JIS R 3912:2014 補強用糸―より数の試験方法

JIS R 3912:2014 規格概要

この規格 R3912は、ガラス繊維,炭素繊維,アラミド繊維及びその他の補強用繊維から成る糸のより数の試験方法について規定。

JISR3912 規格全文情報

規格番号
JIS R3912 
規格名称
補強用糸―より数の試験方法
規格名称英語訳
Reinforcement yarns -- Determination of twist
制定年月日
2000年9月20日
最新改正日
2019年10月21日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

ISO 1890:2009(MOD)
国際規格分類

ICS

59.100.01
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
2000-09-20 制定日, 2006-03-25 確認日, 2010-10-01 確認日, 2014-10-20 改正日, 2019-10-21 確認
ページ
JIS R 3912:2014 PDF [7]
                                                                                   R 3912 : 2014

pdf 目 次

ページ

  •  序文・・・・[1]
  •  1 適用範囲・・・・[1]
  •  2 引用規格・・・・[1]
  •  3 用語及び定義・・・・[1]
  •  4 原理・・・・[2]
  •  5 装置・・・・[2]
  •  6 試験片・・・・[3]
  •  7 状態調節及び試験雰囲気・・・・[3]
  •  8 手順・・・・[3]
  •  8.1 単糸・・・・[3]
  •  8.2 もろより糸又はケーブルヤーン・・・・[3]
  •  9 結果の表示・・・・[4]
  •  10 精度・・・・[4]
  •  11 試験報告・・・・[4]
  •  附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表・・・・[5]

(pdf 一覧ページ番号 1)

――――― [JIS R 3912 pdf 1] ―――――

R 3912 : 2014

まえがき

  この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本プラスチック
工業連盟(JPIF)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格(日本産業規格)を改
正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格(日本産業規格)であ
る。
これによって,JIS R 3912:2000は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

(pdf 一覧ページ番号 2)

――――― [JIS R 3912 pdf 2] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
R 3912 : 2014

補強用糸−より数の試験方法

Reinforcement yarns-Determination of twist

序文

  この規格は,2009年に第4版として発行されたISO 1890を基とし,規格で使用する用語及び定義を明
確にするため追加し,技術的内容を変更して作成した日本工業規格(日本産業規格)である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一
覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。

1 適用範囲

  この規格は,ガラス繊維,炭素繊維,アラミド繊維及びその他の補強用繊維から成る糸のより数の試験
方法について規定する。この方法は,単糸(単一のより糸),もろより糸及びケーブルヤーン(二つ以上の
より糸)に適用できる。
この規格は,パッケージ巻きされた糸に適用する。織機又は織物から採取した糸で測定した場合は,そ
の結果は単に性質を表示する。
この規格の方法は,ステープル繊維から作られた製品には適用できない。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 1890:2009,Reinforcement yarns−Determination of twist(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。

2 引用規格

  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 6900 プラスチック−用語
JIS K 7100 プラスチック−状態調節及び試験のための標準雰囲気
注記 対応国際規格 : ISO 291,Plastics−Standard atmospheres for conditioning and testing(MOD)
JIS R 3911 補強用糸−線密度の試験方法
注記 対応国際規格 : ISO 1889,Reinforcement yarns−Determination of linear density(IDT)

3 用語及び定義

  この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS K 6900によるほか,次による。

――――― [JIS R 3912 pdf 3] ―――――

2
R 3912 : 2014
3.1
Zより,Sより
糸のよりの方向。製品中のよりはその製品を垂直に置き,軸周りの繊維のまき(捲)回方向がZ字形の
場合は,Zより,S字形の場合は,Sよりという(ISO 2参照)。

4 原理

  既知の長さの試験片のよりは,解ねん(撚)によって取り去られる。解ねんは,例えば,試験片の終端
の一方を,他端に対して,試験片を構成している全ての糸及びフィラメントが平行になるまでターンさせ
ることによる。
糸のよりの方向を記録し,より数は1 mの糸の解ねんに必要なターン数として表す。
より数の試験方法は,糸の引出し(巻戻し)方法が結果に影響を与えることを見込み,糸がパッケージ
の接線方向に引き出されるとき,ねん(撚)機によって加えられたよりは変わらない。一方,糸がパッケ
ージのオーバーエンド(軸方向)に引き出されると,その測定されたより数はパッケージの円周に応じて
変わる。それは糸がパッケージのどちらから引き出されるかどうかに依存して増減する。
この規格に規定された方法は,接線方向への引き出しを基にしている。
必要があればそのオーバーエンド(軸方向)のよりは,測定するか又は次の式によって求められる。
1
Toverend Ttangential
πD
ここに, Tover−end : 糸をパッケージのオーバーエンド(軸方向)に引き出し
たときのより数
Ttangential : 糸をパッケージの接線方向に引き出したときのより数
1 : オーバーエンド(軸方向)引き出しによって生じたより
πD
数に相当する。
D : 試験片が引き出されたパッケージにおける直径(m)

5 装置

5.1   検ねん器
検ねん器は,一本の棒に装着した一端が水平方向に移動し,他端は回転できる二つのクランプをもつ装
置で,次の事項を満足しなければならない。
a) 最も整数に近いターンまでのターン数を測定できる。
b) クランプはスリップせずに糸をつかむことができ,かつ,糸をきず付けない。
c) 検ねん器は,クランプ間の糸の長さを±1 mmの精度で測定できる装置とする。
d) クランプ間の糸の張力を,糸の公称線密度によって計算される値に調節することができる。
実際にはこの張力は,単糸(もろより糸又はケーブルヤーンでは最終のより)においては結果に影
響を与えない。
定期的な検査及び解ねんに起因する糸の伸びの測定が必要ない場合は,試験片が適切な張力で把持
されていることを確認して,この張力調整は省略してもよい。
e) クランプ間の初期間隔は,500 mm±1 mmとする。
f) よりなし又は20ターン/m以下の炭素繊維糸では,その糸の仕様書又はその試験を指示する人は,
4 m≦L≦5 mで与えられる試験片の長さLで試験できるように,組み込まれた固定クランプ付きスタ
ンドを使うことを規定してもよい。より数の計算のために,長さは0.05 mの精度で測定する。

――――― [JIS R 3912 pdf 4] ―――――

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R 3912 : 2014
5.2 分離用の針又は薄い刃物
5.3 拡大鏡
試験片の検査時に,糸の分離を容易に確認するために使用する。

6 試験片

  より数の試験方法は,基本単位1) 又は実験用試料2) から連続的に採取された,通常三つの試験片によっ
て行う。
糸の仕様書又は試験発注者は,この試験を,基本単位又は実験用試料の近傍位置から採取した,四つ以
上の試験片で行うよう規定してもよい。
さらに,この形状とは限らない場合は,パッケージの円筒部分又は所定長さのいずれかで,基本単位又
は実験用試料内の異なる位置で試験を繰り返すよう規定してもよい。
注1) 基本単位とは,通常商業上入手し得る製品の最小単位である。
2) 実験用試料とは,そこから試験片が試験用に選ばれる,基本単位の一部分であり,実験室へ基
本単位をもってくることが非実用的な場合に基本単位から採取されるものである。

7 状態調節及び試験雰囲気

  状態調節は必要としない。試験雰囲気を規定する場合は,JIS K 7100に規定する標準雰囲気で行うもの
とする。

8 手順

8.1 単糸

8.1.1  必要な場合は,糸の張力を0.25 cN/tex±0.1 cN/texに調節する。
8.1.2 糸の線密度が未知の場合は,JIS R 3911によって測定する。
8.1.3 試験する基本単位又は実験用試料は,表面に損傷のないことを目視で確認する。必要な場合は,損
傷のない糸を得るまで基本単位又は実験用試料から損傷のある糸を除去する。
8.1.4 糸をパッケージの接線方向に(軸方向に対して垂直に)引き出し,切断せず直接検ねん器に導き,
初めに回転クランプに固定する。その後スライドクランプに固定する。これらのクランプ操作中に,初め
に基本単位又は実験用試料と回転クランプとの間,次にクランプ間で糸が緊張していることを確認する。
8.1.5 検ねん器のカウンターを0にセットする。
8.1.6 よりをなくす方向に回転クランプを回す。スライドクランプから回転クランプまでのフィラメント
束間に分離用の針又は薄い刃物を入れることができるまで回す。必要な場合は,針の挿入を補助したり,
全てのよりが除去できたことを確認するために拡大鏡を用いてもよい。
8.1.7 カウンターのターン数及びそのより方向(Zより又はSより)を記録する。
8.1.8 他の二つの試験片についても同様に測定する。

8.2 もろより糸又はケーブルヤーン

8.2.1  8.1に規定された手順は,もろより糸又はケーブルヤーンの最終のよりにも適用できる。
8.2.2 最終のよりを測定後,更に解ねんされた糸がもろより糸又は単糸である場合は次による。
a) 最終のよりの測定後,直ちに試験片を構成している糸の一本を残し他の全ての糸を切断する。
b) カウンターを0にリセットし,試験片が真っすぐに保持するように僅かな緊張下にあることを確認す
る。

――――― [JIS R 3912 pdf 5] ―――――

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