JIS S 0024:2004 高齢者・障害者配慮設計指針―住宅設備機器 | ページ 3

                                                                                              9
S 0024 : 2004

5.15 洗面・脱衣室の設備機器

    備考 洗面器,鏡,キャビネットなどが組み込まれた洗面化粧ユニットの方式と,それらが単体で取
付けられる方式とがあるが,洗面化粧ユニットの要求事項は共通である。
5.15.1 洗面化粧ユニット 洗面化粧ユニットの要求事項は,次による。
a) 寸法 幅が広く,使いやすいものが望ましい。
5.15.2 洗面器,カウンター部 洗面器,カウンター部の要求事項は,次による。
a) 機器の仕様
1) いすに座って,化粧,洗面しやすい仕様とする。
膝が洗面器下に入ることが望ましい。
2) 身体が寄りかかっても,ぐらつかない強度をもつものとする。
3) 洗面器の排水口は,不意に落とし物をしても,拾えるよう,ヘアキャッチャー付きとする。
4) 使用時に,深い前かがみの姿勢とならない,使いやすい高さとする。
5.15.3 水栓金具 水栓金具の要求事項は,次による。
a) 機器の仕様
1) 吐水口空間が十分であり,手洗い,洗面をしやすいものとする。
2) お湯が提供できる混合水栓とする。
3) 吐水栓操作部は,レバー式,又は指が容易に引っ掛かり,操作しやすい形式とする。
4) 温度調節仕様の場合,温度調節ハンドルに指が容易に引っ掛かり,操作しやすい形式とする。また,
やけど防止手段を備える。
5.15.4 鏡 鏡の要求事項は,次による。
a) 寸法・設置位置
1) 鏡の大きさ,位置は,身体の上部,顔が十分に映るものとする。
2) いすに座って使用する場合にも,顔が映る大きさが望ましい。
5.15.5 化粧キャビネット 洗面器の上部に設置する鏡付きの収納で,要求事項は,次による。
a) 機器の仕様
1) 上部の棚には,収納物が簡単に落下しないように,防止策(バーなど)を備える。
2) 清掃のしやすい形状とする。
b) キャビネット扉 開閉が,容易に行える形式とする。
c) スイッチ
1) 照明,防曇ヒーターなどの,スイッチは手の届く位置とする。また,いすに座った姿勢で,スイッ
チに手が届くことが望ましい。
2) クリック感の十分あるもので,大きなものが望ましい。
3) 表示は,見やすい大きさとする。

5.16 キッチン設備

5.16.1 天板(ワークトップ) 天板の要求事項は,次による。
a) 寸法 足腰に負担をかけずに,作業ができる間口・奥行き・高さとする。
b) 材質・形状
1) 調理作業や,天板清掃のしやすい材質・形状とする。
2) もたれバー付きの形式が望ましい。
5.16.2 シンク シンクの要求事項は,次による。

――――― [JIS S 0024 pdf 11] ―――――

10
S 0024 : 2004
a) 寸法 シンク内作業がしやすい幅・奥行き・深さ・形状とする。
b) 材質・形状 食器の洗浄作業や,シンク内の清掃のしやすい材質・形状であることが望ましい。
5.16.3 シンク排水口・配管周り シンク排水口・配管周りの要求事項は,次による。
a) 機器の仕様
1) 清掃・点検が,容易な材質,形状とする。
2) 生ごみなどの処理が,容易な形状・構造とする。
5.16.4 フロアキャビネット フロアキャビネットの要求事項は,次による。
a) 機器の仕様
1) モノの出し入れが,容易な幅・奥行き・高さとする。
2) 楽な姿勢で,モノの出し入れなどの作業ができることが望ましい。
3) 扉の開閉は,容易に行えるものとする。
5.16.5 ウォールキャビネット(つり戸棚) ウォールキャビネットの要求事項は,次による。
a) 機器の仕様
1) モノの出し入れが,容易な幅・奥行き・高さとする。
2) 楽な姿勢で,モノの出し入れなどの作業ができることが望ましい。
3) アイレベルには,位置的優位性を活かす配慮をすることが望ましい。
4) 扉の開閉は,容易に行える。
5.16.6 トールキャビネット(収納庫) トールキャビネットの要求事項は,次による。
a) 機器の仕様
1) モノの出し入れが,容易な幅・奥行き・高さとする。
2) 楽な姿勢で,モノの出し入れなどの作業ができることが望ましい。
3) 扉の開閉は,容易に行えるものとする。
5.16.7 換気扇・レンジフード 換気扇・レンジフードの要求事項は,次による。
a) 機器の仕様
1) 清掃が,容易に行えるものとする。
2) スイッチ類の操作には,身体に負担の掛からない配慮をし,確実に操作ができるものとする。
5.16.8 ビルトイン機器(調理・加熱) ビルトイン機器の要求事項は,次による。
a) 機器の仕様
1) 使用上,誤操作をしにくい形状,構造,表示などの配慮をし,使用者の万一の場合への対応が,敏
速にとれる設計配慮をするものとする。
2) 大きな力を必要とせず,容易に操作できるものとする。
3) 清掃が,容易に行えるものとする。
4) 異常温度上昇防止や,切り忘れ防止などに対する安全装置を設置するものとする。
5.16.9 食器洗浄機 食器洗浄機の要求事項は,次による。
a) 機器の仕様
1) 使用者に負担をかけない,能率のよい作業ができる配慮をするものとする。
2) 清掃が,容易に行えるものとする。
5.16.10 水栓金具 水栓金具の要求事項は,次による。
a) 形状
1) 片手でも使いやすい寸法・形状で,ハンドルは手指での操作・調整が,しやすい形状,構造とする。

――――― [JIS S 0024 pdf 12] ―――――

                                                                                             11
S 0024 : 2004
2) 操作しやすい形状で,湯温調整が完全に行えるものとする。

5.17 集合住宅の共用部分の設備機器の要求事項

    備考 住戸内は5.1から5.16と共通である。また,集会室などの住戸以外の居室と,外構は対象外で
ある。
5.17.1 エントランスロビーの住宅設備
a) メールボックス メールボックスの要求事項は,次による。
1) 大きさ 車いす使用者の利用でも取出しやすい高さ(段数)とする。
5.17.2 エレベーター エレベーターは,中高層住宅だけでなく低層住宅にも必要な設備で,車いす対応と
する。操作パネルの操作性,十分な照度の照明,緊急通報装置の設置などに配慮する。
a) 操作パネル 乗り場ボタン及びかご内の操作パネルは,車いすを配慮した高さとする。また,緊急通
報装置の設置位置にも配慮する。
関連規格 JIS Z 8071 高齢者及び障害のある人々のニーズに対応した規格作成配慮指針

――――― [JIS S 0024 pdf 13] ―――――

12
S 0024 : 2004
附属書1(参考)身体能力のレベル分けリスト
この附属書(参考)は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

1. 適用範囲

 この附属書は,高齢者及び身体に障害のある人々に対応する住宅設備機器を設計するに際
し,対象者のイメージを明確にするためのものである。
2. 定義
a) レベル 0が健常者で,4はその能力を全く欠く状態である。身体能力全般のイメージは附属書表1
に示す。表216は能力項目別のリストである。
b) レベル0 一般成人をイメージしている。年齢的には、64歳以下相当。
c) レベル1 日常生活に支障はないものの,筋力や視聴覚が低下している。年齢的には、6574歳相当。
(前期高齢者)
d) レベル2 特定の疾病やけがなどによる重大な身体能力の低下はなく,日常生活では自立しているが,
レベル1よりは身体能力は明らかに低下している。年齢的には、75歳以上相当。(後期高齢者)
e) レベル3 自立した日常生活は不可能で介護が必要である。レベル2と4との中間。視覚であれば弱
視。
f) レベル4 各能力が全く欠如した状態。移動能力であれば完全な寝たきりであり,視覚であれば全盲。
g) (+)は症状が進んだ状態を,(++)は更に進んだ状態を示す。
3. 能力項目の選定 JIS Z 8071を参照し,以下の4分類13項目を定めた。JIS Z 8071は食品を含む日常
生活用品を対象としているので,感覚,身体,認知,アレルギーの4分類である。この規格では基本的に
は高齢者を対象としているので,アレルギーには触れる必要はないと考える(高齢者特有の問題ではない)。
a) 感覚 視覚,聴覚,触覚・温熱感覚,嗅覚及び平衡感覚
備考 温熱感覚はJIS Z 8071から追加
b) 身体 巧ち(緻)性,上肢の動き,移動,筋力,発声
備考 (手の動きの)自由さ,と操作とを合わせて巧ち性とし,上肢の動きを追加した。
JIS Z 8071では,“Movement”は“動作”と訳されているが,住宅では移動能力が大きく
影響するのでこの附属書では“移動”とした。
c) 認知 知的能力/記憶,言語/読み書き
d) その他 JIS Z 8071では取り上げられていないが,住宅の設計や設備機器の選定に必要な項目である。

――――― [JIS S 0024 pdf 14] ―――――

                                                                                                                                          13
S 0024 : 2004
附属書1表 1 身体能力分類
レベル 生活イメージ 大分類 中分類 小分類
環境特性 関連法規
人間特性 生活特性 ケア特性 移動特性 介護保険 国民年金・厚生
日常移動時 非日常緊急特 年金障害認定
特性 性 基準・一般状態
区分
レベル0 自立可
健康。大した病気や障害もなく 介助な 健康標準人 健康生活。 特別ケアなし成人 独立避難可 無症状で社会
普通に生活している。 し 65歳以下標準人 普通日常生活 活動ができ
トイレでの失敗など全くなく, 特性 可能 制限を受ける
生活身辺作業はすべて自立し ことなく,
てこなす。 発病前と同等
に振る舞える。
レベル1 視聴覚や瞬発力は若いときよ 介助な 健康高齢者 自立日常生活 歩行注意
セルフケアレヘ゛ル 軽度の症状が
り落ちているが,日常生活に大 し 前期高齢老化特 可能 生活一般 つえ使用 あり,肉体
きな支障はない。 または 性 (情報・相 労働は制限を
新しい機器の操作を覚えるの 見守り 65―74歳標準人 談) 受けるが,
に苦労する。 特性 歩行,軽労働,
交通期間を利用して独力で外 座業は,でき
出するが,長距離の歩行,重い る。
荷物を持っての歩行 例 : 軽い家事,
階段の昇り降りがきつい。 事務など
筋力は中学生程度。
S0 024 : 000
1
0
3

――――― [JIS S 0024 pdf 15] ―――――

次のページ PDF 16

JIS S 0024:2004の国際規格 ICS 分類一覧

JIS S 0024:2004の関連規格と引用規格一覧