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T 3250 : 2013
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限外ろ過率(ultrafiltration coefficient)
膜の透水性。一般的には,時間当たりの圧力(水銀柱)当たりの流量(mL/mmHg/hr)で表現する。
4 要求事項
4.1 生物学的安全性
該当機器の血液と直接又は間接的に接触する機器の部分は,5.2によって,生物学的な危険性がないこと
を評価しなければならない。
注記 我が国においては,機器に用いられる材料で,血液と直接又は間接的に接触する新規材料は,
JIS T 0993-1によって,生物学的安全性を確認する。
4.2 無菌性
該当機器の血液が通過する部分は,滅菌バリデーション基準又はこれと同等以上の基準に基づき,無菌
性の担保を行う。試験は,5.3によって行う。
注記 滅菌バリデーション基準には,厚生労働省の定めた滅菌バリデーション基準がある。
4.3 非発熱性
該当機器の血液が通過する部分に発熱性物質があってはならない。試験は5.4に従って行う。
4.4 機械的特性
4.4.1 全体的な構造
5.5.1によって試験を行ったとき,該当機器に,漏れがあってはならない。該当機器は,次の条件下で試
験する。
a) 規定の最大圧力の1.5倍
b) 製造販売業者が規定する最大陰圧の1.5倍[ただし,−700 mmHg(−93.3 kPa)より低くてはならな
い。]又は実施可能な最大陰圧
なお,この要求事項は該当機器の外部容器に対するものである。
4.4.2 血液側の構造
製造販売業者が指定した最大推奨TMPの1.5倍で血液側を試験したとき,血液側は漏れてはならない。
要求事項は,5.5.2によって検証する。
4.4.3 血液透析器,血液透析ろ過器及び血液ろ過器の血液側接続部分
血液透析器,血液透析ろ過器及び血液ろ過器と血液回路とが一体化されているものを除き,血液側接続
部分の寸法は,図1のとおりとする。この要求事項は,5.5.3によって検証する。
――――― [JIS T 3250 pdf 6] ―――――
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単位 mm
注a) : 二条ねじ
図1−血液の出入口接続部分の主要寸法
4.4.4 血液透析器及び血液透析ろ過器の透析液側接続部分
血液透析器及び血液透析ろ過器と透析液回路とが一体化されているものを除き,透析液側接続部分は,
図2に示す形状・寸法とする。試験は,5.5.4によって行う。
単位 mm
注a) 透析液回路コネクタとのかん(嵌)合のために必要な長さ及び直径
図2−透析液の出入口接続部分の主要寸法
4.4.5 血液ろ過器のろ液側接続部分
血液ろ過器とろ液回路とが一体化されているものを除き,血液ろ過器のろ液側接続部分は,図2又はISO
594-2に規定するルアー固定フィッティングの要求事項のいずれかに適合しなければならない。試験は
5.5.5に従って行う。
4.4.6 血液濃縮器の血液側及びろ液側接続部分
血液濃縮器の血液側及びろ液側接続部分は,この該当機器に用いられるチューブと安全に接続できなけ
――――― [JIS T 3250 pdf 7] ―――――
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T 3250 : 2013
ればならない。この要求事項は,5.5.6によって試験する。
4.5 性能特性
4.5.1 血液透析器及び血液透析ろ過器のクリアランス
尿素,クレアチニン,りん酸及びビタミンB12のクリアランスは,5.6.1に従って決定する。血液と透析
液との流量は,製造販売業者が定めた範囲内でなければならない。
注記 補足として,KoA(総括物質移動面積係数)を含めることができる。
4.5.2 血液透析ろ過器,血液ろ過器及び血液濃縮器のふるい係数
アルブミン,イヌリン及びβ2ミクログロブリン又はミオグロビンのふるい係数は,5.6.2に従って決定す
る。試験条件は,製造販売業者によるものとする。
4.5.3 限外ろ過率(UFR)
限外ろ過率は,5.6.3に従って確認する。試験は,製造販売業者が指定したTMP及び血液流量の範囲内
で行う。
4.5.4 血液側容量(充量)
血液側の充量は,製造販売業者が指定するTMPの範囲で,5.6.4の試験方法に従って確認する。
注記 血液側の充量がTMPによって変化しない場合,一つのTMPの値に従って決定するとよい。
4.5.5 血液側の圧力損失
血液側の圧力損失は,5.6.5に従って決定する。
4.6 使用期限
機器の生物学的安全性,無菌性及び機械的特性は,使用期限に相当する期間について証明しなければな
らない。試験は,5.7によって行う。
5 試験方法
5.1 一般
4.5で要求する性能については,新製品を市場に出す前に測定しなければならない。また,製品仕様変更
後に性能が変わっていることが予想される場合は,再評価しなければならない。
製品の供試品は,製造工程からランダムに抽出されたもので,適用されている全ての該当機器は,品質
管理工程において適合したものでなければならない。また,臨床使用されるものと同様に,製造販売業者
が推奨する方法に従って,準備する。
測定は,液温37±1 ℃で,インビトロで行わなければならない。変数間の関係が非線形である場合には,
測定点間の内挿を行うことが可能となるように,十分な測定を行わなければならない。この規格の試験方
法は参考方法である。十分な精度及び再現性が得られる場合は,他の試験方法を採用してもよい。
次に示す試験方法は,実際の試験装置において必要な詳細事項全てを示しているわけではない。実際の
試験方法の設計,構成及びその構築は,測定誤差の原因となる多くの要因に注意しなければならない。要
因とは,落差と動的圧力損失とによる圧力測定誤差,パラメータの安定化に要する時間,不定流量におけ
る制御できない温度変化,pH,熱・光・時間による試験物質の劣化,試験液の脱気,貯留空気及び未知物
質・藻類・バクテリアによるシステム汚染(ここに示したことに限定されない。)である。
注記 箇条5において,5.5.1,5.5.3,5.5.4,5.6.1,5.6.2,5.6.3及び5.6.4に規定するものは,新しい
該当機器を市場に出す前,又は該当機器若しくは製造過程を変更するときの形式検査を含む。
また,5.3,5.4及び5.5.2に規定するものは,品質管理システムの必要条件に従って定期的に実
施する品質管理項目も含まれる。
――――― [JIS T 3250 pdf 8] ―――――
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5.2 生物学的安全性
患者の血液と直接又は間接的に接触する該当機器における生物学的安全性については,製品を市場に出
す前に,また,その製品で用いる材料の変更後及び滅菌方法の変更後は,該当製品の供試品を用いて評価
を実施する。
試験は,この規格と関連するJIS T 0993-1によって実施する。
5.3 無菌性
4.2に示す要求事項との整合性は,該当機器が検証された滅菌工程を経たことを示す製品の検査記録によ
って確認する。
5.4 非発熱性
4.3の試験は,ISO 10993-11に適合しなければならない。
5.5 機械的特性
5.5.1 全体的な構造
5.5.1.1 一般
4.4.1の確認は,次の試験に従って行う。
5.5.1.2 陽圧試験
脱気した37±1 ℃の水で該当機器を完全に満たす。次に圧力を加える部分を除き全ての接続部分を閉め
る。製造販売業者が規定する1.5倍の陽圧を加え,該当機器一式を密封する。10分後,圧力を記録し,目
視で該当機器の水漏れの有無を確認する。
5.5.1.3 陰圧試験
脱気した37±1 ℃の水で該当機器を完全に満たす。次に圧力を加える部分を除き全ての接続部分を閉め
る。製造販売業者が規定する1.5倍の負圧を加える。ただし,その圧力値が−700 mmHg(−93.3 kPa)を
超える場合は,−700 mmHg(−93.3 kPa)を加える。該当機器一式を密封し,10分後,圧力を記録し,目
視で機器の漏れを確認する。
5.5.2 血液側の構造
血液側の構造は,製造業者(又は製造販売業者)の試験手順に従った試験結果の確認によって行う。
5.5.3 血液透析器,血液透析ろ過器及び血液ろ過器の血液側接続部分
4.4.3の要求事項への適合性は,検査によって確認する(図1及び図3参照)。
単位 mm
1 : アウタコーン
2 : インナコーン
図3−血液出入口接続部のかん(嵌)合長測定に用いるゲージ
――――― [JIS T 3250 pdf 9] ―――――
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5.5.4 血液透析器及び血液透析ろ過器の透析液側接続部分
4.4.4の要求事項への適合性は,検査によって確認する(図2参照)。
5.5.5 血液ろ過器のろ液側接続部分
4.4.5の要求事項への適合性は,検査によって確認する。図2又はISO 594-2の必要条件に適合しなけれ
ばならない。
5.5.6 血液濃縮器の血液側及びろ液側接続部分
4.4.6の要求事項への適合性は,検査によって確認し,15 N以下の引張り力で外れてはならない。
5.6 性能特性
5.6.1 クリアランス
5.6.1.1 一般
4.5.1の試験は,次のとおり行う。
5.6.1.2 試験液
血液側には,一つ又は二つ以上の次の試験物質を含む透析液,生理食塩液,りん酸緩衝液又は水をかん
(灌)流させる。
血液透析器及び血液透析ろ過器の透析液側には,透析液,生理食塩液,りん酸緩衝液又は水をかん(灌)
流させる。
注記 血液側及び透析液側に当初かん(灌)流させる試験液は,イオン強度を一致させる。
尿素 1535 mmol/L
クレアチニン 5001 000 μmol/L
りん酸 15 mmol/L,pH 7.4±0.1に調整する。
ビタミンB12 1540 μmol/L
5.6.1.3 クリアランス試験手順
図4に示す試験回路を組み立てる。血液の流れと透析液の流れとを安定させる。温度,圧力及び限外ろ
過量が安定していることを確認する。血液透析器又は血液透析ろ過器から,エアが除去されていることを
確認する。指定された範囲の血液側流量と透析液側流量とで,定常状態に達した後,試験液を採取する。
限外ろ過流量はそれぞれの条件で記載しなければならない。試験液を分析し,5.6.1.4の計算式に基づいて
クリアランスを計算する。
注記1 図4では,試験液を血液透析器又は血液透析ろ過器の下側から血液側に流入させているが,
血液側と透析液側とが向流になっていれば,上側から流入させても問題ない。また,血液透
析器又は血液透析ろ過器の配置は,垂直方向と水平方向との同等性が確認されていれば,水
平方向で試験を行ってもよい。
注記2 測定の信頼性を確認するための実際的な方法は,マスバランス・エラーを評価することであ
る。
――――― [JIS T 3250 pdf 10] ―――――
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JIS T 3250:2013の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 8637:2010(MOD)
- ISO 8637:2010/AMENDMENT 1:2011(MOD)
JIS T 3250:2013の国際規格 ICS 分類一覧
- 11 : 医療技術 > 11.040 : 医療設備 > 11.040.40 : 外科用体内埋没材,義肢及び装具
JIS T 3250:2013の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称