JIS T 3229:2011 腹くう(腔)及び臓器用せん(穿)刺針 | ページ 2

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3.2
公称長さ
せん刺針の被包又は容器に表示された針管(又は外針針管)の長さの寸法。
3.3
精製水
日本薬局方(以下,“日局”という。)の医薬品各条に規定する“精製水”又はこれと同等以上の水。
3.4
エンドトキシン試験用水
日局の医薬品各条に規定する“注射用水”又はその他の方法により製造した水で,エンドトキシン試験
に用いるライセート(LAL)試薬の検出限界で反応を示さないもの。
3.5
一次包装
せん刺針を直接に覆う包装で,せん刺針の無菌性を保持するためのもの。さらに,これが二次包装され
る場合には,“内袋”に該当する。
3.6
二次包装
一次包装を直接に覆う包装。通常,複数の一次包装されたせん刺針,例えば100本を入れた包装。
3.7

せん刺針を構成している針管,針基,延長チューブ,三方活栓などのうち,針管と針基とで構成されて
いる機器。
3.8
ファーストライン
注射筒の外筒の目盛に合わせる押子の,先端の最初のピークのライン。

4 物理的要求事項

4.1 外観及び清浄度

  外観及び清浄度は,次による。
a) 目視で検査し,針管の超音波対応処理をしていない部分及び針基の外面は,凹凸及びきずがなく,仕
上げ面が滑らかで,表面に微粒子又は異物の付着があってはならない。
b) 目視で検査するとき,針管の内面には,有害な酸化物,切り粉などの微粒子又は異物の付着があって
はならない。また,針基の内面には微粒子又は異物の付着があってはならない。
c) 目視で検査するとき,針管に目盛が付いたものは,明確に目盛が識別できなければならない。

4.2 セット化する三方活栓及び延長チューブ

4.2.1  三方活栓
三方活栓は,次の試験に適合しなければならない。
a) 三方活栓は,どのプラグ位置においてもしっかり固定されていなければならない。また,ポンプを使
用しない場合は,A.1.1及びA.1.2によって試験をしたときに,空気の漏れ及び蒸留水の漏れがないよ
うな気密性をもたなければならない。ポンプを使用する場合は,A.2.1及びA.2.2によって試験をした
ときに,空気の漏れ及び蒸留水の漏れがないような気密性をもたなければならない。

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b) ポンプを使用する場合は,A.3によって試験をしたときに,附属品と部品との間の接続部は,これに
耐え得る強度をもたなければならない。また,活栓のプラグとハウジングとの間の接続部は,どの位
置でもこれと同等の引張強さをもたなければならない。
c) 活栓は,A.4によって試験をしたときに,近接する部品の機能性に何ら有害な影響を及ぼさずに流路
を開閉できるよう設計しなければならない。
d) 注入部位ユニットは,A.5によって試験をしたときに,ユニット当たり2滴が失われるだけで注入が
できなければならない。
4.2.2 延長チューブ
延長チューブは,次の試験に適合しなければならない。
a) 延長チューブは,ポンプを使用しない場合は,A.1.1及びA.1.2によって試験をしたときに,空気の漏
れ及び蒸留水の漏れがないような気密性をもたなければならない。また,ポンプを使用する場合は,
A.2.1及びA.2.2によって試験をしたときに,空気の漏れ及び蒸留水の漏れがないような気密性をもた
なければならない。
b) ポンプを使用する場合は,A.3によって試験をしたときに,附属品及び部品間の接続部は,これに耐
え得る強度をもたなければならない。また,どの位置でもこれと同等の引張強さをもたなければなら
ない。

5 化学的要求事項

5.0 溶出物

  針は5.1,三方活栓及び延長チューブは5.2に適合しなければならない。

5.1 針

5.1.1  試験液及び空試験液の調製
試験液及び空試験液の調製は,次による。
a) 試験液 針25本を,ほうけい酸ガラスでできた適切な容器に入れ,250 mLの精製水を加え針を浸せ
きし(針管の内側を含めて,精製水に接触するようにする。),37+3
0℃で60±2分間加温した後,室温
になるまで冷却し,針の内外面から全ての水を容器に戻すようにして針を取り除き,この液を試験液
とする。
b) 空試験液 同時に,針を入れない精製水を同様の方法で操作し,空試験液を調製する。
5.1.2 pH
試験液及び空試験液のpHを日局の一般試験法のpH測定法で測定したとき,両液のpHの差は,1以下
でなければならない。
5.1.3 溶出金属の制限
原子吸光光度法又は同等以上の微量分析法によって試験液及び空試験液を分析し,試験液の測定値を空
試験液の測定値で補正したとき,試験液中の鉛,亜鉛及び鉄の合計は5 mg/L以下で,かつ,試験液のカド
ミウム測定値を空試験液のカドミウム測定値で補正したとき,試験液のカドミウム含量は0.1 mg/L以下で
なければならない。

5.2 三方活栓及び延長チューブ

  次のいずれかによって試験する。
a) 溶出物試験第一法 溶出物試験第一法は,次による。
1) 試験液及び空試験液の調製

――――― [JIS T 3229 pdf 7] ―――――

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1.1) 試験液 プラスチック製の材料は各々10 gずつとり,また,ゴム製の材料は各々1.0 gずつとり,
細片とし,ほうけい酸ガラスでできた適切な容器に入れ,約100 mLの精製水を加え,30分間煮
沸した後,室温になるまで冷却し,材料を取り除き,精製水を加えて正確に100 mLとし,この液
を試験液とする。
1.2) 空試験液 同時に,材料を入れない精製水を同様の方法で操作し,空試験液を調製する。
2) H 試験液及び空試験液20 mLずつをとり,これらに,塩化カリウム1.0 gを精製水に溶かして1 000
mLとした液を1.0 mLずつ加え,日局の一般試験法のpH測定法で測定したとき,両液のpHの差は,
2.0以下でなければならない。
3) 重金属 試験液10 mLをとり,日局の一般試験法の重金属試験法の第1法で試験をしたとき,試験
液の呈する色は,比較液の呈する色より濃くてはならない。比較液には,空試験液10 mL及び日局
の一般試験法の標準液で規定する鉛標準液2.0 mLを加える(2.0 ppm以下)。
4) 過マンガン酸カリウム還元性物質 試験液10 mLを共栓三角フラスコにとり,0.002 mol/L過マンガ
ン酸カリウム液20.0 mL及び日局の一般試験法の試薬・試液で規定する希硫酸1 mLを加え,3分間
煮沸し,冷後,これによう化カリウム0.10 gを加えて密栓し,振り混ぜて10分間放置した後,0.01
mol/Lチオ硫酸ナトリウム液で滴定する(指示薬 : 日局の一般試験法の試薬・試液で規定するデン
プン試液5滴)。別に,空試験液10 mLを用い,同様に操作する。試験液及び空試験液の0.002 mol/L
過マンガン酸カリウム液消費量の差は,2.0 mL以下でなければならない。
5) 蒸発残留物 試験液10 mLを水浴上で蒸発乾固し,残留物を105 ℃で1時間乾燥したとき,残留物
の質量は1.0 mg以下でなければならない。
b) 溶出物試験第二法 溶出物試験第二法は,次による。
1) 試験液及び空試験液の調製 B.1による。
2) 酸性又はアルカリ性 B.2によって試験したとき,容量分析用標準液が1 mL未満で,かつ,色が灰
色にならなければならない。
3) 金属イオン 原子吸光光度法又は同等以上の微量分析法によって試験液及び空試験液を分析し,試
験液の測定値を空試験液の測定値で補正したとき,試験液中のバリウム,クロム,銅,鉛及びすず
の合計が1 μg/mL以下であり,かつ,カドミウムは0.1 μg/mL以下でなければならない。又はB.3
によって試験したとき,試験液の呈する色は,比較液[濃度ρ(Pb2+)=1 μg/mL]の呈する色より
濃くてはならない。

6 無菌性の保証

  無菌性の保証は,滅菌バリデーション基準又はこれと同等以上の基準に基づき,無菌性の担保を行う。
注記 滅菌バリデーション基準には,厚生労働省が定めた滅菌バリデーション基準がある。

7 生物学的安全性

  JIS T 0993-1に規定する生物学的安全性の評価を行う。

8 エンドトキシン試験

  せん刺針10セットをとり,各セットの管内に,エンドトキシン試験用水40 mLを1分間約10 mLの速
さで流し,その液で針管をよく洗い,洗液を合わせて試験液とし,日局の一般試験法のエンドトキシン試
験法によって試験を行ったとき,0.5 EU/mL未満でなければならない。又はこれと同等以上の基準に適合

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しなければならない。

9 寸法の許容差

9.1 外径

  針管の外径の公称外径に対する許容差は,−3 %+8 %でなければならない。

9.2 有効長

  針管の長さの公称長さに対する許容差は,10 mm以下のものは±20 %,10 mmを超え20 mm未満のもの
は±8 %,20 mm以上40 mm未満のものは±7 %,40 mm以上60 mm未満のものは±5 %,60 mm以上の
ものは±3 %でなければならない。

10 テーパの合致

  一般に存在する注射筒などのテーパのはめあいに接続することを意図したものにあっては,図1に示す,
ISO 594-1で規定するおす・ルアーテーパ検査ゲージ[ISO 594-1のFigure 3−Gauges for testing 6 % (Luer)
conical fittingsのc) auge for testing female conical fittings of all materials参照]へ,針基を5 Nの力でゲージ
には(嵌)めたとき,針基の接続部のめす・ルアーテーパとゲージのテーパとが合致し,かつ,針基の先
端部は,ゲージの限度内になければならない。また,この検査ゲージを使用できない構造のものにあって
は,この検査ゲージの要求する寸法に等しい寸法を求めることができるような特別の検査ゲージ,例えば,
ISO 594-2に規定する検査ゲージを用いる。
単位 mm
図1−おす・ルアーテーパ検査ゲージ

11 構成及び各部の名称

11.0 一般

  せん刺針は,主として針管及び針基で構成する[図2のa) 参照]。図2は,一般的なせん刺針を図示し
たものであり,内針,目盛,メルクマール及び延長チューブは要求事項ではない。また,三方活栓,キャ
ップ,及び無色又は着色されたプロテクタが附属する場合もある。
注記 プロテクタ : 針管の針先を誤って身体に誤刺しないように保護するせん刺針のさやのことをい
い,針基にかん(嵌)合して,内面は針管に触れない。

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a) 延長チューブがないタイプの例
b) 延長チューブがあるタイプの例
図2−せん刺針の構成及び各部の名称例

11.1 材料

  針管の材料は,JIS G 4305に規定するSUS304,SUS304L若しくはSUS321,又はISO 9626の材料の項
に適合するステンレス鋼,チタン合金,樹脂などがある。
針管の潤滑剤としてシリコーン油を用いる場合,シリコーン油は,シリコーン油基準又はこれと同等以
上の基準に適合しなければならない。
注記 シリコーン油基準には,厚生労働省が定めたシリコーン油基準がある。

11.2 外観

  目視で検査したとき,針管はまっすぐであり,正常な切断面及び厚みでなければならない。

11.3 潤滑剤の量

  潤滑剤の量は,針管の表面に液滴を認めたり,内面にたまりを認める量であってはならない。

12 針先

  針先は,鋭利に研磨してあり,目視で分かる,ばり,ささくれなどの不具合があってはならない。

13 内針

  針先が外針と合うなど,コアリングを防止するようになっていなければならない。

14 外針

  内くうにガイドワイヤなどを挿入するものは,適用ガイドワイヤを添付文書などで明確に表示しなけれ
ばならない。

15 延長チューブ

  延長チューブは,透明又は気泡が探知できる程度に透明でなければならない。

――――― [JIS T 3229 pdf 10] ―――――

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JIS T 3229:2011の国際規格 ICS 分類一覧

JIS T 3229:2011の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称