JIS X 6054-2:1999 電子楽器ディジタルインタフェース(MIDI)―第2部:プロトコル仕様 | ページ 4

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図5.2 モード切替えの概念図
受信側がポリモードにあり,受信側のチャンネルで複数のノートが受信された場合,これらのノートは
受信側のボイス数の範囲内で同時に演奏される。オムニオンの場合はすべてのMIDIチャンネルで受信可
能であり,オムニオフの場合は受信側のベーシックチャンネルのみ受信可能である。
受信側がモノモードにある場合,オムニモードがオンであるかオフであるかによってノートの割当て方
が異なる。
5.7.1 モノモード モノモードは,特にギターコントローラからMIDIデータを受信する場合に有用であ
るが,キーボードその他のコントローラでも同様に使用できる。これは個々の1音ずつの独立したピッチ
ベンド,2音間での異なるスピードのポルタメントなどの目的に有用である。
受信側が次にくるノートメッセージに対してレガート風に応答してもよいという点も,モノモードを使
用する一つの理由としてあげられる。ノートオンが受信され,そのノートのオフが受信される前に次のノ
ートオンが受信された場合には,受信側はエンベロープをリスタートせず,ピッチを後者のノートに変更
すべきである。送信側が受信側にレガート風の応答を望むためには,ノートメッセージのタイミングは次
のようにする。
〈Note On #1〉〈Note On #2〉〈Note Off #1〉, etc.
ノートオフはすべてのノートに対して送られなければならないという,この規格の規定はそのまま適用
される。レガートフットスイッチの項も参照のこと。
5.7.2 オムニオフ,モノ モノモードオン メッセージの第3バイト(すなわち2番目のデータバイト)
は単音のボイスメッセージが送られるチャンネル数を指定する。文字Mが受信可能な1から16の範囲に
わたるMIDIチャンネルの数を表し,文字Nがベーシックチャンネル番号 (116) を表すとすれば,使用
できるチャンネルは16を最大として,現在のベーシックチャンネルNからN+M−1までとなる。 “M=0”
は特殊な場合で,受信側をベーシックチャンネルNから16まで,チャンネル当たり一つずつ,ボイスに
割り当てるように動作する。
a) 送信側 送信側がオムニオフ,モノモードに設定された場合,ボイスメッセージはチャンネルNから
N+M−1上で送られる。これは個々のボイスが別々のチャンネル上で送られることを意味する。
ベーシックチャンネル番号Nが1より大きな値に設定されている16ボイスの機器から送信する場
合,N+M−1は16より大きくなり,実在しない16より上のチャンネルに対して割り当てられたノー
トは送信されない。16ボイス全部の送信を可能とする場合には,ベーシックチャンネルNは1に設定

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されるべきである。例えば,ベーシックチャンネルが3に設定された4ボイスの場合はチャンネル3
から6でノートメッセージを送信することになる。
b) 受信側 オムニオフ,モノモードに設定された受信側においては,チャンネルNからN+M−1で受
信されたボイスメッセージはモノフォニックにその内部のボイス1からMに割り当てられる。もしN
=1でM=16(最大)であれば,メッセージはチャンネル1から16で受信される。一つのチャンネル
に複数個のノートオン メッセージが送られた場合,受信側の動作は特定できない。このモードでは,
一つのノート(又はボイス)だけが,一つのMIDIチャンネルに割当て可能である。M=0は特殊な
場合で,ベーシックチャンネルNから16まで,チャンネル当たり一つずつのボイスを,可能な限り
割り当てることができる。
参考 附属書4を併せて参照のこと。
5.7.3 オムニオン,モノ 送信側がオムニオン,モノモードに設定された場合,一つのボイスを対象とし
てボイスメッセージはチャンネルNで送られる。受信側がオムニオン,モノモードに設定された場合,任
意のチャンネルで受信されたボイスメッセージは単一のボイスに割り当てられる。受信されているMIDI
チャンネルの数,チャンネル当たり複音であるかどうかに関係なく,受信側は一度に一つのノートしか発
音しない。
a) 送信側 送信側は受信側をモノモードに設定するためにモノモードオン メッセージを送信できる。し
かしながら,受信側がモノモードになれないことがあるので,送信側は複数個のノートメッセージを
同時に送り続けてもよい。また,たとえ送信側と受信側の双方がモノフォニックに演奏している場合
でも,複数のノートオン メッセージを同時に送ることができる。
b) 受信側 ノートオン メッセージがオムニオン,モノモードに対して送られている場合,受信側はチャ
ンネル番号に関係なくそのノートを発音する。モノモードオン メッセージを受信しオムニオンである
場合,Mは無視されて受信側は依然として単音で動作する。
5.8 受信側で取り得ないモード 送信側が,受信側で取り得ないモードを指定する場合がある。例えば,
送信側がオムニオフ,モノでM=2を指定しても,受信側はオムニオンのモノ又はポリにしかなり得ない
場合である。このような状況で,受信側は(1)又は(2)のうちいずれか一方の動作を行ってよい。
(1) メッセージを無視する。
(2) オムニオンのポリとなり,どちらのチャンネルによる発音も行われる。
なお,(2)の動作の方が,受信側が両方のチャンネルの音を発音できるので望ましい。
備考 受信側はオムニオフ,モノモードを取り得ない場合にはメッセージを無視するか又は次に示す
動作を行ってよい。
表5.1 受信側のモード選択
MONO POLY
M=1 M≠1
OMNI OFF use use
Mode 2 Mode 1 Mode 3
OMNI ON
Mode 2 Mode 1
送信側では,個々のモードメッセージに対して受信側が正しく反応したかどうかを知ることができない
が,受信側が上記(表5.1)のように対応していれば,予期しない結果を最小限にできる。しかし,その場
合でも,送信側で特定のボイスに対してピッチベンド又はモジュレーションをかけたりすると,受信側で
はすべてのボイスが反応して,送信側で期待した結果が得られないのは明白である。したがって,受信側

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が上記のような代用のモードになっているときは,可能ならばノートオン/ノートオフ メッセージ以外は
無視するようにするのがよい。
送信側は,オムニオン又はオムニオフ並びにポリ又はモノのメッセージを任意の順番で送信してよい。
したがって,受信側でこれらのモードメッセージを正しく認識するためには,オムニオン/オムニオフ用
と,ポリ/モノ用の二つのフラグが必要で,これらの組合せによって生じる四つの場合に応じて適切なモ
ードを取る必要がある。
例えば,オムニオフ,モノのモードメッセージを受けた受信側が,代用のオムニオン,ポリのモードに
なっている状態で,さらにオムニオフを受信しても,それを認識してオムニオフ,ポリに変わるのは正し
くない。なぜなら,その時点では送信側からはまだオムニオフ,モノを指定していることに変わりがない
からである。その後ポリ オンを受信して初めて代用のオムニオンが解除され,オムニオフ,ポリに変わる
ことになる。
送信側は,モードを変えるときに,オムニオン/オムニオフ又はポリ/モノを重複して送ってよい。例
えば,受信側にモード3を指定するためにオムニオフ,ポリを送っておいて,後にモード1を指定するた
めにオムニオン,ポリを送った場合,ポリメッセージは前回に続いて二度送られることになる。受信側で
は再度送られたポリメッセージで問題が起きてはならない。
備考 代用されるモードの例
図5.3 代用されるモードの例

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5.9 グローバルコントローラ 受信側機器がオムニオフ,モノモードになっていて,複数のMIDIチャ
ンネルに応答できるときは,個々のチャンネルの代わりに,あるチャンネルにだけコントロールチェンジ
メッセージを送ることで,すべてのボイスをコントロールすることができる。このチャンネルをグローバ
ルチャンネルと呼び,“ベーシックチャンネル−1”に設定される。例えば,受信側がモード4の状態でチ
ャンネル612に応答しているとき,すなわちベーシックチャンネルが6のとき,チャンネル5で受信さ
れたコントロールチェンジ メッセージは,同じメッセージをチャンネル612でそれぞれ受け取ったのと,
同じ結果をもたらす。ベーシックチャンネルが1のときは,グローバルチャンネルは16になる。ただし,
受信側は必ずしもこの機能をもつとは限らない。
6. システム コモン メッセージ
MIDIタイムコード クォーター フレーム F1H
ソングポジション ポインタ F2H
ソングセレクト F3H
チューンリクエスト F6H
EOX(エンド オブ エクスクルーシブ) F7H
備考 各項目の右側の値はステータスバイトの値を示
す。
附属書1及び附属書5を参考のこと。
6.1 MIDIタイムコード クォーター フレーム このメッセージはMIDIタイムコード (MTC) の一つで
あり,八つのメッセージシーケンスの中でフレーム,秒,分,時間カウントの情報を扱う。
備考 MIDIタイムコード : クォーターフレーム(システムコモン),フルフレーム又はユーザービッ
ト(システムエクスクルーシブ)を表すメッセージである。
詳しくは,関連規格を参照のこと。
6.2 ソングポジション ポインタ シーケンサのソングポジション (SP) とは,曲の最初からの経過時間
を1ビートを6MIDIクロックとするMIDIビートの数で表したもので,曲の頭以外の位置から演奏を始め
るのに使用される。通常,シーケンサのスタートが指示されたときに,0にセットされる。そして,スト
ップが指示されるまで,6MIDIクロックごとに増加する。コンティニューが指示されたときは,現在のソ
ングポジションから増加する。この現在のソングポジションは,ソングポジションポインタメッセージに
よって送受信することが可能で,受信側のソングポジションはこのメッセージの受信によって変更される。
ソングポジションは常にMIDIクロック (F8H) 6回の倍数なので,ソングポジションの最小単位は
6MIDIクロック,つまり16分音符になる。これは,シーケンサ内部のタイムベースに変換される。
例を示すと,ソングポジションポインタが10のとき,6MIDIクロックで乗算して (10×6=60),更にシ
ーケンサのタイムベースを乗算する。タイムベースが一拍当たり96クロックの場合は,MIDIクロック間
のタイムベースは4クロックであるため結果は240 (60×4=240) となる。そこで,演奏開始のために,シ
ーケンサ内部のポインタを240に合わせる。
スタート (FAH) は,ソングポジションの値0とコンティニュー (FBH) とが合成されたコマンドである
と考えられる。しかし,このスタート (FAH) は,コンティニュー (FBH) よりも多く使われると思われる
ので,受信側では,シーケンスが曲の途中でストップ状態のときでも,次にスタートかコンティニューか
のいずれにも対応できるようにしておく必要がある。
MIDIシンクモードをもたない機器では,ソングポジション ポインタ メッセージは無視されるべきで
ある。

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備考 MIDIシンクモードに関しては,システム リアルタイム メッセージの項を参照のこと。
図6.1 シーケンサでの使用例
6.3 ソングセレクト ソングセレクトは,複数のソングやシーケンスを扱うことのできるシーケンサな
どにおいて,スタートメッセージが指示されたときに演奏するソングやシーケンスを選択するものである。
6.4 ソングポジションとソングセレクト ソングポジション ポインタ メッセージ又はソングセレクト
メッセージを受信して認識すると,その処理には相当時間を要すると考えられる。演奏メモリアドレスへ
のロケーティング処理の最中にコンティニューが送られ,MIDIクロックが送られてきたら,その数を認
識してソングポジションに加える必要がある。例えば,4MIDIビート(24MIDIクロック)のソングポジ
ション ポインタ メッセージを受信し,ロケーティング処理中にコンティニュー及び三つのMIDIクロッ
クが送られてきたとすると,シーケンサは27MIDIクロック目に相当するポイントから演奏すべきである。
ロケーティング処理中に送られてきたMIDIクロックを取り損なうと同期演奏はできない。
ソングポジションの値1は,6MIDIクロックに相当する。ソングポジションの値を送ったとき,受信側
では自己のシーケンスをソングポジションの値が示す正しい位置に設定しなければならない。例えばソン
グポジションの値10を送ったときには,シーケンスの値がちょうど60MIDIクロックだけ進行した位置に
なるようにしないと,同期させることができない。送信側で,現在ちょうど6の整数倍のMIDIクロック
の位置になっていないときに,ソングポジションの値を送る場合は,自己のシーケンスをそのポジション
から計算された正しい位置に修正しておく必要がある。

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JIS X 6054-2:1999の国際規格 ICS 分類一覧

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