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X 25010 : 2013 (ISO/IEC 25010 : 2011)
モデルは,使用中のコンピュータシステムとソフトウェア製品との両者を含む完備した人間−コンピ
ュータシステムに適用できる。
b) 製品品質モデル : このモデルは,ソフトウェアの静的特徴及びコンピュータシステムの動的特徴に関
係する,八つの特性(これらは,更に副特性に分けられる。)からなる。このモデルは,コンピュータ
システムとソフトウェア製品との両者に適用できる。
これら両品質モデルで規定された特性は,全てのソフトウェア製品及びコンピュータシステムに関連し
ている。特性及び副特性は,システム及びソフトウェア製品の品質を仕様化し,測定し,評価するための
一貫した用語を提供する。記述された品質要求事項が完全であるかどうかを比べることができるようにす
るための一そろ(揃)いの品質特性も提供する。
注記1 製品品質モデルの適用範囲は,ソフトウェア及びコンピュータシステムを意図しているが,
特性の多くは,より広範囲のシステム及びサービスにも関連する。
JIS X 25012は,このモデルを補完するデータ品質のためのモデルを含んでいる。
これらのモデルの適用範囲は,純粋な機能面の特徴(C.6参照)を除外しているが,機能適合性(4.2.1
参照)は含んでいる。
品質モデルの適用の範囲は,ソフトウェア及びコンピュータシステムの取得,要求事項,開発,使用,
評価,支援,保守,品質保証及び制御,並びに監査に関連した人々による異なる視点からのソフトウェア
及びソフトウェア集約的コンピュータシステムの仕様及び評価を支援することを含んでいる。例えば,品
質モデルは,開発者,取得者,品質保証要員及び品質制御要員,並びに独立した評価者,特に,ソフトウ
ェア製品の品質の仕様化及び評価に責任のある人々によって使用される。品質モデルの使用から便益を得
る,製品開発時の活動には,次のものがある。
− ソフトウェア要求事項及びシステム要求事項の識別
− 要求事項定義の包括性の妥当性確認
− ソフトウェア設計の目的及びシステム設計の目的の識別
− ソフトウェア試験の目的及びシステム試験の目的の識別
− 品質保証の部分として品質制御基準の識別
− ソフトウェア製品及び/又はソフトウェア集約的コンピュータシステムに対する受入れ基準の識別
− これらの活動の支援における品質特性の測定量の確立
注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO/IEC 25010:2011,Systems and software engineering−Systems and software Quality
Requirements and Evaluation (SQuaRE)−System and software quality models(IDT)
なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”
ことを示す。
2 適合性
この規格に適合する品質要求事項,品質仕様又は品質評価は,次のいずれかでなければならない。
a) 4.1及び4.2で規定した品質モデルを使用する。
b) どのような変更に対しても論理的根拠を与える品質モデルを修整し,修整したモデルと標準モデルと
の対応付けを提供する。
――――― [JIS X 25010 pdf 6] ―――――
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X 25010 : 2013 (ISO/IEC 25010 : 2011)
3 品質モデルの枠組み
3.1 品質モデル
システムの品質は,システムが様々な利害関係者の明示的ニーズ及び暗黙のニーズを満足している度合
いであり,それによって価値を提供する。これらの明示的ニーズ及び暗黙のニーズは,SQuaREシリーズ
規格の中で,製品品質を特性に分類分けする品質モデルによって表現されている。この特性は,ある場合
には,更に副特性に再分割される(幾つかの副特性は,副副特性に分割される。)。このように階層的に分
解することで,製品品質は使い勝手のよいものになる。しかしながら,ある特性に関連した副特性の集合
は,必ずしも包括的でない,典型的な懸案事項を表現するために選択されている。
システムの,品質に関係する測定可能な特徴とそれに伴う品質測定量とを品質特徴と呼ぶ。品質特性又
は品質副特性を直接的に測定することができない場合,品質特性又は品質副特性の測定量を得るためには,
特徴の集合体を決定することが必要である。その特徴の集合体とは,その特性又は副特性を包み込み,個々
の特徴についての品質測定量を獲得し,それらの品質測定量をコンピュータによって結合することによっ
て品質特性又は品質副特性に対応する導出品質測定量が得られるものである(附属書C参照)。図2は,
品質特性及び品質副特性と品質特徴との関係を示している。
品質
特性1 特性2 特性3 特性n
副特性1 副特性2 副特性n
品質特徴1 品質特徴2 品質特徴n
品質特徴1 品質特徴2 品質特徴3 品質特徴n
図2−品質モデルに使用された構造
現在,SQuaREシリーズには,次の三つの品質モデルがある。すなわち,この規格で規定する利用時の
品質モデル及び製品品質モデル,並びにJIS X 25012で規定するデータ品質モデルである。これら三つの
品質モデルは,品質の全ての特性を確実に考慮するための枠組みとして役に立つ。これらの品質モデルは,
幅広い範囲の利害関係者に関係する,一そろ(揃)いの品質特性を提供する。利害関係者とは,例えば,
ソフトウェア開発者,システムインテグレータ,取得者,所有者,保守者,請負業者,品質保証及び品質
制御の専門家,利用者をいう。
これらのモデルにまたがる品質特性の全体集合が,全ての利害関係者に関係しているわけではない。そ
れにもかかわらず,例えば,製品及びシステムの性能への要求事項,又は評価基準を確立するために,使
用する一そろ(揃)いの品質特性をまとめる前に,各モデルの品質特性の関係をレビューし,考察するこ
――――― [JIS X 25010 pdf 7] ―――――
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X 25010 : 2013 (ISO/IEC 25010 : 2011)
とによって,利害関係者ごとに関係する品質特定の分類を表現することが望ましい。
3.2 利用時の品質モデル
4.1で示す利用時の品質モデルは,システムとの対話による結果に関係する五つの特性,すなわち,有効
性,効率性,満足性,リスク回避性及び利用状況網羅性(図3及び表3参照)を規定する。各特性は,利
害関係者の異なる活動,例えば,運用操作者の対話活動(相互作用活動)又は開発者の保守活動に割り当
てることができる。
利用時の品質
有効性 効率性 満足性 リスク回避性 利用状況網羅性
・有効性 ・効率性 ・実用性 ・経済リスク緩和性 ・利用状況完全性
・信用性 ・健康・安全リスク緩和性 ・柔軟性
・快感性 ・環境リスク緩和性
・快適性
図3−利用時の品質モデル
システムの利用時の品質は,製品(システム又はソフトウェア製品)が利害関係者に及ぼす影響を特性
づける。それは,ソフトウェア,ハードウェア及び運用操作環境の品質,並びに利用者,作業及び社会環
境の特性によって決定される。これら全ての要因は,システムの利用時の品質の一因となる。
利用時の品質に対する,各品質特性の定義及び説明を4.1に示す。
利用者の品質の測定量の例は,ISO/IEC TR 9126-4(ISO/IEC 25024で置換予定)で示している。
3.3 製品品質モデル
4.2で規定する製品品質モデルは,システム及び/又はソフトウェア製品の品質特徴を,機能適合性,性
能効率性,互換性,使用性,信頼性,セキュリティ,保守性及び移植性の八つの特性に分類している。各
特性は,関連する副特性の集合から構成されている(図4及び表4参照)。
――――― [JIS X 25010 pdf 8] ―――――
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X 25010 : 2013 (ISO/IEC 25010 : 2011)
システム/ソフトウェア製品品質
機能適合性 性能効率性 互換性 使用性 信頼性 セキュリティ 保守性 移植性
・機能完全性 ・時間効率性・共存性 ・適切度認識性 ・成熟性 ・機密性 ・適応性
・モジュール
・機能正確性 ・資源効率性・相互運用性・習得性 ・可用性 ・インテグリティ性 ・設置性
・機能適切性 ・容量満足性 ・運用操作性 ・障害許容性・否認防止性 ・再利用性 ・置換性
・ユーザエラー防 ・責任追跡性
(耐故障性) ・解析性
止性 ・回復性 ・真正性 ・修正性
・ユーザインタフ ・試験性
ェース快美性
・アクセシビリテ
ィ
図4−製品品質モデル
注記 規格又は規制への適合性に対するニーズは,システムに対する要求事項の部分として識別する
ことができる。しかし,これらは,品質モデルの適用範囲外である。
副特性の多くのものがソフトウェアとシステムとの両方に関係しているので,製品品質モデルは,ソフ
トウェア製品だけ,又はソフトウェアを含むコンピュータシステムに適用することができる。
製品品質に対する各品質特性の定義及び説明を4.2に示す。
3.4 品質モデルの対象
図5に品質モデルの対象及び関連する実体を図示する。
製品品質モデルは,対象ソフトウェア製品を含む対象コンピュータシステムに焦点を当てている。利用
時の品質モデルは,対象コンピュータシステム及び対象ソフトウェア製品を含む人間−コンピュータシス
テム全体に焦点を当てている。対象コンピュータシステムは,また,コンピュータハードウェア,非対象
ソフトウェア製品,並びにデータ品質モデル(C.8参照)の主題である対象データ及び非対象データも含
む。対象コンピュータシステムは,情報システムに含まれる。情報システムは,また,一つ以上のコンピ
ュータシステム及び通信システム,例えば,LAN及びインターネットも含むことができる。情報システム
は,より広範囲な人間−コンピュータシステム(例えば,エンタプライズシステム,組込みシステム又は
大規模制御システム)の中にあり,利用者及び技術的で物理的な利用環境を含むことができる。どこをシ
ステムの境界であると判断すべきかは,要求事項又は評価の範囲に依存し,かつ,誰が利用者かというこ
とに依存している。
例 コンピュータを利用したフライトコントロールシステムを搭載する航空機の利用者として乗客を
考える場合,利用者が依存するシステムは,航空機搭乗員,機体,フライトコントロールシステ
ムの中のハードウェア及びソフトウェアを含む。利用者として航空機搭乗員を考える場合,利用
者が依存するシステムは,機体及びフライトコントロールシステムだけから構成される。
その他の利害関係者,例えば,ソフトウェア開発者,システムインテグレータ,取得者,所有者,保守
者,契約者,品質保証の専門家及び制御の専門家も品質に関係している。
――――― [JIS X 25010 pdf 9] ―――――
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X 25010 : 2013 (ISO/IEC 25010 : 2011)
品質モデル
製品品質モデル データ品質モデル 利用時の品質モデル
人間−コンピュータシステム
一次利用者,
情報システム 二次利用者,又
通信システム は間接利用者
対象コンピュータシステム 利用環境
コンピュータハ非対象ソフト対象ソフト 対象データ 非対象データ
ードウェア ウェア ウェア
品質モデルが直接対象とする実体 その他の利害関係者
利用時の品質に影響を与える幾つかの要因
注記 この図は,概念的には,JIS X 25012の図2及びJIS X 25030の図5と同じものであるが,品質モデルに焦
点を当てた異なる版である。
図5−品質モデルの対象
3.5 品質モデルの利用
製品品質モデル及び利用時の品質モデルは,要求事項を仕様化し,測定量を確立し,品質評価を実施す
るために有益である(附属書C参照)。定義された品質特性は,品質要求事項の包括的な取扱いを確実に
するためのチェックリストとして使用することができる。それゆえに,システム開発時に必要とされる労
力及び活動を見積もるための根拠を提供することができる。利用時の品質モデル及び製品品質モデルの特
性は,コンピュータシステム又はソフトウェア製品の品質の仕様化又は評価を行うとき,一そろ(揃)い
のものとして使用することを意図している。
大規模コンピュータシステム又はソフトウェア製品の全ての部分に対して,全ての副特性の仕様化又は
測定は,事実上不可能である。同様に,全ての起こり得る利用者業務のシナリオに対して,利用時の品質
を仕様化し,測定することは,通常は,現実的ではない。品質特性の相対的な重要さは,プロジェクトに
対する高水準の目標及び目的に依存する。それゆえ,最も重要な要求事項の特性及び副特性を識別するた
め,並びに利害関係者の目標及び製品の目的に依存する異なる種類の測定量間に割り当てられる資源を識
別するために,要求事項を分解したものの一部としてモデルを使用する前に,モデルを修整することが望
ましい。
――――― [JIS X 25010 pdf 10] ―――――
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