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なお,福祉用具全般に想定されるハザード及び関連する要因にも配慮することが望ましい。それらを附
属書Aに例示する。
a) 留置形手すりにおけるリスクマネジメントによる設計を,次の事項について実施しなければならない。
1) 製品上に存在する隙間について,10.8の試験で評価されない箇所のリスク。
2) 留置形手すりと支持構造体及び周辺の固定構造体との間に身体の一部が挟まって抜けなくなるリス
ク。
3) 留置形手すりの突起などで衣服などが絡みつくリスク,及び留置形手すりの端部などが袖口に入り
込むリスク。
4) 留置形手すりを構成する部品の材料(表面の塗装,皮膜,その他の表面処理を含む。)が人体に対し
て化学的危害(アレルギー,毒性など)を及ぼすリスク。
5) 留置形手すりを取り付ける支持構造体を破壊・破損するリスク。
b) 個別製品の設計においては,a)以外に想定されるリスクはないか考慮し,あればリスクマネジメント
を実施する項目として付け加えなければならない。
c) リスクマネジメントによってリスクを低減させた後にも残るリスクは,残留リスクとして説明書に示
さなければならない。
6 性能
性能は,表2による。
表2−性能
項目 性能 試験項目
静的強度 鉛直方向 右欄に示す試験によって製品を試験した結果,締結部品を含む10.4.1
水平方向 留置形手すりを構成する各部に使用上支障となる変形があって10.4.2
耐久性 鉛直方向 はならない。 10.5.2
水平方向 10.5.3
耐衝撃性 水平方向 10.6
取付強度 水平方向 右欄に示す試験によって製品を試験した結果,留置形手すりの10.7
脱落及び使用上支障のある過度のずれがあってはならない。ま
た,規定の荷重値に至るまで負荷を加えることができず,移動
してしまうものは不適合とする。
7 形状・寸法
7.1 握り部の形状・寸法
留置形手すりの握り部が円形である場合,ノギスで太さを測定したとき,その径は25 mm45 mmを推
奨寸法とする。それ以外の形状である場合は,人間工学的に握りやすい形状であることが望ましい。
7.2 留置形手すりの製品上の隙間
使用者の頭部又はけい(頸)部が留置形手すりの隙間に挟み込まれるリスクが想定される場合には,10.8
に規定する試験を実施し,これに適合しなければならない。ただし,試験に適合できるように設計し直す
ことによって,製品の用途・使用方法が著しく阻害される場合には,設計変更はせずにリスクマネジメン
トで対応するものとする。
――――― [JIS T 9283 pdf 6] ―――――
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8 外観
外観は,目視及び触感によって製品を調べたとき,次の事項を満足しなければならない。
a) 仕上げは良好で,各部に変形,亀裂,ばり,鋭い突起,さび及び表面処理のがれがあってはならな
い。
b) 各部の端部に角がある場合は,角に丸みを付けるか,又は面取りを行わなければならない。
9 材料
材料は,過度にたわ(撓)むものを使用してはならない。また,材料には締結部品(ねじなど)も含め,
想定される使用環境に耐え得る素材を選定するか,又は必要な防せい(錆)処理を施さなければならない。
10 試験方法
10.1 試験条件
試験条件は,次による。
a) 試験は,JIS Z 8703に規定する標準状態の温度(20±15)℃で行う。また,試験実施時の相対湿度デ
ータを記録として残す。
b) 静的強度試験,耐久性試験及び耐衝撃性試験は,留置形手すりを10.2.4に規定する試験用の支持構造
体に,製造業者が指定又は推奨する締結部品で固定し,実施する。供試体が支持構造体から脱離しな
いように,製造業者が指定又は推奨する締結部品に加え,必要な固定具を使用してもよい。
c) 取付強度試験は,供試体を10.2.4に規定する試験用の支持構造体に,製造業者が指定又は推奨する締
結部品で,通常の使用時と同一な方法によって固定し,実施する。
d) 高さ又は長さが調節可能な部位は,最も伸ばした状態で試験を実施するなど,最も強度的に不利な条
件で行う。
e) 便器取付形及び上がりかまち(框)取付形のように,左右対称に握り部があるものは,その両方にお
いてそれぞれ試験を実施する。
f) 水平方向の静的強度試験及び耐久性試験並びに取付強度試験は,前後左右全ての方向について,それ
ぞれ試験を実施する。
g) 各試験の実施順序は規定しない。また,別の供試体を試験ごとに準備してもよい。
h) 特に規定のない限り,力の許容差は±5 %,質量の許容差は±0.5 %,寸法の許容差は±0.5 mmとする。
10.2 試験用具
10.2.1 荷重負荷用ジグ
荷重のかけ方は,荷重位置を押す方法と引っ張る方法とがあり,そのいずれによってもよい。荷重をか
ける幅は50 mm以下の範囲とし,押すジグには金属,硬い木材,プラスチックなどの材料の当て板を使用
する。引っ張るジグに使うベルトの材料には金属,樹脂,布材などで可とう(撓)性があり伸びないもの
を使用する。
10.2.2 衝撃試験用ジグ
衝撃試験用ジグは,図2に示す形状で,質量20 kg±0.5 kg,直径200 mm±10 mmの円筒形の砂袋とす
る。
――――― [JIS T 9283 pdf 7] ―――――
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単位 mm
図2−衝撃試験用ジグ
10.2.3 製品上の隙間への挟み込み回避確認試験用ジグ
製品上の隙間への挟み込み回避確認試験用ジグは,次による。
a) 頭部の閉じ込め回避に関する隙間の確認試験用ジグは,図3に示す形状の剛体とする。
b) けい(頸)部の引き込まれ回避に関する隙間の確認試験用ジグは,図4に示す形状の剛体とする。
単位 mm
記号
1 質量 5.13 kg±0.05 kg
2 中央線
注記 Raは算術平均粗さであり,図示記号は表面性状の要求事項を示す。Raが1.6 μm以下であることを示して
いる(JIS B 0031参照)。
図3−頭部の閉じ込め隙間確認試験用ジグ
――――― [JIS T 9283 pdf 8] ―――――
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単位 mm
記号
1 質量 3.34 kg±0.05 kg
2 中央線
注記 Raは算術平均粗さであり,図示記号は表面性状の要求事項を示す。Raが1.6 μm以下であることを示して
いる(JIS B 0031参照)。
図4−けい(頸)部の引き込まれ隙間確認試験用ジグ
10.2.4 試験用支持構造体
静的強度試験,耐久性試験,耐衝撃性試験及び取付強度試験に使用する支持構造体は,次による。
a) 便器取付形手すりの場合には,一般的に販売されている表面が滑らかな陶器製の洋式便器を支持構造
体として使用する。支持構造体として試験に使用する便器は,留置形手すりの製造業者が指定し,使
用した便器に関する情報(便器製造業者名,型式など)を記録として残す。
b) 浴槽取付形手すりの場合には,水平で平滑な表面をもつ厚さ2 mm以上のステンレス鋼板を両面に貼
付した,たわ(撓)みの発生しない支持構造体,及びJIS K 7060に規定するバーコル硬度計(A形式)
による測定で30以上の硬さをもつFRP(ガラス繊維強化プラスチック)板を両面に貼付した支持構
造体の2種類を使用する。静的強度試験,耐久性試験及び耐衝撃性試験は,ステンレス鋼板貼付の支
持構造体を使用して行い,取付強度試験はステンレス鋼板貼付の支持構造体及びFRP板貼付の支持構
造体の両方で実施する。
c) 上がりかまち(框)取付形手すりの場合には,水平で平滑な表面をもつ厚さ2 mm以上のたわ(撓)
みの発生しないステンレス鋼板又は木材を使用する。
d) 突っ張り形手すりの場合には,水平で平滑な表面をもつ厚さ2 mm以上のたわ(撓)みの発生しない
ステンレス鋼板を使用する。
10.3 試験荷重
静的強度試験,耐久性試験及び取付強度試験で用いる荷重値は,最大使用者体重が80 kg以下の場合,
表3による。ただし,製造業者が設定する最大使用者体重が80 kgを超える場合は,製造業者が設定する
最大使用者体重を用いて表4の計算方式によって算出した値とする。
表3−試験荷重値(最大使用者体重が80 kg以下の場合)
試験項目 試験荷重値 (N)
便器取付形 浴槽取付形 上がりかまち(框) 突っ張り形
取付形
静的強度試験(鉛直方向) 640 400 600 600
静的強度試験(水平方向) 320 600 400 400
耐久性試験(鉛直方向) 320 320 320 320
耐久性試験(水平方向) 160 160 160 160
取付強度試験(水平方向) 200 400 200 400
――――― [JIS T 9283 pdf 9] ―――――
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表4−試験荷重値計算方式(最大使用者体重が80 kgを超える場合)
試験項目 試験荷重値(N)
静的強度試験(鉛直方向) m f
F
静的強度試験(水平方向) 80
耐久性試験(鉛直方向) ここに,F : 試験荷重値(N)
耐久性試験(水平方向) m : 製造業者が設定する最大使用者体重(kg)
取付強度試験(水平方向) f : 表3に規定されている試験荷重値(N)
10.4 静的強度試験
10.4.1 鉛直方向の静的強度試験
鉛直方向の静的強度試験は,次による。留置形手すりにおける鉛直方向の荷重負荷位置の例を図5に示
す。
a) 留置形手すりを10.2.4に規定する試験用支持構造体に取り付け,留置形手すりの使用にあたり最も強
度的に不利な位置に,10.2.1に示す荷重負荷用ジグを用いて,表3の試験荷重値又は表4の計算式に
よって算出した試験荷重値を鉛直方向に60秒間加える。これを1回行う。
b) 負荷後,負荷を外した後に目視及び触感によって使用上支障のある変形がないことを確認する。
a) 便器取付形 b) 浴槽取付形
c) 上がりかまち(框)取付形 d) 突っ張り形
図5−鉛直方向の静的強度試験の荷重負荷位置の例
10.4.2 水平方向の静的強度試験
水平方向の静的強度試験は,次による。留置形手すりにおける水平方向の荷重負荷位置の例を図6に示
す。
――――― [JIS T 9283 pdf 10] ―――――
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JIS T 9283:2018の国際規格 ICS 分類一覧
- 11 : 医療技術 > 11.180 : 心身障害者用の介護用具
JIS T 9283:2018の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK7060:1995
- ガラス繊維強化プラスチックのバーコル硬さ試験方法
- JIST0102:2011
- 福祉関連機器用語[支援機器部門]
- JISZ8703:1983
- 試験場所の標準状態