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JIS X 0025:1994 規格概要
この規格 X0025は、情報処理におけるローカルエリアネットワークに関する用語,定義及び対応英語について規定。
JISX0025 規格全文情報
- 規格番号
- JIS X0025
- 規格名称
- 情報処理用語―ローカルエリアネットワーク
- 規格名称英語訳
- Glossary of terms used in information processing -- Local area networks
- 制定年月日
- 1994年3月1日
- 最新改正日
- 2019年10月21日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- ISO/IEC 2382-25:1992(IDT)
- 国際規格分類
ICS
- 01.040.35, 35.110
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- 情報基本 2016
- 改訂:履歴
- 1994-03-01 制定日, 1999-03-20 確認日, 2004-11-20 確認日, 2009-10-01 確認日, 2014-10-20 確認日, 2019-10-21 確認
- ページ
- JIS X 0025:1994 PDF [12]
日本工業規格(日本産業規格) JIS
X 0025-1994
情報処理用語−ローカルエリアネットワーク
Glossary of terms used in information processing −Local area networks
1. 適用範囲 この規格は,情報処理におけるローカルエリアネットワークに関する主な用語,定義及び
対応英語について規定する。
備考1. 対応国際規格を,次に示す。
ISO/IEC 2382-25 : 1992Information technology−Vocabulary−Part 25 : Local area networks
2. この規格は,1992年4月に発行されたISO/IEC 2382-25 (Information technology−Vocabular−
Part 25 : Local area networks) を翻訳し,その技術的内容を変更することなく作成した日本工
業規格である。
なお,この規格で下線(点線)を施してある“参考”は,原国際規格にはない事項である。
2. 分類 用語は,次のとおり分類する。
(1) 一般用語(25.01参照)
(2) キャリア検知多重アクセス(25.02参照)
(3) トークンバス(25.03参照)
(4) 環状ネットワーク(25.04参照)
(5) プロトコル及びアーキテクチャ(25.05参照)
3. 表記法 この規格は,各用語を番号,用語,定義及び対応英語の四つの欄に分けて規定する。それぞ
れの欄における表記法及び解釈を,次に示す。
(1) 番号 番号は,6個の数字によって表す。最初の2けたの数字は,情報処理用語の規格番号の末尾2
けたを示す。
次の2けたの数字は,この規格での分類を示す。最後の2けたは,同一分類内の一連番号を示す。
(2) 用語
(2.1) 同一の意味を表す用語が二つ以上ある場合は,表記した順に従って優先使用する。
(2.2) 用語の使用分野を限定する場合には,用語に引き続く丸括弧 ( ) 内にそのことを示す。
例 “スロット時間(CSMA/CDネットワークにおける)”(25.02.11参照)
(2.3) 用法を用語に引き続く丸括弧 ( ) 内に示す。
例 “LAN(省略形)”(25.01.01参照)
(3) 定義 文中で下線の引いてある語は,情報処理用語に関する日本工業規格(日本産業規格)に規定されていることを示
――――― [JIS X 0025 pdf 1] ―――――
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X 0025-1994
す。
(4) 対応英語
(4.1) この欄の英語は,対応国際規格に規定されている用語であって,規定されている定義と対応する。
(4.2) 丸括弧 ( ) の使い方については,(2)と同様とする。
25. ローカルエリアネットワーク
25.01 一般用語
番号 用語 定義 対応英語
25.01.01 ローカルエリアネ local area network,
利用者の構内に設置され,地理的に限られた範囲内の計算機
ットワーク, ネットワーク。 LAN(省略形)
LAN(省略形) 備考 ローカルエリアネットワーク内での通信は,外部
の規定に準拠する必要はない。しかし,ネットワ
ークをまたがる通信は,外部の規定に準拠しなけ
ればならないこともある。
25.01.02 ベースバンドLAN baseband LAN
符号化されたデータが搬送波で変調されずに伝送されるロー
カルエリアネットワーク。
25.01.03 ブロードバンド broadband LAN
符号化されたデータが搬送波で変調・多重化されて伝送され
LAN るローカルエリアネットワーク。複数の通信路から構成され
る。
25.01.04 LAN一斉同報, LAN broadcast
同じローカルエリアネットワーク上のすべてのデータステー
LANブロードキャ ションによって受信されることを意図したフレームの送信。
スト
25.01.05 LANグループ同報, LAN multicast
同じローカルエリアネットワーク上のある選ばれた一群のデ
LANマルチキャス ータステーションによって受信されることを意図したフレー
ト ムの送信。
25.01.06 トークン token
ローカルエリアネットワークにおいて,伝送媒体を一時的に
使用する権利を表すことに用いられる特別のビット群。
あるデータステーションから別のデータステーションに順次
渡される。
備考 すべての情報は,フレームによって運ばれる。フ
レームには,トークンだけのもの,利用者データ
だけのものなどがある。
25.01.07 トークンパッシング token passing protocol,
トークンを使用するローカルエリアネットワークにおいて,
プロトコル, token passing procedure
データステーションのトークンの獲得方法,使用方法及び転
トークンパッシング送方法を決定する規則の集合。
手順
25.01.08 キャリア検知 carrier sense
ローカルエリアネットワークにおいて,他のデータステーシ
ョンが伝送中か否かを検出するために,データステーション
が行う動作。
参考 搬送波検知ということもあるが,ここでいう搬送
波は,ベースバンドとブロードバンドとを区別す
るための搬送波の意味とは異なる。
25.01.09 バスネットワーク bus network
任意の二つのデータステーション間に唯一のパスしかなく,
任意のデータステーションから伝送されたデータが,同じ伝
送媒体に接続されている他のすべてのデータステーションで
利用可能なローカルエリアネットワーク。
備考 バスネットワークは,線状ネットワーク,星状ネ
ットワーク又は木状ネットワークの形態をとるこ
とができる。
――――― [JIS X 0025 pdf 2] ―――――
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X 0025-1994
番号 用語 定義 対応英語
25.01.10 リピータ, repeater
ローカルエリアネットワークにおいて,データステーション
中継器 間の伝送範囲の拡張又は二つの枝間の相互接続を行うため
に,信号の増幅及び再生を行う機器(図1参照)。
25.01.11 LANサーバ LAN server
ローカルエリアネットワーク上の他のデータステーション
に,特定のサービスを提供するデータステーション。
例 ファイルサーバ,プリントサーバ,メールサーバ
25.01.12 ブリッジ bridge
同じ論理リンク制御プロトコルを使用する二つのローカルエ
リアネットワークを相互接続する機能単位。それぞれのロー
カルエリアネットワークが異なる媒体アクセス制御プロトコ
ルを使用していてもよい(図1参照)。
25.01.13 LANゲートウェイ LAN gateway
ローカルエリアネットワークとそれと異なるプロトコルを使
用しているネットワークとを接続する機能単位(図1参照)。
備考 接続されるネットワークには,他のローカルエリ
アネットワーク,公衆データ網などが考えられる。
25.01.14 LAN個別アドレス LAN individual address
ローカルエリアネットワーク上の特定のデータステーション
を識別するアドレス。
25.01.15 LANグループアド LAN group address
ローカルエリアネットワーク上の一群のデータステーション
レス を識別するアドレス。
25.01.16 LANグループ同報 LAN multicast address
ローカルエリアネットワーク上のデータステーションの部分
アドレス, 集合を識別するLANグループアドレス。
LANマルチキャス
トアドレス
25.01.17 LAN一斉同報アド LAN broadcast address,
ローカルエリアネットワーク上のすべてのデータステーショ
レス, ンの集合を識別するLANグループアドレス。 LAN global address
LANブロードキャ
ストアドレス
25.01.18 アドレス管理 address administration
ローカルエリアネットワークのアドレスを管理し,一意にな
るように割り当てること。アドレス管理には,局所アドレス
管理及び全域アドレス管理がある。
25.01.19 局所アドレス管理 local address
同じローカルエリアネットワーク内で,すべてのLAN個別ア
ドレスを一意になるように割り当てるアドレス管理。 administration
25.01.20 全域アドレス管理 universal address
同じローカルエリアネットワーク内だけでなく,異なるロー
administration,
カルエリアネットワークとの間でも,すべてのLAN個別アド
レスを一意になるように割り当てるアドレス管理。 global address
administration
くう空アドレス
25.01.21 null address
いずれのデータステーションにも関連しない,フレーム中の
アドレス。
備考 空アドレスは,保守のために使用できる。
25.01.22 媒体アクセス制御, medium access control,
伝送媒体を一時的に制御下に置くデータステーションを決定
MAC(省略形) するために使用する技法。 MAC(省略形)
25.01.23 幹線ケーブル trunk cable
データステーション間の通信を可能にするために幹線結合器
を接続するケーブル(図2参照)。
25.01.24 幹線結合器, trunk coupling unit,
ドロップケーブルを介してデータステーションを幹線ケーブ
幹線接続器, ルに接続する物理装置(図2参照)。 trunk connecting unit,
TCU(省略形) TCU(省略形)
備考 幹線結合器は,データステーションをネットワー
クに挿入したり,バイパスさせたりする手段とし
て使用する。
25.01.25 引込みケーブル drop cable
データステーションと幹線結合器との接続に使用するケーブ
ル(図2参照)。
――――― [JIS X 0025 pdf 3] ―――――
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X 0025-1994
番号 用語 定義 対応英語
25.01.26 放棄シーケンス abort sequence
フレームの送信を早期に終結させるための特定のビットパタ
ーン。ビット列の任意の場所で使用してよい。
25.01.27 媒体インタフェース medium interface
ローカルエリアネットワークにおいて,データステーション
コネクタ, connector,
と,幹線結合器,幹線ケーブル及び引込みケーブルとを接続
MIC(省略形) するために使用するコネクタ(図2参照)。 MIC(省略形)
25.01.28 媒体接続機構, medium attachment unit,
ローカルエリアネットワーク上のデータステーションにおい
MAU(省略形) MAU(省略形)
て,データ端末装置と伝送媒体とを結合するために使用する
機器(図2及び図3参照)。
25.01.29 媒体依存インタフェ medium dependent
ローカルエリアネットワーク上のデータステーションにおい
ース, interface,
て,伝送媒体と媒体接続機構とを接続する機械的及び電気的
MDI(省略形) なインタフェース(図2及び図3参照)。 MDI(省略形)
25.01.30 接続機構インタフェ attachment unit interface,
ローカルエリアネットワーク上のデータステーションにおい
ース, AUI(省略形)
て,媒体接続機構とデータ端末装置とを接続するインタフェ
AUI(省略形) ース(図2及び図3参照)。
25.02 キャリア検知多重アクセス
番号 用語 定義 対応英語
25.02.01キャリア検知多重ア媒体アクセス制御プロトコルがキャリア検知を行うとともに, carrier sense multiple
クセス衝突検出ネッ access with collision
衝突によって発生した例外状態を,再伝送によって解消するバ
トワーク, スネットワーク。 detection network,
CSMA/CDネットワ CSMA/CD network(省略
ーク(省略形) 形)
25.02.02キャリア検知多重ア媒体アクセス制御プロトコルがキャリア検知を行うとともに, carrier sense multiple
クセス衝突回避ネッ access with collision
データステーションが伝送を開始する前に,必ずジャム信号を
トワーク, avoidance network,
送信するバスネットワーク。ジャム信号送出中に,他のデータ
CSMA/CAネットワ ステーションからの信号との衝突がないときは,データ送信を CSMA/CA network(省略
ーク(省略形) 形)
開始し,衝突が生じたときは,伝送を中止して,時間をおいて
再伝送を試みる。
25.02.03コンテンション(ロローカルエリアネットワークにおいて,媒体アクセス制御プロ contention
ーカルエリアネットトコルが2台以上のデータステーションの同時伝送を許容し,
ワークにおける) そのために衝突の発生する可能性がある状態。
25.02.04衝突 伝送媒体上で,2台以上のデータステーションが同時に伝送す collision
ることによって生じる状態。
25.02.05ジャム信号 あるデータステーションが,他のすべてのデータステーション jam signal
に,伝送を行ってはならないことを通知するために送出する信
号。
備考1. CSMA/CDネットワークの場合,ジャム信号は,
衝突が発生したことを示す。
2. CSMA/CAネットワークの場合,ジャム信号は,
そのデータステーションが伝送を開始しようと
していることを示す。
25.02.06強制衝突 CSMA/CDネットワークにおいて,あるデータステーションが collision enforcement
衝突を検出したときに,ジャム信号を送出すること。これによ
って,他のすべてのデータステーションに,衝突の発生を確実
に認識させる。
25.02.07べき乗打切り待機 CSMA/CDネットワークにおいて,衝突が発生したときに,再 truncated binary
法, exponential backoff
伝送の契機を決定するアルゴリズム。再伝送までの時間は,ス
再送時間算出法 ロット時間及び再伝送回数から算出する。
25.02.08超過送信, プロトコルで許容された時間間隔を超えるデータステーション jabber
ジャバ による伝送。
――――― [JIS X 0025 pdf 4] ―――――
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X 0025-1994
番号 用語 定義 対応英語
25.02.09超過送信制御, ローカルエリアネットワークにおいて,媒体接続機構が異常に jabber control
ジャバ制御 長いデータ列を出力することを防ぐために,自動的に伝送を中
断する機能。
25.02.10遅延処理 伝送媒体が使用中のときに,衝突が発生するのを防止するため, deference
データステーションが後続の伝送を遅らせる処理。
25.02.11スロット時間 衝突が発生した場合に,データステーションが次の再伝送を許 slot time (in a CSMA/CD
(CSMA/CDネット network)
されるまでの遅延時間を決定するために使用される単位時間。
ワークにおける) 実装に依存する。
25.02.12往復伝搬時間 バスネットワーク上の最も遠い2台のデータステーション間を round-trip propagation
ビットが往復伝搬するのに必要な時間。 time
備考 キャリア検知を使用したネットワークにおい
て,各フレームの長さは,伝送を行っているデ
ータステーションがその伝送中に衝突又はジ
ャム信号を検出できる程度に,十分に長くなけ
ればならない。したがって,フレームの最小の
長さは,往復伝搬時間によって決定される。
25.03 トークンバス
番号 用語 定義 対応英語
25.03.01トークンバスネットトークンパッシングプロトコルを使用するバスネットワーク。 token-bus network
ワーク
25.03.02ヘッドエンド ブロードバンドLANにおいて,各データステーションから信 headend
号を受信し,すべてのデータステーションにその信号を再送す
る機器。
備考 再送は,搬送波周波数の変更を必要とすることもあ
る。
25.03.03順方向LANチャネル ブロードバンドLANにおいて,ヘッドエンドからデータステ forward LAN channel
ーションへのデータ伝送用に割り当てられる通信路。
25.03.04逆方向LANチャネル ブロードバンドLANにおいて,データステーションからヘッ backward LAN channel
ドエンドへのデータ伝送用に割り当てられる通信路。
25.03.05ダウンリンク downlink
トークンバスネットワーク形式のブロードバンドLANにおい
て,データ送信時にデータステーションからの送信を受信した
ヘッドエンドが,その伝送路に接続するすべてのデータステー
ションに対してデータを送信する方向又はそのデータ伝送。
25.03.06アップリンク uplink
トークンバスネットワーク形式のブロードバンドLANにおい
て,データ送信時にデータステーションからヘッドエンドに対
してデータを送信する方向又はそのデータ伝送。
25.03.07単一ケーブルブロー single-cable broadband
順方向LANチャネルと逆方向LANチャネルとで,1本のケー
ドバンドLAN ブルを共用するブロードバンドLAN。 LAN
25.03.08二重ケーブルブロー dual-cable broadband LAN
順方向LANチャネルと逆方向LANチャネルとで,それぞれ
ドバンドLAN 別々のケーブルを使用するブロードバンドLAN。
25.03.09論理リング トークンバスネットワークにおけるデータステーション間のト logical ring
ークンの受渡し順序を論理的に表したもの。環状ネットワーク
におけるトークンの受渡しを模擬したものである(図4参照)。
25.03.10雑音バースト信号 トークンバスネットワーク又はトークンリングネットワークに noise burst signal
おいて,有効なフレームでは発生しない信号波形が,伝送媒体
上にあることを示す信号。
25.03.11バス未使用信号 トークンバスネットワークにおいて,伝送媒体が使用されてい bus-quiet signal
ないことを示す信号。
――――― [JIS X 0025 pdf 5] ―――――
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JIS X 0025:1994の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO/IEC 2382-25:1992(IDT)
JIS X 0025:1994の国際規格 ICS 分類一覧
- 35 : 情報技術.事務機械 > 35.110 : 情報通信ネットワーキング
- 01 : 総論.用語.標準化.ドキュメンテーション > 01.040 : 用語集 > 01.040.35 : 情報技術.事務機械(用語集)