この規格ページの目次
24
T 80601-2-60 : 2021
記号説明 :
1 外装 6 患者保護手段をもたないモータ
2 注水口 7 水管の抵抗は,保護抵抗としてもよい。
3 多機能ハンドピース 8 患者
4 水管の直径 9 電源(一次側)
5 非電導管内の水管の長さ 10電源(二次側)
注記 水管の電気抵抗(R)は,式(AA.1)によって求められる。
l
R (AA.1)
S K
ここで, R : 水管の電気抵抗(Ω)
S : 水管の断面積(mm2)
K : 水の最大導電率(μS/mm)
l : 水管の長さ(mm)
図AA.2−漏れ電流の計算
201.8.7.3.101† 高周波漏れ電流の温度影響
対極板なしで使用するように設計した電気手術器(電気メス)は,その機能電流と高周波漏れ電流との
間の区別は不可能なため,除外しなければならない。そのため,機能電流及び高周波漏れ電流の測定は意
味をなさない。
201.8.8.3† 耐電圧
JIS T 0601-1:1999 2) によって500 Vを適用する。数十年にわたる二次回路の固体絶縁試験で得られた経
験によって安全性は実証されている。
注2) JIS T 0601-1:1999 医用電気機器−第1部 : 安全に関する一般的要求事項
201.8.9† 沿面距離及び空間距離
歯科用電気モータは小形であるために,通則で定められている絶縁条件の要求事項を満たすことは困難
である。カーボンブラシを使用する整流子形歯科用電気モータの場合,カーボンダストの蓄積が絶縁性の
低下を早める場合がある。
歯科用制御装置が共通の電源から供給される二つの歯科用電気モータをもつ場合において,それぞれの
歯科用電気モータは,それぞれ異なる極性の電源をハウジングを経由して外装に接続してもよい。上記の
例で,歯科用電気モータ1がアース(接地)されている間に,歯科用電気モータ2が患者に使用されてい
――――― [JIS T 80601-2-60 pdf 26] ―――――
25
T 80601-2-60 : 2021
る場合,操作者,助手などを経て,直接的又は間接的に電源電圧は,患者にかけられる。
このような構造は,許容されない。また,追加分離手段が必要である(例えば,リレーを経由して接続
する。)。
記号説明 :
1 歯科用電気モータ1
2 歯科用電気モータ2
3 歯科用電気モータ(正常状態 : 単一故障状態ではない。)における通則の8.7で規
定した許容値を超える漏れ電流が生じる部分及びケーシング間の絶縁不良
4 電源(一次側)
5 電源(二次側),例えば24 V
図AA.3−整流子形歯科用電気モータの絶縁上の問題
歯科器械の電源回路における重大な過電圧は,二次回路に存在しない。
この事実(測定によって実証される場合もある。)に基づいてJIS C 60664(規格群)は,沿面距離及び
空間距離をある特定のパラメータ(例えば,汚損度,過電圧,トラッキング指数)に基づく,より小さな
沿面距離及び空間距離として定めている。幾つかの他の規格では,これらの沿面距離及び空間距離を長年
にわたり問題なく使用している。
電源からの分離については,通則の要求事項も適用する。
· 絶縁についての概要及び理論的な根拠
絶縁についてこの規格は,JIS C 60664-1:2009,JIS C 60664-4:2009及びJIS C 61810-1:2020の要求事項
と関連している。
――――― [JIS T 80601-2-60 pdf 27] ―――――
26
T 80601-2-60 : 2021
この規格は,次の要求事項について規定している。
a) 電源と二次回路との分離については,通則を適用する。
b) 電源と装着部との分離については,通則による二つの患者保護手段が必要である。
したがって,電源と二次回路との間の絶縁及び電源と装着部との間の絶縁は,通則に基づく。
この規格は,二次回路及び装着部において,JIS C 60664-1:2009及びJIS C 60664-4:2009の最大2 kVの
行で指定している沿面距離及び空間距離まで許容する。
必要条件としては,4 kVの過渡的な過電圧は,二次回路において1 kV以下であることが保証されてい
なければならない(表AA.1参照)。4 kVの試験電圧は,安全上の理由から決定されている。
表AA.1−低電圧電源から直接給電される機器のための定格インパルス電圧
単位 V
給電系統a), c) の公称電圧 交流又は直流公称 定格インパルス電圧b)
電圧から配電される 過電圧カテゴリd)
三相 単相 充電線の対地電圧 I II III IV
− − 50 330 500 800 1 500
100 e) 500 800 1 500 2 500
100 150 e) 800 1 500 2 500 4 000
100200
200 277/480 − 300 1 500 2 500 4 000 6 000
− 400/690 − 600 2 500 4 000 6 000 8 000
− 1 000 − 1 000 4 000 6 000 8 000 12 000
注記1 IEC 60038には,日本の公称電源電圧が含まれていないため,給電系統の公称電圧として,日本の公
称電圧を例示した。また,IEC 60038の引用を削除した。
注a) 既存の異なる低圧系統電源及びその公称電圧への適用は,JIS C 60664-1:2009の附属書Bを参照する。
注b) これらの定格インパルス電圧をもつ機器は,JIS C 60364-4-44に適合する設備で使用することがある。
注c) “/”のマークは,三相4線式配電方式を示す。小さい値は,充電線と中性線との間,大きい値は,充電
線間電圧である。一つの値だけしか示していない場合は,三相3線式配電方式を示し,線間値を示す。
注d) 過電圧カテゴリの説明は,JIS C 60664-1:2009の4.3.3.2.2を参照する。
注e) 日本では,単相系統の公称電圧は,100 V又は100 V-200 Vを示す。しかし,電圧に対する定格インパ
ルス電圧の値は,150 Vの充電線の対地電圧に適用する欄で示す(JIS C 60664-1:2009の附属書B参
照)。
注記 表AA.1の点線下線の部分は,JIS C 60664-1:2009の表F.1(低圧系統電源から直接給電される機
器のための定格インパルス電圧)の内容を記載している。
JIS C 60664-1:2009によれば,一時的な電圧は,二次回路において発生しない。
この規格は,沿面距離及び空間距離を求めるための表から得られる最大値を適用することを要求してい
る。201.8.9.1.12の注記2の後の次の2段落を参照。
この規格は,更に,次の事項を要求する。
· 沿面距離及び空間距離の最小値は,基礎絶縁のため0.2 mmとなる。
· それらが最小値となるように,沿面距離及び空間距離を保証するための製造上及び組立上の公差を考
慮しなければならない。
· 一つのMOPP(患者保護手段)は,一つの基礎絶縁を構成する沿面距離及び空間距離に相当する。
――――― [JIS T 80601-2-60 pdf 28] ―――――
27
T 80601-2-60 : 2021
· 二つのMOPP(患者保護手段)は,次に相当する。
− 基礎絶縁を構成する沿面距離及び補強絶縁を構成する沿面距離の合計である二重絶縁
− 基礎絶縁を構成する沿面距離の2倍である強化絶縁
− 基礎絶縁を構成する空間距離及び補強絶縁を構成する空間距離の合計である二重絶縁
− 基礎絶縁及び補強絶縁を個別に試験できない場合,二重絶縁のための空間距離に対する基礎絶縁に
要求される耐電圧の160 %に耐えるJIS C 60664-1:2009の表F.1又は表F.7aで規定した寸法である
強化絶縁。JIS C 60664-1:2009の表F.1及び表F.7aの中から大きな値を適用する。
· 沿面距離及び空間距離は,JIS C 60664(規格群)の規定に基づいて決定しなければならない。表から
得られる値は,基礎絶縁である。
この規格は,歯科器械の設計手法を規定するものではない。しかし,要求事項を反映するために絶縁を
示した図及び安全上の概念は必要であり,単一故障を考慮することを要求している。浮いた装着部は,安
全上の理由から設計に求められる場合もあるが,水のラインを通ってつながる歯科器械の装着部は,B形
装着部として扱う。
この規格では,測定及び適切な手段を通じて1 kVの過渡過電圧を保証することを前提に,電源部からの
分離として関連する過渡過電圧がないことが想定されることから,二次回路及び装着部において,より小
さな沿面距離及び空間距離を使用するようにしている。
交流50 V/71 Vピークまでの電圧を分離するために用いられる分離装置については,次の事項を定めて
いる。
a) 交流50 V/71 Vピークまでの電圧を分離するために用いられる分離装置に対する沿面距離及び空間距
離
1) 汚損度2の場合 スイッチ接点が交流50 V/71 Vピークまでの電圧を分離する分離装置については,
空間距離は,0.2 mm(基礎絶縁)又は0.4 mm(二重絶縁)である。沿面距離は,JIS C 60664-1:2009
の表F.4を適用する。
分離装置に対する試験電圧は,500 Vである。
2) 汚損度3の場合 スイッチ接点が交流50 V/71 Vピークまでの電圧を分離する分離装置については,
空間距離は,0.8 mm(基礎絶縁)若しくは1.6 mm(二重絶縁)であるか,又は,空間距離が0.2 mm
(基礎絶縁)若しくは0.4 mm(二重絶縁)の場合は,JIS C 61810-1:2020の分類RT IIIに従った密
封形分離装置を代わりに使用しなければならない。沿面距離は,JIS C 60664-1:2009の表F.4を適用
する。
分離装置に対する試験電圧は,500 Vである。
1)に関して,0.2 mmは,過渡的な過電圧に対する空間距離であり,定常状態における電圧,一時的な過
電圧又は繰り返し発生するピーク電圧に耐えるため,より大きな空間距離が要求される(JIS C 60664-
1:2009の表F.7a)。
2)に関して,0.8 mmは,過渡的な過電圧に対する空間距離であり,定常状態における電圧,一時的な過
電圧又は繰り返し発生するピーク電圧に耐えるため,より大きな空間距離が要求される(JIS C 60664-
1:2009の表F.7a)。
201.8.10.4.101† 足踏み制御器
JIS T 0601-2-2:2020[電気手術器(電気メス)に対する規格]によれば,10 Nの最小操作力が意図しな
――――― [JIS T 80601-2-60 pdf 29] ―――――
28
T 80601-2-60 : 2021
いスイッチ操作を防止するために要求されている。電気手術器(電気メス)のハンドピースは,操作者の
作業範囲のどこにでも置くことができ,足踏み制御器だけで起動されるため,これは独立形の電気手術器
(電気メス)に有用である。歯科用制御装置においては,次によって更に安全である。
− ハンドピースの特別なホルダ
− ハンドピースがホルダに置かれている間の,高周波発生器の作動停止
− 50 W以下の比較的低出力な高周波出力
10 Nを超える操作力は,その他の歯科用ハンドピースの容易な使用に悪影響を与える場合がある。
201.8.11.5† 電源ヒューズ及び過電流開放器
非永久設置形装置(従属機器,組込形機器)には,同じ値の二つのヒューズを,一つは電源装置の位相
線に,もう一つは中性線に取り付けてもよい。それらが永久設置形の歯科用制御装置の電源ヒューズの後
段に接続される場合,このような装置は永久設置形の歯科用制御装置に組み込まれる場合もある。
例 − マルチメディアモニタにおける電源装置
− 独立したアマルガム分離器
201.9.4.2.2† 移動姿勢以外の不安定性
使用環境下の床は,水平面である。
201.9.4.2.4.3† 敷居を乗り越える移動
歯科器械のコード接続した可動部は,部屋を離れることはなく,また,敷居を移動することを意図して
いない。
201.9.4.3† 不要な横方向の動き(滑りを含む。)による不安定性
歯科器械のコード接続した可動部は,この規格で定義しているとおり,移動形器械ではない。
201.9.6.2.1† *可聴域の音響エネルギー
現在の最新技術水準によると,歯科用制御装置の可聴域の音響エネルギーは,通則で規定している基準
値よりも十分低い。
通則では,24時間中の累積ばく(曝)露時間が24時間の場合,80 dBの制限を設けている。ばく(曝)
露時間を半減すると3 dBAのオフセットが加算される。日常のモータの定常運転時間は60分である。そ
の他の器具では1日当たり2時間以内にまとめることが可能である。したがって,計算式は次による。
24時間/2/2/2=3時間,つまり,3×3 dBA=9 dBA
したがって,80+9=89 dBAまでは歯科用制御装置で許容される。
測定では,タービンが騒音の高い器具であったとしても,マイクまでの半分の距離で76 dBAを超える
音圧レベルではない。
201.9.6.2.2† 超低周波音及び超音波のエネルギー
現在の最新技術水準によると,超低周波音及び超音波のエネルギーは,いかなるリスクの要因とならな
い。
――――― [JIS T 80601-2-60 pdf 30] ―――――
次のページ PDF 31
JIS T 80601-2-60:2021の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 80601-2-60:2019(MOD)
JIS T 80601-2-60:2021の国際規格 ICS 分類一覧
JIS T 80601-2-60:2021の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称