JIS X 0614:2015 ユニバーサルディスクフォーマット(UDF)2.60 | ページ 26

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6.13.2.2 バックグラウンド物理フォーマッティング
バックグラウンド物理フォーマッティングが開始されるとある程度の最小限の初期化が行われた後,デ
アイシングはバックグラウンドで続けられる。この時から論理フォーマッティング及びユーザデータの書
込みが実行可能になる。ディスクはバックグラウンドフォーマッティングが終了する前に排出することが
可能である。このような早期排出のため,バックグラウンドフォーマッティング処理は保留されなければ
ならず,いわゆる互換性停止又は迅速停止を使う。互換性停止の後,媒体は再生専用形装置と互換性があ
る。互換性停止のため,ドライブはディスクの内側の記録済み領域との間の全ての未記録領域をフォーマ
ッティングしなければならない。これは,早期排出処理を非常に遅らせる原因になり得る。バックグラウ
ンドフォーマッティングがまだ終了していない間,ファイルシステムの割付け方策の一時的変更によって
互換性停止の遅延を非常に減らすことが可能である(6.13.2.4参照)。バックグラウンドフォーマッティン
グが保留された媒体への書込みが再開されたときは,バックグラウンド物理フォーマッティング処理も再
開されなければならない。バックグラウンド物理フォーマッティングはディスクの内側から始まる。互換
性停止の後は,L0層のディスクの内側に中断のない領域が,2層のディスクでは更にL1層のディスクの
内側の相等しい領域が記録される。これらのL0及びL1の領域の対応する二つの相等しい部分は,各々UDF
ボリューム空間の始まり及び終わりにある。
6.13.2.3 論理フォーマッティング
論理フォーマッティングは必須である基本的なUDFファイルシステム構造,例えばVRS,AVDP,VDS,
FSD,ルートディレクトリ及び予備表等を書き込むことである。
AVDPは256,N−256及びNのうち,2か所に記録されなければならない,Nはボリューム空間の最後
の有効な番地とする。しかし,特にDVD+RW DLディスクでは,AVDPが記録される領域がディスクの内
側の両方の層となり物理的に離れていないため,AVDPを3か所全てに記録することが推奨される。予備
のための割付けは論理フォーマッティング処理の最中に行われなければならない。予備割付けの長さは0
であってよい。論理フォーマッティング時に知られている欠陥パケットは予備表によって予備化してはな
らないが,割付け禁止空間ストリームに追加される。予備化されていない欠陥パケット及び予備表のイン
スタンス又は予備領域は,常に割付け済みと表示されなければならない。UDF区画空間の内部では,これ
らのパケットは割付け禁止空間ストリームに追加されなければならず,その結果として区画空間集合で割
付け済みと表示される(2.2.12及び3.3.7.2参照)。UDF区画空間の外部では,これらのパケットは未割付
け空間記述子によって割付け済みと表示されなければならない。
バックグラウンド物理フォーマッティングの状態はLVIDの記録には影響してはならない。早期排出の
場合,LVIDはバックグラウンド物理フォーマッティングの利用できない上書き可能形媒体に記録される
のと同様に記録されなければならない。
6.13.2.4 バックグラウンドフォーマッティング時のDVD-ROMとの互換性に関する制約
ここで示す制約は,バックグラウンド物理フォーマッティングがまだ完了していない場合の早期排出時
にDVD-ROMとの互換性が要求された場合にだけ推奨する。バックグラウンド物理フォーマッティングが
完了すると,DVD-ROMとの互換性が実現し制約は必要とされない。これらの制約は早期排出の場合の互
換性停止の遅延を減らすことを狙ったものである。
バックグラウンド物理フォーマッティング時の制約を,次に示す。
a) 1層のDVD+RWについては,バックグラウンド物理フォーマッティングが開始されたら,セクタ256
に最初のAVDPだけを記録しなければならない。二つ目の及び三つ目のAVDPは,バックグラウンド
物理フォーマッティングが終了した後に書き込まれなければならない。AVDPが一つだけ記録されて

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いるときには,ファイルシステムは中間状態にあり,JIS X 0607規格類との厳密な互換性がない。2
層のDVD+RW DLはバックグラウンドフォーマッティングが始まった直後に全てのAVDPの記録が可
能になるためこの制約はない。これは,6.13.2.2で述べられている両方の層の物理フォーマッティング
で可能になる。
b) 早期排出時の互換性停止の遅延を減らすために,バックグラウンドフォーマッティングがまだ完了し
ていないときには,割付け方策は制約される。ボリューム空間の始まりにある最小の論理セクタ番地
及び2層のDVD+RW DLでは,更にボリューム空間の終わりにある最大の論理セクタ番地は,互換性
停止の遅延を減らすために,最初に割り付けられ,かつ,記録されなければならない。

6.14 マウントレイニアフォーマット媒体に関する勧告

  次に示すガイドラインは,マウントレイニア(MRW)フォーマット媒体の交換を確実にするために規定
された。
6.14.1 CD-MRW媒体,DVD+MRW媒体及びドライブの属性
MRW媒体及びドライブの主要な属性のリストを次に示す。
a) 物理セクタサイズ 2 048バイト
b) ドライブが,必要に応じて読出し-変更-書込みのサイクルを行う。ホストとMRWドライブとの間の
データ転送は2 048バイトの倍数とする。
c) ランダムアクセス読出し及び書込みが可能
d) ドライブによる欠陥管理
e) ドライブは,バックグラウンド物理フォーマッティングを行う。
f) 媒体種別は上書き可能形(区画アクセス種別4,上書き可能)
g) 割付け禁止空間リスト,割付け禁止空間ストリーム,予備表はMRWフォーマット媒体には使用して
はならない。
6.14.2 バックグラウンド物理フォーマッティング
ファイルシステムの初期化時に,バックグラウンド物理フォーマッティングが開始されたら,ホストは
セクタ256に最初のAVDPを記録しなければならない。二つ目のAVDPは,バックグラウンド物理フォー
マッティングが終了した後に記録されなければならない。二つ目のAVDPが記録される前では,ファイル
システムは中間状態にあり,JIS X 0607規格類とは厳密な互換性がない。媒体はバックグラウンドフォー
マッティングが終了する前に排出でき,その場合AVDPが一つだけMRW媒体上に存在する。早期排出時
には,ドライブはホストによって記録された最大セクタ番号までの全ての未記録領域を初期化しなければ
ならないことに注意する。これは早期排出処理を非常に遅らせる原因になり得る。バックグラウンド物理
フォーマッティングが行われている場合,実装は利用できる最小の番号のブロックを割り付けることが推
奨される。
バックグラウンド物理フォーマッティングの状態は,LVIDの記録に影響してはならない。LVIDは早期
排出時に,バックグラウンド物理フォーマッティングが行えない書換形媒体に記録されるのと同様に,記
録されなければならない。

6.15 疑似上書き可能機構の導入

  以前の版のUDFでは(UDF 1.50UDF 2.50で記述されているとおり),複セション又はVATは,CD-R,
DVD-R,及びDVD+R媒体で逐次記録機能を実現するために使用されてきた。次世代のドライブがサポー
トする逐次記録可能媒体での疑似上書き能力は,ファイルシステムの複雑さを減らすことに寄与する。こ
の6.15で記述されるUDF疑似上書き(UDF Pseudo OverWrite)方式は,このような疑似上書き記録可能媒

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体に適用できる。
UDF疑似上書き方式の利点は,
− ドライブが疑似上書き機能及び欠陥管理をサポートすることによって,増大した互換性を確実にする。
− 欠陥管理がドライブで処理されるため,(少なくとも論理セクタの粒度では)ボリューム全体が上書き
可能となり,ファイルシステム処理システムの複雑さを減少する。
− UDF処理システムは,メタデータファイルをメタデータを配置するために論理的に切れ目のないやり
方で使用できる。このメタデータは,要望される堅ろう(牢)性を実現するために,メタデータ控え
ファイルに任意選択で複製することができる。
6.15.1 疑似上書き可能形に初期化された媒体の特徴
疑似上書き可能形に初期化された媒体は,複トラック記録を利用可能である。媒体上のボリューム空間
にある全ての論理セクタは,上書き可能とする。
ファイルシステムは,複数のトラックに並行して記録できる。トラックは“予約”又は“使用済み”と
して定義できる(1.3.2参照)。各トラックは逐次記録だけを可能とする。トラック内の次に記録可能な論
理セクタを指す記録可能次アドレス(NWA)は,ファイルシステムがドライブに問い合わせることによっ
て得られる。
逐次記録に加えて,トラック内のNWAより前の全ての論理セクタは,独立に上書き可能とする。同様
に(有効なNWAをもたない)使用済みトラック内のセクタは,上書き可能とする。(線形置換えアルゴリ
ズムによる)予備領域内又はボリューム空間内のNWAまでのいずれでも,ドライブが更新されたデータ
を記録することによって,上書きを可能にする。現状ではUDFは,上書きされたデータの物理的配置をフ
ァイルシステムが管理するための明示可能な方針を提案していない。トラックのNWAの要求後の媒体へ
の逐次書込みを実行している間,UDFの処理システムがそのトラックのNWAを再度要求するまでは,ド
ライブシステムは,NWAが予想されずに又は通知なしに変更されることのないように振る舞わなければ
ならない。疑似上書きが実行されると,全てのNWAは無効になる。
ボリューム空間内に関連付けられることが可能性がある論理セクタの再配置情報を維持することは,ド
ライブに完全に責任がある。
6.15.2 書込み方策
トラックは,異なるデータ種別を論理的に隣接した方法で記録するために利用できる(例えば,メタデ
ータ,メタデータ複製及びデータを別々のトラックに記録できる。)。予約トラック中の未記録であるセク
タが尽きた場合,UDF処理システムは,適切な大きさの新しい予約トラックを(既存の予約トラックを分
割することによって)割り当てることができる。
予約トラックが分割されることを許したため,ドライブはJIS X 0607に従って(ボリューム構造を構成
する)AVDPをLSN 256,ボリューム内の最大LSN又は(最大LSN−256)のうちの2か所に記録できる。
UDF処理システムは,メタデータをメタデータ控えファイルに複製することが望ましい。
図6は,メタデータ控えファイルが記録されずに初期化された直後の媒体のトラック配置を例示する。
トラック1はボリューム構造(LSN 256のAVDPを含む。)に加えて関連するファイル構造を含む。メタデ
ータ区画マップの複製メタデータフラグは,ZEROにセットされる。初期化ユーティリティは,一つのエ
クステント(トラック)をメタデータの記録のために割り当て,そしてトラック3は,要求に応じ利用さ
れる記録可能なボリューム空間のほとんどを含む。

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トラック1 トラック2 トラック3 トラック4
(使用済み) (予約) (予約) (使用済み)
予 ボ メ メ フ 未 未
F
AVDP

備 リ タ タ ァ 記 記
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メタデータファイルのエクステント
ボリューム空間
図6−初期化直後の媒体−メタデータ控えファイルなし
図7は,メタデータ控えファイルが記録されるように初期化された直後の媒体のトラック配置を例示す
る。メタデータ区画マップの複製メタデータフラグはONEにセットされる。したがって,メタデータ控
えファイルの内容のためのエクステントが割り当てられている。
トラック1 トラック2 トラック3 トラック4 トラック5
(使用済み) (予約) (予約) (予約) (使用済み)
未 未
F
F
予 ボ メ メ フ 未 フ
AVDP

E
備 リ タ タ ァ 記 記 ァ E 記
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メタデータファイルのエクステント メタデータ控えファイルのエクステント
ボリューム空間
図7−初期化直後の媒体−メタデータ控えファイルが記録される
図8は,ファイルが記録された後の媒体のトラック配置を例示する(この場合,メタデータ控えファイ
ルは記録されていないことに注意)。この例では,トラック2は使用済み状態になっており,したがって,
トラック4は追加のメタデータの記録のために割り当てられている(トラック3はデータの記録のために
使用済み。)。

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トラック1 トラック2 トラック3 トラック4 トラック5 トラック6
(使用済み) (使用済み) (使用済み) (予約) (予約) (使用済み)

F
F
F
F
予 ボ メ メ フ デ デ ル デ 未
AVDP

E
E
E
E
備 リ タ タ ァ ー ー ー 記 ー 記
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ル デ デ デ 備
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C)
構 フ 複 合 レ

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.
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イ フ 述 ト
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F

E

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メタデータファイルのエクステント メタデータファイルのエクステント
ボリューム空間
図8−媒体へのデータの記録(メタデータ控えファイルなし)
6.15.3 UDF処理システムに関する要件
UDF処理システムは,次に示す要件を満たすことを期待されている。
− 疑似上書き可能に初期化された逐次記録形媒体は,区画記述子のアクセス種別は0(疑似上書き可能)
にセットされなければならない(2.2.14.2参照)。
− 未割付け空間ビットマップ及び未割付け空間表は,記録してはならない。
− メタデータ区画マップが記録されなければならない。
− メタデータビットマップファイルは記録されてはならない。
− 最大四つのトラックが並行して“予約”状態になることが可能である。
− 複セション・複ボーダ記録は,疑似上書きと一緒に使用してはならない。
6.15.4 UDF処理システムに関する実装特記事項
− 初期化済み媒体が上書き可能かどうかを判断するために,ドライブに問い合わせる。初期化時に(UDF
処理システム方針に従って)媒体の疑似上書き属性をセットする。
− 以前に未記録であるセクタにデータを書き込むには,トラック内のNWAを確定するためにドライブ
に問い合わせる必要がある。戻り値は,絶対論理セクタ番号(ボリューム空間のLSN 0に対する相対)
になる。
− 削除と印付けられたファイルに以前に割り付けられたセクタの再利用を企てない。
− 上書きされるデータの総量を最小化する。
− 新たな予約トラックを(既存の予約トラックを分割することによって)割り付けるより前に,データ・
メタデータのために予約された現在のトラックを必ず“使用済み”の状態にする。
− メタデータファイル及びメタデータ控えファイルは,一つのトラックに一つ以上のエクステントをも
つことができる。これらのファイルのエクステントは,そのセクタの一部がドライブによって疑似上
書き又は欠陥管理に使われることがあるため,事前に割り付けないことが望ましい。

6.16 Blu-ray Disc媒体に関する勧告

  この規定は,Blu-ray Disc(BD)媒体に関するボリューム及びファイル構造の要件及び勧告を定義し,
コンピュータシステムと家電との間でのデータ交換を支援する。これらの要件は,ディスクの使用がコン
ピュータシステムに限られ,しかも家電との交換性を提供する必要のない場合には,適用されない。BDAV

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JIS X 0614:2015の国際規格 ICS 分類一覧

JIS X 0614:2015の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称