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T 6520 : 2019
試験片の各々5点のデュロメータA硬さの平均値を求める。
3個の試験片の平均値のうち,2個以上が表1に適合するとき,合格とする。
試験片を恒温水槽に戻して更に29日間保存する。恒温水槽の精製水又は蒸留水は,7日ごとに交換する。
7.2.3.3 30日後のデュロメータA硬さ試験
7.2.3.2の試験から29日後に,試験片を恒温水槽から取り出し,直ちに荷重5秒後のデュロメータA硬
さを測定する。恒温水槽から試験片を取り出した後,3分以内に全て測定する。荷重点は,前回の荷重点
から2 mm以上離れた所を用いる。3個の試験片の各々5点のデュロメータA硬さの平均値を求める。
3個の試験片の平均値のうち,2個以上が表2に適合するとき,合格とする。
7.3 接着強さ
7.3.1 材料及び装置
7.3.1.1 アクリル系義歯床用材料 JIS T 6501に適合するもの。
7.3.1.2 標準の金属組織研磨紙 JIS R 6010又はJIS R 6253に規定するP500のもの。
7.3.1.3 恒温水槽 精製水又は蒸留水が入っていて,37±1 ℃に保てるもの。
7.3.1.4 リング 材質がポリエチレン又は他の非接着材料(アクリルプレート,裏装材及び製造販売業者
が指定した接着材に接着しないもの)で,管から切り出され,内径が10±0.5 mmで高さが3±0.25 mmの
もの。
7.3.1.5 マイクロメータ又はダイヤルキャリパ 0.01 mm単位で測定可能な平行アンビル式のもの。
7.3.1.6 クランプ Gクランプ又は類似のもの。
7.3.1.7 引張試験機 垂直に設定されていて,クロスヘッド速度が10 mm/minのもの。
7.3.2 アクリルプレートの作製
アクリル系義歯床用材料を用い,製造販売業者が指定する方法で,アクリルプレートを十分な数だけ作
製する。プレートの寸法は,縦25±3 mm,横25±3 mm,厚さ3±0.5 mmとする。指定する重合法によっ
て,石こう(膏)型を用いて作製する。これらのプレートは個別に作製してもよいし,大きなプレート(最
大80 mm×80 mm)から切り出してもよい。
P500研磨紙を用いてプレートの表面と裏面とが平行平面で,かつ,上記の寸法になるよう表面を湿式研
磨する。研磨後は,接着面に触れないようにする。
プレートは,使用前に37±1 ℃の恒温水槽中に30±2日間保存する。
リングの内径をマイクロメータ又はダイヤルキャリパを用い0.05 mmの単位で測定し,接着面積A(mm2)
を算出する。
7.3.3 試験片の作製
製造販売業者の混合,塗布及び硬化の指示によって,提供される裏装材及び接着材を使用する。
恒温水槽からアクリルプレートを取り出し,直ちに製造販売業者の指定する方法又は7.4.4.2によって乾
燥し,製造販売業者が指定する方法によって,両方のアクリルプレートの接着する面に接着材を塗布する。
接着面には触れてはならない。
アクリルプレートの接着面のリング内に裏装材を少し過剰に盛り上げる(図1参照)。硬化中,プレート
をクランプで締め付ける。より高い温度での硬化が指示されていない限り,室温(23±2 ℃)に保つ。ア
クリルプレートに裏装材を接着させて1時間後に,接着した試験片を37±1 ℃の恒温水槽中に23±1時間
保存する。
少なくとも10個の試験片を作製する。
――――― [JIS T 6520 pdf 6] ―――――
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7.3.4 引張試験
恒温水槽から試験片を取り出して,直ちに,引張試験機へ移す。試験片を引張試験機に垂直に固定する。
試験片にねじ(捩)り力が作用してないことを確認し,試験中,試験片を垂直に保つ。シアノアクリレー
ト接着材でアクリルプレートに接着したポリメタクリ酸メチル樹脂(PMMA)を用いると,垂直に保ちや
すくなる(図1参照)。PMMAの取付けは,試験の直前でも,接着させた直後でもよい。
1 試験材料(裏装材)
2 アクリルプレート
3 リング
4 PMMA
a 引張力の方向
図1−引張試験の構成
10 mm/minのクロスヘッド速度で引張試験を行う。接着破壊前の最大荷重(F)を記録する。
10個の試験片について試験を行い,次の式によって接着強さ(B)(MPa)を求める。
B=F/A
ここに, F : 接着破壊前の最大荷重(N)
A : 接着面積(mm2)
10個の試験片のうち8個以上が表3に適合するとき,合格とする。
7.4 吸水量及び溶解量
7.4.1 材料
7.4.1.1 ポリエステルフィルムのシート 厚さが50±25 μmで型を覆うためのもの。
7.4.1.2 シリカゲル 使用前に130±5 ℃で300±10分間乾燥したもの。
7.4.1.3 水 精製水又は蒸留水
7.4.2 機器
7.4.2.1 型及びカバー 金属製又はプラスチック製の型及びカバーで,7.4.3に規定する試験片を作製する
もの(図2参照)。
――――― [JIS T 6520 pdf 7] ―――――
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7.4.2.2 クランプ
7.4.2.3 マイクロメータ又はダイヤルキャリパ 0.01 mm単位で測定可能な平行アンビル式のもの。
7.4.2.4 ラック 試験片を平行に並べて分離して置くためのもの。
7.4.2.5 デシケータ 2個
7.4.2.6 恒温器 37±1 ℃に保てるもの。
7.4.2.7 ピンセット プラスチックで被覆したもの。
7.4.2.8 タオル 清浄で乾いたもの。
7.4.2.9 化学天びん(秤) 精度0.1 mg以上のもの。
7.4.3 試験片の作製
5個の試験片を別々の混和物から作製する。裏装材混和物を型に入し,金属型を用いる場合には,型
とカバーとの間にポリエステルフィルムのシートを敷くなどによって,型と試験片との付着を防ぎ,クラ
ンプで挟む。製造販売業者が指定する方法によって,混和物を重合する。
作製した各試験片は,マイクロメータ又はダイヤルキャリパを用いて,シリコーン系の場合には,直径
50±1 mm,厚さ0.5±0.1 mm,アクリル系の場合には,直径50±1 mm,厚さ1.0±0.2 mmで,上面及び下
面が平らであることを目視で確認する。
――――― [JIS T 6520 pdf 8] ―――――
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単位 mm
1 型
2 カバー
a 試験片を作製する型の深さは,シリコーン系の場合には,0.5±0.05 mmで,アクリル系の場合には,1.0±0.05 mm
とする。
注記 指示がない箇所の寸法公差は,±0.2 mm。
図2−型及びカバーの例
7.4.4 手順
7.4.4.1 調製した試験片
調製した試験片は,次による。
a) 乾燥したシリカゲルが入っている2個のデシケータのうち,第1のデシケータの内部のラックに,試
験片を載せる。このデシケータを37±1 ℃の恒温器中に23±1時間保存した後,恒温器からデシケー
タを取り出す。
b) ラックに載せた試験片を,そのまま,23±2 ℃に保った第2のデシケータへ移す。デシケータ内に60
±10分間保存した後,試験片を取り出し,化学天びんを用いて,試験片を0.1 mgの精度でひょう量
する。試験片を出し入れするとき,デシケータを開けるのをできるだけ短時間で行い,それ以外は,
密閉しておく。
c) 全ての試験片をひょう量し終わった後,第1のデシケータ中のシリカゲルを,新しく乾燥したシリカ
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ゲルと入れ替え,試験片を載せたラックを第1のデシケータ中に入れて,恒温器中に置く。
d) このサイクルを,恒量(m1)に達するまで,すなわち,続けてひょう量する間で各試験片の質量減が
0.2 mg以下になるまで,繰り返す。この時点で,各試験片の直径及び厚さを,0.01 mmの精度で測定
する。
e) 3回の直径測定の平均値,及び5回の厚さ測定の平均値を用いて各試験片の体積(V)を求める。厚さ
の測定は,中心及び円周部の等間隔な4点で行う。
7.4.4.2 浸せき試験片
調製した試験片を37±1 ℃の水中に168時間(7日間)±2時間浸せきする。その後,ピンセットを用い
て水中から試験片を取り出し,目で見て水気がなくなるまでタオルで拭い,空気中で15±1秒間振り動か
す。ひょう量は,水中から試験片を取り出した60±10秒後に0.1 mgの精度で行う。この質量をm2とする。
7.4.4.3 再調製した試験片
このひょう量の後,再び7.4.4.1によって恒量とし,このときの試験片の質量をm3とする。
最初の乾燥プロセスと同じ条件を適用することが重要であって,同じ番号の試験片を用い,デシケータ
には新しく乾燥したシリカゲルを用いる。
7.4.5 計算
7.4.5.1 吸水量の計算
次の式を用いて,5個の試験片それぞれについて,吸水量(Wsp)(μg/mm3)を求める。
(m2−m3 )
Wsp=
V
ここに, m2 : 水中浸せき後の試験片の質量(μg)
m3 : 再調製した試験片の質量(μg)
V : 試験片の体積(mm3)
吸水量の計算値は,1 μg / mm3に丸める。
5個の試験片のうち4個以上が5.5に適合するとき,合格とする。
7.4.5.2 溶解量の計算
次の式を用いて,5個の試験片それぞれについて,溶解量(Wsl)(μg/mm3)を求める。
(m1−m3 )
Wsl=
V
ここに, m1 : 調製した試験片の質量(μg)
m3 : 再調製した試験片の質量(μg)
V : 試験片の体積(mm3)
溶解量の計算値は,0.1 μg/mm3に丸める。
5個の試験片のうち4個以上が5.6に適合するとき,合格とする。
8 包装,表示及び添付文書
8.1 包装
裏装材は,内容物を汚染しない,かつ,内容物に汚染されない密閉された直接容器で供給されなければ
ならない。直接容器は,輸送中及び保管中に損傷又は漏出を防ぐように包装しなければならない。外包装
は,直接容器を単位とするものでもよい。
――――― [JIS T 6520 pdf 10] ―――――
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JIS T 6520:2019の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 10139-2:2016(MOD)
JIS T 6520:2019の国際規格 ICS 分類一覧
JIS T 6520:2019の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK6253-3:2012
- 加硫ゴム及び熱可塑性ゴム―硬さの求め方―第3部:デュロメータ硬さ
- JISR6010:2000
- 研磨布紙用研磨材の粒度
- JISR6253:2006
- 耐水研磨紙
- JIST0993-1:2020
- 医療機器の生物学的評価―第1部:リスクマネジメントプロセスにおける評価及び試験
- JIST6001:2012
- 歯科用医療機器の生体適合性の評価
- JIST6001:2021
- 歯科用医療機器の生体適合性の評価
- JIST6501:2019
- 義歯床用レジン