JIS X 0012:1990 情報処理用語(データ媒体,記憶装置及び関連装置)

JIS X 0012:1990 規格概要

この規格 X0012は、情報処理におけるデータ媒体,記憶装置及び関連装置に関する用語とその読み方,意味及び対応英語について規定。

JISX0012 規格全文情報

規格番号
JIS X0012 
規格名称
情報処理用語(データ媒体,記憶装置及び関連装置)
規格名称英語訳
Glossary of terms used in information processing (Data Media, Storage and Related Equipment)
制定年月日
1987年4月1日
最新改正日
2019年10月21日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

ISO 2382-12:1988(MOD)
国際規格分類

ICS

01.040.35, 35.220.01
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
情報基本 2016
改訂:履歴
1987-04-01 制定日, 1990-03-01 改正日, 1995-02-01 確認日, 2000-06-20 確認日, 2004-11-20 確認日, 2009-10-01 確認日, 2014-10-20 確認日, 2019-10-21 確認
ページ
JIS X 0012:1990 PDF [19]
                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
X 0012-1990

情報処理用語(データ媒体,記憶装置及び関連装置)

Glossary of Terms Used in Information Processing (Data Media, Storage and Related Equipment)

1. 適用範囲 この規格は,情報処理におけるデータ媒体,記憶装置及び関連装置に関する主な用語とそ
の読み方,意味及び対応英語について規定する。
備考1. この規格は,国際規格ISO 2382-12-1988に準拠している。
2. この規格の中で,点線の下線を施してある箇所は,国際規格ISO 2382-12-1988にはない事項
を示す。この場合,対応英語は,参考とする。
対応国際規格 :
ISO 2382-12-1988 Information processing systems−Vocabulary−Part 12 : Peripheral equipment
2. 表記法 この規格は,各用語を番号,用語及び読み方,意味並びに対応英語の四つの欄に分けて規定
する。それぞれの欄における表記法を,次に示す。
(1) 番号に関する表記法 番号は,6個の数字によって表す。最初の2けたの数字は,情報処理用語の規
格番号の末尾2けたを,次の2けたの数字は,同一分類の個々の規格の区分を意味する。最後の2け
たの数字は,同一区分内の一連番号とする。
(2) 用語及び読み方に関する表記法
(2.1) 同一の意味を表す用語が二つ以上ある場合は,その順位に従って優先使用する。
(2.2) 用語の一部が丸括弧 ( ) で囲まれている場合は,その部分を省略してもよいことを表す。この場
合は,括弧内を省略したときと省略しないときとの間に優先順位はない。
例1 : “フロッピー(ディスク)”は,“フロッピー”又は“フロッピーディスク”を表す(12.01.37
参照)。
例2 : “(磁気テープ)カセット”は,“カセット”又は“磁気テープカセット”を表す。(12.01.32参
照)。
(2.3) 用語が幾つもの類似の意味をもつ場合には,それらを個々に規定し,用語の前に(1),(2),···を付け
る。
例 : “(1)記憶する”(12.02.02参照),“(2)記憶する”(12.02.03参照)
(2.4) 類似の意味をもち,しかもその記述がほとんど同一である二つ以上の用語は,角括弧 [ ] を用い
て一つにまとめて規定する。この場合,用語及び読み方の欄の [ ] に対して,意味の欄の対応す
る [ ] を採る。
例 : 次の(a)と(b)とは同じである(12.02.37参照)。

――――― [JIS X 0012 pdf 1] ―――――

2
X 0012-1990
(a)用語及び読み方 意味
読取り[書込み]サイクル時間
分離した読取りと書込みのサイクルをもつ記憶装置において,連続
する読取り[書込み]サイクルの開始点の間の最小時間。
(b)用語及び読み方 意味
読取りサイクル時間 分離した読取りと書込みのサイクルをもつ記憶装置において,連続
する読取りサイクルの開始点の間の最小時間。
書込みサイクル時間 分離した読取りと書込みのサイクルをもつ記憶装置において,連続
する書込みサイクルの開始点の間の最小時間。
(2.5) 用語の使用分野を限定する場合には,用語に引き続く丸括弧 ( ) 内にそのことを示す。
例 : “ポケット(カード分類機における)”(12.06.31参照)
(2.6) 文法上の用法を用語に引き続く丸括弧 ( ) 内に示す。
例 : “OCR(省略形)”(12.01.53参照)
(2.7) 用語の読み方は,振り仮名によって示す。ただし,用語が英字からなり,その読み方が,各英字の
読み方どおりの場合には,振り仮名は付けない。
だいたい
例1: 代替トラック(12.01.09参照)
らむ
例2: RAM(12.02.14参照)
例3: OCR(12.01.53参照)
(3) 意味に関する表記法
(3.1) 文中で下線(実線)の引いてある語は,情報処理用語に関する日本工業規格(日本産業規格)に規定されている用語
であることを示す。
(3.2) 角括弧 [ ] の使い方については,(2.4)を参照のこと。
(4) 対応英語に関する表記法
(4.1) この欄の英語は,国際規格ISO 2382-12-1988に規定されている用語であって,規定されている意味
と対応する。
(4.2) 対応英語の使用上の注意事項がある場合には,対応英語に引き続く丸括弧 ( ) 内に示す。
(4.3) 対応英語に付けられた括弧内の注記の意味は,次のとおりとする。
(使用しないほうがよい。) : 国際規格及びこの規格では,この英語を使用しないので,使用しな
いほうがよいことを示す。
例 : 12.02.22 random access(使用しないほうがよい。)
(この意味では使用しないほうがよい。) : 国際規格及びこの規格では,他の意味で使われてい
るため,この英語を使用しないほうがよいことを示す。
例 : 12.01.26 packing density(この意味では使用しないほうがよい。)
また,角括弧及び使用分野を限定する丸括弧の用法は,“用語及び読み方”の欄と同様とする。
3. 情報処理用語(データ媒体,記憶装置及び関連装置) 主な用語について,次のとおり定める。
12. 周辺装置
12.01 データ媒体−一般用語

――――― [JIS X 0012 pdf 2] ―――――

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X 0012-1990
番号 用語及び読み方 意味 対応英語
みしようばいたい
12.01.01 未使用媒体 blank medium,
基準となる印及び利用者のデータが記憶されたことが
ないデータ媒体。 virgin medium
あ空きばいたい
12.01.02 媒体 empty medium
基準となる印だけを含み,利用者のデータを含まない
データ媒体。
しょうきょ
12.01.03 消去する データをデータ媒体から除去すること。 to erase
備考 消去は,通常,データを重ね書きするかポ
インタを削除することで行われる。
しょきか
12.01.04 初期化 initialization
機械を始動可能状態にするための操作,又はデータ媒
体を使用する前,若しくは処理を行う前に必要とされ
る操作。
12.01.05 フォーマッティング formatting
特定の計算機システムが媒体にデータを記憶し,後で
その媒体からデータを取り出せるようにするために,
データ媒体を初期化すること。
そうちゃく
12.01.06 装着する データ媒体を操作位置に取り付けること。 to mount
ま巻きもど戻す
12.01.07 磁気テープ又はせん孔テープを開始位置に戻すこと。 to rewind
12.01.08 トラック track
データ媒体が一つの読取り書込みヘッドを通過する際
に,その読取り書込みヘッドに対応するデータ媒体上
の経路。
だいたい
12.01.09 代替トラック, alternate track,
正常なトラックが傷ついたり,使用不能になったりし
こうたい
交代トラック alternative track
た際に,その代わりとして使用する予備のトラック。
さくいん
12.01.10 索引トラック index track
同じデータ媒体の他のトラック上のデータの位置決め
に必要な情報を保持するトラック。
こくじ
12.01.11 刻時トラック, clock track
タイミングの基準を与えるための信号パターンが記録
クロックトラック されているトラック。
あやま
12.01.12 誤りりつ率 error rate
伝送又は転送されたデータの総量に対する,検知され
た誤りの総数の割合。
あやま
12.01.13 誤りていせい
訂正 error correction
データの伝送,転送又は記憶の間に生じた誤りのある
データを訂正するのに使用する方法。
あやま
12.01.14 誤りけんしゅつ
検出 error detection
データが誤りなく伝送又は転送されたかどうかを判定
する方法。
12.01.15 ソフトエラー, soft error,
散発的に起こる誤りであって,次にデータを読み取る
いちじ
一時あやま
誤り ときに生じるとは限らないもの。 transient error
12.01.16 ハードエラー データ 読取りのたびに常に起こる永続的な誤り。hard error
12.01.17 バックアップ backup
喪失若しくは破壊されたデータの復元を助けるため
に,又はシステムの作動を維持するために使用する手
続き,技法又はハードウェアに関する用語。
12.01.18 プリントスルー print through
磁気媒体のある部分と他の部分とが接近して置かれた
ときに生じることのある記録されている信号の望まし
くない転写。
きじゅんえん
12.01.19 基準縁 reference edge,
データ 媒体の縁であって,データ媒体に関する仕様又
は測定のよりどころとするために使用するもの。 guide edge
12.01.20 (テープの)列, tape row,
磁気テープの基準縁に垂直な直線上にあって,並列に
テープフレーム 記録又は検出される2進文字の集まり。 tape frame
れつ列ピッチ
12.01.21 row pitch
記録済みのデータ媒体上でトラック方向に測った隣接
するテープの列間の距離。
12.01.22 トラックピッチ track pitch
トラックに対して垂直方向に測った隣接するトラック
間の距離
備考 トラックピッチは,トラック密度に反比例
する。

――――― [JIS X 0012 pdf 3] ―――――

4
X 0012-1990
番号 用語及び読み方 意味 対応英語
12.01.23 トラックみつど
密度 track density
トラックに対して垂直方向に数えた単位長当たりのト
ラックの数。
備考 トラック密度は,トラックピッチに反比例
する。
ぶつりきろくみつど
12.01.24 物理記録密度 physical recording density
一つのトラック上に記録された,単位長又は単位角度
当たりの磁化変化の数。
備考 通常使用する単位は,長さに対してはミリ
メートル当たりの磁化反転数 (ftpmm) であ
り,角度に対してはラジアン当たりの磁化
反転数 (ftprad) である。
12.01.25 ビットみつど
密度, 単位長又は単位面積当たりに記録された2進数字のbit density,
きろくみつど
記録密度 数。 recording density
12.01.26 データみつど
密度 data density,
単位長,単位面積又は単位体積当たりに記憶されたデ
ータの文字数。 packing density(この意
備考1. データ密度は,通常ミリメートル当たり 味では使用しないほ
の文字数 (cpmm) 又はラジアン当たりの うがよい。)
文字数 (cprad) で表す。
2. ディスクでは,データ密度よりも片面又
は両面に記録される総記憶容量が通常用
いられる。
ばいたいほごきこう
12.01.27 データ媒体保護機構 data medium protection
データ媒体を読取り専用にする可動機構又は取外しの
できる機構。 device
12.01.28 (1) (データばいたい
媒体を) (1) o backspace (a data
データ媒体を指定された距離だけ逆方向に移動させ
こうたい
後退させる る。 medium)
例 : せん孔テープを1列分逆方向に移動させる
こと。磁気テープを1ブロック分逆方向に移
動させる。
いち
12.01.29 (2) (位置を)こうたい
後退さ (2) o backspace (a
印字行又は表示行に沿って,印字位置又は表示位置を
せる 1位置分逆方向に移動させること。 position)
じしん
12.01.30 磁心, (magnetic) ore
記憶のために使う,通常ドーナツ状の形をした小さな
じき
(磁気)コア 磁性体。
じき
12.01.31 磁気テープ データを記憶できる磁性層をもつテープ。 magnetic tape
じき
12.01.32 (磁気テープ)カセ (magnetic tape) assette
回転軸によって駆動される磁気テープが容器に内蔵さ
ット れているデータ媒体であって,磁気テープを取り外す
ことなく処理できるようにしたもの。
じき
12.01.33 (磁気テープ)カー (magnetic tape) artridge
摩擦によって駆動される磁気テープが容器に内蔵され
トリッジ ているデータ媒体であって,磁気テープを取り外すこ
となく処理できるようにしたもの。
備考 駆動機構を問題にしない場合,用語“磁気
テープカセット”と“磁気テープカートリ
ッジ”は,同じ意味で用いることがある。
じき
12.01.34 磁気カード データを記憶できる磁性層をもつカード。 magnetic card
じき
12.01.35 磁気ドラム magnetic drum
データを記憶できる磁性層をもつ円筒形の回転体。
じき
12.01.36 磁気ディスク magnetic disk
片面又は両面にデータを記憶できる磁性層をもつ平ら
な回転盤。
12.01.37 フレキシブルディス 保護容器に入っている可とう<撓>性の磁気ディスク。 floppy (disk),
ク, flexible disk
フロッピー(ディス
ク)
12.01.38 ハードディスク 剛体の磁気ディスク。 hard disk

――――― [JIS X 0012 pdf 4] ―――――

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X 0012-1990
番号 用語及び読み方 意味 対応英語
備考 この語は通常,取外しのできない剛体の磁
気ディスクを指す。
12.01.39 ディスケット ジャケットに包まれた小さな磁気ディスク。 diskette
備考 用語“ディスケット”と“フレキシブルデ
ィスク”は,同じ意味で用いることがある。
12.01.40 ディスクパック disk pack
複数枚の磁気ディスクの集合体であって,作動時には
分離される容器とともに,ディスク装置から一括して
取り外すことができるもの。
12.01.41 ディスクカートリッ disk cartridge
1枚又は複数枚の磁気ディスクの集合体であって,分
ジ 離できない容器とともに,ディスク装置から一括して
取り外すことができるもの。
12.01.42 データモジュール data module
取外し可能な密封されたディスクパックであって,読
取り書込み機構と磁気ディスクを一体化したもの。
ひかり
12.01.43 光ディスク, optical disk,
光学的技術によって読み取ることが可能なディジタル
ディジタルひかり
光ディ データを保持する円盤。 digital optical disk
スク
12.01.44 ドロップアウト drop-out
磁気記憶装置にデータを記憶する場合又は磁気記憶装
置からデータを取り出す場合に,2進文字を読取り損
なうことによって引き起こされる誤り。
備考 ドロップアウトは通常,磁性層の損傷又は微片
がその上に存在することによって発生する。
ふんしつ
12.01.45 紛失パルス 読取り又は記録ができないレベルのパルス。 missing-pulse
12.01.46 ドロップイン drop-in
磁気記憶装置にデータを記憶する場合,又は磁気記憶
装置からデータを取り出す場合に,事前に記録してい
ない2進文字を読み取ることによって引き起こされる
誤り。
備考 ドロップインは通常,磁性層の損傷又は微
片がその上に存在することによって発生す
る。
よじょう
12.01.47 余剰パルス extra-pulse
記録中又は読取り中に生じる,あってはならない余分
なパルス。
じき
12.01.48 磁気インク magnetic ink
データの記録に適した磁性体の微粒を含む特殊イン
ク。
じき もじ
12.01.49 磁気インク文字 magnetic ink character
自動識別できるように磁気インクで書かれた文字。
こうがくもじ
12.01.50 光学文字 optical character
光学的な手段による自動識別を容易にするために,特
殊な規則に従って印字又は手書きされた図形文字。
もじにんしき
12.01.51 文字認識 自動的な手段によって文字を識別すること。 character recognition
じき
12.01.52 磁気インク 磁気インク文字の文字認識。 magnetic ink character
もじにんしき
文字認識, 備考 用語“MICR”は,磁気インク文字読取り装 recognition,
MICR(省略形) 置の意味で用いることがある。 MICR(省略形)
こうがくてきもじにんしき
12.01.53 光学的文字認識, optical character
図形文字を識別するために光学的な手段を用いる文字
OCR(省略形) 認識。 recognition,
備考 用語“OCR”は,光学式文字読取り装置のOCR(省略形)
意味で用いることがある。
12.01.54 マークよみと
読取り, mark scanning,
データ媒体上に記録されたマークを光学的かつ自動的
こうがく
光学マークよみと
読取り に検知すること。 optical mark reading
12.01.55 バーコード bar code
異なる太さや間隔をもつ平行な縦線の組合せによって
文字を表現するコードであって,横断走査によって光
学的に読み取るもの。
こう孔パターン
12.01.56 hole pattern
データの符号化表現をデータ媒体上に実現した孔の配

――――― [JIS X 0012 pdf 5] ―――――

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