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T 0601-1-2 : 2018 (IEC 60601-1-2 : 2014)
4.3 一般試験要求事項
4.3.1 構成
ME機器及びMEシステムは,製造業者の決定に従って,受容できないリスクを最も生じさせそうな代
表的な構成で,かつ,意図する使用と矛盾しない構成で試験する。これは,リスク分析,経験,工学的分
析,又は予備試験によって決定する。
これらの構成条件として,次を含める。
− 意図する使用を可能にするために必要な全てのポートに対するケーブルの接続(信号入出力部及び該
当する場合は,等電位化導線を含む。)
− 全てのチューブを接続し,かつ,液体容器に液体を満たした状態
− 意図した機器,7.1.4及び8.5で規定したサブシステム,7.1.9及び8.2で規定した患者生体模擬,又は
7.1.10及び8.4で規定した擬似手とケーブルとの終端
− 外装ポートの接地。該当する場合は,等電位化導線の接続端子への接続も含む。
− ME機器又はMEシステムの製造業者の仕様に適合するケーブル及びコネクタの使用
箇条7又は箇条8で規定した試験を実施するために,特別なME機器又はMEシステムのためのハード
ウェア又はソフトウェアが必要な場合がある。このような場合は,使用したハードウェア又はソフトウェ
アに関する情報を試験計画に文書化することを推奨する。ただし,試験報告書への文書化は,必須である。
(適合性確認)
適合性は,試験報告書及びリスクマネジメントファイルの調査によって確認する。
4.3.2 擬似手
この副通則で疑似手を要求している場合,接続は,次による。
− 導電性接触をもたない患者結合点は,CISPR 16-1-2の8.3の図9a(図1参照)に示した擬似手及び直
列RC素子で終端する。擬似手の金属はく(箔)は,ME機器又はMEシステムが,意図する使用を
可能にするときの患者結合に近似した面積及び位置を模擬するための大きさ及び配置にする。擬似手
の金属はく(箔)は,擬似手のRC素子のM端子に接続し,RC素子の他の端子は,基準大地面に接
続する。
− 患者結合点が,患者と導電性接触をする場合,RC素子のM端子は,患者結合点に直接接続し,RC
素子の他の端子は,基準大地面に接続する。(擬似手の)M端子を結合点に接続することによってME
機器又はMEシステムの正常動作を検証できない場合は,最大厚さ5 mmの絶縁物を擬似手の金属は
く(箔)(CISPR 16-1参照)と患者結合点との間に適用してもよい。この場合,擬似手の金属はく(箔)
は,ME機器及びMEシステムがその意図する使用を可能にするときの患者結合に近似した面積及び
位置を模擬するための大きさ及び配置にし,RC素子のM端子は,患者結合点ではなく,金属はく(箔)
に接続する。全ての場合,RC素子の他の端子は,基準大地面に接続する。
− ME機器及びMEシステムが,一人の患者に接続することを意図した複数の患者結合点をもつ場合は,
それぞれの患者結合点及びそれぞれの患者結合部は,上記で規定した擬似手を適用する。CISPR16-1-2
で規定しているように擬似手は,単独の共通接続に接続し,この共通接続は,RC素子のM端子に接
続する。複数の患者に接続することを意図したME機器及びMEシステムに対しては,上記で規定し
た擬似手を適用し,分離した共通接続及びRC素子は,各々の患者に対して,容量性結合の影響及び
RFインピーダンスを模擬するために使用する。全ての場合,RC素子の他の端子は,基準大地面に接
続する。
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図1−擬似手のRC素子
4.3.3 *電源入力電圧及び周波数
試験を行う場合は,表1で規定した電源入力電圧及び周波数で実施する。試験報告書は,試験中の実際
の電圧及び周波数を記載する。
(適合性確認)
適合性は,試験報告書の調査によって確認する。
表1−試験中の電源入力電圧及び周波数
試験 電源入力電圧 電源周波数
任意の一つの電圧a)
電源端子妨害電圧(伝導性エミ 任意の一つの周波数b)
ッション) CISPR 11
任意の一つの電圧a)
電磁放射妨害(放射性エミッシ 任意の一つの周波数b)
ョン) CISPR 11
高調波電流エミッション 220 V240 V又は380 V415 Vの定格電圧を 50 Hz又は60 Hz
IEC 61000-3-2 もつME機器及びMEシステムは,次による。
− 単一の定格をもつ場合は,定格電圧
− 単相で範囲を指定している場合は,230 V
− 三相で範囲を指定している場合は,400 V
ラインとニュートラル間との電圧が,220 V
電圧変化,電圧変動及びフリッ 50 Hz
カエミッション 250 Vの定格をもつME機器及びMEシステム
IEC 61000-3-3 は,次による。
− 単一の定格をもつ場合は,定格電圧
− 単相で範囲を指定している場合は,230 V
− 三相で範囲を指定している場合は,400 V
静電気イミュニティ 任意の一つの電圧a) 任意の一つの周波数b)
JIS C 61000-4-2
放射RF電磁妨害イミュニティ 任意の一つの電圧a) 任意の一つの周波数b)
JIS C 61000-4-3
RF無線通信機器からの近接電 任意の一つの電圧a) 任意の一つの周波数b)
磁界に対するイミュニティ
JIS C 61000-4-3(暫定手段)
電気的ファストトランジェン 任意の一つの電圧a) 任意の一つの周波数b)
トバーストイミュニティ
−交流電源
JIS C 61000-4-4
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表1−試験中の電源入力電圧及び周波数(続き)
試験 電源入力電圧 電源周波数
電気的ファストトランジェン 任意の一つの電圧a) 任意の一つの周波数b)
トバーストイミュニティ
−信号入出力部
JIS C 61000-4-4
サージ 任意の一つの電圧a) 任意の一つの周波数b)
JIS C 61000-4-5
RF電磁界によって誘発する伝 任意の一つの電圧a) 任意の一つの周波数b)
導妨害イミュニティ
−交流電源
JIS C 61000-4-6
RF電磁界によって誘発する伝 任意の一つの電圧a) 任意の一つの周波数b)
導妨害イミュニティ
−信号入出力部
JIS C 61000-4-6
電源周波数磁界イミュニティ 任意の一つの電圧a) 50 Hz又は60 Hz。試験中に与え
JIS C 61000-4-8 る磁界周波数と,ME機器又は
MEシステムに供給する電源周
波数とは,同じとするb)。
任意の一つの周波数b)
定格電圧範囲が,最低定格入力電圧の25 %より
電圧ディップ,短時間停電及び
電圧変動 小さい範囲の場合は,一つの定格入力電圧で試
JIS C 61000-4-11 験する。それ以外の場合は,最小及び最大定格
電圧の両方で試験するc) )。
注記 “電源端子妨害電圧”という用語は,CISPR 11で用いられる用語であり,一般的には,伝導妨害又は雑音端
子電圧ということもある。
注a) 試験は,ME機器又はMEシステムの定格電圧範囲内で,任意の一つの電源入力電圧で実施してもよい。ME
機器又はMEシステムを一つの電源入力電圧で試験する場合,それ以外の電圧で再試験する必要はない。
b) 試験は,ME機器又はMEシステムの定格周波数範囲内で,任意の一つの電源周波数で実施してもよい。
c) E機器又はMEシステムを一つの電源周波数で試験する場合,それ以外の周波数で再試験する必要はない。
例1 定格電圧範囲 : 100 Va.c.240 Va.c.の場合。
電圧範囲は,“240 V100 V=140 V”である。また,最小定格電圧100 Vの25 %は,25 Vである。
さらに,電圧範囲140 V>最小定格電圧の25 %(25 V)である。
よって,最小及び最大定格電圧の両方で試験する。
例2 定格電圧範囲 : 220 Va.c.240 Va.c.の場合。
電圧範囲は,“240 V220 V=20 V”である。また,最小定格電圧220 Vの25 %は,55 Vである。
さらに,電圧範囲20 V<最小定格電圧の25 %(55 V)である。
よって,一つの定格電圧で試験する。
d) 変圧器のタップによって入力電圧を選択できるME機器及びMEシステムは,一つのタップ設定だけで試験
する。
5 ME機器及びMEシステムの標識,表示及び文書
5.1 特殊環境のうち,シールドした場所だけで使用することを指定したME機器及びMEシステムの外
側の表示に対する追加要求事項
通則の7.2の要求事項に加えて,特殊環境のうち,シールドした場所だけで使用することを指定したME
機器及びMEシステムは,指定した種類のシールドした場所だけで使用するという明瞭に見える警告を表
示する。
(適合性確認)
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適合性は,ME機器又はMEシステムの調査によって確認する。
5.2 附属文書
5.2.1 取扱説明書
5.2.1.1 *一般
通則の7.9.2の要求事項に加えて,取扱説明書には,次を含める。
a) *ME機器又はMEシステムに適した環境の記載。リスク分析によって決定した関連する除外について
も記載する(例えば,出力中の電気手術器の近傍の環境及びMRI画像診断用のMEシステムの電磁
シールドされた部屋を除く病院内の場所。これらの環境は,電磁妨害強度が高いためである。)。
b) *基本性能と決定したME機器又はMEシステムの性能,及び電磁妨害によって基本性能が喪失又は
低下した場合に,何が起きるかを操作者が予想できるような説明の記載(定義語の“基本性能”とい
う用語を説明の中で使う必要はない。)。
c) *“警告 : 不正確な動作を生じる可能性があるので,他の機器と近接させて又は積み重ねて機器を使用
することを避ける。そのような使用が必要な場合,この機器及び他の機器が,正常に動作することを
確認すること。”という趣旨の警告文。
ME機器又はMEシステムの製造業者は,ME機器又はMEシステムを積み重ね,又は接近させた
構成で試験し,その状態でも正常に動作することを確認した機器の記載又は一覧を提供してもよい。
d) *責任部門によって交換可能であり,かつ,箇条7(エミッション)及び箇条8(イミュニティ)の要
求事項に対するME機器又はMEシステムの適合性に影響を及ぼす可能性がある全てのケーブル及び
ケーブルの最大長(該当する場合),トランスデューサ並びに他の附属品の一覧。附属品は,一般的
に(例えば,シールドケーブル,負荷インピーダンスによって)又は具体的に(例えば,製造業者及
び形式名称によって)のいずれかで指定してもよい。
ME機器又はMEシステムの製造業者が指定した,交換可能な内部部品としてのトランスデューサ
及びケーブルは,一覧に記載しなくてもよい。
e) *“警告 : 機器の製造業者が指定したもの以外の附属品又は供給したもの以外の附属品,トランスデ
ューサ及びケーブルを使用した場合,機器の電磁エミッションを増加させるか,又は電磁イミュニテ
ィを減少させる可能性があり,誤動作を引き起こす可能性がある。”という趣旨の警告
f) *“警告 : 携帯形RF通信機器(アンテナケーブル及び外部アンテナなどの周辺機器を含む。)を,(ME
機器又はMEシステムの)あらゆる部分から30 cmよりも近づけない。近づけた場合,機器の性能の
低下が生じる可能性がある”という趣旨の警告。
上記の警告において,製造業者が指定するケーブルを含む(ME機器又はMEシステム)を形式名
称に置き換える。
表9で規定した値よりも高いイミュニティ試験レベルを適用する場合は,最小分離距離を短くしてもよ
い。この場合,短くした最小分離距離は,8.10で規定した式を使って計算する。
5.2.1.2 CISPR 11に従ってクラスAに分類したME機器及びMEシステムに適用する要求事項
通則の7.9.2の要求事項に加えて,CISPR 11のクラスAに分類したME機器及びMEシステムは,取扱
説明書に次の趣旨の注記を含める。
注記 この製品のエミッション特性は,工業環境及び病院環境(CISPR 11 クラスA)に適している。
(一般的にCISPR 11のクラスBを要求する)住宅環境で使用する場合,この機器は,無線周
波数通信サービスに対して適切に保護できない可能性がある。使用者は,例えば,機器の配置
場所を変更する,向きを変えるなどの緩和策を取る場合がある。
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5.2.2 技術解説
5.2.2.1 全てのME機器及びMEシステムに適用する要求事項
通則の7.9.3の要求事項に加えて,技術解説には,電磁妨害による患者,操作者及び周囲の人に対して
悪影響を及ぼす事象を防ぐための手段を記載する。
全てのME機器及びMEシステムは,技術解説に次の情報を含める。
a) *適合したエミッション及びイミュニティ規格又はこの副通則で規定した試験への適合情報。例えば,
エミッションクラス及びグループ,並びにイミュニティ試験レベル。
b) この副通則からの逸脱及び適用した許容条件
c) *予測耐用期間において電磁妨害に関わる基礎安全及び基本性能を維持するために必要な全ての指示
5.2.2.2 特殊環境のうち,シールドした場所だけで使用することを指定したME機器及びMEシステムに
適用する要求事項
通則の7.9.3の要求事項に加えて,シールドした場所(7.1.5参照)だけで使用することを指定したME
機器及びMEシステムは,技術解説に次の情報を含める。
a) “警告 : 指定のシールドを施した場所で使用しなければ,この機器の性能の低下,他の機器への干渉,
又は無線サービスへの干渉を引き起こす可能性がある。”という趣旨の警告
b) シールドした場所に対する仕様で,次を含める。
− 最小RFシールド効果値
− シールドした場所に入るか,又はそこから出る各ケーブルに対する最小RFフィルタ減衰量
− 仕様を適用する周波数範囲
c) Fシールド効果値及びRFフィルタ減衰量を測定するために推奨する試験方法
d) 次のいずれか一つ以上を含めるとともに,その情報を含む注意を,シールドした場所の入口に掲示す
ることを推奨する情報。
− シールドした場所の内側で,ME機器又はMEシステムとともに配置することを許容した,他の機
器のエミッション特性の仕様
− 許可した特定の機器の一覧
− 禁止した機器の種類の一覧
5.2.2.3 動作目的のために,意図的にRFエネルギーを受信するME機器に適用する要求事項
通則の7.9.3の要求事項に加えて,動作目的のためにRF電磁エネルギーを意図的に受信するME機器
(RF受信機)は,技術解説に次の全ての情報を含める。
− それぞれの受信周波数又は周波数帯域
− 該当する場合は,望ましい周波数又は周波数帯域
− これらの帯域内のME機器の受信部の帯域幅
5.2.2.4 RF送信機を含むME機器に適用する要求事項
通則の7.9.3の要求事項に加えて,RF送信機を含むME機器は,技術解説にそれぞれの送信機の周波数
又は周波数帯,変調の種類及び周波数特性,並びに実効放射電力を含める。
5.2.2.5 永久設置形大形ME機器及び大形MEシステムに適用する要求事項
通則の7.9.3の要求事項に加えて,8.6にあるJIS C 61000-4-3の試験要求事項からの除外規定を使用した
永久設置形大形ME機器及び大形MEシステムは,技術解説に次の情報を含める。
a) 除外規定を適用しているという情報及び機器が,80 MHz6 GHzの周波数範囲のうち,一部の周波数
に対してだけに,放射RFイミュニティ試験を実施しているという情報
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JIS T 0601-1-2:2018の引用国際規格 ISO 一覧
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- 33 : 電気通信工学.オーディオ及びビデオ工学 > 33.100 : 電磁両立性(EMC) > 33.100.20 : イミュニティ
- 33 : 電気通信工学.オーディオ及びビデオ工学 > 33.100 : 電磁両立性(EMC) > 33.100.10 : エミッション
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