JIS T 7211:2005 麻酔及び呼吸に使用する呼吸回路フィルタ―第1部:ろ過性能を試験するための食塩試験方法 | ページ 2

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T 7211 : 2005 (ISO 23328-1 : 2003)
1 圧縮ガス 8 真空へ
2 エアゾール発生器 9 供試BSF
3 中和器 10 下流側光度計
4 混合槽 11 流量計
5 排気 12 流量制御弁
6 切替弁 13 走査形モビリティ粒子径分析器を使用
7 上流側光度計 する場合の取付位置,3.3.3参照
図 1 BSF試験装置

4. 試験結果の算出及び計算式

 次の計算式によって,供試BSFの透過度(PV)を算出する。
100
PV= (C P / C C )
ここに, CP : 3.6に従い決定した透過濃度(mg/m3)
CC : 3.6に従い決定した負荷濃度(mg/m3)
表 1 供試BSFに対する流量
単位 L/min
BSFの使用目的 流量
小児 15
成人 30

5. 試験報告書

 試験報告書には,ロット番号又は製造年月日,及び製造業者の所在地を含むBSFの識別
情報,それぞれの条件下で試験されたBSFの数量並びに調整前及び調整後のそれぞれのBSFのろ過効率
を含むものとする。

――――― [JIS T 7211 pdf 6] ―――――

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T 7211 : 2005 (ISO 23328-1 : 2003)
附属書A(規定)BSFの調整
A.1 原理 BSFは,ろ過効率を試験する前に臨床使用期間を模擬する目的で,調整装置の下で加湿空気に
さらす。調整装置は,吸気分肢湿度発生器付き又はなしで呼吸回路に接続された湿度発生患者モデルから
なる。BSFは,臨床使用を模擬するため又は製造業者が推奨する呼吸回路中の様々な位置に取り付けるこ
とができる。
A.2 試験条件 調整中の周囲条件は,次による。
− 温度 : 23 ℃±2 ℃
− 相対湿度 : (60±15)%RH
− 気圧 : 96 kPa±10 kPa
A.3 試験装置
A.3.1 吸気分肢湿度発生器[図A.1 a)参照] 必要に応じて吸入空気の温度及び相対湿度を上昇させる
もの(A.4参照)。
A.3.2 呼吸回路[図A.1 b)参照] 吸気側分肢,患者接続ポート付きYピース及び呼気側分肢からなり,
呼吸回路全体を通して一方向のガスの流れを確実にするために,呼吸回路分肢の末端部に一方向弁をもつ。
A.3.3 湿度発生患者モデル[図A.1 c)参照] このモデルは,次のとおり構成されるものとする。
a) 内部温度が37 ℃±1 ℃に維持する断熱チャンバ
b) 37 ℃±1 ℃を維持し,気泡が双方向に流れる加温式水槽
c) 体積2 Lのリザーババッグ入りの硬性リザーバ
d) 往復ピストン及びベローズ式ポンプ
A.4 BSFの取付位置
A.4.1 一般 調整のためのBSFの取付位置は,A.4.2,A.4.3及び図A.1による。
A.4.2 呼吸回路に吸気分肢湿度発生器がある場合
A.4.2.1 二酸化炭素吸収剤とともに用いる循環呼吸回路の下での使用を模擬する場合,Yピースへの入口
での平均温度を26 ℃±1 ℃に,相対湿度を90 %RHを超えるように設定し,位置A にBSFを取り付け
る。
A.4.2.2 温水加湿器との併用を模擬する場合,Yピースへの入口の平均温度を38 ℃±1 ℃に,相対湿度
を90 %RHを超えるように設定し,位置BにBSFを取り付ける。
A.4.3 呼吸回路から吸気分肢湿度発生器を取り除いた場合
A.4.3.1 非再呼吸式呼吸回路での使用を模擬する場合,位置AにBSFを取り付ける。
A.4.3.2 呼吸回路の呼気側分肢での使用を模擬する場合,位置CにBSFを取り付ける。

――――― [JIS T 7211 pdf 7] ―――――

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T 7211 : 2005 (ISO 23328-1 : 2003)
A.5 手順
A.5.1 試験装置を組み立て,湿度発生患者モデルを動作させる。このとき,水槽温度を確実に37 ℃±1 ℃
に安定させる。A.4.2で規定する調整要件のために,図A.1の位置1で測定する温度及び湿度が,規定の値
に達するまで吸気分肢湿度発生器を作動させる。表A.1で示すBSFの使用目的に従い,患者モデルのパラ
メータを設定する。
A.5.2 使用目的を模擬するために,A.4及び図A.1に規定する呼吸回路の規定の位置にBSFを取り付ける。
A.5.3 製造業者によって推奨される最長臨床使用可能時間,又はこの指定がない場合は25時間±1時間,
装置を運転してBSFを調整する。
A.5.4 調整終了後,5分間以内に調整されたBSFを取り外して本体の3. に従いBSFを試験する。
表 A.1 BSF調整のための患者モデルのパラメータ
BSFの使用目的 1回換気量 呼吸回数 分時換気量 I : E比
Vt(a) f L/min (吸気 : 呼気)
mL min-1
小児 250 20 5 1:1
成人 500 15 7.5 1:1
注(a) 1回換気量は,1回の呼吸で患者の肺に流入,又は流出するガスの体積。
a)呼気分岐 b)呼吸回路 c)湿度発生患者モデル
湿度発生器
1 吸気分肢湿度発生器を使用する場合の温度及び湿度センサの位置
2 断熱密閉容器
3 硬性リザーバ
4 ポンプ
A,B,C 供試BSFの位置(A.4参照)
備考 記号はJIS T 7201-5による。
図 A.1 BSFの調整用装置

――――― [JIS T 7211 pdf 8] ―――――

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T 7211 : 2005 (ISO 23328-1 : 2003)
附属書B(参考)エアゾールの粒子径分布
この附属書は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。
B.1 3.3に記述された試験装置は,エアゾール粒子の質量を検出する。したがって,エアゾールの粒子径
分布は,質量空気力学的中央径(MMAD)及び幾何標準偏差(GSD)によって決定する。
B.2 標準的な粒子径分布を,図B.1に示す。
B.3 全質量の50 %(m)における粒子径の中央値(dm)は,0.26 μmであることが分かる。全質量の50 %
に対する標準偏差は,Y軸上の累積質量分布の84.13 %及び15.87 %に当たる。GSDは,上記の位置にお
ける粒子径drとdsとを,次の式によって算出する。
GSD drds
備考 曲線が累積質量分布の90 %と10 %の間で事実上直線である場合に,この算出が可能である。
この規格では,GSD値は最大1.86であることが望ましい。
Y 累積質量分布,%
X 空気力学的粒子径,μm(対数目盛)
図 B.1 標準的なエアゾールの粒子径分布

――――― [JIS T 7211 pdf 9] ―――――

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T 7211 : 2005 (ISO 23328-1 : 2003)
附属書C(参考)選択した試験方法の理論的根拠
この附属書は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。
C.1 NIOSH試験法(42 CFR第84部) ISO 23328第1部の制定に当たり,ISOの技術専門委員会は呼
吸器保護機器その他に適用する微粒子フィルタに関して欧州規格及び他の規格に定められた多様な試験方
法を検討した。
現在,BSFに微生物を負荷することを定めた国家規格及び国際規格は存在しない。微生物を負荷する試
験方法は幾つか説明されてきたが,ISOの技術専門委員会の見解では,微生物を使用する方法は,いずれ
も,既に確立された微粒子を使用する方法に比べて有利な点があるわけでもなく,臨床的妥当性が高いわ
けでもない。しかしEN 1822シリーズは,無菌室及び他の類似の適用のためのHEPA及びULPAフィルタ
の試験を意図したものであるため,不適当であるとISOの技術専門委員会は結論付けた。
呼吸器保護機器の試験を意図したEN 143が検討されたが,使用粒子の範囲(0.4 μm0.6 μm)は,標準
的BSFに対して最も透過しやすい粒子径(MPPS)として現在認められているもの(0.1 μm0.3 μm)と比
較すると,やや大きい。
ISOの技術専門委員会は,NIOSH(米国労働安全衛生研究所)試験法を基準として採用することが決定
した。その理由は,次のとおりである。
− この試験では,標準的な呼吸フィルタのMPPSに近い質量中央径0.3 μmの粒子を使用する。
− この試験は,EN 143に比べ高感度である。
− BSFを試験するための方法の変更が最小限で済む。
− NIOSH試験を行う上で適切な試験装置が市販されている。
C.2 エアゾール試験の材料 NIOSH 42 CFR第84部では,フィルタを試験するエアゾールが2種,すな
わち,中等度の分解性をもつ塩化ナトリウム粒子と高分解性のフタル酸ジオクチル(DOP)粒子が規定さ
れている。DOPは,油脂又は他の毒性・変性微粒子に汚染された環境下で機能しなければならないフィル
タの条件を模擬する試験に使用される。明らかに,これはBSFには当てはまらず,したがって,ISOの技
術専門委員会は塩化ナトリウムだけを用いて試験を行うことで合意した。
C.3 静電気的に中性のエアゾール 粒子フィルタには,基本的に機械式及び静電気式の二つのタイプがあ
る。
機械式フィルタの効率は,その物理的特性,例えば,径,繊維の方向と配列によって決定される。
静電気式フィルタの効率は,帯電粒子を保持する能力が高いほど増大する。しかし,帯電していない粒
子に対しては効率が低減する。
実際にはBSFに負荷される粒子の多くは帯電しているが,すべてのタイプのBSFに対して再現性があ
る負荷を加えるため,試験条件としてボルツマン平衡の状態に達したエアゾールを規定している。
C.4 流量 流量が減少するに従い,フィルタの効率は上昇する。自発呼吸と人工呼吸下の両方の患者を考
慮し,臨床環境で標準的に使用される流量を試験に選択した。

――――― [JIS T 7211 pdf 10] ―――――

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