JIS T 9263:2017 福祉用具―歩行補助具―シルバーカー | ページ 4

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100 N 100 N
a) ハンドル前方に力を加える場合 b) ハンドル側方に力を加える場合
左右に各50 N
c) ハンドル下方に力を加える場合
図14−折り畳み機構の保持力及び強度試験

8.11 走行耐久性試験

  走行耐久性試験は,次による(図15参照)。
a) 使用状態とした供試体の前輪を,直径200 mmで高さ10 mmの段差が一つあるドラムをもつ試験装置
(図15参照)に載せ,段差を越えるときに上下動するのを阻害することなく,試験中に前後左右方向
への著しい横ぶれが生じないように後輪を固定する。
なお,このとき,前輪の中心線がドラムの頂点にくるように調整する。
b) この状態でドラムを100 rpmの速度で10分間回転させ,供試体の各部について破損,外れ及び使用上
支障がある変形,固定部の緩みなどの有無を確認する。
c) ハンドル中央部に質量10 kgのおもりを載荷する。
なお,分離形ハンドルの場合には,左右のハンドルの中央点をバーなどによって結び,その質量を
含み10 kg相当となるように調整したおもりを載荷する。このとき,搬送用バッグ付きのものは,搬
送用バッグ内に発泡スチロールを均等に底から高さ約15 cm入れた上に表示された最大載荷重に相当
する質量のおもりを載荷する。
d) この状態でドラムを100 rpmの速度で120分間回転させ,供試体の各部について破損,外れ,使用上

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支障がある変形,固定部の緩みなどの異常の有無を確認する。
e) 引き続き,後輪についても同様の方法によって,確認を行う。
背面図
図15−走行耐久性試験

9 検査方法

  シルバーカーの検査は,形式検査1) と受渡検査2) とに区分し,検査の項目はそれぞれ次のとおりとする。
なお,受渡検査の抜取検査方式は,受渡当事者間の協定による。
a) 形式検査項目 形式検査項目は,次の項目を箇条8及び目視によって試験したとき,箇条5箇条7,
箇条10及び箇条11に適合したものを合格とする。
1) 外観
2) 構造

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3) 性能
4) 表示及び取扱説明書
b) 受渡検査項目 受渡検査項目は,次の項目を目視によって試験したとき,6.1,箇条10及び箇条11の
規定に適合したものを合格とする。
1) 外観
2) 表示及び取扱説明書
注1) 製品の品質が設計で示す全ての特性を満足するかどうかを判定するための検査。
2) 既に形式検査に合格したものと同じ設計・製造による製品の受渡しをする場合,必要と認める
特性を満足するものであるかどうかを判定するための検査。

10 表示

  この規格の全ての要求事項に適合したシルバーカーには,見やすい箇所に容易に消えない方法で,次の
事項を表示しなければならない。
a) 名称又は規格番号
b) 最大使用者体重
c) 製造事業者名又は販売事業者名
d) 製造番号又は略号
e) 製造年月又は略号
f) 高さ調節の最大伸張位置
g) 最大高さ
h) 搬送用バッグの最大載荷重
i) 使用対象者(自立歩行の可能な方用である旨)
j) 使用上の注意(坂道で使用する場合の注意,不整地で使用する場合の注意,凍結路面での注意,路肩
の段差,階段など段差の前では一時停止することなど)

11 取扱説明書

  取扱説明書には,次の事項を記載しなければならない。
a) 取扱説明書を必ず読み,読んだ後保管する旨。
b) 製品寸法(組立時の幅,奥行,最大高さ及び最小高さ。該当する場合には,折り畳み時の幅,高さ及
び奥行。)
c) 腐食及び経年劣化を回避するための注意
d) 使用上の注意(坂道で使用する場合の注意,不整地で使用する場合の注意,路肩の段差,階段など段
差の前では一時停止することなど)
e) ブレーキの調整方法
f) 組立,調整及び折り畳み(該当する場合)の方法及び注意事項
g) 種類
h) 最大使用者体重
i) 使用対象者(自立歩行の可能な方)
j) 各部の名称
k) 製造事業者又は販売事業者の名称又は略号,及びそれらの住所,電話番号,ファクシミリ番号

――――― [JIS T 9263 pdf 18] ―――――

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附属書A
(参考)
設計における配慮事項
A.1 福祉用具に関連して起こる可能性があるハザード及び関連する要因の例
福祉用具に関連して起こる可能性があるハザードの例及びそれらに関連する要因の例を示す。ただし,
全てを網羅しているわけではなく,ハザード及び要因を特定する手助けとなる。
a) 可動部分(介助者,子供などが手,足,指などを挟み込む構造の存在)に関する危険性
例1 シルバーカーの一部に指を入れた場合に挟まれてけがをしないか。
b) 接触アレルギー誘発性などに関する危険性
例2 適切な表示がされているか。
c) 他の機器と併用する場合の不適合性
例3 ベッドなどからの移乗を行う場合に問題はないか。
d) 廃棄物及び/又は福祉用具の廃棄による汚染
例4 ごみとして燃やす場合などに有毒な物質を排出しないか。
e) 不適切な操作説明,例えば,
1) 複雑すぎる操作説明
2) 使いにくい,まとまりのない取扱説明書
例5 専門用語を不必要に使っていないか。
f) 合理的に予見できる誤使用
例6 座ったまま移動する用具として使ってしまった場合にも問題はないか。
g) 製品の寿命に関する適切な情報提供
例7 一部の部品が他に比べて製品寿命が短いなどの場合。
A.2 多様な使用者に対する人間工学的な要因によるハザード
高齢者,障害者などの身体機能の低下によって多様なニーズをもつ使用者に対する人間工学的検討項目
の例を示す。ただし,全てを網羅しているわけではなく,項目を特定する手助けとなる。
注記1 JIS Z 8071の箇条7(人間の能力及び特性)などが参考となる。
a) 動作能力の低下,筋力の低下及び体力の低下による意図しない動き
例1 自動車運転中の反応時間は壮年者(19歳29歳)に対し高齢者(60歳以上)は3倍以上(1.5
秒3.8秒)であった[1]。
b) 機器の操作力の低下による意図しない動き
例2 手で押す力は30歳代に対して60歳代はその約70 %であった[2]。
注記2 JIS T 9241-2では,手指による操作は5 N,手又は腕による操作は105 N,足による操作は
300 N,回転(ノブ)による操作は1.9 Nm以下としている。
注記3 ISO 11199-2では,駐車ブレーキをかける力及び解除する力は,押す力については60 Nを
超えてはならない,また,引く力については40 Nを超えてはならないとしている。
c) 認知症を含む使用者の知的能力の低下及び短期記憶能力の低下した使用者による使用
例3 短期記憶に関わる単語の再生は,20歳29歳では約14語であるのに対し,60歳以上では約

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7語であった[3]。また,異常行動の対象ともなり得る。
d) 平衡を保ち転倒を避ける能力の低下した使用者による使用
例4 閉眼における立位時の動揺軌跡は,20歳代と60歳代とではその約1.23倍であった[4]。
e) 色知覚能力の低下,視力の低下,触覚感度の低下などによる不十分な情報取得
例5 近距離での生活視力は,35歳44歳が約1.05に対して65歳74歳では約0.6であった[5]。
参考文献
[1] 国立研究開発法人産業技術総合研究所・人間福祉医工学研究部門編;人間計測ハンドブック,
P.770-771,2003年9月,朝倉書店
[2] 独立行政法人製品評価技術基盤機構データベース
http://www.tech.nite.go.jp/human/jp/contents/cdata/coperation/operation-g.html
[3] 佐藤方彦 監修;人間工学基準数値数式便覧,第1版3刷,P.169,1999年3月,技報堂出版
[4] 佐藤方彦 監修;人間工学基準数値数式便覧,第1版3刷,P.97,1999年3月,技報堂出版
[5] 国立研究開発法人産業技術総合研究所・人間福祉医工学研究部門編;人間計測ハンドブック,P.444,
2003年9月,朝倉書店
[6] JIS T 9241-2 移動・移乗支援用リフト−第2部 : 移動式リフト
[7] JIS Z 8071 規格におけるアクセシビリティ配慮のための指針
[8] ISO 11199-2,Walking aids manipulated by both arms−Requirements and test methods−Part 2: Rollators

JIS T 9263:2017の国際規格 ICS 分類一覧

JIS T 9263:2017の関連規格と引用規格一覧