度スペクトルデ
ータとする。
9.2 黒体放射の測定
黒体炉を,黒体炉の開口が測定装置の試験片位置にくるように設置する。分光器の測定スポットが黒体
炉の開口の中央部にあり,開口の外にはみ出していないことを確認する。
黒体炉の温度を規定の値に調整し,保持する。黒体炉からの赤外放射輝度スペクトルを510分程度の
時間間隔で2回以上,望ましくは3回以上測定し,両者の比が(100±1)%になることを確認した上で,
いずれか一方又はそれらの平均値を参照スペクトルデータとする。
9.3 試験片からの放射の測定
試験片からの放射の測定は,次による。
a) 試験片を取り付けた試験片加熱装置を,試験片表面が測定装置の試験片位置にくるように設置する。
b) 試験片の裏面と試験片加熱装置の試験片保持部の表面とが十分に接触するように試験片を取り付け
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る。試験片位置での分光器の測定スポットが試験片の中央部にあり,試験片の外にはみ出していない
ことを確認する。
c) 干渉計側から試験片に入射した光が,試験片表面で反射して再び干渉計に戻らないように,試験片の
法線方向を干渉計への光軸に対して10°程度傾ける。
d) 試験片の表面温度を,先に設定した黒体炉の温度と同じ値となるように温度を調整する。又は,試験
片の表面温度に黒体炉の温度を一致させてもよい。熱電対による表面温度測定では,JIS R 1802に規
定する方法を用いることが望ましい。
e) 試験片からの赤外放射輝度スペクトルを510分程度の時間間隔で2回測定し,両者の比が(100±1)%
となることを確認した上で,いずれか一方又はそれらの平均値を試験片のスペクトルデータとする。
f) 同一温度における黒体放射と試験片からの放射の各2回ずつの測定は,合わせて30分以内に実施する
ことが望ましい。
10 計算方法
10.1 分光放射率の算出
黒体炉及び試験片からの赤外放射輝度スペクトルと,背景放射の赤外放射輝度スペクトルIm(λ,Ta) とか
ら,式(1)によって分光放射率εs(λ,T) を算出する。JIS Z 8401に従って数値を丸め,有効数字を小数点以下
2桁まで算出する。
Is ,T Im ,Ta
s ,T (1)
Ib ,T Im ,Ta
ここに, εs(λ,T) : 温度Tにおける試験片の分光放射率
Is(λ,T) : 温度Tにおける試験片の赤外放射輝度スペクトル
(測定値)
Ib(λ,T) : 温度Tにおける黒体炉の赤外放射輝度スペクトル
(測定値)
Im(λ,Ta) : 室温Taにおける背景放射測定用ミラーの赤外放射輝
度スペクトル(測定値)
λ : 波長(μm)
10.2 特定波長域における垂直放射率の算出
黒体炉及び試験片からの赤外放射輝度スペクトルと,背景放射の赤外放射輝度スペクトルIm(λ,Ta) から,
次の式(2)によって波長λ1からλ2の波長域における垂直放射率εs(λ1,λ2,T) を算出する。
1
Is ,T Im ,Ta d
2
s 1, 2,T 1
(pdf 一覧ページ番号 )
Ib ,T Im ,Ta d
2
式(2)の計算に当たっては,シンプソン積分法又は台形積分法を使用する。一般的なTGS検出器で測定
される波長域である3.325 μm(波数3 000400 cm−1)を積分範囲とした場合,温度100600 ℃の範囲
であればこの波長域における垂直放射率は垂直全放射率と比較的良く一致する。
11 報告
測定結果の報告書には,次の項目を記載する。ただし,h) 及びi) については省略してもよい。
a) 試験機関の名称及び住所
――――― [JIS R 1693-1 pdf 8] ―――――
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b) 測定年月日,試験担当者,報告書の番号付け
c) この規格の番号
d) 測定装置に関する記述
1) TIRの仕様(製造業社名・機種・形式,検出器,光学系,光束径)
2) 黒体炉の仕様[製造業社名・機種・校正証明書番号(記載可能な場合)]
3) 温度計の校正証明書番号(記載可能な場合)
4) 試験片加熱炉の仕様(製造業者名・機種)
e) 試験片に関する記述(材質,形状,寸法,仕上げ加工条件,認識番号)
f) 測定・解析条件に関する記述(分解能,データポイント,積算回数,スムージング法,試験温度,試
験片の温度測定方法,測定環境の温度)
g) 垂直分光放射率及び試験片温度の測定結果
注記 垂直分光放射率は,横軸を波長(μm単位),縦軸を放射率(小数表示)としてプロットされ
たグラフとして報告する[λ(μm)=10 000/κ(cm−1)]。
h) 特定波長域における垂直放射率[式(2)によって計算された値。放射率導出に使用した分光放射率の波
長範囲を明記する。]
i) その他必要な事項(測定システムの妥当性に関する記述,黒体炉の放射輝度スペクトル測定結果又は
フィルタを用いた0 %,50 %,100 %透過スペクトル測定結果,校正結果・標準試験片の測定結果など)
参考文献 第十五改正日本薬局方 一般試験法 2.25赤外吸収スペクトル測定法
――――― [JIS R 1693-1 pdf 9] ―――――
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附属書A
(参考)
測定装置の構成例
A.1 測定装置の構成例
測定装置の構成例を,図A.1及び図A.2に示す。
図A.1−測定装置の構成例1
――――― [JIS R 1693-1 pdf 10] ―――――
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JIS R 1693-1:2012の国際規格 ICS 分類一覧
- 81 : ガラス及びセラミック工業 > 81.060 : セラミックス > 81.060.30 : ニューセラミックス
- 81 : ガラス及びセラミック工業 > 81.060 : セラミックス > 81.060.10 : セラミック原材料
JIS R 1693-1:2012の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC1602:2015
- 熱電対
- JISC1604:2013
- 測温抵抗体
- JISC1612:2000
- 放射温度計の性能試験方法通則
- JISR1600:2011
- ファインセラミックス関連用語
- JISR1802:2005
- 遠赤外ヒータの表面温度測定方法―熱電対法
- JISZ8117:2002
- 遠赤外線用語
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方