JIS T 9268:2013 福祉用具―補高便座 | ページ 6

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附属書A
(参考)
設計における配慮事項
A.1 福祉用具に関連して起こる可能性があるハザード及び関連する要因の例
福祉用具に関連して起こる可能性があるハザード及び関連する要因の例を,次に示す。ただし,全てを
網羅しているわけではなく,ハザード及び要因を特定する手助けとなるよう例示した。
a) 可動部分(介助者,子供などが手,足,指などを挟み込む構造の存在)に関する危険性
例 昇降形の稼動部に指を入れた場合に挟まれて怪我をしないか。
b) 接触アレルギー誘発性などに関する危険性
例 適切な表示がされているか。
c) 衛生上の安全を維持できない状況の発生
例 汚物で汚れないか。
d) 補高便座を設置する便器との不適合性
例 タンクと手すりとの間に生じる隙間に頸部が挟まれることはないか。
e) 廃棄物及び/又は福祉用具の廃棄による汚染
例 ごみとして燃やす場合などに有毒な物質を排出しないか。
f) 不適切な操作説明,例えば,
1) 複雑すぎる操作説明
2) 使いにくい,まとまりのない取扱説明書
例 専門用語を不必要に使っていないか。
g) 合理的に予見できる誤使用
例 蓋をした状態で座ってしまった場合にも問題はないか。
h) 使用者の身体状況に適合させるための改造による危険性
例 便座の一部を高くするなどした場合にも問題はないか。
i) 製品の寿命に関する適切な情報提供
例 一部の部品が他に比べて製品寿命が短いなどの場合。
j) 他の機器と併用される場合との不適合性
例 車いすからの移乗を行う場合は問題ないか。
A.2 多様なユーザに対する人間工学的検討項目
高齢者,障害者などの,身体機能が低下した多様なユーザに対する人間工学的検討項目を,次に示す。
ただし,全てを網羅しているわけではなく,検討項目を特定する手助けとなるよう例示した。
注記 JIS Z 8071の9.(心身の機能と障害の影響に関する詳細)などが参考となる。
a) 動作能力の低下,筋力の低下及び体力の低下による意図しない動き
例 握力は,30歳代に対して60歳以上では,約77 %であった [1]。
b) 機器の操作力の低下
例 押す力は,30歳代に対して60歳代では,約70 %であった [1]。
注記 JIS T 9241-2では,指による操作は5 N,手による操作は105 N,足による操作は300 N及び

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回転による操作は1.9 Nm以下としている。
c) 認知症を含む使用者の知的能力の低下及び短期記憶能力の低下した使用者による使用
例 短期記憶に関わる単語の再生では,20歳29歳では約14語であるのに対して,60歳以上では
約7語であった [2]。
d) 平衡を保ち転倒を避ける能力の低下した使用者による使用
例 閉眼における両足立ち時の重心動揺軌跡長は,20歳代に対して60歳代では,約1.23倍であっ
た [3]。
e) 色知覚能力の低下,視力の低下,聴覚機能の低下,触覚感度の低下などによる不十分な情報取得
例 視標面照度1 000 lxにおける近距離での生活視力は,35歳44歳では約1.05に対して,65歳
74歳では約0.6であった [4]。
参考文献
[1] 独立行政法人製品評価技術基盤機構 : 人間特性データベース
http://www.tech.nite.go.jp/human/
[2] 佐藤方彦 監修;人間工学基準数値数式便覧,第1版3刷,P.169,1999年3月,技報堂出版
[3] 一般社団法人人間生活工学研究センター : 高齢者対応基盤整備データベース
http://www.hql.jp//project/funcdb2000/
[4] 独立行政法人産業技術総合研究所・人間福祉医工学研究部門編;人間計測ハンドブック,P.444,2003
年9月,朝倉書店
JIS T 9241-2 移動・移乗支援用リフト−第2部 : 移動式リフト
JIS Z 8071 高齢者及び障害のある人々のニーズに対応した規格作成配慮指針
EN BS 12182:1999,Technical aids for disabled persons−General requirements and test methods

JIS T 9268:2013の国際規格 ICS 分類一覧

JIS T 9268:2013の関連規格と引用規格一覧