JIS S 0052:2011 高齢者・障害者配慮設計指針―触覚情報―触知図形の基本設計方法

JIS S 0052:2011 規格概要

この規格 S0052は、交通機関・移動用機器(電車,エレベータなど),公共サービス機器(ATM,自動販売機など),住宅設備(ドア,手すりなど),包装・容器及び消費生活製品(家電製品など)において,視覚障害者を含むより多くの人々のために,情報伝達手段として用いられる触知図形の種類,サイズ,線幅,高さ,断面形状などを人間の触覚の基本特性,加齢変化及び触知経験の影響を考慮して,適切に設計するための基本的方法について規定。

JISS0052 規格全文情報

規格番号
JIS S0052 
規格名称
高齢者・障害者配慮設計指針―触覚情報―触知図形の基本設計方法
規格名称英語訳
Guidelines for older persons and persons with disabilities -- Tactile information -- Basic design methods for tactile patterns
制定年月日
2011年3月22日
最新改正日
2015年10月20日
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対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

11.180, 13.180, 97.020
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
高齢者・障害者等 2018
改訂:履歴
2011-03-22 制定日, 2015-10-20 確認
ページ
JIS S 0052:2011 PDF [9]
                                                                                   S 0052 : 2011

pdf 目 次

ページ

  •  序文・・・・[1]
  •  1 適用範囲・・・・[1]
  •  2 引用規格・・・・[1]
  •  3 用語及び定義・・・・[1]
  •  4 触知図形の設計方法・・・・[2]
  •  4.1 触知記号の種類及び要件・・・・[2]
  •  4.2 触知文字の種類及び要件・・・・[3]
  •  4.3 触知図形の大きさ・・・・[3]
  •  4.4 触知図形の線幅・・・・[4]
  •  4.5 触知図形の高さ・・・・[4]
  •  4.6 触知図形の線の断面形状及び面の立ち上がり角度・・・・[4]
  •  4.7 その他の事項・・・・[4]
  •  5 触覚の加齢変化及び触知経験の影響に対する配慮事項・・・・[4]
  •  6 その他の配慮事項・・・・[5]
  •  附属書A(参考)点及び線による触知図形テクスチュアの設計方法・・・・[6]

(pdf 一覧ページ番号 1)

――――― [JIS S 0052 pdf 1] ―――――

S 0052 : 2011

まえがき

  この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,独立行政法人産業技術総合研究所(AIST)
から,工業標準原案を具して日本工業規格(日本産業規格)を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経
て,経済産業大臣が制定した日本工業規格(日本産業規格)である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

(pdf 一覧ページ番号 2)

――――― [JIS S 0052 pdf 2] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
S 0052 : 2011

高齢者・障害者配慮設計指針−触覚情報−触知図形の基本設計方法

Guidelines for all people including elderly and people with disabilities- Tactile information-Basic design methods for tactile patterns

序文

  高齢者及び障害者に対する社会的配慮が進む中で,視覚障害者を含むより多くの人々が使いやすい製品
及び環境の設計が進められている。とりわけ,浮き上がり文字,点字などの触覚を介した情報は視覚障害
者にとって重要な情報伝達手段であり,その必要性及び活用はますます増加している。しかしながら,触
覚情報の利用においては,必ずしも人間の触覚特性を踏まえた人間工学的知見に基づいて適切に設計され
ているわけではない。
この規格は,視覚障害者を含むより多くの人々に触覚を用いて情報を表示及び伝達する際に用いられる
触知記号及び触知文字について,人間の触知能力に関する基本特性及びその加齢変化,更には,触知経験
の影響を考慮して,適切に設計するための指針として作成したものである。

1 適用範囲

  この規格は,交通機関・移動用機器(電車,エレベータなど),公共サービス機器(ATM,自動販売機
など),住宅設備(ドア,手すりなど),包装・容器及び消費生活製品(家電製品など)において,視覚障
害者を含むより多くの人々のために,情報伝達手段として用いられる触知図形の種類,サイズ,線幅,高
さ,断面形状などを人間の触覚の基本特性,加齢変化及び触知経験の影響を考慮して,適切に設計するた
めの基本的方法について規定する。
対象とする触知図形は凸形の図形で,指先の触覚を利用して認識するものであり,腕,足裏などの指以
外の触覚を利用するものには適用しない。図形の形状は,単純記号及び単純な構成による文字を対象とす
る。画数の多い漢字などの複雑な文字による触知文字及び点字などのコード化された触知記号,更に振動
並びに時間的変化を伴う触知記号又は触知文字には適用しない。

2 引用規格

  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS S 0011 高齢者・障害者配慮設計指針−消費生活製品の凸記号表示
JIS T 0922 高齢者・障害者配慮設計指針−触知案内図の情報内容及び形状並びにその表示方法

3 用語及び定義

  この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。

――――― [JIS S 0052 pdf 3] ―――――

2
S 0052 : 2011
3.1
触知図形
凹凸のある点,線及び面で構成され,触覚を通して知覚する図形(JIS T 0922参照)。
3.2
触知記号
触知図形のうち記号を表すもの。
3.3
触知文字
触知図形のうち文字を表すもの。
3.4
触知図形の大きさ
触知図形の2次元の広がり。
3.5
触知図形の線幅
触知図形を構成する線の底面の幅。
3.6
触知図形の高さ
触知図形を構成する点,線及び面の底面からの高さ。
3.7
触知図形の断面
触知図形を構成する点,線及び面の断面形状。
3.8
触知図形のテクスチュア
複数の凹凸のある点,線及び単純な図形で埋められた触知図形の面の模様。

4 触知図形の設計方法

4.1 触知記号の種類及び要件

  触知記号の種類及び要件は,次による。
a) 触知記号として,図形要素(点,線など)の少ない単純な幾何学的図形で,形状が正しく認識できる
ものを用いる(図1参照)。
例 点,直線,矢印,丸,三角,四角,ひし形など

――――― [JIS S 0052 pdf 4] ―――――

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S 0052 : 2011
左 : 輪郭図形,右 : 塗りつぶし記号
図1−触知記号の例
b) 触知記号は,輪郭による触知図形(輪郭図形)及び輪郭内の領域を輪郭と同じ高さで一様に埋めた塗
りつぶした触知図形(塗りつぶし記号)を用いる(図1参照)。
c) 輪郭線は,実線のほか,点線,破線などを用いることができる。
d) 輪郭内部及び塗りつぶし図形の面には,識別のため触知図形のテクスチュアを用いることができる。
注記 識別しやすい点テクスチュア及び線テクスチュアの設計例を,附属書Aに示す。
e) 複数の記号を並べて用いる場合は,その間隔は隣接する記号及び文字の触知を妨げないよう十分な間
隔をとる。
f) 触知記号は,共通な意味をもたせて用いることが望ましい。
例 危険物の三角記号(JIS S 0025を参照)など

4.2 触知文字の種類及び要件

  触知文字の種類及び要件は,次による。
a) 触知文字として,アラビア数字,片仮名,平仮名,ラテン文字(a b···z)など,構成の単純なもので,
文字として正しく認識できるもの(図2参照)。
図2−触知文字の例
b) 文字の形は飾りがなく,誤読のおそれが少なく,かつ,分かりやすいものとする。
例 ゴシック体など
c) 漢字は用いないことが望ましい。やむを得ず用いる場合には,画数の少ないものを用いる。
例 上,下,山など
d) 複数の記号及び文字を並べて用いる場合は,その間隔は隣接する記号及び文字の触知を妨げないよう
な間隔とする。
例 ANSI A117.1:2003では,角形断面形状の線の場合は,最小3.2 mm又はその他の断面形状の線
の場合は,1.6 mm。最大は線幅の4倍までと規定している。

4.3 触知図形の大きさ

  触知図形の大きさは,次による。

――――― [JIS S 0052 pdf 5] ―――――

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