JIS T 1501:2022 パルス反射法超音波診断装置の性能試験方法通則 | ページ 3

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図5−散乱体のシートの画像表示の例
d) 音響作動周波数及び音響作動周波数帯域幅 音響作動周波数及び音響作動周波数帯域幅は,次の手順
で測定する。初めに,脱気水中に,超音波プローブから超音波パルスを送信し超音波ビームを形成す
る。次に,超音波ビームの各位置にて,時間変化する音圧の最大値(時間ピーク音圧)をハイドロホ
ンによって測定する。さらに,測定した時間ピーク音圧が最大となる超音波ビーム上の位置(時間ピ
ーク音圧の空間的なピーク位置)を検出する。その後,その位置で超音波パルス音圧の時間変化波形
をデータ取得装置で収集し,解析することによって測定する。測定に際しては,パルス波形が,ケー
ブルの容量負荷及び反射のような電気的な要因によってひずまないように注意する。必要な場合には,
増幅器をハイドロホンとデータ取得装置との間に設置する。非線形伝搬による波形ひずみを避けるた
めに,送信音響パワーを十分に小さくする。この測定によって得た音圧スペクトラムから音響作動周
波数帯域幅及び音響作動周波数を次によって求める。
1) 音響作動周波数帯域幅の求め方
音響作動周波数帯域幅は,式(2)によって求める。
BW=f2−f1 (2)
ここで, BW : 音響作動周波数帯域幅(MHz)
f1 : 音圧スペクトラムの振幅の最大値から−3 dBの振幅になる
低周波側の周波数(MHz)
f2 : 音圧スペクトラムの振幅の最大値から−3 dBの振幅になる
高周波側の周波数(MHz)
2) 算術平均による音響作動周波数の求め方
音響作動周波数は,式(3)によって求める。
fawf=f1+f2
2 (3)
ここで, fawf : 音響作動周波数(MHz)
f1 : 音圧スペクトラムの振幅の最大値から−3 dBの振幅になる
低周波側の周波数(MHz)
f2 : 音圧スペクトラムの振幅の最大値から−3 dBの振幅になる
高周波側の周波数(MHz)
e) 表示精度 画像中の表示物の表示位置と真の位置との誤差を測定して求める。例えば,図6 a)及び図
6 b)に示す,2次元に規則正しく並んだ線材を生体組織近似材料内に配置したファントムを表示したと

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き,線材が,ひずみなく全視野に表示されることを確認する。線材列は,全視野の中心を通り水平方
向及び垂直方向に配置したものを選択する。視野の中心から各々の線材までの距離を測定し,対応す
る真の距離との誤差を求める。
a) 立体図
単位 mm
b) 断面図
図6−表示精度,距離精度及び面積精度測定用ファントムの概念図並びに超音波プローブの配置の例
f) 計測精度 距離,面積,時間及び速度について,超音波診断装置の計測精度を求める。
1) 距離精度 超音波診断装置のBモード計測機能を用いて,例えば,図6に示すような,距離が既知
の線材間の距離を測定し,この値からパーセント誤差を求める。
2) 面積精度 超音波診断装置のBモード計測機能を用いて,例えば,図6に示すような,既知の配置
の線材が囲む面積を測定し,この値からパーセント誤差を求める。
3) 時間精度 外部のパルス発生器と超音波振動子とを用いて,正確に時間間隔が分かっているバース
ト波(例えば,200 ms間隔の1 msバースト)を超音波診断装置の超音波プローブに音響的に注入す
る。次に,Mモード上に表示されたバーストの時間間隔を超音波診断装置の計測機能を用いて測定
する。超音波診断装置の計測値と真の時間間隔との比較を行う。この測定では,外部のパルス発生

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器のバースト信号を直接超音波診断装置の初段増幅器の入力部及び超音波プローブへ電気的に注入
して測定してもよい。
4) 速度精度 速度の絶対値が既知である対象物を用いて測定する。例えば,糸及びプーリで構成され,
水中に張られた糸を任意の速度で走行させることができる,速度計測用のファントムを用いる。図
7に示すように,超音波診断装置のBモード上で走査面に糸が映るよう固定し,次にパルスドプラ
モード機能を用いて,サンプルボリュームを糸上に設定して速度を測定する。超音波診断装置の計
測値と真の速度との比較を行う。必要な場合は,サンプルボリュームの角度補正機能を用いる。
プ−リ
プーリ
診断装置へ
超音波プローブモ−タ
モータ
角度
プ−リ
プーリ プ−リ
プーリ

コントローラ
コントロ−ラ
図7−糸ファントムを用いた速度精度測定用ファントムの概念図及び超音波プローブの配置の例

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参考文献
[1] IEC/TS 61390:1996,Ultrasonics−Real-time pulse-echo systems−Test procedures to determine performance
specifications

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JIS T 1501:2022の関連規格と引用規格一覧

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