JIS T 9267:2020 福祉用具―歩行補助具―多脚つえ

JIS T 9267:2020 規格概要

この規格 T9267は、歩行を補助する3本以上の分離脚と握部とで構成された多脚つえの安定性,静的強度,耐久性などに関する要求事項及び試験方法について規定。ただし,3本以上の分離脚をもつつえであってもわき(腋)下若しくは前腕で支持するつえ,又は可動部(ユニバーサルジョイントなど)をもつつえには,適用しない。

JIST9267 規格全文情報

規格番号
JIS T9267 
規格名称
福祉用具―歩行補助具―多脚つえ
規格名称英語訳
Assistive products for walking -- Walking sticks with three or more legs
制定年月日
2020年6月22日
最新改正日
2020年6月22日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

ISO 11334-4:1999(MOD)
国際規格分類

ICS

11.180
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
2020-06-22 制定
ページ
JIS T 9267:2020 PDF [25]
                                                                                   T 9267 : 2020

pdf 目 次

ページ

  •  序文・・・・[1]
  •  1 適用範囲・・・・[1]
  •  2 引用規格・・・・[1]
  •  3 用語及び定義・・・・[1]
  •  4 リスクマネジメントによる設計・・・・[5]
  •  5 外観,材料及び構造・・・・[5]
  •  5.1 外観・・・・[5]
  •  5.2 材料・・・・[5]
  •  5.3 構造・・・・[5]
  •  6 性能・・・・[6]
  •  7 試験方法・・・・[7]
  •  7.1 試験条件・・・・[7]
  •  7.2 安定性試験・・・・[7]
  •  7.3 静的強度試験・・・・[9]
  •  7.4 分離脚強度及び接合・分離部強度試験・・・・[10]
  •  7.5 耐久性試験・・・・[11]
  •  8 検査・・・・[11]
  •  9 表示・・・・[12]
  •  10 取扱説明書・・・・[12]
  •  附属書JA(参考)設計における配慮事項・・・・[14]
  •  附属書JB(参考)JISと対応国際規格との対比表・・・・[16]

(pdf 一覧ページ番号 1)

――――― [JIS T 9267 pdf 1] ―――――

           T 9267 : 2020

まえがき

  この規格は,産業標準化法に基づき,日本産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本
産業規格である。
  この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
  この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

(pdf 一覧ページ番号 2)

――――― [JIS T 9267 pdf 2] ―――――

                                      日本産業規格                            JIS
                                                                              T 9267 : 2020

福祉用具−歩行補助具−多脚つえ

Assistive products for walking-Walking sticks with three or more legs

序文

 この規格は,1999年に第1版として発行されたISO 11334-4を基とし,試験方法を明確にするために,
技術的内容を変更して作成した日本産業規格である。
  なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一
覧表にその説明を付けて,附属書JBに示す。

1 適用範囲

  この規格は,歩行を補助する3本以上の分離脚と握部とで構成された多脚つえの安定性,静的強度,耐
久性などに関する要求事項及び試験方法について規定する。
  ただし,3本以上の分離脚をもつつえであってもわき(腋)下若しくは前腕で支持するつえ,又は可動
部(ユニバーサルジョイントなど)をもつつえには,適用しない。
  また,要求事項及び試験方法は,体重35 kg以上の使用者用に製造された3本以上の分離脚をもつつえ
の,日々の使用に基づいている。
    注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
          ISO 11334-4:1999,Walking aids manipulated by one arm−Requirements and test methods−Part 4:
              Walking sticks with three or more legs(MOD)
            なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
          ことを示す。

2 引用規格

  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用
規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
    JIS T 0102 福祉関連機器用語[支援機器部門]
      注記 対応国際規格 : ISO 9999,Assistive products for persons with disability−Classification and
             terminology(MOD)

3 用語及び定義

  この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS T 0102によるほか,次による(図1図5参照)。
3.1
多脚つえ(walking stick with three or more legs)
  3本以上の分離脚及び一つの握部があり,わき(腋)下又は前腕による支持部のないつえ。また,可動

――――― [JIS T 9267 pdf 3] ―――――

           2
T 9267 : 2020
部(ユニバーサルジョイントなど)をもつつえは含まない。
3.2
ハンドグリップ(handgrip)
  つえを使用する際に通常手で握る部分。
3.3
アナトミックハンドグリップ(anatomic handgrip)
  手の形状に合わせて握りやすく作られたハンドグリップ。
3.4
ハンドグリップ長さ(handgrip length)
  手を置くハンドグリップの長軸方向に測った長さ(図4の記号1参照)。
    注記 ハンドグリップの先端及び後端の位置が明確でない場合は,使用者の体重を支えるハンドグリ
          ップ全体の長さがハンドグリップ長さとなる。
3.5
ハンドグリップ幅(handgrip width)
  手を置くハンドグリップの最も太い部分の水平方向に測った長さ(図4の記号2参照)。
3.6
ハンドル(handle)
  ハンドグリップが付いている部分。
3.7
脚端部(tip)
  つえの脚が地面と接触する部分に取り付けたゴム製等の部品(図2の記号10参照)。
3.8
つえ高さ(walking-stick height)
  ハンドグリップの最上点から脚端部の接地点までの垂直距離(図5の記号4参照)。
3.9
つえ奥行き(walking-stick depth)
  歩行方向に水平に測った最大外径寸法(図5の記号3参照)。
3.10
つえ幅(walking-stick width)
  歩行方向に直角に測った最大外径寸法(図5の記号2参照)。
3.11
固定装置(locking device)
  つえ高さなどの調節機構をロックする部分。
3.12
最大使用者体重(maximum user weight)
  製造業者が設定する,つえ使用対象者の許容最大体重。
3.13
シャフト(shaft)
  つえの支柱部。上部のシャフトと下部の長さ調節部分とに分かれたものもある。

――――― [JIS T 9267 pdf 4] ―――――

                                                                                             3
                                                                                   T 9267 : 2020
3.14
ハンドグリップ荷重参照点(handgrip reference point)
  シャフト中心を鉛直方向に伸ばした線とハンドグリップとが交差する位置(図1参照)。
記号
1 負荷位置(ハンドグリップ荷重参照点)
                                 図1−ハンドグリップ荷重参照点
3.15
つえ高さ調整具(walking-stick height adjustment device)
  つえの高さ調節時に位置を設定するための道具。ボタン,差込み式などがある。
3.16
つえ高さ調整穴(walking-stick height adjustment hole)
  つえの高さ調節時に位置を設定するための穴。
3.17
分離脚(leg)
  シャフトに接合された又はシャフトから分離し床面に接触する脚。
3.18
荷重当具(grip loading pad)
  金属又は硬い木で作られ,鋭い角がないハンドグリップに試験荷重をかける際に使用される当具(図3
参照)。
3.19
転倒角度(rollover angle)
  安定性試験によって転倒する角度。

――――― [JIS T 9267 pdf 5] ―――――

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T 9267 : 2020
         a) 3脚の例                        b) 4脚の例                      c) 5脚の例
                記号
                1 前方(進行方向)         9 ベース
                2 ハンドグリップ          10 脚端部
                3 後方                    11 内側(体に近い側)前方分離脚
                4 シャフト(上部)        12 内側後方分離脚
                5 つえ高さ調整具          13 外側(体から遠い側)前方分離脚
                6 つえ高さ調整穴          14 外側後方分離脚
                7 シャフト高さ固定具      15 外側分離脚
                8 シャフト(下部)
                                       図2−多脚つえの例
                                                                        単位 mm
                 記号
                 F 負荷方向
                 1 荷重面
                 2 荷重当具
                 3 傾斜台角度
                         図3−荷重当具及び当具を使用した負荷方法(例)

――――― [JIS T 9267 pdf 6] ―――――

                                                                                             5
                                                                                   T 9267 : 2020

4 リスクマネジメントによる設計

  リスクマネジメントによる設計は,多脚つえの使用によって発生が想定されるリスクについて実施し,
実施手順及び実施結果は,製造業者又は販売業者によって文書化され維持されなければならない。また,
福祉用具全般に想定されるハザード及び関連する要因にも配慮することが望ましい。それらを附属書JA
に例示する。
a) 多脚つえにおけるリスクマネジメントによる設計を,次の事項について実施しなければならない。
  1) 製品の突起などによって衣服などが絡みつくリスク,製品の端部などが袖口に入り込むリスク,及
      び製品の一部が身体を傷つけるリスク。
  2) 製品を構成する部品の材料(表面の塗装,被膜,その他の表面処理を含む。)が人体に対して化学的
      危害(アレルギー,毒性など),表面温度変化などによる危害(やけどなど)を及ぼすリスク。
  3) 製品を構成する部品(脚など)が隙間に挟まれるリスク。
b) 個別製品の設計においては,a) 以外に想定されるリスクはないか考慮し,あればリスクマネジメント
    を実施する項目として付け加えなければならない。
c) リスクマネジメントによってリスクを低減させた後にも残るリスクは,残留リスクとして取扱説明書
    等に示さなければならない。

5 外観,材料及び構造

5.1 外観

  衣類を損傷したり,使用者に不快感を与えるばり,鋭いエッジ及び突起があってはならない。

5.2 材料

  材料は,過度にたわ(撓)むものを使用してはならない。また,材料には調節·固定用部品(固定具,
ボタンなど)も含め,機構を考慮して想定される使用環境に耐え得る材料を選定するか,又は劣化を考慮
し必要な防せい(錆)処理を施さなければならない。

5.3 構造

  構造は,次による。
a) ハンドグリップの幅は25 mm以上50 mm以下とし,長さは75 mm以上とする(図4参照)。ただし,
    アナトミックハンドグリップにこの規格は適用しない。
b) ハンドグリップは取外しができるか,又は洗浄が容易でなければならない。
c) つえ高さ調節は,固定装置でロックをして使用中に緩んではならない。
d) つえ高さ調節があるものは,伸縮可能な最高位置をつえに表示する。
e) 伸縮機構,差込み部などのあるものは,容易にスライドできなければならない。

――――― [JIS T 9267 pdf 7] ―――――

           6
T 9267 : 2020
                記号
                1 ハンドグリップ長さ
                2 ハンドグリップ幅
                             図4−ハンドル及びハンドグリップの詳細
          a) 3脚の例                       b) 4脚の例                      c) 5脚の例
記号
1 ハンドグリップ長さ
2 つえ幅
3 つえ奥行き
4 つえ高さ
                                        図5−寸法の定義

6 性能

  性能は,表1による。

――――― [JIS T 9267 pdf 8] ―――――

                                                                                             7
                                                                                   T 9267 : 2020
                                           表1−性能
               項目                              要求性能                      試験項目
       安定性                                                                     7.2
                            右欄に規定する試験を実施し,その結果を表示·公表しなけれ
                            ばならない。ただし,内側及び全ての外側(図7に示す隣り合
                            う2脚の脚端部を結ぶ線を軸とし,3脚の場合は2か所,4脚
                            の場合は3か所存在する。)での表示転倒角度が0度であって
                            はならない。
       静的強度                                                                   7.3
                            右欄に規定する試験を実施した結果,多脚つえに,安全を損な
                            う損傷及び亀裂又は破損があってはならない。また,使用上支
                            障のある変形を生じてはならない。
                            脚部がその脚端部を貫通してはならない。
       分離脚強度及び接合·分                                                     7.4
                            右欄に規定する試験を実施した結果,分離脚及び接合·分離部
       離部強度            分に安全を損なう損傷,外れ及び亀裂又は破損があってはなら
                            ない。また,使用上支障のある変形を生じてはならない。
       耐久性                                                                     7.5
                            右欄に規定する試験を実施した結果,多脚つえに,安全を損な
                            う損傷及び亀裂又は破損があってはならない。また,使用上支
                            障のある変形を生じてはならない。
                            脚部がその脚端部を貫通してはならない。

7 試験方法

7.1 試験条件

  試験条件は,次による。
a) 試験は室温21 ℃±5 ℃で行う。
b) つえ高さは最高位置にして試験を行う。
c) 試験は安定性,静的強度,分離脚強度及び接合·分離部強度,耐久性の順に行い,全ての試験を1本
    の供試体で行う。ただし,分離脚強度試験は脚端部を外して実施するので,予備の脚端部を再施工し
    て耐久性試験を実施してもよい。
d) 試験前及び各試験後に確認した明白な欠損などは全て試験報告書に記入し,後の試験によって発生し
    た異常と明確に区別する。

7.2 安定性試験

7.2.1 内側方向安定性試験
  内側方向安定性試験は,次による。
a) 丁番と平行に高さ8 mmのストッパを取り付けた平らで傾斜可能な試験台を準備する(図6参照)。
b) 供試体を,進行方向に対し製造業者が意図する使用方向で使用者に近くなる2脚の脚端部をストッパ
    に接触させ静置する。7.1 b) に規定するように,つえ高さは最高位置とする。また,この際,高さ調
    節は製造業者が提供する取扱説明書の指示に従い,固定する。
c) 直接又は荷重当具を介してハンドグリップ荷重参照点に25 kg±0.5 kgのおもりを鉛直に負荷し,この
    状態を維持する。
d) 負荷方法は,安定性試験に影響を与えない方法とする。
e) 試験台の傾斜角度を0度から増加させ,供試体が転倒する角度を測定し測定転倒角度として記録する。
    測定転倒角度の小数点第1位を0.5度単位で切り捨てて表示転倒角度として公表する(例 : 0度≦測定
    転倒角度<0.5度は0度,0.5度≦測定転倒角度<1.0度は0.5度と表示する。)。

――――― [JIS T 9267 pdf 9] ―――――

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T 9267 : 2020
記号
1 傾斜台角度
2 丁番の中心線と平行な線
3 3脚つえ
4 丁番の中心線
5 4脚つえ
6 5脚つえ
7 ストッパ
   使用者側
 (右手の場合)
                                a) 内側方向安定性試験(上方から)
                               (右手使用者の場合,手前が進行方向)
記号
F 負荷方向
1 負荷位置(ハンドグリップ荷重参照点)
2 傾斜台角度
3 ストッパ
                                b) 内側方向安定性試験(正面から)
                                    図6−内側方向安定性試験
7.2.2 外側方向安定性試験
  外側方向安定性試験は,次による。
a) 丁番と平行に高さ8 mmのストッパを取り付けた平らで傾斜可能な試験台を準備する(図7参照)。
b) 供試体を,製造業者が意図する使用方法で使用者から遠い側の隣り合う2脚の脚端部をストッパに接
    触させ静置する。7.1 b) に規定するように,つえ高さは最高位置とする。また,この際,高さ調節は
    製造業者が提供する取扱説明書の指示に従い,固定する。
c) 直接又は荷重当具を介してハンドグリップ荷重参照点に25 kg±0.5 kgのおもりを鉛直に負荷し,この
    状態を維持する。
d) 負荷方法は,安定性試験に影響を与えない方法とする。
e) 試験台の傾斜角度を0度から増加させ,供試体が転倒する角度を測定し測定転倒角度として記録する。
    測定転倒角度の小数点第1位を0.5度単位で切り捨てて表示転倒角度として公表する(例 : 0度≦測定

――――― [JIS T 9267 pdf 10] ―――――

                                                                                             9
                                                                                   T 9267 : 2020
    転倒角度<0.5度は0度,0.5度≦測定転倒角度<1.0度は0.5度と表示する。)。
f) この試験を,図6のように全ての外側方向(隣り合う2脚の脚端部を結ぶ線を軸とする。)について実
    施する。
記号
1 傾斜台角度
2 丁番の中心線と平行な線
3 3脚つえ
4 丁番の中心線
5 4脚つえ
6 5脚つえ
7 外側安定性試験を行う軸
8 ストッパ
                                    図7−外側方向安定性試験

7.3 静的強度試験

  静的強度試験は,次による。
a) 丁番と平行に高さ8 mmのストッパを取り付けた平らで傾斜可能な試験台を準備する。
b) 供試体を,進行方向に対し製造業者が意図する使用方向で傾斜可能な試験台に静置し,使用者から遠
    い側を軸とし供試体が転倒する直前まで傾斜させる(図8参照)。ただし,この際,傾斜角度は最大
    3.0度とする。また,7.1 b) に規定するようにつえ高さは最高位置とし,高さ調節は製造業者が提供す
    る取扱説明書の指示に従い,固定する。
c) 直接又は荷重当具を介してハンドグリップ荷重参照点に,1 000 N±2 %の力を5秒以上の時間をかけ
    て鉛直方向に負荷し,10秒以上保持する。ただし,最大使用者体重が100 kgでない場合,最大使用者
    体重1 kg当たり10.0 N±2 %の力を試験力とする。この試験力は350 N±2 %を下回ってはならない。
    試験荷重を負荷することによって供試体が転倒する場合には,試験台の傾斜を供試体が転倒しない角
    度に調節してもよい。
d) 試験中供試体にずれ·回転·浮き上がりが発生する場合には,ストッパなどによってこれを防止して
    もよい。
e) 試験後,目視,感触などによって表1の静的強度の項目に規定する要求性能を満たすことを確認する。
f) 静的強度試験は,試験台を傾斜させ試験荷重を鉛直にかけて行う方法又は供試体を水平面に置き試験
    荷重を傾斜角度からかけて行う方法のいずれでもよい。

――――― [JIS T 9267 pdf 11] ―――――

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T 9267 : 2020
記号
1 傾斜台角度
2 丁番の中心線と平行な線
3 3脚つえ
4 丁番の中心線
5 4脚つえ
6 5脚つえ
7 ストッパ
   使用者側(右手の場合)
                                       a) 供試体の設置方法
                               (右手使用者の場合,手前が進行方向)
記号
F 負荷方向
1 負荷位置(ハンドグリップ荷重参照点)
2 傾斜台角度
3 ストッパ
                                b) 試験荷重の負荷位置及び負荷方向
                                       図8−静的強度試験

7.4 分離脚強度及び接合・分離部強度試験

  分離脚強度及び接合·分離部強度試験は,次による。
a) 分離脚に取り付けられている脚端部を外し,供試体を逆さまにし,シャフトの分離脚接合·分離部に
    近い部分を固定する。
b) 分離脚端面の中央に450 N±2 %の力を5秒以上の時間をかけて鉛直方向に負荷し,10秒以上保持す

――――― [JIS T 9267 pdf 12] ―――――

                                                                                            11
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    る(図9参照)。ただし,最大使用者体重が100 kgでない場合,最大使用者体重1 kg当たり4.5 N±2 %
    の力を試験力とする。この試験力は157.5 N±2 %を下回ってはならない。
c) この試験を全ての分離脚において実施する。
d) 試験後,目視,感触などによって表1の分離脚強度及び接合·分離部強度の項目に規定する要求性能
    を満たすことを確認する。
記号
F 負荷方向
1 接合·分離部
2 ベース
                            図9−分離脚強度及び接合·分離部強度試験

7.5 耐久性試験

  耐久性試験は,次による。
a) 7.3 a),b) に規定するように供試体を静置し試験台を傾斜させる(図8参照)。7.1 b) に規定するよう
    に,つえ高さは最高位置とする。また,この際,高さ調節は製造業者が提供する取扱説明書の指示に
    従い,固定する。繰返し負荷によって供試体にずれ·回転·浮き上がりが発生する場合には,ストッ
    パなどによってこれを防止してもよい。
b) 直接又は荷重当具を介して450 N±2 %の力をハンドグリップ荷重参照点に鉛直に20万回繰り返し負
    荷する。ただし,最大使用者体重が100 kgでない場合,最大使用者体重1 kg当たり4.5 N±2 %の力
    を試験力とする。この試験力は157.5 N±2 %を下回ってはならない。試験荷重を負荷することによっ
    て供試体が転倒する場合には,試験台の傾斜を供試体が転倒しない角度に調節してもよい。
c) 繰返し負荷頻度は毎分60回を超えてはならない。
d) 試験中に供試体にずれ·回転が発生した場合には,試験を一時停止し規定の位置に戻した後,試験を
    継続する。
e) 試験後,目視,感触などによって表1の耐久性の項目に規定する要求性能を満たすことを確認する。
f) 耐久性試験は,試験台を傾斜させ試験荷重を鉛直にかけて行う方法又は供試体を水平面に置き試験荷
    重を傾斜角度からかけて行う方法のいずれでもよい。

8 検査

  つえの検査は,形式検査1) と受渡検査2) とに区分し,検査の項目は,それぞれ次の項目を箇条7及び目
視によって試験したとき,箇条5,箇条6,箇条9及び箇条10に適合したものを合格とする。
  なお,形式検査及び受渡検査の,抜取検査の方式は,受渡当事者間の協議によって定める。

――――― [JIS T 9267 pdf 13] ―――――

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T 9267 : 2020
    注1) 製品の品質が設計で示した全ての特性を満足するかどうか判定するための検査。
       2) 既に形式検査に合格したものと同じ設計·製造による製品の受渡しをする場合,必要と認める
          特性を満足するものであるかどうかを判定するための検査。
a) 形式検査項目
  1) 外観
  2) 構造
  3) 性能
  4) 表示及び取扱説明書
b) 受渡検査項目
  1) 外観
  2) 表示及び取扱説明書

9 表示

  この規格の全ての要求事項に適合したつえには,見やすい箇所に容易に消えない方法で,次の事項を表
示しなければならない。表示箇所,スペースに制約がある場合には,少なくともa),c) 及びf) を表示し,
その他の事項は,必要なときに使用者が容易に把握できるような対応を行う。
a) 製品の名称又は型式番号
b) (この)規格番号
c) 製造業者若しくは輸入業者の名称又はその略号
d) 製造年月若しくは輸入年月又はその略号
e) 製造番号
f) 最大使用者体重
g) つえ高さ調節の最大伸縮位置
h) 表示転倒角度(内側,全ての外側)

10 取扱説明書

  製造業者又は輸入業者は,製品出荷時に取扱説明書を添付しなければならない。取扱説明書には,次の
事項を記載する。
a) 製品の主要寸法,質量,材質など
b) 最大使用者体重
c) 転倒角度(内側,全ての外側)
d) 使用対象者
e) 使用方法,取扱上の注意
f) 調節方法
g) 使用上の注意,警告[坂道,不整地,路肩,階段·エスカレータなどで使用する場合の注意,摩耗·
    劣化等による影響(例えば,脚端部,高さ調整部の摩耗)など]
h) 不適切な使い方への注意事項,警告
i) 腐食及び経年劣化を回避するための注意
j) 不具合発生時の処置方法,販売業者への連絡方法
k) その他必要と思われる事項

――――― [JIS T 9267 pdf 14] ―――――

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l) 製造業者名又は輸入業者名及びその住所,電話番号及びホームページアドレス又はファクシミリ番号

――――― [JIS T 9267 pdf 15] ―――――

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JIS T 9267:2020の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 11334-4:1999(MOD)

JIS T 9267:2020の国際規格 ICS 分類一覧

JIS T 9267:2020の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JIST0102:2011
福祉関連機器用語[支援機器部門]

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