JIS T 1201-1:2020 聴覚検査機器―第1部:純音聴力検査及び語音聴覚検査に用いる機器 | ページ 2

                                                                                              3
T 1201-1 : 2020
equivalent threshold sound pressure levels for pure tones and circumaural earphones
ISO 4869-1,Acoustics−Hearing protectors−Part 1: Subjective method for the measurement of sound
attenuation
ISO 8253-1:2010,Acoustics−Audiometric test methods−Part 1: Pure-tone air and bone conduction
audiometry
ISO 8253-2,Acoustics−Audiometric test methods−Part 2: Sound field audiometry with pure-tone and
narrow-band test signals
ISO 8253-3,Acoustics−Audiometric test methods−Part 3: Speech audiometry

3 用語及び定義

  この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
ISO及びIECは,次のURLにおいて標準化に用いる用語データベースを維持管理している。
IEC Electropedia : http://www.electropedia.org
ISO Online Browsing Platform : https://www.iso.org/obp
3.1
純音聴力検査に用いる機器(equipment for pure-tone audiometry)
純音オージオメータ(pure-tone audiometer)
純音に対する聴覚,特に聴覚いき(閾)値測定用の装置。
注記1 純音オージオメータの意味で,単にオージオメータという場合もある。
注記2 純音オージオメータには,固定周波数式及び連続掃引周波数式がある。
3.2
手動オージオメータ(manual audiometer)
信号の提示及び結果の記録が手動によって行われるオージオメータ。
3.3
自動記録オージオメータ(automatic-recording audiometer)
信号の提示,聴力レベルの変更,周波数の選択又は変更,及び被検者の応答の記録が自動的に行われる
オージオメータ。
注記1 聴力レベルの変化は,被検者の応答によって制御され,自動的に記録される。
注記2 略して,自記オージオメータともいう。
3.4
語音聴覚検査に用いる機器(equipment for speech audiometry)
語音オージオメータ(speech audiometer)
語音検査材料(音声信号)に対する聴取能力を測定するための装置。
3.5
気導(air conduction)
外耳及び中耳を経由して内耳に至る音の伝達。
3.6
骨導(bone conduction)
主として頭蓋骨の機械的振動を介する音の内耳への伝達。

――――― [JIS T 1201-1 pdf 6] ―――――

4
T 1201-1 : 2020
3.7
拡張高周波数,EHF(extended high-frequency,EHF)
8 kHz16 kHzの聴覚検査用周波数。
注記 8 kHzは,従来の検査周波数範囲の最高周波数,及び拡張高周波数範囲の最低周波数の両方に
該当する。
3.8
耳科学的正常者(otologically normal person)
耳疾患の症状所見,耳こう(垢)栓塞,過度の騒音暴露の経験,耳毒性薬物を使用した可能性,又は遺
伝性難聴の家族歴がない正常な健康状態の人。
3.9
等価いき(閾)値音圧レベル[イヤホン(受話器)による単耳聴][equivalent threshold sound pressure level
(monaural earphone listening)]
ある特定の周波数について,ある特定の形式のイヤホン(受話器)を,指定の圧定力で耳に装着したと
きの聴覚いき(閾)値に相当する電気入力で駆動したときに,そのイヤホン(受話器)がある特定の擬似
耳又は音響カプラに発生させる音圧レベル。
3.10
等価いき(閾)値の振動の力のレベル(単耳聴)[equivalent threshold vibratory force level(monaural listening)]
ある特定の周波数について,ある特定の構成及び形式の骨導受話器を,乳突部又は前額に装着したとき
の聴覚いき(閾)値に相当する電圧で駆動したときに,その骨導受話器がある特定のメカニカルカプラ上
に発生させる振動の力のレベル。
注記 この定義においては,ISO 389-4の規定によって非検査耳を遮蔽することが要求される。
3.11
基準等価いき(閾)値音圧レベル,RETSPL(reference equivalent threshold sound pressure level,RETSPL)
ある特定の周波数における,18歳25歳の十分な数の耳科学的に正常な男女の耳の,等価いき(閾)値
音圧レベルの中央値,平均値又は最頻値。ある特定のイヤホンによる聴覚いき(閾)値を,ある特定の擬
似耳又は音響カプラによって表す。
注記1 基準等価いき(閾)値音圧レベルの値は,ISO 389-1,ISO 389-2,ISO 389-5及びISO 389-8
に規定されている。
注記2 ISO 389シリーズの幾つかは,基準等価いき(閾)値レベルを,18歳30歳の年齢群で規定
している。
3.12
基準等価いき(閾)値の振動の力のレベル,RETVFL(reference equivalent threshold vibratory force level,
RETVFL)
ある特定の周波数における,18歳25歳の十分な数の耳科学的に正常な男女の耳の,等価いき(閾)値
の振動の力のレベルの平均値。ある特定の形式の骨導受話器による聴覚いき(閾)値を,ある特定のメカ
ニカルカプラによって表す。
注記1 基準等価いき(閾)値の振動の力のレベルの平均値は,ISO 389-3に規定されている。
注記2 ISO 389シリーズの幾つかは,基準等価いき(閾)値レベルを,18歳30歳の年齢群で規定
している。

――――― [JIS T 1201-1 pdf 7] ―――――

                                                                                              5
T 1201-1 : 2020
3.13
カプラ感度(close-coupled sensitivity)
ある周波数において,擬似耳又は音響カプラ内でイヤホンが発生する音圧を,イヤホンの端子に加えら
れた電圧で除した値。
注記 イヤホンが発生する音圧の測定に擬似耳を用いる場合も含めて,この用語を使用する。
3.14
カプラ感度レベル(close-coupled sensitivity level)
カプラ感度の二乗を基準の感度1 Pa/Vの二乗で除した値の常用対数の10倍。
3.15
自由音場感度(free-field sensitivity)
ある周波数において,少なくとも10名の耳科学的に正常な被験者が,正面から入射する平面進行音波(入
射角 0°)とイヤホンから発生する音とを聞き比べた場合に,両者が同じ大きさであると平均的に判定す
るように,イヤホンの端子に加えられた同じ周波数の電圧で,その平面進行音波の音圧を除した値。この
とき,この二つの音は同一の片耳で聞く。
注記 測定方法は,IEC 60268-7に規定されている。音の大きさの比較は両耳を用いて行ってもよい
が,得られた感度は単一のイヤホンに対する値である。
3.16
自由音場感度レベル(free-field sensitivity level)
自由音場感度の二乗を基準の感度1 Pa/Vの二乗で除した値の常用対数の10倍。
注記 骨導受話器の自由音場感度及び自由音場感度レベルは,これらに対応する方法で定義される。
3.17
自由音場等価イヤホン出力レベル(free-field equivalent earphone output level)
語音オージオメータにおいて,イヤホンによって発生され,そのイヤホンについてのカプラ感度レベル
と自由音場感度レベルとの差で補正された音圧レベル。
3.18
純音の聴力レベル,HL(hearing level of a pure tone,HL)
気導(音圧レベル)の場合,ある特定の周波数について,ある特定の形式のイヤホンをある特定の装着
方法で使用する場合において,そのイヤホンによって擬似耳又は音響カプラに生じた純音の音圧レベルか
ら,基準等価いき(閾)値音圧レベル(RETSPL)を引いた値。骨導(振動の力のレベル)の場合,ある
特定の周波数について,ある特定の形式の骨導受話器をある特定の装着方法で使用する場合において,そ
の骨導受話器によってメカニカルカプラに生じた純音の振動の力のレベルから,基準等価いき(閾)値の
振動の力のレベル(RETVFL)を引いた値。
3.19
純音聴覚いき(閾)値レベル(hearing threshold level for pure tones)
ある特定の周波数について,聴覚いき(閾)値を聴力レベルで表した値。
注記 純音聴覚いき(閾)値の測定方法は,ISO 8253-1に規定されている。
3.20
語音聴力レベル(hearing level for speech)
ある特定の語音信号及びある特定の信号提示方法において,語音レベルから適切な基準語音了解いき
(閾)値レベルを引いた値。

――――― [JIS T 1201-1 pdf 8] ―――――

6
T 1201-1 : 2020
3.21
語音信号(speech signal)
人の音声又は合成音声によって作られた検査信号。
3.22
語音レベル(speech level)
ある適切な擬似耳,音響カプラ若しくはメカニカルカプラ,又は音場において,特定の周波数重み付け
及び時間重み付けによって測定された語音信号の音圧レベル又は振動の力のレベル。
3.23
語音了解いき(閾)値レベル(speech recognition threshold level, SRT level)
ある被検者について,ある特定の語音信号及び信号提示方式による語音了解度が50 %になる最小の語音
レベル。
3.24
基準語音了解いき(閾)値レベル(reference SRT level)
ある特定の語音信号及び信号提示方式において,18歳25歳の十分な数の耳科学的に正常な男女の被験
者を対象集団とし,検査材料がその集団に適している場合の語音了解いき(閾)値レベルの中央値。
3.25
擬似耳(ear simulator)
装置の全般的な音響インピーダンスが,ある特定の位置及び周波数範囲において,平均的な成人の耳と
等価となるよう音源に接続され,校正されたマイクロホンによって音圧が測定される,音源の音響的出力
を測定するための装置。
注記 2種類の擬似耳が,IEC 60318-1及びIEC 60318-4に規定されている。
3.26
音響カプラ(acoustic coupler)
音源の音響的出力を測定するための装置であって,校正されたマイクロホンを既定の形状及び容量をも
つ空洞によって音源に連結し,音圧レベルを測定する。平均的な人の耳の音響インピーダンスに必ずしも
近似するとは限らない。
注記 2種類の音響カプラが,IEC 60318-3及びIEC 60318-5に規定されている。
3.27
メカニカルカプラ(mechanical coupler)
ある特定の力で圧定した骨導受話器に,ある特定の機械インピーダンスを与えるように設計され,骨導
受話器との接触面の振動の力のレベルを測定するための機械電気変換器を装備した装置。
注記 メカニカルカプラは,IEC 60318-6に規定されている。
3.28
マスキング(masking)
他の(マスキング)音の存在によって,音の聴覚いき(閾)値が上昇する現象。
3.29
実効マスキングレベル(effective masking level)
概念上の正常者の純音の聴覚いき(閾)値が,ある特定のマスキング音の存在下で,ある聴力レベルま
で上昇するとき,その上昇した聴力レベルと等しい数値で表したマスキング音のレベル。
注記1 概念上の正常者とは,その人の聴覚が,いき(閾)値及びマスキング効果についての基準(ISO

――――― [JIS T 1201-1 pdf 9] ―――――

                                                                                              7
T 1201-1 : 2020
389-1,ISO 389-2,ISO 389-4及びISO 389-8)に一致する人である。
注記2 実効マスキングレベルは,聴力レベル(3.18参照)と類似するものであり,検査を受ける特
定の耳に依存しない物理尺度上の音の測度である。
注記3 実効マスキングの基準値は,ISO 389-4に規定されている。
3.30
スピーチノイズ(speech weighted noise)
語音をマスキングするための加重不規則ノイズ。
3.31
語音に対する実効マスキングレベル(effective masking level for speech)
概念上の正常者の語音了解いき(閾)値レベルが,ある特定のマスキング音の存在下で,ある語音聴力
レベルまで上昇するとき,その上昇した語音聴力レベルと等しい数値で表したマスキング音のレベル。
注記 概念上の正常者とは,その人の聴覚が,いき(閾)値及びマスキング効果についての基準(ISO
389-1,ISO 389-2,ISO 389-4及びISO 389-8)に一致する人である。

4 オージオメータのタイプ及びクラスによる要求事項

  純音オージオメータは,最低限の機能に対する要求事項によって,表1及び附属書JAに規定する五つ
のタイプに分類する。ただし,それ以外の機能を排除するものではない。これら五つのタイプは,想定さ
れる主要な用途に対応している。
語音オージオメータは,二つのクラスに分類し,最低限の機能は表1による。

――――― [JIS T 1201-1 pdf 10] ―――――

次のページ PDF 11

JIS T 1201-1:2020の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60645-1:2017(MOD)

JIS T 1201-1:2020の国際規格 ICS 分類一覧

JIS T 1201-1:2020の関連規格と引用規格一覧