61
X 6241 : 2004 (ISO/IEC 16448 : 2002)
図 J.1 マスタリングコードの配置
J.4.4 規定の緩和 以下の場合に,マスタリングコードに対応した規定を緩和してもよい。
a) 単層片面ディスク もしディスクのダミー基板側がスクラッププログラムディスクから作られるなら
ば,たとえ反射層がなくてもマスタリングコードを付与しなければならない。
b) 二層片面ディスク マスタリングコードは,レイヤ0とレイヤ1両方に記録する。少なくとも一つの
層のマスタリングコードは,判読できなければならない。
c) 単層両面ディスク マスタリングコードは,ディスクの両側の面に記録する。しかしながら,その判
読は,印刷領域の制限のために損なわれてもよい。
J.5 モールドコード
J.5.1 位置 モールドコードは,最大半径22.5 mmによって限定されたゾーンの内側に記録しなければ
ならない。もしBCAオプション(附属書H参照)を記録するなら,モールドコードの位置は,BCAと重
ならないようにディスクの内周側に移動する。
モールドコードは,クランプゾーンに記録してはならない。モールドコードは,マスタリングコード又
は製造業者の名前のようなユーザによって定義された文字と重なってはならない。モールドコードは,容
易に置き換えられない金型の部分に置く。
J.5.2 判読 モールドコードの高さは,最小0.5 mmとする。モールドコードは,拡大せずに判読できな
くてはならない。モールドコードは,ディスクの入射面から見て,右から左に読めなければならない。モ
ールドコードの配置は,放射状又は直線状でなければならない。
J.5.3 構成と配置 モールドコードが記録される領域は,二つの部分に分割される(図 J.1)。
――――― [JIS X 6241 pdf 66] ―――――
62
X 6241 : 2004 (ISO/IEC 16448 : 2002)
最初の部分は,IFPI (International Federation of Photographic Industry) の文字を大文字で記録するか,又は
IFPIのロゴを記録する。
二つ目の部分は,モールド識別子を4文字の英数字で記録する。
図 J.2モールドコードの配置
J.5.4 規定の緩和 モールドコードは,価値のある内容を含んでいるかどうかにかかわらず,空白のディ
スクを含むすべての基板上に記録する。 装飾のためにモールドコードの上に印刷してもよい。
J.5.5 残セクタ領域 SIDコード用に使われていない残りのセクタは,地域の法律によって要請される文
字,又は,ユーザが定義した文字を使用することができる。
――――― [JIS X 6241 pdf 67] ―――――
63
X 6241 : 2004 (ISO/IEC 16448 : 2002)
附属書K(参考) 2層ディスクのスペーサの厚さの測定
この附属書(参考)は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではな
い。
この附属書は,2層ディスクのレイヤ0及びレイヤ1の間の透明材料であるスペーサの厚さを測定する
ための二つの便利な方法を示す。
K.1 レーザフォーカス法 レーザは,対物レンズによって各記録層上に順番に焦点を合わす。レンズの
可動距離は,スペーサの厚さdに等しい。一つの例として,図K.1は,タイプCのディスクにおける測定
例を示す。
図 K.1 スペーサの厚さの測定
K.2 干渉計法 2層ディスクでは,可変波長の光を使用する(図K.2参照)。既知の屈折率nのスペーサ
の厚さdは,レイヤ0からの反射光とレイヤ1からのものとの間の位相差を測定することによって決定す
る。
厚さは,次の式から得る。
1 2
d
2 ( 2 1)
ここで,nは,スペーサの屈折率。
図 K.2 反射光強度
――――― [JIS X 6241 pdf 68] ―――――
64
X 6241 : 2004 (ISO/IEC 16448 : 2002)
附属書L(参考) リファレンスコードについての留意点
この附属書(参考)は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではな
い。
リファレンスコードの目的は,(3T-6T-7T)の繰り返し信号を発生するチャネルビットパターンを準備す
ることである。ドライブがこれらの信号をHF信号を読むための波形等化を調整するために使用してもよ
い。この附属書は,要求されるチャネルビットパターンを発生させる実際的な方法を記述している。
4章に記述しているように,主データは,ECCバイトを発生させる前にスクランブルされる。スクラン
ブルし変調の直前のECC発生の後,3T,6T及び7T変調チャネル信号を発生させる規定データパターン
を得るために,プリスクランブルを主データに適用する。プリスクランブルデータがこの規格に記述され
ているエンコーディング処理で使用される規定スクランブルデータと同じであるならば,そのとき同じス
クランブルデータがユーザデータに二度加えられ,スクランブルされないデータは,ECCバイトを発生さ
せる直前に現れる。このことは,記録セクタがECCバイトを除いて主データの複製である固定データパタ
ーンを含んでいることを意味する。プリスクランブルデータは,大きいDSV値を避けるために,各ECC
ブロックの最初のデータセクタの最初の160主データバイトを除いて,リファレンスコードゾーンで使用
されるすべての32データセクタに加えられる。
次のステップは,リファレンスコードを意図した主データをエンコードシステムに供給する前にいかに
処理するかを示す。
ステップ1 32データセクタのすべての主データを(AC)に設定する。
ステップ2 このステップは,192512(02F000)から192543(02F01F)までのセクタ番号をもつ物理セク
タに対応するデータセクタに適用する。
セクタ番号192512(02F000)から192527(02F00F)までについては,本体17.のスクランブリング手順
を用いて,初期プリセット番号(0)で発生させたプリスクランブリングデータを,セクタ番号が192512
(02F000)であるセクタの最初の160バイトを除いて,すべての主データバイトに加える。
セクタ番号192528(02F010)から192543(02F01F)までについては,本体17.のスクランブリング手順
を用いて,初期プリセット番号(1)で発生させたプリスクランブリングデータを,セクタ番号が192528
(02F010)であるセクタの最初の160バイトを除いて,すべての主データバイトに加える。
――――― [JIS X 6241 pdf 69] ―――――
65
X 6241 : 2004 (ISO/IEC 16448 : 2002)
附属書M(参考) 最大転送速度
この附属書(参考)は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではな
い。
最大転送速度は,ディスクに記録された情報をアプリケーションが途切れないように転送するための速
度である。この転送速度のとり得る値は,本体26.5.1のバイト1に規定されている。この情報は,ドライ
ブのディスク回転制御に使用してもよい。
図 M.1 DVDビデオドライブの例
図M.1に示すDVDビデオドライブは,4 Mbitのバッファをもつ。ビデオアプリケーションの場合,最
大転送速度は,10.08 Mbit/sであり,情報をバッファがデコーダに転送する速度である。もし,ディスクか
らバッファへの最小転送速度(すなわち,バッファへの入力速度)が,規定されている最大転送速度(バ
ッファからの出力速度)より大きい場合,時間がたつとバッファが一杯になる。ピックアップヘッドは,
バッファの情報が減少するまでジャンプバックモードを用いて読取りをやめる。したがって,ビデオドラ
イブは,非同期システムの一種とみなすことができる。
全く途切れない再生を保証するために,バッファへ入力するデータのビットレートは,バッファからの
出力ビットレートより1 Mbit/s大きいことが望ましい。通常DVDビデオディスクは,線速度一定モード
で回転され,ドライブの読み出す速度は,11.08 Mbit/sである。もし,ドライブが最大転送速度の情報を知
っているなら,最適な最小読み出し速度と最低回転速度を決めることができる。
高転送速度が必要ないアプリケーションには,ドライブは,低回転モードでディスクを回転させ,ドラ
イブの電力消費量を減少させてもよい。この低回転モードは,電池で動作するドライブにとって特に便利
である。このことが主たる理由となり,三つの異なる最大転送速度が本体26.5.1のバイト1に規定されて
いる。
――――― [JIS X 6241 pdf 70] ―――――
次のページ PDF 71
JIS X 6241:2004の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO/IEC 16448:2002(IDT)