JIS T 8023:2020 熱に対する防護服及び装備品―熱風循環炉を使用する対流耐熱性試験方法 | ページ 2

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単位 mm
25±3
304±25
25±3 2.5±0.5
19±3 380±13
9.5±3
380±13
図1−固定枠の一例

5.5 試験片装着用ジグ

  試験片を炉の中央につるすために,金属のフック又はクランプを使用する。試験片が大きすぎてつるせ
ない場合は,断熱性の棚板を使用して,試験片を炉の中央に配置する。
注記 セラミックは,棚板材料として適切である。

5.6 ガラスビーズ

  ソーダ石灰又はほう珪酸ガラス製の公称直径4 mmのビーズとする。

5.7 人頭模型

  ヘルメット,又は目及び顔面の保護具の試験用人頭模型は,ISO 3873で規定する非熱伝導性のK型又は
JIS T 8131に規定するものを使用する。

6 試験片

6.1 防護服の試験片調整

  試験片調整をする試験片は,防護服又は1 m2以上の平たんな材料とする。
試験片は,JIS L 0105に準拠し,温度20±2 ℃及び相対湿度(65±4)%の標準状態で,少なくとも24
時間調整する。
テンプレート(5.2参照)を使用して正方形の試験片を切り出す。試験対象の材料又は製品の幅が375 mm
未満の場合は,縦方向で375 mmの長さの試験片を切り出し,この辺が幅となるように試験片を回転させ
る。試験対象の製品が375 mm×375 mm未満の場合は,製品全体を試験する。5.2に示すように,収縮の
測定を行わない場合は,試験片を(150 mm×150 mmのテンプレートを使用して)小さな寸法にしてもよ
い。少なくとも三つの試験片について試験を実施する。

6.2 手袋,靴,ヘルメット,目又は顔面の保護具などの試験片の準備及び調整

  5.1に規定する炉の仕様に適合する場合,手袋,靴,ヘルメット,目又は顔面の保護具などの防護服に関
連した小形製品又は用具は,その全体を試験の対象としてもよい。少なくとも3個の製品を試験する。温
度20±2 ℃,相対湿度(65±4)%の標準状態で,これらの製品を少なくとも24時間調整する。

――――― [JIS T 8023 pdf 6] ―――――

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7 熱風循環炉の校正

7.1 温度及び空気流速の均一性

  炉の温度の均一性を測定する。附属書Aに温度の均一性の評価及び検証を行う手法の一つを示す。
規定の温度水準からの最大温度偏差は,次のa) 及びb) を満たすものでなければならない。
a) 260 ℃において,9点の熱電対それぞれの偏差が6.5 ℃以下
b) 180 ℃において,9点の熱電対それぞれの偏差が4.5 ℃以下
炉内の空気の流速は,炉心部を計測し,20 ℃,1気圧の条件で0.5 m/s1.5 m/sとする。

7.2 日常管理

  試験を実施する日ごとに,試験に先立って,炉の計測用熱電対と同型で機能が同等な検証用熱電対を空
の炉の中心に設置する。
検証用熱電対が規定の試験温度を示すまで,試験実施状態と同様に炉の温度制御を調節し,規定温度を
5分間保つようにする。
試験を実施するときは,検証用熱電対で温度測定をし,規定の温度になる炉温を設定する。

8 手順

8.1 平たんな布地又はその他のシート状の材料に対する手順

  JIS L 1909に規定する手順によって試験片に印を付け,測定する。ただし,各対の二つの印の間の距離
は,275 mmとする。
炉に電源を入れ,試験温度まで加熱する。最低30分間試験温度(5.1参照)を安定して保つようにする。
試験片全体が炉の全ての内壁面又は他の試験片から50 mm以上離れ,空気が材料面と平行に流れるよう
に,炉上部にある金属製フックを使用して,試験片が炉の中心にくるようにつり下げる。
15秒間以上炉の扉を開けてはならない。扉を開けている間は空気の循環を停止し,扉を閉じてから空気
の循環を再開する。扉を閉じた後の炉の試験温度までの復旧時間が,30秒間を超えてはならない。
0.015
規定どおりに試験片をつり下げ,熱風循環炉内で試験温度(5.1参照)に5分 秒間ばく露する。試験
ばく露時間は,熱電対が試験温度まで復旧した時点から計測を開始する。
規定ばく露が終了したら直ちに試験片を取り出し,炭化,変形,離,孔の形成,着火,溶融,分離又
は割れの痕跡について試験片を調べる。
必要に応じて,規定ばく露の終了5分後に,試験片に付けた印間の寸法を測定し,縦方向及び横方向に
おける収縮率(%)を求める。固定枠(5.4参照)を使用してニット生地の試験片をその元の寸法まで10
分間引き伸ばし,次に,枠から試験片を取り外し,合否を判定する測定前に10分間試験片を緩める。
ニット生地の引き伸ばし中に試験片が破れるか,又は元の寸法まで引き伸ばすことができない場合は,
収縮の測定結果の代わりにその状態の観察結果を報告する。必要に応じて,試験後の試験片をその他の評
価に用いてもよい。

8.2 防護手袋に対する手順

  中指の先端から手袋本体部の手のひら側下端までの長さを測定する。手袋の手のひら側で,指の付け根
から25 mm下で幅を測定する。
炉に電源を入れ,試験温度まで加熱する。最低30分間試験温度(5.1参照)を安定して保つようにする。
手袋本体部にガラスビーズを満たして手袋の開口部を合わせて閉ざし,炉の全ての内壁面又は他の試験
片から50 mm以上離れ,手袋の手のひら面に空気が平行に流れるように,炉内のクランプに試験片をつり
下げる。

――――― [JIS T 8023 pdf 7] ―――――

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任意試験として,ガラスビーズを詰めずに手袋の試験をすることもできる。ただし,その場合は,試験
報告書にガラスビーズを使用しなかった旨を記載する。
注記 ガラスビーズは,手袋をした手,又は履物内の足によって生じる熱の吸収を模擬するために使
用される。しかし,手袋にガラスビーズを詰めてつるすと,ガラスビーズの重さが試験片の収
縮の試験結果に影響を与える可能性がある。この場合,ガラスビーズなしの任意試験を追加し
て実施すると,手袋の収縮挙動に関する追加情報を得ることができる。
15秒間以上炉の扉を開けてはならない。扉を開けている間は空気の循環を停止し,扉を閉じてから空気
の循環を再開する。扉を閉じた後の炉の試験温度までの復旧時間が,30秒間を超えてはならない。
0.015
規定どおりに試験片をつり下げ,熱風循環炉内で試験温度(5.1参照)に5分 秒間ばく露する。試験
ばく露時間は,熱電対が試験温度まで復旧した時点から計測を開始する。
規定ばく露が終了したら直ちに試験片を取り出し,炭化,変形,離,孔の形成,着火,溶融,分離又
は割れの痕跡について試験片を調べる。
規定ばく露の終了5分後にガラスビーズを取り出し,各方向における収縮率(%)を判定するために,
上記と同じように手袋の長さ及び幅を再度測定する。
試験対象の手袋に合う寸法の手をした被験者に手袋を着用させ,高温ばく露前に寸法を確認する。被験
者は,高温ばく露の15分後にばく露後の手袋を着用し,25回こぶしを握り手袋をほぐす。高温ばく露及
びほぐし動作の後で,手袋に見られる変化を記録する。

8.3 安全靴に対する手順

  炉に電源を入れ,試験温度まで加熱する。最低30分間試験温度(5.1参照)を安定して保つようにする。
安全靴本体部にガラスビーズを満たして開口部を全て閉じた安全靴を,炉の中心の非熱伝導性のスタン
ド又は炉棚を用いて,空気がつま先からかかと(踵)の方向に流れる向きになるように正確に炉の中心に
置く。炉の全ての内壁面から50 mm以上離れていることを確認する。1回の測定で1足だけ試験する。
任意試験として,ガラスビーズを詰めないか,又は他の軽くて蓄熱性の低い材料を詰めて安全靴の試験
をすることもできる。ただし,その場合は,試験報告書にガラスビーズを使用しなかった旨又は代替物と
して使用したものを記載する。
注記 本体が柔らかい靴にガラスビーズを充すると,ガラスビーズの重さで靴が変形する場合があ
る。この場合,ガラスビーズなし又は他の充物を用いた任意試験を追加して実施すると,靴
の収縮挙動に関する追加情報を得ることができる。
15秒間以上炉の扉を開けてはならない。扉を開けている間は空気の循環を停止し,扉を閉じてから空気
の循環を再開する。扉を閉じた後の炉の試験温度までの復旧時間が,30秒間を超えてはならない。
0.015
規定どおりに設置した試験片を,熱風循環炉内で試験温度(5.1参照)に5分 秒間ばく露する。試験
ばく露時間は,熱電対が試験温度まで復旧した時点から計測を開始する。
規定ばく露が終了したら直ちに試験片を取り出し,炭化,変形,離,孔の形成,着火,溶融,分離又
は割れの痕跡について試験片を調べる。
ISO 4643:1992の附属書Bによって,この靴全体を10 000回屈曲させる。高温ばく露及びほぐし動作の
後で,安全靴に見られる変化を記録する。

8.4 ヘルメット,又は目及び顔面の保護具に対する手順

  炉に電源を入れ,試験温度まで加熱する。最低30分間試験温度(5.1参照)を安定して保つようにする。
製造業者の取扱説明書に別の規定がされていない限り,ヘルメット,又は目及び顔面の保護具を人頭模
型(5.7)に被せ,取扱説明書に従って装着する。炉の中心の非熱伝導性のスタンド又は炉棚を用いて,人

――――― [JIS T 8023 pdf 8] ―――――

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頭模型を空気の流れてくる方向に向けて正確に炉の中心に置く。空気が人頭模型の矢状面に平行な方向に
流れること及び対象試験片が炉の全ての内壁面から50 mm以上離れていることを確認する。1回の測定で
ヘルメット又は目若しくは顔面の保護具を1個だけ試験する。
15秒間以上炉の扉を開けてはならない。扉を開けている間は空気の循環を停止し,扉を閉じてから空気
の循環を再開する。扉を閉じた後の炉の試験温度までの復旧時間が,30秒間を超えてはならない。
0.015
規定どおりに試験片を設置し,熱風循環炉内で試験温度(5.1参照)に5分 秒間ばく露する。試験ば
く露時間は,熱電対が試験温度まで復旧した時点から計測を開始する。
規定ばく露が終了したら直ちに試験片を取り出し,炭化,変形,離,孔の形成,着火,溶融又は滴下,
分離又は割れの痕跡について調べる。特にヘルメットについては,熱をばく露する前に人頭模型に設置し
た状態から40 mm以上の位置の変化が認められる変形に注意する。
注記 顎ひも,けい(頸)部保護具,調節バンドなど全てのハードウェア又は部品の機能を評価する
ことが望ましい。

8.5 防護服上の小物及びアクセサリーに対する手順

  炉に電源を入れ,試験温度まで加熱する。最低30分間試験温度(5.1参照)を安定して保つようにする。
150 mm未満の幅の試験片については,その幅のままで,150 mmの長さに切断した試験片を使用する。
これらの試験片は,その縦方向を鉛直につり下げる。収縮測定が規定されている場合は,JIS L 1909に規
定する手順によって試験片に印を付け,測定する。
注記 試験片によっては,一方向の寸法だけに印を付け,測定することができる。
次の手順のいずれかによって試験片を準備する。
a) 試験片を,防護服の完成品と同じ位置及び同じ取付け方法で防護服の生地に取り付ける。
b) 試験片全体が炉の全ての内壁面又は他の試験片から50 mm以上離れ,空気が材料面と平行に流れるよ
うに,炉上部にある金属製フックを使用して,試験片が炉の中心にくるようにつり下げる。
15秒間以上炉の扉を開けてはならない。扉を開けている間は空気の循環を停止し,扉を閉じてから空気
の循環を再開する。扉を閉じた後の炉の試験温度までの復旧時間が,30秒間を超えてはならない。
0.015
規定どおりに試験片をつり下げ,熱風循環炉内で試験温度(5.1参照)に5分 秒間ばく露する。試験
ばく露時間は,熱電対が試験温度まで復旧した時点から計測を開始する。
規定ばく露が終了したら直ちに試験片を取り出し,炭化,変形,離,孔の形成,着火,溶融又は滴下,
分離又は割れの痕跡について調べる。
必要に応じて,規定ばく露の終了5分後に,試験片に付けた印間の寸法を測定し,印を付けた二方向に
おける収縮率(%)を求める。

9 試験報告書

  試験報告書は,次の情報を含む。
a) この規格の番号及びその発行年
b) 試験を実施した試験片の特定に必要な全ての事項(該当する場合は,準備方法を含む。)
例 防護手袋を試験する場合に,手袋にガラスビーズを詰めたかどうか。
c) 試験片の仕様
d) 試験温度
e) ばく露後の試験片の状態の観察結果で,次を含む。
− 着火

――――― [JIS T 8023 pdf 9] ―――――

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− 溶融又は滴下
− 炭化
− 孔の形成。孔が形成された場合は,その寸法
− 分離。割れ又は離を含む。
− 変形
上記のいずれかの観察結果が記録された場合は,観察事項を示す試験片の画像を試験報告書に添付する。
f) 縦方向及び横方向が指定されている場合は,試験片の収縮率(%)(生地材料又はシート材料及び手袋
について)
g) 屈曲(該当する場合)又はその他の試験後の試験片における変化

――――― [JIS T 8023 pdf 10] ―――――

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JIS T 8023:2020の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 17493:2016(MOD)

JIS T 8023:2020の国際規格 ICS 分類一覧

JIS T 8023:2020の関連規格と引用規格一覧