JIS T 8159:2006 呼吸用保護具の漏れ率試験方法 | ページ 2

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1 ダクト 8 切換バルブ
2 分配器 9 サンプリングポンプ
3 チャンバ内サンプリング 10 試料
4 面体等内サンプリング 11 T字管
5 チャンバ 12 ポンプ
6 トレッドミル 13 フィルタ
7 検知器 14 流量計
図 2 試験系の例
4.7.2 サンプリングチューブ及びプローブ 面体等の内部の空気をサンプリングし分析するために,面体
等にサンプリングチューブ及びプローブを接続する。
面体等内のサンプリングの偏りを最小にするために,多数孔プローブ(図3参照)を使用することが望
ましい。
プローブは,できるだけ着用者の口の近くに,面体等との気密を保ってしっかり取り付ける。柔軟で変
形しやすい及び/又は軽い面体等の場合は,適切な保持を行う。ただし,保持のためにしめひもを用いる
場合には,面体等の変形及び密着性の不具合が生じないように注意しなければならない。
面体等に取り付けたプローブと同形のものを,チャンバ内試験用コンタミナンツ濃度測定のために設置
する。これは,試験中に試料からの排出の影響がない場所に設置されなければならない。
プローブは,内径約 24 mmの柔軟な肉厚の薄いチューブを通して,なるべく短くなるように分析装
置と接続する。
サンプリングチューブ及びプローブは,面体等の正常なフィットネス及び面体等の形に妨害を与えない
ように注意しなければならない。

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単位 mm
図 3 多数孔プローブの例
4.7.3 チャンバ チャンバは,上部からダクトと分配器とを通して,試験用コンタミナンツが被験者の頭
上から下方に向かって流入する構造でなければならない。
チャンバは,被験者が4.3に規定する動作を行うために十分な大きさとする。
チャンバ内の空気流速は,中心(トレッドミルがある場合はその上)に立っている被験者の頭部に近接
した場所で測定したとき,補助ファンの稼動なしで,0.120.2 m/s とする。
チャンバは,いつでも外から被験者が見えるように設計する。
被験者に付加的な送風をすることが要求されている試料については,補助ファンを稼動させ,必要とさ
れる風速で空気を送る。
備考 チャンバは,試験中の呼吸用保護具から出される清浄空気によって,試験用コンタミナンツが
希釈されることを防ぐようにする。
4.7.4 試験用コンタミナンツ発生器
a) aCl粒子 精製水に溶解したNaCl溶液をアトマイザーで噴霧し,発生したNaCl溶液ミストの水分
を乾燥空気で蒸発させることによって生成するNaCl粒子を用いる。
b) F6ガス 試験ガスは,チャンバに空気を導入する配管に,圧縮SF6ガスを供給することによって造る。
備考 圧縮SF6ガスは,純度が,質量分率 99.999 %以上のものを用いることが望ましい。
4.7.5 検出システム サンプリングチューブ及びプローブを含む検出システムの応答時間は,使用する濃
度範囲の1090 %の応答に対して20 s未満でなければならない。
面体内濃度測定用検知器とチャンバ内濃度測定用検知器とは,独立したシステムとすることが望ましい。
一台の検知器しか利用できない場合は,検知器の経路を切り換えて清浄な空気の状態でのバックグラウ
ンドに戻ることを確認する必要がある。
試験前にすべてのプローブをチャンバ内に近接した位置に置き,サンプリングチューブの通気抵抗を調
節して,試験用コンタミナンツの計測値が同一となるようにする。
a) aCl粒子の場合
1) 炎光光度計 炎光光度計の性能特性は,次による。
− NaCl粒子を分析するために設計された炎光光度計とする。
− 10 ng/m315 mg/m3 のNaCl粒子濃度を測定する。
− 炎光光度計に要求されるサンプリング流量は,1.5 L/min を超えてはならない。
− 炎光光度計の応答時間は,サンプリングシステムを除いて,使用する濃度範囲の1090 %の応

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答に対して500 msを超えてはならない。
2) 光散乱検知器 前方(45°未満の角度)光散乱検知器は,次による。
− 200 ng/m315 mg/m3 のNaCl粒子濃度を測定する。
− 検知器に要求されるサンプリング流量は,5 L/min を超えない。
− 検知器の応答時間は,サンプリングシステムを除いて,使用する濃度範囲の1090 %の応答に
対して500 msを超えない。
b) F6ガスの場合 面体等の内部のSF6ガス濃度は,0.31.5 L/min の一定流量で連続的にサンプリング
されなければならない。積算記録システムを用いて,分析及び記録することが望ましい。
検出システムは,電子捕獲形検出(ECD)又は赤外線(IR)分光に基づいたものが適している。
備考 ECD装置は,試験中の面体等の内部の酸素濃度の変化,すなわち吸気と呼気との間の酸素濃度
の変化の影響を受ける。これらの変化は,0.1 ppm 未満の濃度を測定するときの漏れ率の不確
実性を引き起こす。正確な結果を得るには,この変化による影響を修正する必要がある。

4.8 試料

4.8.1  一般事項 試料は,呼吸用保護具又は面体とする。
漏れ率試験前に,試料が良好な状態であり,被験者に危険がなく使用できることが確認されていなけれ
ばならない。
試料には,漏れ率試験前に,4.7.2に規定するサンプリングチューブ及びプローブを取り付ける。
4.8.2 呼吸用保護具
4.8.2.1 ろ過式呼吸用保護具
a) 防じんマスク 試験用コンタミナンツにNaCl粒子を用いて,TLを求めることができる。防じんマス
クには,そのマスク用の適切なろ過材を取り付ける。
b) 防毒マスク
1) 防じん機能のない防毒マスク 試験用コンタミナンツにNaCl粒子を用いる場合は,次に示す方法
でマスクに呼吸可能な空気(試験用コンタミナンツが含まれない。)を供給するか,NaCl粒子捕集
効率 99.9 %以上の粒子状物質用フィルタ又は防じん機能付き吸収缶と交換することによって,PL
を求めることができる。
試験用コンタミナンツにSF6を用いる場合は,マスクに呼吸可能な空気(試験用コンタミナンツ
が含まれない)を供給することによって漏れ率を求めることができる。
− 呼吸可能な空気を供給する方法 マスクの吸気口部分に,呼吸可能な空気を供給するためのホー
ス(通気抵抗が調節できる装置が附属しているもの)を取り付ける。このとき,ホースを固定す
るなどして,フィットネスに影響を与えないようにする。ホースを取り付けた状態での吸気抵抗
(流量40 L/minで測定)が,吸収缶を取り付けたマスクの吸気抵抗(流量40 L/minで測定)の −
5+10 %となるように調節する。
− 粒子状物質用フィルタ又は防じん機能付き吸収缶に交換する方法 使用するフィルタは,そのマ
スク用の吸収缶の質量及び通気抵抗(流量 40 L/minで測定)の −5+10 %でなければならな
い。
2) 防じん機能付き防毒マスク 試験用コンタミナンツにNaCl粒子を用いて,TLを求めることができ
る。防毒マスクには,そのマスク用の適切な防じん機能付き吸収缶を取り付ける。
c) 粒子状物質用PAPR 試験用コンタミナンツにNaCl粒子を用いて,TLを求めることができる。PAPR
には,それ用の適切なフィルタを取り付ける。

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PAPRは,製造業者によって指定された稼動状態として最小に設計された状態(例えば,送風量)
で試験する。
備考 PAPRを,製造業者によって指定された稼動状態として最小に設計された状態で稼動するため
に,蓄電池を外部供給電源に取り替えてもよい。
d) ガス用PAPR b) 1) と同様の方法でPLを求めることができる。
PAPRは,製造業者によって指定された稼動状態として最小に設計された状態(例えば,送風量)
で試験する。
代わりの粒子状物質用フィルタ又は粒子状物質・ガス両用フィルタが利用できない場合,軽量のホ
ース及びプレナムキャップが,PAPRのフィルタに取り付けられ,改造前に測定された通気抵抗(ホ
ースを含めて)で,試験用コンタミナンツのない空気が供給される。
備考 PAPRを,製造業者によって指定された稼動状態として最小に設計された状態で稼動するため
に,蓄電池を外部供給電源に取り替えてもよい。
e) 粒子状物質・ガス両用PAPR b) 2) と同様の方法でTLを求めることができる。
PAPRは,製造業者によって指定された稼動状態として最小に設計された状態(例えば,送風量)
で試験する。
備考 PAPRを,製造業者によって指定された稼動状態として最小に設計された状態で稼動するため
に,蓄電池を外部供給電源に取り替えてもよい。
4.8.2.2 給気式呼吸用保護具 試験用コンタミナンツとして,NaCl粒子及びSF6ガスのいずれを用いても
よい。
非透過性材料で作られている場合又は着用者と呼吸用保護具との間が明らかに大気に開放されていない
場合は,いずれの試験用コンタミナンツも用いることができる。
透過性材料が用いられている場合又はシールされていない縫い目がある場合は,SF6ガスを用いて試験
しなければならない。
非透過性が疑わしい場合は,SF6ガスを用いて試験しなければならない。
給気式呼吸用保護具は,製造業者によって指定された稼動状態として最小に設計された状態(例えば,
供給圧力)で試験する。
4.8.2.3 給気・ろ過両用式呼吸用保護具 給気・ろ過両用式呼吸用保護具は,両方のモードで完全な呼吸用
保護具として試験する。給気式モード[呼吸用保護具に取り付けられているフィルタの吸気口は,ふさ(塞)
がれていなければならない。]ではSF6ガスを用い,ろ過式モードではNaCl粒子を用いて試験する。
呼吸用保護具には,それ用の適切なフィルタを取り付ける。
呼吸用保護具は,製造業者によって指定された稼動状態として最小に設計された状態(例えば,空気流
量)で試験する。
4.8.3 面体 次に示す方法で呼吸可能な空気(試験用コンタミナンツが含まれない。)を供給するか,NaCl
粒子捕集効率が99.9 %以上の粒子状物質用フィルタを取り付けることによって,PLを求めることができ
る。
− 呼吸可能な空気を供給する方法 面体の吸気口部分に,呼吸可能な空気を供給するためのホース(通
気抵抗が調節できる装置が附属しているもの)を取り付ける。このとき,ホースを固定するなどして,
フィットネスに影響を与えないようにする。ホースを取り付けた状態での吸気抵抗(流量 40 L/min
で測定)が,フィルタを取り付けたマスクの吸気抵抗(流量 40 L/minで測定)の −510 %となる
ように調節する。

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− 粒子状物質用フィルタを取り付ける方法 呼吸用保護具として要求される質量(面体と一緒で許容で
きる)及び通気抵抗(流量 40 L/minで測定)の−510 %をもつフィルタを取り付け,NaCl粒子を
用いて,面体の漏れ率を求めることができる。

4.9 TL及びPLの計算

4.9.1  NaCl粒子による試験 各動作の2分間の測定から,各動作のTL(m番目の動作におけるTLをTLm
で表す。) 又は各動作のPL(m番目の動作におけるPLをPLmで表す。)を,次の式によって計算する。
C2
TLm % 2 100
C1
又は
C2
PLm % 2 100
C1
ここに, C2 : 面体等の内部の平均NaCl粒子濃度で,バックグラウン
ド信号及び希釈率で修正されたもの
C1 : チャンバ内平均NaCl粒子濃度
なお,式中の係数2は,NaCl粒子の肺内沈着などによる面体等内濃度の低下を補正するためのものであ
る。
4.9.2 SF6ガスによる試験 各動作の期間の最後の100 s間の測定から,各動作のTL(m番目の動作にお
けるTLをTLmで表す。) 又は各動作のPL(m番目の動作におけるPLをPLmで表す。)を次の式によって
計算する。一つの動作から次の動作までのSF6ガス濃度は,データとして採用してはならない。
2
TL m % 100
1
又は
2
PL%
m 100
1
ここに, C2 : 面体等の内部の平均SF6ガス濃度で,バックグラウン
ド信号及び面体等の内部の酸素濃度変化の影響で修正
したもの
C1 : チャンバ内SF6ガス濃度

5. 測定値のまとめ方

 測定値のまとめ方は,次による。
a) 被験者ごとのTL(以下,TLPという。)及び被験者ごとのPL(以下,PLPという。)は,次の式によ
って算出する。
TL1 TL2 TL3 ・・・ TLn
TLP %
n
及び
PL1 PL2 PL3 ・・・ PLn
PLP %
n

――――― [JIS T 8159 pdf 10] ―――――

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JIS T 8159:2006の国際規格 ICS 分類一覧

JIS T 8159:2006の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JIST8001:2006
呼吸用保護具用語