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準偏差とみなすと,有効径の計算値は,波長555 nm及び785 nmについてそれぞれ28.3 び28.6
になる。この場合も有効径の値を決めるのは,用いられる波長ではなく,こうした動きであることを示し
ている。
上記の考察から,ハザード分析で用いる網膜放射照度を求めるのに用いる網膜照射面積の直径の妥当な
下限値は,0.030 mmであることが示される。
スポットサイズによっては,放射照度レベルが1 W/cm21 000 W/cm2でも網膜損傷が生じ得る(附属書
JA参考文献[46]参照)。この傷害データに基づいて,グループ2機器について重み付けした網膜に対する
可視光及び赤外光による熱放射照度についてICNIRPが推奨する網膜放射照度の限界値は,1.2/dr W/cm2で
ある。記号drは,網膜像のサイズであり,単位はミリメートルである。これに対応する機器側の放射輝度
の限界値は,10/dr W/(cm2・sr)である。グループ1機器についてICNIRPが推奨する網膜放射照度の限界値
は,0.7 W/cm2であり,これに対応する機器側の放射輝度の限界値は,6 W/(cm2・sr)である。
パルスを出力する機器からの光ハザードには,更に次の三つのタイプがある。
a) 放出継続時間が10 400 nm1 400 nmの波長域の光放射からの,熱に関して重み付
けられた網膜に対する可視光及び赤外光による放射露光量
b) 770 nm2 500 nmの波長域にわたる光放射からの,重み付けしていない角膜及び水晶体に対する赤外
光による放射露光量
c) 400 nm1200 nmの波長域にわたる放射光束を角膜及び水晶体に収束させる機器からの,重み付けし
ていない角膜及び水晶体に対する赤外光による放射露光量
パルス機器についての露光量限界値は,400 nm1 400 nmの波長でのパルス光から角膜,水晶体及び網
膜を保護するために設けられた米国産業衛生専門家会議のThreshold Limit Values [33] に基づくものである。
dr=1.7でのグループ2の限界値は,連続波機器のLVIR-R及びEVIR-R,並びに,パルス機器のHVIR-R及び
LVIR-Rについては,グループ1の限界値と同じであることに留意する。ここで,グループ1の限界値は,最
大直径1.7 mmでの最悪のシナリオに相当するように選択されたものである。しかし,グループ2の限界
値は,要求事項を最小限に抑えるという考えに基づいて,スポットサイズが小さくなるにつれ変化するよ
うになされている。そのため,網膜上のスポットサイズが最大直径1.7 mm以下の場合には,限界値を高
くすることができる。
最後に,パルス機器のHIR-CL及びHVIR-ASについて,グループ1の限界値は,グループ2の限界値と同じ
になるように設定されている。これは,要求事項を最小限に抑えるという考えを保ちながら,角膜及び水
晶体に対するパルス放射に伴う赤外熱損傷の性質を考慮した結果である。重要なのはパルス光源について
の時間tを含む限界値は,20秒までの全ての時間について評価する必要があることである。ただし,品目
別規格が存在し,それが上記と異なる時間tまで限界値の評価を行うことを規定している場合には,その
限りではない。
JA.4.5 放射光源が複数ある機器に対する限界値
ここで,この附属書の要求事項の中には,眼の同一部位に光を照射するように設計された複数光源機器
について,光放射量は,単体の光源ごとに適用されるそれぞれの限界値以下とする項目があることに留意
する。さらに,この附属書の要求事項の中には,これら複数の光源を8時間の間に意図したとおりに順次,
又は同時に使用する全ての場合について,指定した波長域にわたって放出される光放射と,この指定した
波長域の光放射について適用される限界値との比の合計を1以下とする項目がある。この要求事項は,複
数の光源を使用する新しいタイプの機器の場合,及びそれ以外では,照明光源及びパルスフラッシュ光源
の両方を使用する眼底カメラなどの機器の場合,特に重要である。この要求事項は,単一の機器内の複数
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の光源から眼の同一組織を,順次又は同時に露光することによる複合的な潜在リスクを考慮に入れるため
のものである。
JA.4.6 グループ2機器に対する可視光露光量のガイドライン
眼の病理診断には,可視光が必要であり,そのため可視光は,直像鏡及び倒像鏡,スリットランプ,手
術用顕微鏡及び眼内照明装置などの機器で一般に使用される。病気の診断又は手術中の観察に必要な可視
光に対して,限界値を設定するのは妥当ではない。術者は長時間の複雑な手術中に,危険と分かっている
露光レベルを超えて使用しなければならないことがあり,臨床医は眼の病理診断を行うための長時間の検
査中に,危険と分かっている露光レベルを超えて使用しなければならないことがある。このことから,可
視光については限界値ではなく危険露光ガイドラインを設定する。これによって臨床医は,この機器の使
用に伴って生じ得る潜在的な光ハザードを認識する。グループ1機器は危険ではないので,この要求事項
はグループ2機器にだけ適用される。
先に述べたように,青色光による光化学性の網膜傷害は,波長依存性の傷害である。可視光による網膜
障害を引き起こす網膜での放射露光量が,440 nmで22 J/cm2,320 nmで3 J/cm2であるとされるしきい値
データに基づいて,ICNIRPが推奨する無水晶体眼に対する重み付けした網膜での放射露光量の危険レベ
ルは,グループ2機器については10 J/cm2である。そして,これに対応する時間積分放射輝度は100 J/(cm2・
sr)である。
JA.5 平均化開口絞り
網膜での放射露光量の限界値は,直径0.180 mm(固定された眼の場合には0.030 mm)の網膜面におけ
る円形領域に入射する最大局所放射エネルギーを平均することによって求める。こうした開口絞りは,サ
ンプリング用として用いるためのものである。こうした開口絞りを使用して網膜を走査し,それによって
直径0.180 mm(固定された眼の場合には0.030 mm)の円形内で測定し得る最大放射エネルギーを特定す
る。0.180 mmの平均化開口絞りは,測定機器の11 mradの視角と等価であることに留意する。これは,固
定されていない眼の動きを考慮に入れている。0.030 mmの開口絞りは,測定機器の1.75 mradの視角と等
価であり,これは固定された眼を対象としている。ISO 15004-2は,この開口絞りを通した実際の放射エ
ネルギーの測定を要求してはいない。網膜上で空間ビームプロファイルが均一な場合,例えば,直径0.180
mm(固定された眼の場合には0.030 mm)の円の面積内で測定し得る放射エネルギーをその面積で除すこ
とは,総放射エネルギーを照射された網膜の面積で除すことと等価である。0.030 mmのサンプリング開口
絞りは,網膜上でホットスポットが生じ得る機器に対して使用するためのものである。ただし,こうした
開口絞りを用いるには,0.030 mm程度のホットスポット内の放射エネルギーが特定されるように,網膜上
での空間ビームプロファイルの分布が十分に分かっていることが必要である。
ここで,網膜露光量を求めるための0.030 mmの平均化開口絞りは,意図的に網膜上に微小スポットを
収束する特殊な場合にだけ用いる必要があることに留意する。この状況は,十分にコリメートされたレー
ザービーム,点光源からの光が眼に向けられる場合,及びどんな衝動性眼球運動も抑制されるように眼が
固定されている場合に生じ得るものである。0.030 mmの平均化開口絞りの使用が必要とされる別の例は,
アイトラッカーを使用する機器が単一点に微小スポットを収束し得る場合である。アイトラッカーを使用
する機器の場合,眼の単一点にスポットが維持されるように眼の動きは追尾される。
角膜及び水晶体に対する潜在的なハザードを評価するための平均化開口絞りは,1 mmである。この平
均化開口絞りの大きさは,組織の各層内での熱の流れ及び拡散に関する考察によれば,角膜及び水晶体上
の微小スポットについての熱及び光化学性のリスクを評価するのに十分と思われる。同様に,熱の流れ及
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び拡散に関する考察によれば,熱による網膜での放射照度の限界値を求めるための平均化開口絞りは,
0.030 mmである。
最後に,放射輝度の測定については,測定開口絞りの代わりに機器の視角を指定して行うことに留意す
る。放射光源の放射輝度を求めるために指定される視角は,網膜での放射露光量を求めるために指定され
る平均化開口絞りと等価である。
JA.6 要求事項
JA.6.1 構成要素の測定要求事項及び試験証明書
グループ1及びグループ2に属する機器ともに測定に関する要求事項がある。ただし,これらの測定要
求事項について,ISO 15004-2では,測定値の代わりに構成要素の試験証明書を用いることができる。フ
ィルタの透過率,光源の分光放射曲線など,装置構成要素の光学特性の試験証明書を用いて,機器からの
放射量が規定された限界値未満であることを文書で示してよい。この目的は,このような試験証明書を用
いることである種の測定を不要にすること,場合によってはいかなる測定も不要にすることである。この
ように試験証明書を利用することは,要求事項を最小限に抑えるというISO規格の考え方と一致している。
測定が必要とされない例として,機器内の単一白色光源の輝度が100 000 cd/m2未満であることを試験証
明書が示す場合がある。光放射量がグループ1のどの限界値よりも小さいことを文書で示すには,このよ
うな試験証明書で十分であり,試験証明書に記載の光源が当該機器で使用される唯一の光源である場合に
は,いかなる測定も不要である。
別の例として,拡散発光面の直径が2 mmの白色LEDを使用し,かつ,放射強度が2.0 mW/srであるこ
とが証明されている固視灯を備える機器の場合を考える。射出開口絞りから眼までの距離は,通常の使用
状態で100 mmとする。このLEDは,2桁の減光率をもつことが証明されているNDフィルタの後ろに配
置されており,そのため光源から放出される放射強度は,0.02 mW/srになる。また,この白色LEDは,400
nm未満と700 nmよりも長い波長の放射がないことが証明されている。
この場合,放射輝度は,減衰した放射強度を直径2 mmの拡散放射面の面積で除すことによって与えら
れる。直径2 mmの面積は0.031 4 cm2なので,放射輝度は0.64 mW/(cm2・sr)になる。この値は,グループ1
機器の限界値である2 mW/(cm2・sr)の1/3未満である。この例では,ここで使用されている構成要素が証明
されていることによって,放射レベルがグループ1機器の限界値よりも十分に小さいことが明らかとなり,
いかなる測定も不要である。
また,この例の場合,輝度測定を行って放出される白色光がグループ1機器の限界値未満であることを
文書で示すこともできる。白色光放射量を測定する場合,この附属書によれば,機器の視角を11 mradと
してこれらの測定を行う必要がある。すなわち,輝度計の視野は,射出開口絞りから患者までの距離が100
mmなので光源の放射面上で直径1.1 mmに制限される。しかし,放出される光は放射面全体にわたって均
一なので,11 mradの視角を用いることはこの場合は必ずしも必要ではなく,輝度計の視野が放射面の直
径に制限されればよい。
ここでの考え方の説明を簡単にするために,白色の固視灯の代わりに緑色の固視灯の場合を考える。こ
の緑色の固視灯の輝度測定値が,0.44 cd/cm2又は0.44 lm/(cm2・sr)であったとする。最悪の場合の解析とし
て,全ての光が比視感度のピーク波長である553 nmで放出されると仮定する。553 nmでの1 Wは683 lm
になるという関係を利用して,最悪の場合の放射輝度の値が0.64 mW/(cm2・sr)と求められる。そのため,
輝度を測定した場合,その放射輝度は2 mW/(cm2・sr)の放射輝度限界値よりも十分に小さいことを示すこと
ができる。
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最後に,緑色の固視灯の放射量は,照度を測定することによってグループ1の限界値未満であると判断
することもできる。この例では,輝度は,既知の距離zだけ離れた二つの開口を透過する光束を測定し,
次の関係を用いることによって求めることができる。
Φv z2
Lv
A a
ここに, Lv : 輝度
光束
a : 第1開口の面積
A : 第2開口の面積
照度計は,固視灯から100 mmの距離に配置する。この場合,視角を11 mradとするには,直径1.1 mm
の開口絞りを固視灯の放射面を覆って配置する必要がある。
光源からの距離がz=10 cmでの照度は,
v Φv
E
A
したがって,輝度についての式は,次のようになる。
2 2
Ev z (10)
Lv Ev 2
a .0(055)
2
(pdf 一覧ページ番号 )
Lv Ev 2
.0(055)
次いで,拡散光源を覆う1.1 mmの開口絞りを用いて,距離z=10 cmでの照度を測定して放射光源の輝
度を求めればよい。この方法は,11 mradの視角を考慮したものである。
この例では,照度の測定値EVは0.42 10−4 lm/cm2又は0.42 lxになる。上式を用いて,この照度から輝
度0.44 lm/(cm2・sr)が得られる。ここで,この場合の照度の測定値は,LEDの全照度の1/3.3であることに
注意する。これは,放射面積の一部が1.1 mmの開口絞りによってマスクされているからである。この均
一な光源の照度は,LEDの直径2 mmの放射領域の面積に対する放射光源を覆う直径1.1 mmの開口の面
積の比だけ小さくなっている。この緑色LEDの場合,LEDの放射輝度は,前記の計算の場合と同様に,
553 nmにおける683 lm/Wという関係から,輝度0.44 lm/(cm2・sr)の比を取ると,放射輝度0.64 mW/(cm2・sr)
が得られる。
広帯域光源の輝度を測定する場合,相対分光パワー分布が分かっているときには,分光放射輝度及び光
源の全放射輝度は,次の関係を用いて求めることができる。
770 770
Lv 683 L V d 683 L peakf V
380 380
ここに, Lv : 光源の輝度
L 距離zにおける光源の波長 光放射輝度
V( 比視感度
d 微小波長区間
総和演算に用いる波長間隔
L 攀愀 分光放射曲線のピークでの分光放射輝度で,これは定数であ
る
f( 相対分光パワー分布で 攀愀
L L peakf( )
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上式から,Lvを測定することができ,かつ,f( 知であるとき,L 攀愀 そ
用いてL かると,次の式を用いてL及びLAを求めることができる。
L L
380
及び
700
LA L A
380
ここで重要なのは,例えば,発光ダイオード(LED)についての試験証明書が,可視波長域の光だけが
放出されることを示す場合,可視光放射だけの測定が必要となることである。紫外光又は赤外光の放射が
ないことを文書で示すにはこのような試験証明書で十分である。この場合,これが当該機器で使用される
唯一の光源である場合には,紫外光及び赤外光の放射の測定は不要である。
JA.6.2 グループ1機器に対する測定要求事項
ISO 15004-2におけるグループ1機器についての唯一の要求事項は,当該機器からの放射量が,連続波
機器及びパルス機器について規定された限界値(ISO 15004-2:2007の表2及び表3)以下であることを客
観的に示すことである。長時間にわたって動作させることがあるパルス機器の場合には,放射量が連続波
機器及びパルス機器の両方について,規定された限界値以下であることを示すことが必要になる。さらに,
この規格は放射量が限界値以下であることを製造業者が柔軟に文書化できるように意図されている。これ
は,ある機器がグループ1機器かどうかを判断する測定値の不確かさを柔軟に設定することで実現される。
この規格の要求事項は,測定値の不確かさは限界値と測定値の差以下でなければならないということを規
定している。そのため,桁の異なるほどの極めて大きな不確かさを認めている。この仕様が要求している
ことは単に,測定値と不確かさの和が限界値以下であることである。
上述のとおり,グループ1機器についての唯一の要求事項は,全ての放射量が,このグループの限界値
以下であることを客観的に証明することである。可能であれば,上述の簡単な放射測定値又は計算値ある
いはその両方,及び構成要素の試験証明書をそろ(揃)えることが推奨される。グループ1機器は,ISO
15004-2で規定された他の全ての要求事項が免除される。
最後に,ある機器がグループ1に属するかどうかを判断するために測定を注意深く行う必要があるのは,
その機器の放射量がグループ1について規定された限界値に近い場合だけである。放射量が限界値を大き
く下回る機器の製造業者は,当該機器が限界値未満であり,それゆえグループ1に属することを示すのに
広帯域測定機器を使用することが考えられる。場合によっては,ある機器がグループ1に属することを示
すのに照度計による測定だけでよいことがある。例えば,2 300 K程度の低い色温度で発光するワット数が
小さいタングステン電球を使用する機器の場合,全ての放射量がグループ1について規定された限界値以
下であることを文書で示すには,照度データに基づく計算値で十分なことがある。
一見しただけでは,ある機器がグループ1又はグループ2のいずれに属するかを示すのは難しいと思え
ることがある。ある機器がグループ1に属するかどうかを評価する最初のステップは,放射が最大と思わ
れる帯域の放射量の測定値を評価することであろう。その測定値が限界値以下であれば,手順として,残
りの帯域の放射量を系統的に求めることになる。全ての測定値又は計算値が規定された限界値以下であれ
ば,当該機器はグループ1に属することになる。光放射量がグループ1の限界値のどれか一つでも上回れ
ば,その機器はグループ2に属すると判断される。その場合,ISO 15004-2が製造業者に要求することは,
当該機器からの全て放射量が規定されたグループ2の限界値以下であることを客観的に証明することであ
る。
――――― [JIS T 15004-2 pdf 50] ―――――
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JIS T 15004-2:2013の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 15004-2:2007(IDT)
JIS T 15004-2:2013の国際規格 ICS 分類一覧
JIS T 15004-2:2013の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISZ8120:2001
- 光学用語