JIS T 0601-1-2:2018 医用電気機器―第1-2部:基礎安全及び基本性能に関する一般要求事項―副通則:電磁妨害―要求事項及び試験 | ページ 8

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T 0601-1-2 : 2018 (IEC 60601-1-2 : 2014)
5.2.1.1† 一般
この副通則では,電磁妨害に関係するME機器及びMEシステムの安全な使用の向上に役立つように,
取扱説明書で記載する内容を要求事項として追加した。
注記 取扱説明書又は技術解説に記載する必要がある警告文で使った文例中では,定義語を太字の強
調文字で表示していない。取扱説明書又は技術解説は,操作者又は責任部門に示すことを意図
しているためである。これらの人々は,JIS T 0601規格群の定義語に精通しているわけではな
い。
5.2.1.1 a)† 意図する使用環境
エミッション及びイミュニティの要求事項は,意図する使用の電磁環境ごとに異なる場合もあるので,
使用者が,ME機器及びMEシステムを適切に選択できるように,かつ,適切な電磁環境で使うことを保
証するようにするために,この情報を参照できるようにしておくことが,重要である。
5.2.1.1 b)† 基本性能
異なる製造業者が,同じ種類のME機器又はMEシステムに対して,異なる基本性能を特定することが
あり,全ての可能な条件でイミュニティを確実にすることは不可能であること,及び製造業者は,この副
通則で規定した,例えば,必要な試験レベルよりも高いイミュニティ試験レベルで試験を行っている間に,
性能の低下を観察している可能性があるので,この情報は必要である。この要求事項では,基礎安全に言
及しておらず,5.2.1.1 c)で規定したとおり,この副通則の使用者に,定義語である基本性能が,この声明
文では使う必要がないことを気付かせている。操作者が,JIS T 0601規格群の定義語について知ることは
期待できない。
5.2.1.1 c)† 接近又は積み重ねて使用する場合の警告
接近又は積み重ね使用を行う場合の警告は,取扱説明書の記載事項として規定した。取扱説明書の方が,
警告を示す媒体として望ましいからである。この副通則では,まだ,近接磁界又は電界に対するイミュニ
ティ試験を規定していないので,この警告は,必要である。
5.2.1.1 d)† ケーブルなどの一覧
この一覧又は仕様は,後述する附属品の警告とともに使うことを意図している。附属品,トランスデュ
ーサ及びケーブルは,ME機器及びMEシステムのエミッション及びイミュニティに影響を与える可能性
があるので,この一覧又は仕様は,重要である。
5.2.1.1 e)† 附属品の警告
この警告は,ME機器又はMEシステムのエミッション又はイミュニティに影響を与える可能性がある
附属品,トランスデューサ及びケーブルに対して,ME機器又はMEシステムが,この副通則のエミッシ
ョン及びイミュニティ要求事項に適合し続けるように,附属品,トランスデューサ及びケーブルを選択す
ることを保証することを意図している。
5.2.1.1 f)† 携帯形RF通信機器の警告
この警告は,携帯形RF通信機器とME機器及びMEシステムとの間で維持することが望ましい最小分
離距離を,患者及び操作者に知らせることを意図している。この警告は,潜在的な性能の低下及び基礎安
全並びに基本性能の低下を避けることを目的としている。
5.2.2.1 a)† 各エミッション及びイミュニティ規格への適合性
この要求は,適合性レベルの表及びEMC指針を附属文書に含めるために,この副通則の前の版で規定
した要求を部分的に置き換えている。製造業者が,そのような書式に含める情報を選択できる一方で,こ
の副通則では,この書式を使うことを義務付けていない。附属書Eにある手順を用いた場合に,イミュニ

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ティ試験レベルが,予想されるレベル,すなわち,表4表9で規定しているレベルと異なる可能性があ
るので,この表示に関わる要求事項は,特に重要である。さらに,責任部門は,この副通則に精通してい
ない可能性があり,表4表9で規定したイミュニティ試験レベルを知らない可能性もある。
5.2.2.1 c)†
ME機器又はMEシステムが,予測耐用期間を通じて,電磁妨害に関わる安全を維持することを保証す
るために,電磁妨害に関わる保守管理指示を責任部門に提供することを製造業者が行うことは望ましいこ
とであり,かつ,実用的な方法でもある。
例えば,技術解説には,予測耐用期間を通じて,機器のエミッション及びイミュニティに影響を与える
ために知られている行動についての,次の推奨を含めてもよい。
− 保守管理又は修理間隔の推奨
− シールド及び接地の有効性を維持するためのサービス手順
− 使用場所が,AM,FM又はTV放送アンテナに近い(例えば,1.5 km以内の距離)場合に,取る必要
がある予防措置
注記 AAMI TIR 18 [28] では,電磁環境のマネジメント及びEMCに対する医療機器のマネジメント
に関わる指針を与えている。これには,電磁環境の評価,電磁放射の問題及び場所の選定につ
いての調査及び報告,設計,並びに新しい医療機関の建設を含む。AAMI TIR 18:2010の表A.3
には,例えば,AM,FM及びTV放送アンテナのような,固定した送信機から1 kmの場所の
電磁場の強度を示している。
7.1.1† 一般
エミッションの要求事項は,IEC 60601-1-2:2007の要求事項と比べて,簡素化した。この簡素化の一例
として,この副通則では,CISPR 15への参照を含めていない。これらの参照は,混乱を引き起こすこと
があった。さらに,CISPR 14-1では,1 GHzまでの放射妨害だけに制限(玩具を除く。)しており,ME
機器及びMEシステムへの適用には適していない。CISPR 15の適用範囲は,照明器具に限定しており,
明らかにME機器又はMEシステムを含んでいない。IEC 60601-1-2:2007は,これらの規格を参照してい
たため,混乱を引き起こしていた。CISPR 15の適用範囲は,無線周波数範囲でのEMC要求事項を,他の
IEC又はCISPR規格の中で明確に規定している機器を除外している。したがって,この副通則では,特
に規定した場合を除いて,全てのME機器及びMEシステムに対してCISPR 11を適用させることとした。
7.1.4† サブシステム
サブシステムごとの試験が適切であるように,注意が必要である。例えば,二つ以上のサブシステムが,
同じクロック周波数をもつことで,エミッションの振幅が強められる場合は,これを適切に模擬している
場合を除いて,機器をシステムとして試験するほうが,適切である。これは,接続するサブシステムの製
造業者が,相互接続ケーブルに対して,異なる仕様を与えている場合にも,同じような注意が必要となる
可能性がある。
7.1.7† モータ及びスイッチ又は調整装置によって主機能を果たすME機器
CISPR 14-1に従って,映画又はスライド用投影機と同様に,例えば,家庭用電気機器,電動工具,半導
体装置を使った調整制御装置,モータ駆動の電動機器,電気及び/又は電子玩具及び自動調剤器をその適
用範囲に含める。商用電源から電力供給を受ける機器及びバッテリ駆動機器のいずれも,この適用に含め
る。
意図的にRFエネルギーを生成するが,CISPR 14-1に従って分類することができないME機器の一例と
しては,超短波療法機器がある。照明することを意図しているが,CISPR 14-1に従って分類することがで

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きないME機器の一例としては,手術用照明器具(無影灯)及び診療用照明器具がある。
7.2.1† 高調波ひずみ
交流220 V未満の定格入力電圧のシステムは,IEC 61000-3-2の適用範囲に含まれていないので,この要
求事項から除外する。
4.3.3に対する根拠も参照。
7.2.2† 電圧変動及びフリッカ
次に記載した,IEC 61000-3-3の適用範囲の注記2で正当化しているとおり,交流220 V未満の定格入力
電圧のシステムは,この要求事項から除外する。
注記2 この副通則の限度値は,電圧変動によって,230 V,60 Wの二重コイルフィラメントランプ
からの光によるフリッカの主観的な重大さに,主に基づいている。ライン−ニュートラル間
電圧が,220 V未満で,かつ,60 Hzの公称電源電圧をもつシステムは,限度値及び基準回路
の数値は,検討中である。
4.3.3に対する根拠も参照。
8.1† 一般
ポート
図A.1は,JIS C 61000-6-1:2008の図1から引用している。
注記1 この副通則の目的のために,“装置”という用語は,図2に示したとおり,ME機器又はME
システムを指し,“信号ポート”という用語は,患者結合ポート又は信号入出力部を指す。
図A.1−ポートの例(JIS C 61000-6-1:2008より引用)
注記2 電磁イミュニティに対しては,外装は,ポートとみなす。
イミュニティ合否判定基準
イミュニティ合否判定基準は,この版では2012年版(“イミュニティ適合基準”)と比べて,異なった
形で規定をしていることに,注意することが望ましい。前の版では,電磁試験信号に対する応答によって,
基礎安全及び基本性能に関わる許容できない低下の一覧を規定していた。この版でも,同じ一覧を含めて
いる(I.3.1参照)が,この一覧は,一般的な例として開示することを意図している。ME機器又はMEシ
ステムの製造業者は,試験を実施する前に,ME機器又はMEシステムに対する具体的なイミュニティ合
否判定基準を規定する必要がある。附属書Iに,関連する指針を与えている。
柱に取り付けたME機器及びMEシステム
柱に取り付けたME機器又はMEシステムは,卓上形機器として試験するか,又は柱に取り付けて試験
するかのいずれか最悪の条件で,試験することが望ましい。個別規格があるME機器の場合は,これを個
別規格で扱っている可能性がある。
滞在時間(Dwell time)

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滞在時間は,少なくとも1秒間とし,かつ,反応が最も遅い機能の応答時間に,イミュニティ試験シス
テムの周波数及び出力が安定するまでの時間(整定時間)を加算した時間よりも短くしないことが望まし
い。ME機器又はMEシステムに与える試験信号の影響を決定するために,高速応答信号を使うことを許
容しているME機器及びMEシステムは,高速応答信号を監視している場合は,滞在時間を短くしてもよ
い。このような場合,滞在時間は,信号又は監視システムの応答時間のいずれか長い方に,放射イミュニ
ティ試験システムの応答時間を加えた時間よりも短くなく,かつ,1秒を下回らないことが望ましい。そ
れぞれが異なる滞在時間を生じさせる複数の独立したパラメータ又はサブシステムをもつME機器及び
MEシステムでは,滞在時間は,個々に決定した滞在時間の最大値であることが望ましい。
試験者が,イミュニティ試験レベルに反応して生じる可能性がある性能の低下を観察できるように,少
なくとも1秒間の滞在時間を推奨する。
適切な滞在時間(又はそれに相当する遅い掃引速度)を使うことは,ME機器及びMEシステムのイミ
ュニティ試験において,特に重要である。映像表示ユニットへの干渉は,すぐに気付くことができるが,
その一方で,ME機器及びMEシステムは,非常に遅い反応時間をもち,試験中の性能を評価するために,
長い滞在時間が必要となる可能性がある。その例を,次に示す。
− パルスオキシメータは,数回の心臓周期の平均を表示する可能性がある。
− 輸液ポンプの流量が,受容可能な範囲内であることを決定するために,数分間かかる可能性がある。
− 人工呼吸器は,試験信号に応答するために,幾つかの呼吸周期を必要としている可能性がある。
注記 応答時間が遅いセンサ,例えば,化学及び/又は生化学的センサの中には,数分間の応答時間
をもつものがあるが,RF電磁界に対する影響を受けにくい。そのような場合,ハードウェア
又はソフトウェアによるフィルタリング又は平均化を含む電子機器の応答が,滞在時間を決定
するに当たって考慮する必要がある適切な反応時間である。
8.5† サブシステム
“サブシステムごとに試験を行うことが適切な場合があること”,及び“システムに含まれていないサブ
システムを適切に模擬すること”に注意する必要がある。例えば,接続するサブシステムの製造業者が,
相互接続ケーブルに対して異なる仕様をもつ場合,又はサブシステムを適切に模擬することができない場
合は,システムとして試験することが望ましい。
8.7† 動作モード
例えば,人工呼吸器には,小児用のモードと成人用のモードとを備えている可能性がある。超音波診断
装置には,2次元モード,カラーモード及びドプラモードを備えている可能性がある。
8.8† 非ME機器
非ME機器をMEシステムの一部として使い,かつ,その非ME機器が,MEシステムの基礎安全又は
基本性能に影響を与えないと決定している場合であっても,非ME機器は,他のMEシステムと同じよう
に,使用中に合理的に予見可能な電磁妨害を経験することがある。したがって,試験中に使用するどのよ
うな減結合もMEシステムに組み込むことを考慮することが望ましい。
8.9† イミュニティ試験レベル
a) 一般
図3は,専門の医療施設環境,在宅医療環境及び特殊環境に従ってグループ化した医療環境で見ら
れる意図する使用の場所及び電磁環境の例を示している。考えられる全ての場所及び電磁環境を記載
しているとは限らない。示していない場所は,適用可能な類似の環境を割り当てることが望ましい。
専門の医療施設環境であると示した場所では,同じ一般的な電磁妨害レベルを想定している。同様

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に,在宅医療環境であると示した場所では,同一の一般的な範囲内にある電磁妨害レベルを想定して
いる。
イミュニティ試験レベルは,意図する使用の電磁環境に従って規定されている。しかし,8.1では,
“ME機器又はMEシステムの意図する使用が,複数の環境を含めている場合,適用するイミュニテ
ィ試験レベルの最も厳しい条件に適合する必要がある。”と規定している。したがって,ME機器又は
MEシステムは,意図する使用の全ての環境で,基礎安全及び基本性能を維持できるとみなせる。
IEC/TR 61000-2-5は,電磁環境の予想レベルについての情報を与えており,イミュニティ試験レベ
ルを規定する際に,これを考慮した。表A.1に,各イミュニティ試験に対するイミュニティ試験レベ
ルを規定するとき考慮した,IEC/TR 61000-2-5の表を記載する。
表A.1−それぞれのイミュニティ試験のイミュニティ試験レベルを特定する際に
考慮したIEC/TR 61000-2-5の情報
現象 基本EMC規格又は試験方法 IEC/TR 61000-2-5:2011の表番号
静電気放電 JIS C 61000-4-2 37,38
放射RF電磁界 JIS C 61000-4-3 15,16,19,2126
RF無線通信機器からの近接電磁界 JIS C 61000-4-3 20,27,28,3034
電源周波数磁界 JIS C 61000-4-8 9
電気的ファストトランジェント/バーストJIS C 61000-4-4 12
サージ JIS C 61000-4-5 12
RF電磁界によって誘発する伝導妨害波 JIS C 61000-4-6 11,16,25
電圧ディップ,短時間停電及び電圧変動 JIS C 61000-4-11 該当部分なしa)。
注a) 電圧ディップ及び停電に関わる指針は,IEC/TR 61000-2-5にはないが,これらのイミュニティ試験レベルを
選択する際に,IEC 61000-4-11にある指針を使った。
b) 環境
この副通則で規定している電磁環境という用語は,IEC 60601-1-11と整合している。どの環境に何
を含めるのか,及び何が含まれないのかを理解するために,図3を確認することが重要である。
それぞれの環境には,異なる場所も含めている。一般的に,同じ環境に割り当てた場所では,同じ
程度の電磁妨害レベルが,予想できる。専門の医療施設環境及び在宅医療環境で使うことを意図した
ME機器及びMEシステムの基礎安全及び基本性能に対して,表4表9で規定したイミュニティ試
験レベルは,それぞれの環境に対する理論的な最大値ではないが,合理的に予見可能な最高レベルで
ある。全ての種類のME機器及びMEシステムに対して,これらのレベルが,適切であるとは限らな
い。このような状況に該当する場合,個別規格の作成者又は製造業者は,その状況を考慮する必要が
ある。イミュニティ試験レベルに対する追加の根拠を,この後に示してある。
− 専門の医療施設環境
専門の医療施設環境に含まれる場所の例としては,医療従事者が,近くにいることが多い様々な
環境(例えば,診察室,診療所,手術室,集中治療室,病室)がある。しかし,専門の医療施設環
境は,病院内の全ての場所を含めているわけではないということに注意する必要がある。例えば,
この環境には,感度の高い機器を置いている場所又は磁気共鳴画像診断(MRI)用のMEシステム
を設置するRFシールドした部屋,作動中の電気手術器が,近くにあるような手術室の中,電気生
理学的診断室,シールドした部屋全般,及び超短波療法機器を使う領域などの,非常に強い電磁妨
害の発生源があるような場所を含めてはいない。専門の医療施設環境に対して規定したイミュニテ

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JIS T 0601-1-2:2018の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60601-1-2:2014(IDT)

JIS T 0601-1-2:2018の国際規格 ICS 分類一覧

JIS T 0601-1-2:2018の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称