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T 8020 : 2020
220V
1 加熱ロッド
2 抵抗器
図2−加熱ロッドの回路図
加熱ロッドの電気的接続は,加熱ロッドが高温になることを考慮に入れ,例えば,よ(撚)り線タイプ
のアルミニウムバンドを用いるなど加熱ロッド間での短絡を避けるために予防措置を講じる。
放射熱源が適正に作動するかどうかは,赤外放射温度計を用いて加熱ロッドの温度を測定することによ
って調べる。
注記 放射熱源を約5分間加温運転すると,加熱ロッドの温度が約1 100 ℃に到達する。
5.3 試験片ホルダ
試験片ホルダは,A法とB法とで,それぞれ異なる試験片ホルダを使用する。いずれも厚さ約10 mmの
アルミニウム板に固定した厚さ約2 mmの鋼板によって構成し,A法の試験片ホルダは,B法の試験片ホ
ルダよりも側板の幅が広いものとする。また,B法のホルダは,所定の位置に熱量計が組み込まれたもの
とする。
A法の試験片ホルダは,試験用フレームの鉛直上にある開口部と軸とが合致するように留め付ける。所
定の位置に固定したとき,A法の試験片ホルダでは,試験用フレーム前方の金属薄板カバーの後ろ約10 mm
に試験片背部がくる。B法の試験片ホルダでは,熱量計の垂直中心線が試験用フレーム前方の金属薄板カ
バーの約10 mm後ろにくる。
5.4 熱量計
熱量計は,曲面銅板及び熱電対で作製したものとする。作製手順は,次による。
a) 純度99 %以上,厚さ1.6 mmの銅板から長方形50 mm×50.3 mmを切り取る。
b) 銅板を長軸方向に半径130 mmの弓円弧状に曲げる。この弓円弧状の弦は,約50 mmとなる。
c) 銅板を組立前に正確に計量し,その質量は35.9 g36.0 gの範囲内とする。
IEC 60584-1に適合するミリボルト出力の熱電対(銅−コンスタンタン)を曲面銅板の背部に取り付け
る。熱電対の2本のワイヤを少量のはんだで曲面銅板の中央に取り付ける。ワイヤの直径は,いずれも0.26
mm以下とし,曲面銅板に取り付ける長さの分だけ被覆をがす。
次いで,熱量計を据付けブロックに載せる。据付けブロックは,厚さ25 mmのアスベストフリー不燃性
断熱板90 mm×90 mmの小片1枚で構成され,断熱板の仕様は,次のとおりとする。
− 密度 750 kg/m3±50 kg/m3
− 熱伝導率 0.18 W/(m・k)±10 %
この据付けブロック上面の向かい合う2側面から高さを21 mmにするために角をくさび形に取り除く。
――――― [JIS T 8020 pdf 6] ―――――
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これらの部分から更に角をくさび形に取り除き,21 mmから更に高さ17 mmにまで削り取る。これによっ
て,据付けブロック上面は平らな4面からなり,上面を半径130 mmの円弧形に削って得られる曲面に非
常に近いものになる(図3参照)。
断熱板の上面中央に長方形の穴を切り取る。穴は低くした側と平行に長さ50 mm,元のままの側と平行
に長さ46 mmとする。穴は,底面が平たんで,低くした側に沿って深さ10 mm,中央部の深さ約12 mm
とする。長方形の穴に曲面銅板を載せるために,低くした側の穴の縁に沿って深さ1 mm×幅2 mmの溝を
切り込む。長方形の穴の中央に,直径3 mmの円形の穴を開け,熱電対のワイヤを通す。
約200 ℃の温度に耐えることができる接着剤を据付けブロックの縁の周囲に塗り,曲面銅板を据付けブ
ロックに接着する。曲面銅板の最上部は,真っすぐな2側面の縁よりも0.6 mm高く,また,湾曲した2
側面に沿って据付けブロックよりも高くする。据付けブロックは,湾曲した縁に沿って,曲面銅板の底面
よりも高くする。
試験片とB法の試験片ホルダとを組み合わせたものに熱量計を載せる。
熱量計の前面部は,吸収係数αが0.9超の黒塗料で塗装する。
単位 mm
図3−熱量計据付けブロック
――――― [JIS T 8020 pdf 7] ―――――
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5.5 温度記録装置
温度記録装置は,少なくとも0.2 ℃の温度分解能及び0.2秒の時間分解能をもつものとする。
5.6 装置の設置場所
空気の流れから遮断されるような場所に装置を設置するか,又は装置のある場所での空気の動きによる
影響を抑制するような調節装置若しくは遮蔽板を設置する。
6 サンプリング
A法は1個の試験片を用いて試験を行い,B法は選択した熱流束レベルで3個以上の試験片を用いて試
験する。試験材料が不均質な場合,A法は3個以上の試験片,B法は5個以上の試験片を用いて試験する。
試験片の寸法は,230 mm×80 mmとし,試料の端から20 mm以上を除いた欠陥のない部分から採取す
る。積層して使用する防護服材料の場合,試験片は実際に使用している積層の配置にする。ただし,製品
規格に基づいて防護服から試験片を採取してもよい。
材料の供給者が試験片のいずれが表面になるのかを表示していない場合,試験は両方の面について行う。
7 試料調整条件及び試験環境
7.1 試料調整条件
試験前に,試験片は24時間以上,温度20 ℃±2 ℃及び相対湿度(65±5)%の条件下で調整する。試験
は,試験片を試料調整環境又は密封容器内から取り出してから3分以内に開始する。試験結果は,試験片
の湿度に非常に大きく依存するため,調整時雰囲気条件の調節には細心の注意を払わなければならない。
7.2 試験環境
試験は,空気の流れのない室内で,熱量計で記録し得るような偶発的な放射熱を発する可能性があるい
かなるシステムからも保護して行う。
試験室の温度は15 ℃35 ℃とし,熱量計は各測定の前に周囲温度±2 ℃にまで冷却する。
7.3 入射熱流束レベル
入射熱流束レベル及び試験で実施する入射熱流束は,次から選択する。
− 低レベル 5 kW/m2及び10 kW/m2
− 中レベル 20 kW/m2及び40 kW/m2
− 高レベル 80 kW/m2
入射熱流束レベルの選択は,試験を行う材料の使用意図を考慮に入れて行う。他の入射熱流束レベルを
任意に選択してもよい。
A法及びB法は,互いに独立して行う。
注記 両方の試験を行う場合,適切な入射熱流束レベルを選択するために,A法を先に行うことがあ
る。
8 試験方法
8.1 予備測定
熱量計の前面部は,吸収係数αが0.9超の黒塗料で塗装する。前面部の黒塗料は,各校正の前及び20回
の試験を行った後,又は炭化物の付着が見られるようになった後に,直ちに塗装し直す。塗装し直す前に,
適切な溶媒を用いて,以前の塗料の層を取り除く。
校正及び各測定の開始前に,熱量計の温度を安定した状態にし,周囲温度±2 ℃の範囲内にする。
――――― [JIS T 8020 pdf 8] ―――――
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熱量計は,水に触れないようにする。万一,水に触れた場合には,完全に乾かしてから使用する。
校正及び各測定を開始する直前に,次のことを行う。
a) 熱量計を試験用フレームの垂直板開口部の所定位置に固定する。
b) 放射熱源を熱量計前面の垂直中心線からdの距離に配置する。
c) 温度測定装置のスイッチを入れる。
d) 放射熱源のスイッチを入れ,放射が一定になるまで可動スクリーンを閉じた状態で加熱する。
注記 放射熱源は,約5分で安定した状態に到達し,加熱電流の変動によって確認できる。
閉じた状態の可動スクリーンの後ろの黒塗料で塗装した熱量計の温度上昇が1分当たり3 ℃以下の場合,
試験用フレームの前面板及び可動スクリーンの冷却は十分である。これに該当しない場合,熱量計は,校
正及び各測定を開始する直前に所定の位置に置いてもよい。
8.2 放射熱源の校正
放射熱源の校正は,次による。
a) 可動スクリーンを外し,約30 ℃の温度上昇に達した後,所定の位置に戻す。
b) 記録した出力は,ばく露開始直後に短時間,温度と時間との非線形関係を示し,次いで,ばく露が止
まるまで線形関係を示す。
c) 標準熱電対起電力表を参照して,この線形領域における温度上昇率R(℃/秒で表示)を決定する。
d) 入射熱流束Q0(kW/m2で表示)を次の式によって決定する。
M Cp R
Q0
A
ここに, M : 銅板の質量(kg)
Cp : 銅の比熱(0.385 kJ/kg ℃)
R : 線形領域における温度上昇率(℃/秒)
A : 銅板の面積(m2)
α : 熱量計の塗装面の吸収係数
e) 放射熱源と熱量計前面の垂直中心線との間の距離dを変化させることによって,規定の入射熱流束±
2 %に調整する。
8.3 A法の試験方法
試験片の短辺の一方を,A法の試験片ホルダの片方のサイドプレートに,クランプなどを使用して留め
付ける。もう一方の試験片の短辺を,もう一方のサイドプレートまで引き,適切な装置(例えば,おもり,
ひも,滑車のシステム)を用いて2 Nの力で伸張させた状態で保持する。測定する試験片が複数の層から
なる場合,各層の短辺側の配列を保ち,2 Nの伸張力を全ての層の構成に対して加える。
校正中に試験片の背部が熱量計前面の垂直中心線と同じ位置になるように,試験片ホルダを試験用フレ
ームの垂直板に留め付ける。放射熱源は,選択した入射熱流束Q0を与える距離dの位置に固定する。放射
熱源のスイッチを入れ,安定した状態に達した後,可動スクリーンを3分間外し,次いで,閉じた位置に
戻す。試験後,試験片を取り外す。多層試験片の場合,できる限り各層を分離する。
8.4 A法の評価
8.3に従って放射を行った後,試験片又は多層試験片の各層を検査する。いかなる変化(例えば,収縮,
炭化物の形成,変退色,焦げ,赤熱,溶融,融着,くすぶり,破裂,昇華)にも留意し,多層試験片の場
合には,各層について個別に行う。
注記 試験片の外観変化は,必ずしも材料の耐熱性が不十分であることを示すわけではない。強い放
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射熱による変化が,実際上その防護効果を増加するような材料がある。
8.5 B法の試験方法
試験片をB法の試験片ホルダの片方のサイドプレートに留め付け,2 Nの力を加えながら,熱量計前面
と接触させた状態で保持する。選択した入射熱流束Q0を与える距離dを用いて8.1の予備測定手順を行う。
可動スクリーンを外し,放射開始時点を記録する。約30 ℃の温度上昇の後,可動スクリーンを閉じる位置
に戻す。
12 ℃±0.1 ℃の温度上昇にかかった時間t12,24 ℃±0.2 ℃の温度上昇にかかった時間t24及び時間t12と時
間t24との差を報告する。
必要な予備測定の後,残りの試験片について試験を繰り返す。
8.6 B法の評価
透過熱流束Qc(kW/m2で表示)を次の式によって決定する。
M Cp 12
Qc
A t24 t12
ここに, M : 銅板の質量(kg)
Cp : 銅の比熱(0.385 kJ/kg ℃)
12/(t24−t12) : 12 ℃24 ℃の上昇の間の領域における熱量計温度の
平均上昇率を℃/秒で表したもの
A : 銅板の面積(m2)
α : 熱量計の塗装面の吸収係数
入射熱流束Q0に対する熱伝達因子TF(Q0)は,次の式で求める。
Qc
TF Q0
Q0
放射熱伝達指数RHTI(Q0)は,入射熱流束Q0に対して,熱量計における24 ℃±0.2 ℃の温度上昇にか
かった時間を0.1秒単位まで表した時間t24の平均値とする。
注記 放射熱伝達指数RHTIは,時間t24(秒)の平均値を評価指標とするため,単位は無次元となる。
9 試験報告
次の事項を試験報告書に記載する。
a) 試験実施機関名
b) 試験日
c) 規格番号及び発行年
d) 試験材料の名称
e) 試験材料についての記載(材料の最外面の色を含む。),又は各層についての記載及びその配列,及び
既知の場合にはそれらの製品名
f) 選択した試験方法(A法又はB法)
g) 試験環境の温湿度
h) 試験で採用した入射熱流束レベル及び採用した入射熱流束
i) 各入射熱流束レベルで試験を行った試験片の数
j) A法において,試験中に生じた全ての試験片の外観変化についての記載
k) 法において,透過熱流束Qcの個々の値,その平均値及び標準偏差
――――― [JIS T 8020 pdf 10] ―――――
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JIS T 8020:2020の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 6942:2002(MOD)
JIS T 8020:2020の国際規格 ICS 分類一覧
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.340 : 防護設備 > 13.340.10 : 防護服