JIS X 0125:1986 決定表

JIS X 0125:1986 規格概要

この規格 X0125は、単適合決定表の基本形式及び関連する定義を規定。その作成と利用のための用法を推奨。

JISX0125 規格全文情報

規格番号
JIS X0125 
規格名称
決定表
規格名称英語訳
Decision tables
制定年月日
1986年2月1日
最新改正日
2016年10月20日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

ISO 5806:1984(IDT)
国際規格分類

ICS

35.080
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
ソフトウェア 2020
改訂:履歴
1986-02-01 制定日, 1987-03-01被移行日, 1991-05-01 確認日, 1996-10-20 確認日, 2002-07-20 確認日, 2007-09-20 確認日, 2011-10-20 確認日, 2016-10-20 確認
ページ
JIS X 0125:1986 PDF [16]
                                                                                    X 0125-1986

pdf 目次

ページ

  •  1. 適用範囲・・・・[1]
  •  2. 用語の意味・・・・[1]
  •  3. 形式・・・・[2]
  •  3.1 決定表・・・・[2]
  •  3.2 条件指定・・・・[3]
  •  3.3 動作指定・・・・[3]
  •  4. 表の要素間の関係・・・・[3]
  •  4.1 条件・・・・[3]
  •  4.2 動作・・・・[3]
  •  4.3 規則・・・・[3]
  •  5. 決定表間の関係・・・・[4]
  •  5.1 順番関係・・・・[4]
  •  5.2 選択関係・・・・[4]
  •  5.3 反復関係・・・・[4]
  •  5.4 入れ子関係・・・・[6]
  •  5.5 関係の組合せ・・・・[7]
  •  6. 決定表の解釈・・・・[8]
  •  6.1 解釈の方式・・・・[8]
  •  6.2 完備性 (completeness)・・・・[9]
  •  附属書1 作成の手順・・・・[10]
  •  附属書2 決定表の例・・・・[13]

(pdf 一覧ページ番号 )

――――― [JIS X 0125 pdf 1] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
X 0125-1986

決定表

Decision Tables

1. 適用範囲

 この規格は,単適合決定表の基本形式及び関連する定義を規定する。さらに,その作成と
利用のための用法を推奨する。
備考1. この規格は,計算機による情報システムの文書化における決定表の利用法を対象とし,プロ
グラム文の表記などの他の利用法は規定しない。
2. 多重適合決定表の作成と利用のための形式及び用法は,対象としない。
引用規格 :
JIS X 0001 情報処理用語
関連規格 : JIS X 0121 情報処理用流れ図・プログラム網図・システム資源図記号
対応国際規格 :
ISO 5806 Specification of single-hit decision tables

2. 用語の意味

 この規格で用いる主な用語の意味は,JIS X 0001(情報処理用語)によるほか,次のと
おりとする。
(1) 決定表 (decision table)問題の記述において起こり得るすべての条件と,それに対して実行すべき動
作とを組み合わせた表。
注 以下では,単に表と呼ぶことがある。
条件の組合せのどの一つも,ただ一つの規則においてだけ
(2) 単適合決定表 (single-hit decision table)
満たされる決定表。混同のおそれのない場合は,これを単に決定表と呼んでもよい。
(3) 多重適合決定表 (multiple-hit decision table)条件の組合せのうちの少なくとも一つが,二つ以上の
規則によって満たされる決定表(1.の備考2.参照)。
(4) 規則 (rule)表の条件指定部及び動作指定部を通る一つの列であって,満たされるべき条件のただ一
つの組合せと,それに対応する動作との組を定義するもの。ある規則が満足されるとは,すべての条
件がその規則の条件指定に合致することをいう。
(5) 補完規則 (ELSE-rule) 表中に値による指定が示されていない条件のすべての組合せに対して,実行
すべき動作を示す規則。
備考 補完規則は,書かなくてもよい。
(6) 条件 (condition)問題の表記において考慮すべき事項の記述又は条件の一部として考慮すべき他の
手続きへの参照。
(7) 動作 (action)問題解決のために実行すべき処理の記述。
(8) 条件指定 (condition entry)ある条件と特定の規則との関連付け。

――――― [JIS X 0125 pdf 2] ―――――

2
X 0125-1986
(9) 動作指定 (action entry)ある動作と特定の規則との関連付け。
(10) 条件記述部 (condition stub) 問題の記述において考慮すべきすべての条件を列挙したもの。
(11) 動作記述部 (action stub) 問題の記述において実行すべきすべての動作を列挙したもの。
他の文書から決定表を参照するための名前又はその他の手段。それの代わ
(12) 表見出し (table heading)
りに,又はそれに添えて,表の明確な説明を書いてもよい。
最初の条件を調べる前に順番に実行すべき無条件動作を列挙した
(13) 初期化部 (initialization section)
もの。これは,表見出しの次の行に書くことができる。初期化部は,任意選択とする。
すべての条件と動作が,指定部の規則への参照なしに,記述部中
(14) 制限指定表 (limited entry table)
の記述だけで完成している決定表(附属書2の例1参照)。
記述部中では条件や動作の共通部分だけが,記述されていて完成
(15) 拡張指定表 (extended entry table)
していない決定表。その記述は,指定部の規則で指定された値によって完成する(附属書2の例2参
照)。
(16) 混合指定表 (mixed entry table)制限指定の行と拡張指定の行の双方を含む決定表(附属書2の例4
参照)。
備考 通常,拡張指定表と呼ばれるものは,制限指定をも含み,したがって,厳密にはいかなる拡張
指定表も混合指定表も,制限指定表(附属書2の例3参照)に変換することのできる混合指定
表である。
(17) 完備した表 (complete table)条件指定のすべての組合せに対して,それを満足する規則が存在する
決定表。

3. 形式

3.1 決定表

 決定表の一般形式を,図1に示す。
表の本体は,条件部と動作部の境界及び記述部と指定部の境界に二重線又は一本の太線を引いて,四つ
の部分に分割する。
図1 一般形式と名称
備考 決定表を読みやすくするために,各条件及び各動作を細い横線で区切り,各規則を細い縦線で区切って
書いてもよい。決定表の各条件,各動作及び各規則に,一意に参照するための名前を付けてもよい。

――――― [JIS X 0125 pdf 3] ―――――

                                                                                              3
X 0125-1986

3.2 条件指定

 条件指定の書き方は,次による。ただし,Y及びNについては,別の2値表現を用いて
もよい。
指定形式 規則における意味 適用対象
その規則を満足するには,このYに対応する条件が満た
Y
されなければならない (Y= “Yes”)。
制限指定
その規則を満足するには,このNに対応する条件が満た
N
されてはならない (N= “No”)。
記述が未完の条件を,この語句,値又はコードによって
語句,値又は 完成させる。その規則を満足するには,これにより完成
拡張指定
コード された条件が満たされなければならない。コードを用い
る場合には,その意味を注記する。
その規則を満足するには,この“−”に対応する条件は
無関係であるか,又は,その規則の文脈においては,こ
− あらゆる種類
の条件は論理的に起こり得ない。起こり得ないことを強
調する目的で,“−”の代わりに“#”を書いてもよい。

3.3 動作指定

 動作指定の書き方は,次による。
指定形式 規則における意味 適用対象
X* 制限指定
その規則が満足されると,記述された動作が実行される。
記述が未完の動作を,この語句,値又はコードによって
語句,値又は 完成させる。その規則が満足されると,この完成された
拡張指定
コード 動作が実行される。コードを用いる場合には,その意味
を注記する。
その規則が満足されると,記述された動作は実行されな
− あらゆる種類
い。
注* 通常,英大文字Xを書く。

4. 表の要素間の関係

4.1 条件

 列記された条件の間の関係は,論理積 (AND) とする。最初の条件の前に,IFがあるものと
想定する。
例 : IF(最初の条件)AND(2番目の条件)AND···AND(最後の条件)
条件を列記する順番が,効果をもつことがある。順番が意味をもたない場合には,読みやすくするため
に,重要な条件,すなわち,“キー”条件を最初に記述してもよく,その場合の順番は,プログラム作成に
当たって選定する順番とは異なってもよい。

4.2 動作

 動作の間の関係は,逐次実行を意味する。最初の動作の前には,THENがあるものと想定し,
最初の動作,2番目の動作,···,そして最後の動作を順番に実行する。
動作は,実行すべき順番に記述する。同じ動作であっても,規則によって実行の順番が異なる場合には,
それらの異なる順番を示すのに必要な個数だけ動作を重ねて記述しなければならない。動作の実行の順番
を番号で指定することは,拡張指定表におけるコードなどと混同されるおそれがあるので,行わないほう
がよい(3.3参照)。
すべての規則において,最後に実行される動作は,その次の手続きがどこに記述されているかを示すほ
うがよい。ただし,表がそれ自体で完結している場合を除く。

4.3 規則

 列記された規則の間の関係は,排他的論理和とする。
決定表における規則の順番は,意味をもたない。ただし,補完規則を用いる場合には,読みやすくする
ために,表の最後の規則として書くほうがよい(図1参照)。

――――― [JIS X 0125 pdf 4] ―――――

4
X 0125-1986

5. 決定表間の関係

 大きい複雑な問題は,一組の決定表によって記述してもよい。
(1) 決定表間の関係は,次の4種類とし,これらを組み合わせることもできる。
(a) 順番 (sequence)
(b) 選択 (selection)
(c) 反復 (repetition)
(d) 入れ子 (nesting)
(2) 相互に関係付けられている決定表は,それぞれの表に関しては論理的に独立していなければならない。
ある表の条件は,別の表での条件判定の結果とは,独立に判定されなければならない。したがって,
別々の表の規則どうしの間には,何の関係もないものとする。ただし,これは,ある表における条件
判定の結果を,その表における動作によって示し(例えば,フラグを設定する。),その表示を直後の
表の条件判定で調べるようなやり方を排除するものではない。

5.1 順番関係

 図2に示すように,ある表が直後の表をもつとき,その二つの決定表は順番関係にある
という。三つ以上の決定表も同じようにして順番関係を構成できる。すなわち,n番目の表がただ一つの
直後の表として (n+1) 番目のものをもつ場合に,それらの表は順番関係にあるという。
順番関係にある表においては,先行の表が直後の表への指示子をもった動作を含んでいるほうがよい。
この動作は,後続の表を引き続いて解釈するすべての規則において,最後に実行される。

5.2 選択関係

 図3に示すように,ある表が二つ以上の直後の表を選択的にもつとき,それらの表は選
択関係にあるという。
選択関係にある表においては,先行の表が直後の表への指示子をもった動作を含んでいるほうがよい。
この動作は,直後の表の一つを引き続いて解釈するすべての規則において,最後に実行される。

5.3 反復関係

 図4に示すように,ある表を再び調べるために,その表の少なくとも一つの規則が直後
の表としてその表自体を指示したとき,この表は反復関係をもつという。
そのような規則では,その表への指示子をもった動作を最後に実行する必要がある。

――――― [JIS X 0125 pdf 5] ―――――

次のページ PDF 6

JIS X 0125:1986の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 5806:1984(IDT)

JIS X 0125:1986の国際規格 ICS 分類一覧

JIS X 0125:1986の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISX0001:1994
情報処理用語―基本用語