この規格ページの目次
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て検査する。手袋の外側に,枝又はチェーンソーの制御装置に引っ掛かる可能性のある部分がないかどう
か検査する。
製造業者からの情報に記載された用途に関する適合性について評価する。製造業者の着用者による試験
の詳細を考慮してもよい。
11 試験報告書
試験報告書には,次の事項を記載する。
a) この規格番号
b) 供試試料の特定,例えば,製造業者名,形番号,タイプ,サイズなど
c) 前処理
d) 防護範囲
e) 人間工学的評価
f) 試験手順からの逸脱がある場合,その詳細
g) 各試験位置における試験結果(カットスルーの発生の有無)
h) チェーン速度/防護性クラス(5.3.1参照)
i) 損傷及びチェーン停止メカニズムの評価
試験報告書には,箇条4及び箇条5で求められている事項(がある場合はそれについて)も記載する。
12 表示
手持ちチェーンソーの使用者用防護手袋は,少なくとも次の情報を容易に消えない方法で表示しなけれ
ばならない。
a) 製造業者名,商標又はその略号
b) 標識又は形番
c) シリアル番号又はロット番号
d) 製造年月又はその略号
e) 手袋のタイプ(箇条4参照)
f) 規格番号又は名称
g) チェーン速度による分類 : この情報は図記号の枠の外側,又は枠の外の下部に示さなければならない。
h) 防振性能
13 取扱説明書
手持ちチェーンソーの使用者用防護手袋には,少なくとも次の事項についての取扱説明書を添付しなけ
ればならない。
a) 製造業者又は輸入業者の名称,所在地及び電話番号
b) 標識又は形番
c) 左手用手袋及び該当する右手用手袋についての防護範囲と関連クラスとを示す図
d) 洗濯方法
e) 手袋を廃棄する基準
f) “すべてのリスクに対する防護を提供するわけではない”という文章又は類似した文章。
g) “このチェーンソーは,チェーンソー製造業者の指示事項によって両手を使い正しく使用する”とい
――――― [JIS T 8125-4 pdf 16] ―――――
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う文章又は類似した文章。
h) 箇条12による表示の説明
i) 適切な使用方法
j) 手袋の修理方法,特に,防護材料を修理してはならないことの明記
k) 防護領域及び防護材料を変更してはならないこと,及び防護材料に切れ込みが入った手袋は,廃棄し
なければならない旨の指示
14 図記号
この規格の要求事項を満たす手袋は,図10に示す図記号(ISO 7000-2416参照)を用いて表示されてい
なければならない。図記号は,手袋の外側に印刷するか,又はラベルの一部として組み込む場合は,その
ラベルを手袋の内側に縫い付ける。また,その寸法は,30 mm×30 mm以上でなければならない。
一組の手袋の片方だけにチェーンソー防護性がある場合は,防護性のある方の手袋だけに表示しなけれ
ばならない。 30 mm
30 mm
図10−図記号 : チェーンソーの防護(ISO 7000-2416参照)
――――― [JIS T 8125-4 pdf 17] ―――――
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附属書A
(参考)
チェーンソーの使用及び適切な手袋の選択
A.1 一般
チェーンソーは,材木を切断するものであり,最良の手袋であっても防護は,完全にはなされない。
A.2 リスク分析
チェーンソーを使用するときの負傷のリスクは,多くの要因による。したがって,従事する個々の作業
種別ごとにリスク分析を行うことが望ましい。
リスク評価に当たっては,少なくとも次のステップを考慮することが望ましい。
a) ステップ1−リスク評価
− 作業者の熟練度
− チェーンソーを使用する頻度
− 作業時間
− 作業環境
・斜面の傾斜
・滑りやすさ(泥,滑りやすい土又は石)
・履物
・気温,風,雨又は雪
・明るさ
− 作業内容
・地上作業又は樹上作業
・切断された材料及び枝による作業への支障の程度
・切断作業の種類
・作業の緊急性又は緊迫度
− チェーンソーの種類(片手で操作する機械は,特に危険である。)
− 切断された材料の払いのけ方法
− チェーンを動かしながら左手がハンドルから離れる頻度
b) ステップ2−リスク低減 リスク低減を考慮することが望ましく,個々のリスク要因を検討し,それ
らを低減する方法を探すことが望ましい。手がチェーンに強く当たるおそれがある作業は,防護手袋
を着用していても危険であるので中止すべきである。手がチェーンに接触するおそれが少なく,接触
したとしても手背側に軽く触れるような場合には,防護手袋を使用するのが適切である。
A.3 人間工学
防護性の向上を目的とした手袋の着用が負傷事故のリスクを増大してはならない。次に掲げる特性と,
与えられる防護性とのバランスを取ることが望ましい。
− 軽量性及び柔軟性
− 手掌部の良好なグリップ表面
――――― [JIS T 8125-4 pdf 18] ―――――
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− 良好な触感
− かさばっていないこと
− フィット感及びフィット性
− 右手用手袋については,第2指の分離
− 手袋は,次の場合には,操作性及び防護性に影響を及ぼす可能性がある。
1) 使用条件が凍結温度又は頻繁に雨の降る状態
2) 振動の伝搬が特に問題となる場合
3) 使用者が手袋着用中に高所に上る可能性がある場合
全体的に手袋は快適で,手にしっかりフィットし,機械及び材木を取り扱う上での信頼感をもたらすこ
とが望ましい。
手袋は,機械的な負傷に対する全体的な防護性をもつ必要があり,付随的に手の汚れを防ぐものである
ことが望ましい。ぬれた条件下で使用する場合,手袋は大量の水を吸収しないことが望ましい。暖かい条
件下で使用する場合には,汗がたまらないほうがよい。
A.4 タイプA及びタイプBの手袋の選択
この規格で規定する手袋の手持ちチェーンソーによる切断に対する防護性は限られたもので,手背側し
か防護することができない。タイプBは,親指以外の指の手背側に対しても,手背側に対する防護性と同
様のレベルの防護性をもつ。したがって,通常はタイプBを選択することが望ましい。ただし,タイプA
の方がつかみやすさ(dexterity)がよいので,条件によっては,タイプAが必要になることが考えられる。
A.5 手,手袋及びチェーンソーの適合性
現在使用されているチェーンソーは,通常,両手で保持するように設計されている。手袋の形状は,非
対称であり,安全に使用できるのは,右利き使用の場合に限られる。すなわち,左手で前のハンドルを保
持し,右手で後のハンドルを保持して,チェーンへの力の伝達を制御する使用法である。この規格では,
チェーンソーがこの右利き使用によって,すべて保持されることを前提としている。使用者が左利きであ
っても右利き用の姿勢で作業し,右利き使用によってチェーンソーを保持しなければならない。
事故に関する統計によれば,手の負傷のリスクは主に左手にある。したがって,この規格の規定は,防
護材料を左手用手袋に使用することだけを求めている。左利き使用のチェーンソーを使用する場合は,右
手用手袋に防護性が必要となる。
右手用手袋に関する任意の要求事項を規定しているのは,将来,左利き使用のチェーンソーが使われる
ようになる可能性があるからである。
一組のチェーンソー防護手袋を使用する前に着用者は,予想される作業条件下で手袋がよくフィットし,
手袋が安全で衛生的であり,リスクを生じさせることなく作業が行えることを確認することが望ましい。
着用者は,手袋が通常の使用中,手に保持され,よくフィットしているか,また手袋に滑落防止のため
の手首への留め具,又はこれに類するものが付いているかを確認することが望ましい。
これらの確認を行うとき,着用者自身の手の大きさを考慮し,特に,次の事項に留意することが重要で
ある。
a) 手の周囲(外周) : 選択した手袋のサイズが大き過ぎる場合は,手袋がだぶつくことがある。
b) 親指以外の指の長さ : 手袋の親指以外の指の部分が長すぎたり短すぎたりすると,握りが悪くなるこ
とがあり,親指以外の指の部分が短すぎると,血液の循環を損なうことがある。
――――― [JIS T 8125-4 pdf 19] ―――――
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c) 手の全長 : 手袋が長すぎると手の動きを損なうことがある。
ハンドルを長時間握り続ける場合があるので,手袋が硬すぎたり,手掌部が厚くなり過ぎたりしないよ
うに留意すべきである。着用者は,握る動作のとき,手掌部の材料が握りを損なうような屈曲をしないこ
とを確認することが望ましい。
A.6 安全な作業
チェーンソーを安全に操作するには,正しく作業することが重要である。森林作業者又はその他の適切
な使用者のための作業指針に従うことが望ましい。また,チェーンソー製造業者が提供する指示事項にも
従うことが望ましい。手袋の使用が上記と適合する場合は,手袋が安全を補う構成要素として適切なもの
となるが,適合しない場合には,適切なものにはならない。いずれの個人用防護具が各作業に適切かを判
定する責任は,使用者にある。
A.7 許容性
手袋は,通常の使用条件下で評価することが望ましい。使用者は,手袋を着用して通常のチェーンソー
作業が安全にでき,予期せぬ危険が生じないことを確かめる機会をもつことが望ましい。
参考文献 ISO 7000,Graphical symbols for use on equipment−Index and synopsis
――――― [JIS T 8125-4 pdf 20] ―――――
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JIS T 8125-4:2010の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 11393-4:2003(MOD)
JIS T 8125-4:2010の国際規格 ICS 分類一覧
- 65 : 農業 > 65.060 : 農業機械,用具及び設備 > 65.060.80 : 林業設備
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.340 : 防護設備 > 13.340.10 : 防護服
JIS T 8125-4:2010の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISL1018:1999
- ニット生地試験方法
- JISL1096:2010
- 織物及び編物の生地試験方法
- JISR6253:2006
- 耐水研磨紙
- JIST8051:2005
- 防護服―機械的特性―突刺抵抗性試験方法
- JIST8114:2007
- 防振手袋
- JIST8125-1:2008
- 手持ちチェーンソー使用者のための防護服―第1部:チェーンソーでの切断抵抗性試験に用いるフライホイール駆動式試験装置