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図3−便器での立ち座り用手すりの例
5 リスクマネジメントによる設計
リスクマネジメントによる設計は,次による。
a) 手すりに対して,リスクマネジメントによる設計を次の事項について実施しなければならない。
1) 製品上に存在する隙間について,7.10の試験で評価しない箇所のリスク。
2) 手すりの部品間,又は手すりと床との間に身体の一部が挟まって抜けなくなるリスク。
3) 衣服などが絡まるリスク。
4) ベース部につまずくリスク。
5) 手すりと他の機器との衝突,消毒剤などによって製品にきずが付き,人体が負傷するリスク。
6) 手すりを構成する部品の材料(表面の塗装,皮膜及びその他表面処理を含む。)が人体に対して化学
的に及ぼすリスク(アレルギー,毒性など)。
7) 最大使用者体重が100 kg超である場合。
b) 個別製品の設計には,a) 以外に想定されるリスクはないか考慮し,あればリスクマネジメントを実施
する項目として付け加えなければならない。
c) 福祉用具一般に考えられるハザード及び人間工学から見たハザードにも配慮することが望ましい。そ
れらを附属書Aに例示する。
d) リスクマネジメントの実施手順及び結果を,製造業者又は販売業者によって文書化し,それを維持し
なければならない。
6 外観及び性能
6.1 外観
外観は,目視及び触感によって製品を調べたとき,次の事項を満足しなければならない。
a) 仕上げが良好で,各部に変形,亀裂,ばり,鋭い突起,さび及び表面処理のがれがあってはならな
い。
b) 各部の端部に角がある場合は,角に丸みを付けるか,面取りを行わなければならない。
c) 金属部(ねじ部を含む。)には,防せい(錆)処理を施さなければならない。
6.2 性能
性能は,表2による。
――――― [JIS T 9281 pdf 6] ―――――
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表2−性能
項目 性能 試験項目
全体の強度 水平方向の強度 右欄に示す試験方法によって製品を試験した結果,各部7.3
水平方向の耐久性 に使用上支障のある異常があってはならない。ただし,7.4
水平方向の衝撃性 使用者体重が100 kg超である場合は,試験荷重はリス 7.5
垂直下向きの強度 クマネジメントによって製造業者が指定した値によっ 7.6
垂直下向きの耐久性 て行う。 7.7
垂直上向きの強度 7.8
耐熱性 7.9
挟込み回避確認 7.10に示す条件に適合しなければならない。 7.10
7 試験方法
7.1 試験条件
試験条件は,次による。
a) 試験は,JIS Z 8703に規定する温度(20±5)℃,相対湿度(65±20)%で行う。
b) 組立部分がある場合は,その部分を正常,かつ,決められたとおりに組み立て,がたつきがあっては
ならない。
c) 長さ調整及びロック部分がある場合は,最も不利な長さにセットして,ロックを確実に行う。
d) 最大使用者体重を100 kg超とする場合は,リスクマネジメントを行い試験値を指定する。
7.2 試験用具
7.2.1 静荷重負荷用ジグ
荷重のかけ方は,荷重点を押す方法と引っ張る方法とがあり,そのいずれによってもよい。荷重をかけ
る幅は50 mm以下の範囲とし,押すジグの材料には金属,硬い木材,プラスチックなどを使用する。引っ
張るジグに使うベルトの材料には,金属,樹脂,布材などで可とう(撓)性があり伸びないものを使用す
る。
7.2.2 衝撃試験用おもり(錘)
衝撃試験用おもりは,図4に示す形状で,質量20 kg,直径200 mmの円筒形の砂袋とする。
単位 mm
図4−衝撃試験用おもり
――――― [JIS T 9281 pdf 7] ―――――
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7.2.3 隙間への挟込み回避確認試験ジグ
隙間への挟込み回避確認試験ジグは,次による。
a) 頭部の閉じ込めに対する隙間の確認試験ジグは,図5に示す形状の剛体を使用する。
b) けい(頸)部の引き込まれに対する隙間の確認試験ジグは,図6に示す形状の剛体を使用する。
単位 mm 単位 mm
図5−頭部の閉じ込め隙間確認試験ジグ 図6−けい(頸)部の引き込まれ隙間確認試験ジグ
7.3 水平方向の強度試験
ベース部を水平な平面に固定して,グリップ部の最も不利な点に500 Nの負荷を10回,各30秒間,水
平に加える。ただし,便器での立ち座り用では,400 Nの負荷とする。負荷後,各部に使用上支障のある
異常がないことを目視で確認する(図7参照)。
図7−水平静荷重試験
7.4 水平方向の耐久性試験
ベース部を水平な平面に固定して,グリップ部の最も不利な点に200 Nの負荷を20 000回,水平に繰り
返し加える。負荷後,各部に使用上支障のある異常がないことを目視で確認する(図8参照)。
図8−水平耐久性試験
7.5 水平方向の衝撃性試験
ベース部を水平な平面に固定して,グリップ部の最も不利な点に図4に示す衝撃試験用おもりを用いて,
15°の角度から自然落下させ,水平に1回衝突させる。衝突後,各部に使用上支障のある異常がないこと
を目視で確認する(図9参照)。
――――― [JIS T 9281 pdf 8] ―――――
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図9−水平耐衝撃性試験
7.6 垂直下向きの強度試験
垂直下向きの強度試験は,次による。
a) ベース部を水平な平面に固定して,グリップ部の最上部で,グリップの中央又は最も不利な点(図10
参照),及びグリップの左右いずれかの端部(図11参照)に負荷する。
b) 立ち座り用及び移動用は,750 Nの負荷を10回,各30秒間,垂直下向きに加える。
c) 便器での立ち座り用は,800 Nの負荷を10回,各30秒間,垂直下向きに加える。
d) 負荷後,各部に使用上支障のある異常がないことを目視で確認する。
注記 グリップの中央又は最も不利な点への負荷は,グリップ部の強度確認,グリップの左右いずれ
かの端部への負荷は,支柱のロック部の強度確認を目的とする。
図10−垂直下向き静荷重試験(中央荷重) 図11−垂直下向き静荷重試験(端部荷重)
7.7 垂直下向きの耐久性試験
ベース部を水平な平面に固定して,グリップ部の最も不利な点に400 N の負荷を20 000回垂直下向きに
加える。負荷後,各部に使用上支障のある異常がないことを目視で確認する(図12参照)。
7.8 垂直上向きの強度試験
ベース部を水平な平面に固定して,グリップ部の最も不利な点に500 Nの負荷を10回,各30秒間,垂
直上向きに加え,支柱部からグリップ部が抜けないことを確認する。試験後,各部に使用上支障のある異
常がないことを目視で確認する(図13参照)。
――――― [JIS T 9281 pdf 9] ―――――
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図12−垂直下向き荷重耐久性試験 図13−垂直上向き静荷重試験
7.9 耐熱性試験
手すりを温度が一定に保たれる高温槽又は試験室に入れ,65 ℃の設定温度で,5時間放置した後,各部
に外観上及び使用上支障のある変質を含む異常がないことを目視及び触感によって確認する(図14参照)。
図14−耐熱性試験
7.10 挟込み回避確認試験
挟込み回避確認試験は,次による。
a) 閉じた隙間
1) 頭部が閉じ込められるリスクが想定される箇所では,図5の試験ジグを50 Nの力で隙間に差し込み,
直径120 mmの部分が隙間を通り抜けないとき,適合とする(図15参照)。
2) 図15の,ベース部と最下グリップとの間の隙間は,リスクマネジメントで対応し,試験の対象とし
ない。
b) 開いた隙間
1) けい(頸)部が引き込まれるリスクが想定される箇所では,図6の試験ジグを50 Nの力で隙間に押
し込む。
2) ジグの最上面が手すりの上面より上にあれば適合とする[図16 a) 参照]。
3) ジグの最上面が手すりの上面より下まで来れば不適合とする[図16 b) 参照]。
――――― [JIS T 9281 pdf 10] ―――――
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JIS T 9281:2016の国際規格 ICS 分類一覧
- 11 : 医療技術 > 11.180 : 心身障害者用の介護用具
JIS T 9281:2016の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JIST0102:2011
- 福祉関連機器用語[支援機器部門]
- JISZ8703:1983
- 試験場所の標準状態