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X 6282 : 2009
CD-Rディスクは,この規格が示すすべての必す(須)規定に適合しなければならない。
1.3.2 製造システム
製造システムは,製造するディスクが1.3.1に合致するとき,この規格に適合する。
1.3.3 情報再生システム
情報再生システムは,1.3.1に適合するディスクを取り扱うことができる場合に,この規格に適合する。
1.3.4 互換性
CD-Rシステムは,CD情報の1回だけの記録と,多数回の再生とを可能にする。記録されたディスクは
JIS S 8605及びJIS X 6281と互換性があり,従来からのCDプレーヤで再生できる。CD-Rシステムは,オ
ーディオ記録とデータ記録とは可能であるが,この規格ではデータ記録について主に記載している。
1.4 引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)は適用しない。
JIS S 8605:1993 コンパクトディスクディジタルオーディオシステム
注記 対応国際規格 : IEC 60908:1987,Compact disc digital audio system (IDT)
JIS X 0201:1997 7ビット及び8ビットの情報交換用符号化文字集合
注記 対応国際規格 : ISO/IEC 646:1991,Information technology−ISO 7-bit coded character set for
information interchange (MOD)
JIS X 6281:2006 120 mm再生専用形光ディスク (CD-ROM)
注記 対応国際規格 : ISO/IEC 10149:1995,Information technology−Data interchange on read-only 120
mm optical data disks (CD-ROM) (IDT)
1.5 用語,記号及び定義
この規格で用いる主な用語,記号及び定義は,次による。
1.5.1
変数xの平均値。
1.5.2
Δx=x−<x>で示されるxの平均値からの差分。
1.5.3
ブロック (block)
2 352バイトの大きさをもつデータを記録する最小の単位。
1.5.4
セクタ (sector)
情報領域におけるディジタルデータトラックの番地付け可能な最小部分。その領域の他の番地付け可能
部分とは独立にアクセスできる(JIS X 6281参照)。
1.5.5
データディスク (data disc)
各セションが1個以上のデータトラックを含むディスク。
1.5.6
データセション (data session)
1個以上のデータトラックを含むセション。
――――― [JIS X 6282 pdf 6] ―――――
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1.5.7
データトラック (data track)
サブコードQチャネルのCONTROLに“Data Track”と指定されたトラック。
1.5.8
EFM (Eight to Fourteen Modulation)
8ビットのユーザデータを光ディスク記録に都合のよい特性をもつ17チャネルビットへ変換する変調方
式(箇条8参照)。
1.5.9
EFMフレーム (EFM frame)
1個のEFM同期パターン,1バイトのサブコード情報,24バイトの利用者データ及び8バイトのCIRC
を表す合計588チャネルビットの1個のグループ。公称CD速度での継続時間は,約136 死 地
1.5.10
ファイナライゼーション (finalization)
データの記録を終了し,リードイン領域及びリードアウト領域を記録する動作。
1.5.11
最終セション (final session)
CD-Rディスク上で最も外周側に位置し,最後のセションとして指定したセション。最終セションから
後にセションを加えることはできない。
1.5.12
ジッタ (jitter)
時間間隔分析によって測定した,特定の(I3 I11)マーク又はスペースの前縁と後縁との間の時間変化
量の1σ値。
1.5.13
ランド (land)
グルーブ間の領域。
1.5.14
レーザ変調 (laser modulation)
記録の場合に,レーザが“記録ストラテジ”に従って,オン・オフするパターン。
1.5.15
マーク (mark)
光学的に検出できる形態をもった記録層の造作。マーク及びスペース(マーク以外の部分)のパターン
がディスクのデータを表す。
1.5.16
複セションディスク (multisession disc)
(サブコードQチャネルのモード5において最初のリードイン領域に表示する)二つ以上のセションを
含む又は含むことができるディスク。
1.5.17
m11(エムジュウイチ)
変調度I11/Itopを示す。3.3に示すテスト条件で測定する。
――――― [JIS X 6282 pdf 7] ―――――
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1.5.18
公称CD速度 (nominal CD speed)
平均EFMビットクロック周波数 4.321 8 MHz,又は平均案内溝ウォブル周波数22.05 kHzが得られる
CLV回転状態。
1.5.19
Nx 公称CD速度 (Nx nominal CD speed)
公称CD速度のN倍のCLV回転状態。
1.5.20
正規化プッシュプル比 (normalized push-pull ratio, NPPR)
記録前の正規化プッシュプル量を,記録後の正規化プッシュプル量で除したときの結果の値(附属書G
参照)。
1.5.21
案内溝 (pre-groove)
システムクロック及び時間コードの情報をFM変調して記録した,蛇行したグルーブをもつ案内トラッ
ク。
1.5.22
PWO(ピーダブリュオー)
OPCによって決定する記録動作における,“マーク”生成のための最適記録パワー(附属書E参照)。
1.5.23
ランダムEFM (random EFM)
次の特徴をもつランダムなEFMデータ。
a) 主チャネルでは,ランダムデータ記号(例えば,記録済み白色ノイズオーディオ信号)。
b) サブコードチャネルでは,sync及びCRCを除くすべてのサブコードのバイトは,サブコードフレー
ムごとに固定値に設定されなければならない。固定値は,“FF”又は“00”であることが望ましい。
1.5.24
記録済み領域 (recorded area)
利用者データ及びサブコードQ情報を含んだEFM信号を記録した領域又はトラック。
1.5.25
予備 (reserved)
将来の使用に備えて,この規格では特定の値に設定されている状態。将来の標準化のために予備とする。
1.5.26
セション (session)
リードイン領域,プログラム領域及びリードアウト領域からなるディスクの領域。
1.5.27
単セションディスク (single session disc)
セションを一つだけもつディスク。
1.5.28
(unbalance of disc Ud)
ディスクのインバランスUd
ディスクの不均衡量。ディスクのインバランスは,次の式によって算出する。
――――― [JIS X 6282 pdf 8] ―――――
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X 6282 : 2009
Ud md r
ここに, Ud : ディスクのインバランス (g・mm)
md : ディスクの質量 (g)
r : ディスクの幾何学的な中心と重心との差の距離 (mm)
ディスクが回転するときのディスクインバランスによる力は,次の式によって算出する。
Fu Ud 2 10 6
ここに, Fu : ディスクインバランスによる力 (N)
2 frot
frot : ディスクの回転数 (Hz)
1.5.29
未記録領域 (unrecorded area)
信号を全く記録していない領域。
1.5.30
ウォブル (wobble)
ディスクの中の案内溝は,完全なら(螺)旋ではなく,蛇行している状態。次の仕様をもつ。
a) 30 nmの基準振幅
b) 54 窕 桧 箇条4参照)
1.5.31
記録ストラテジ (write strategy)
レーザパワーを変調するために使用するHF記録信号の形状。ディスクの測定に必要な記録に使用しな
ければならない記録ストラテジを,A.1に示す。
1.6 慣例及び表記法
1.6.1 数値表示
測定値は,該当規格値の最下位けた(桁)に丸める。例えば,+0.01のプラス許容差及び−0.02のマイ
ナス許容差をもつ1.26という規格値は,1.235以上1.275未満の測定値の範囲を許容する。
10進法は,09の数字で表す。
16進法は,括弧でくくった,09のアラビア数字とAFのアルファベットとで表す。
ビットの設定は“0”及び“1”で表す。
2進数及びビットパターンは,左側を最上位ビットとし,“0”及び“1”の一連で表す。nビットのパタ
ーンで,ビットb (n−1) は最上位ビット (msb) とし,ビットb0は最下位ビットとしなければならない。
ビットb (n−1) を最初に記録する。
2進数の負の値は,2の補数として表す。
各データフィールドでは,データはバイト0とする最上位のバイト (MSB) を最初に記録し,最下位バ
イト (LSB) を最後に記録する。
8nビットの1フィールドで,ビットb (8n−1) は最上位ビット (msb) とし,ビットb0は最下位ビット (lsb)
としなければならない。ビットb (8n−1) を最初に記録する。
1.7 略語
ATER (ATIP Error Rate) フレーム全数に対する,10秒間の平均誤りATIPフレームの個数。
ATIP (Absolute Time In Pre-groove) ウォブルの変調を付加することによる,案内溝に含む時間コード情報
(箇条4参照)。
――――― [JIS X 6282 pdf 9] ―――――
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X 6282 : 2009
CIRC (Cross Interlieved Reed solomon Code) クロスインタリーブリードソロモン符号。
CLV (Constant Linear Velocity) 一定線速度。
CRC (Cyclic Redundancy Check) 巡回冗長度検査。連続して出現する誤り(バースト誤り)の検出が可能
な誤り検出方式。
CW (Continuous Wave) 連続波。レーザパワーは,一定レベルとする。
OPC (Optimum Power Control) 最適パワー制御
PCA (Power Calibration Area) パワー校正領域
PMA (Program Memory Area) プログラムメモリ領域
RSPC (Reed Solomon Product Code) リードソロモン積符号
TDB (Track Descriptor Blocks) データトラックのプリギャップ中にあり,そのトラックの属性に関する情
報を示す記述子ブロック。
TOC (Table Of Content) リードイン領域のサブコードQチャネルに記録され,そのディスクのトラック情
報を記述する目次情報。
1.8 測定及び環境
1.8.1 試験環境
1.8.1.1 測定用光ピックアップヘッド
3種類の光ピックアップヘッドを,測定用として規定する。
a) 再生専用光ピックアップヘッド(ジッタ及びマーク長の測定は除く。) 3.3で規定する特性の測定に
使用する。ただし,ジッタ及びマーク長の測定は除く。ここに規定する光ピックアップヘッドは,JIS
X 6281の5.1で規定するものと同じである。
波長 : 780 nm±10 nm
開口数NA : 0.45±0.01
偏光 : 円偏光
単層ディスクの理想基板を : 最大0.05
通過した後の波面収差(厚
さ1.2 mm,屈折率1.55)
対物レンズのひとみ(瞳)
の縁での強度
接線方向 : 最大光強度の50 %以上
半径方向 : 最大光強度の50 %以上
読取りパワー : スポット中央部,CWで最大0.7 mW
b) 再生専用光ピックアップヘッド(ジッタ及びマーク長の測定用) 上記ジッタ及びマーク長の測定に
使用する(表3.3.1の項目2参照)。
波長 : 780 nm±10 nm
開口数NA : 0.45±0.01
偏光 : トラック方向に直角な偏光
単層ディスクの理想基板を : 最大0.05
通過した後の波面収差(厚
さ1.2 mm,屈折率1.55)
――――― [JIS X 6282 pdf 10] ―――――
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