JIS R 1721:2015 長繊維強化セラミックス複合材料の高温における圧縮特性の試験方法 | ページ 2

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けの断面積及び実効断面積の2種類の断面積を定義する。
3.5.1
見かけの断面積,A0,a(apparent cross section area)
表面の耐酸化コーティング層を含む試験片の初期断面積。
3.5.2
実効断面積,A0,e(effective cross section area)
表面の耐酸化コーティング層を除いた試験片の初期断面積。
3.6
長手方向の変位量,ΔL(longitudinal deformation)
圧縮荷重下における標点間のゲージ部長さの減少量。最大荷重での値は,ΔLc,mと表記する。
3.7
圧縮ひずみ,ε(compression strain)
標点間における長手方向変位量を,ゲージ部長さで除した値(ΔL/L0)。最大荷重における圧縮ひずみは,
εc,mと表記する。
3.8
圧縮応力,σ(compression stress)
試験片に加えられた圧縮荷重(外力)を初期断面積で除した値。見かけの圧縮応力及び実効圧縮応力の
2種類がある。
3.8.1
見かけの圧縮応力,σa(apparent compression stress)
見かけの断面積(A0,a)を用いた場合の圧縮応力。
3.8.2
実効圧縮応力,σe(effective compression stress)
実効断面積(A0,e)を用いた場合の圧縮応力。
3.9
最大圧縮荷重,Fm(maximum compression force)
圧縮試験において記録された試験片破壊時の最大の圧縮荷重。
3.10
圧縮強さ,σc,m(compression strength)
最大圧縮荷重を初期断面積で除した値。表面コーティング層がある場合は,見かけの圧縮強度及び実効
圧縮強度の2種類の圧縮強度を定義する。
3.10.1
見かけの圧縮強度,σc,m,a
見かけの断面積(A0,a)を用いた場合の圧縮強さ。
3.10.2
実効圧縮強度,σc,m,e
実効断面積(A0,e)を用いた場合の圧縮強さ。
3.11
擬似弾性率,Ep(proportionality ratio or pseudo-elastic modulus)
応力ひずみ線図の線形部分における傾き。長繊維強化セラミックス複合材料の応力ひずみ線図では,次

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によって定義する。
a) 応力ひずみ線図に直線部がある場合は,擬似弾性率Epは,式(1)で定義する。
σ2 σ1
Ep σ1 , σ2 (1)
2
1
ここに,(ε1, σ1)及び(ε2, σ2)は,応力ひずみ線図の直線部における下限及び上限のひずみ並びに応力で
ある。原点近傍から直線性が認められる場合には,擬似弾性率は,弾性率Eとなる。
b) 表面コーティング層がある場合は,見かけの弾性率及び実効弾性率の2種類の弾性率又は擬似弾性率
を定義する。
3.11.1
見かけの弾性率
見かけの圧縮応力(σa)を用いた弾性率又は擬似弾性率。
3.11.2
実効弾性率
実効圧縮応力(σe)を用いた弾性率又は擬似弾性率。
3.12
軸方向ひずみ(axial strain)
指定された場所における試験片表面の長手方向ひずみの平均値(附属書JA参照)。
3.13
曲げひずみ(bending strain)
指定された場所における試験片表裏における長手方向ひずみの差に1/2を乗じたもの(附属書JA参照)。
3.14
曲げ率(percent bending)
曲げひずみを軸方向ひずみで除した値をパーセント表示したもの(附属書JA参照)。
3.15
座屈開始荷重,Fb
荷重の増加に対して試験片側の長手方向のひずみが,増加から減少に転じたときの荷重。

4 基本原理

  規定する形状及び寸法の試験片を試験温度まで加熱後,圧縮荷重を負荷する。試験は,一定のクロスヘ
ッド速度又は一定の変形速度で実施する。荷重及び長手方向変形は,連続的に測定及び記録する。
注記1 一定のクロスヘッド速度,又は変形速度で実施するため,応力ひずみ挙動が破壊まで線形で
あるときだけ一定の負荷速度となる。
注記2 破壊するまで試験を行う場合は,ジグを保護するために一定のクロスヘッド変位を用いるこ
とが望ましい。

5 装置及び器具

5.1 試験機

  試験機は,試験片に負荷された荷重を測定するシステムを備えており,JIS B 7721で規定する等級1の
ものを使用する。試験機の精度は,実際の試験条件(圧力,温度)においても有効でなければならない。

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5.2 荷重伝達系(負荷ジグ)

  負荷ジグは,可動式クロスヘッド,負荷ロッド,グリップ又は押し板(プラテン)で構成する。また,
グリップ,プラテン又は負荷ロッドを接続するために連結部品類も使用する。
負荷ジグは,ロードセルの測定値,及び実際の試験片に負荷される荷重が一致するようにしなければな
らない。また,アライメントシステム又は荷重伝達システムを含む負荷ジグ系は,加熱による変化があっ
てはならない。
荷重システムは,試験片に曲げ又はねじりが発生しないように,負荷方向に対して軸合わせをする。ア
ライメント(軸ずれ)の評価は,ISO 17161(附属書JA参照)又はJIS R 1673の附属書Bで規定する方
法によって実施し,曲げ率を測定する。曲げ率の最大値は,500×10−6ひずみにおいて5 %を超えてはなら
ない。
負荷ジグとしては,次の二つの方法がある。
a) 圧縮用押し板は,荷重計及び可動するクロスヘッドに取り付ける。圧縮用押し板は,負荷方向に対し
て垂直であり,負荷部分の室温における平行度は0.01 mm以上でなければならない。
接触圧力を均一にするために,巨視的に不均質な材料の試験では,試験片とプラテンとの間に柔ら
かな材料を挟み込んでもよい。ただし,挟み込む材料は,試験片及びプラテンと化学的に反応しない
材料でなければならない。
座屈が発生するような試験片形状の場合には,JIS K 7076で規定する附属書JBに例示されている
座屈防止ジグを使用してもよい。ただし,座屈防止ジグは,試験片の負荷中に付加的な応力を発生す
るものであってはならない。
注記1 1D及び2Dの厚さの薄い材料では,座屈が発生しやすいため,この方法は用いない方がよ
い。
b) グリップは,試験片をつかみ,荷重を負荷するために使用される。グリップは,試験片を滑らさない
もので,負荷方向に適切な軸合せをしなければならない。
注記2 グリップ及び押し板は,電気炉の外部又は内部の加熱域のいずれでもよい。
注記3 グリップ及び押し板が電気炉の外部にある場合,試験片中央部と,試験片とジグの接触部
(つかみ部又は端部)との間に温度差が生じるので注意が必要である。

5.3 環境槽(チャンバー)

  不活性雰囲気又は真空中での試験においては,気密な環境槽(チャンバー)を用いる。チャンバーは試
験中に試験片近傍の雰囲気を適切に制御できるものでなければならない。チャンバー内の圧力変動による
荷重の変動が,ロードセルのスケールに対して1 %以下でなければならない。
ガス雰囲気中で試験を行う場合は,対象材料及び試験温度に適した雰囲気ガスを選択しなければならな
い。ガスの圧力レベルは,対象材料や温度,雰囲気ガス,及び伸び計の種類などを考慮して決定する。
真空中で試験を行う場合は,対象材料や伸び計ロッドが,化学的・物理的に安定な真空度で試験を実施
する。

5.4 試験片の加熱

  試験片ゲージ部内における温度差が,500 ℃以上の試験では20 ℃以内,500 ℃未満では10 ℃以内とな
るように加熱しなければならない。

5.5 伸び計

  試験温度において,荷重の関数として長手方向の変形を連続的に測定するために,ひずみゲージ又は伸
び計を用いる。伸び計の直線性は,フルレンジに対して0.15 %以下とする。伸び計は,JIS B 7741に規定

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するものを使用する。
機械式の接触形伸び計を用いる場合,試験片長手方向の初期標点間距離と一致するようにロッドを取り
付けなければならない。伸び計のロッドは,試験温度及び環境において,ロッド材料の形状変化による変
位測定精度への影響があってはならない。また,ロッド材料は,試験片材料と反応しないものを選択する。
注記1 可能な限り長いゲージ長さの伸び計を用いることが望ましい。
注記2 接触点で伸び計が滑らないような最小の接触力とする。また,伸び計の接触力によって,5.2
で規定されている曲げ率を超えることのないように注意する。
電気・光学式伸び計を用いる場合には,試験片に参照マークが必要である。このため,ロッド,フラッ
グなどの基準マークは,試験片の長手方向に対して垂直な試験片表面に取り付ける。これらのマーク間の
距離は,ゲージ部長さに対応する。マークに用いる材料は,試験温度において,試験片の材料と反応せず,
試験片の応力状態に影響を与えないものでなければならない。
注記3 試験片形状によっては応力集中の原因になるため,試験片に直接マークとなる突起などを加
工する“インテグラルフラグ”の使用は望ましくない。インテグラルフラグを用いる場合は,
試験結果に影響を及ぼさないように形状・寸法などに配慮する。
注記4 基準マークが十分に認識できない場合,光学式伸び計は望ましくない。

5.6 温度測定

  熱電対は,JIS C 1602に準拠するものを用いる。放射温度計を用いる場合は,JIS C 1612に準拠して校
正されているものを用いる。熱電対がJIS C 1602に準拠していない場合,また別の方法で校正された放射
温度計を用いる場合は,試験レポートに校正データを付加する。

5.7 データ収集システム

  荷重及び変位データを記録するため,校正された記録計を使用する。

5.8 寸法測定器

  試験片の平行部における幅及び厚さ測定に使用する長さ計は,0.01 mmの単位まで測定できるもの,又
はこれと同等以上の目量をもつものとする。マイクロメータは,JIS B 7502に規定するものを使用する。

5.9 ひずみゲージ

  ひずみゲージは,室温におけるジグ及び試験片のアライメントを確認するために使用する。ひずみゲー
ジが使用可能な温度であれば,試験中の試験片長手方向ひずみの測定にも使用できる。いずれの場合にも,
繊維束の交差のような試験片の表面における局所的な形状などによって影響されないようなゲージ長さと
する。また,ひずみ測定値が,試験片表面状態又は接着剤によって影響されないように十分に注意しなけ
ればならない。
ゲージ長さは,一般に,2D及び3D材ともに,構造ユニットセル(複合材料の織物周期構造をなす最小
単位)が二つ以上かかるものとする。ひずみゲージ,表面調整及び接着剤は,対象試料に対して適切な試
験ができるように選定するのが望ましく,また,適切なひずみ記録装置を用いるのがよい。

6 試験片

6.1 一般

  試験片形状は,材料及び強化体の構造,加熱方法,負荷方法,試験方法などを考慮して選択する。ゲー
ジ部長さは,材料の代表的な値でなければならない。また,平行部長さは座屈破壊が起こらないように決
める必要がある。
注記 試験片平行部の断面積は,構造ユニットセル(複合材料の織物周期構造をなす最小単位)の4

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倍以上であることが望ましい。具体的には,平行部の幅は簡単な織物材では3繊維束,複雑な
織物材では構造ユニットセル2単位を最小とする。厚さは簡単な織物材では3層,複雑な織物
材では構造ユニットセル2単位を最小とする。
試験片の座屈には,材料の剛性に加えて,試験片の長さと厚さとの比率が大きく影響する。破断前に顕
著な座屈が発生した場合には,試験片の寸法を変更する。
試験片としては,次に示す二つの区別がある。
a) 長さ方向及び幅方向だけ所定の寸法に加工し,表裏面は,未加工状態である試験片。この場合,試験
片平行部の上下面は未加工面,側面は加工面となる。
b) 全ての面が加工されている試験片。この試験片では,長さ方向,幅方向及び表裏面方向ともに加工面
となる。
厚さ寸法の許容値は,表裏面も加工された試験片だけに適用する。表裏面が未加工の試験片では,試験
片長手方向の中心及び両端における厚さが,その平均値に対して5 %を超えないことが望ましい。

6.2 押し板方式による試験片

  1形試験片の形状及び推奨寸法を図1,表1及び表2に,2形試験片の形状及び推奨寸法を図2及び表3
に示す。
押し板による圧縮試験では,試験片端部における接触力による破壊又は試験片の座屈を防ぐような試験
片形状及び接触面とする。
押し板による圧縮試験において,JIS K 7076で規定する附属書JBに例示されている座屈防止ジグを使
用する場合には,板厚が薄い試験片も使用することができる。この場合には,例えば,図1 b)及び表2に
示す1b形試験片を使用する。
a) 1a形試験片 b) 1b形試験片(座屈防止ジグ併用)
図1−1形試験片の形状

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JIS R 1721:2015の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 14544:2013(MOD)

JIS R 1721:2015の国際規格 ICS 分類一覧

JIS R 1721:2015の関連規格と引用規格一覧