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X 6322-3 : 2011 (ISO/IEC 14443-3 : 2011)
6.2.1.2 PICCからPCDへのフレーム遅延時間
この遅延時間は,PICCが送出した最後の変調信号の終わりから,次にPCDが送出する最初のPauseAま
での時間で,少なくとも1 172/fc以上でなければならない。
注記 互換性を向上させるために,PCDの動作に10/fcの追加待ち時間を組み込むことが望ましい。
6.2.2 リクエスト保護時間
リクエスト保護時間は,連続する二つのREQAコマンド又はWUPAコマンドの最小間隔を規定する。
その値は,7 000/fcとする。
注記 互換性を向上させるために,PCDの動作に100/fcの追加待ち時間を組み込むことが望ましい。
6.2.3 フレーム形式
次のフレーム形式を規定する。
− 短フレーム
− 標準フレーム
− ビット対応衝突防止フレーム
6.2.3.1 短フレーム
短フレームは,初期化コマンドで用いられ,図2に示す順に構成する。
− 通信開始信号 S
− LSBを先頭に伝送される7ビットのデータビット(符号化は表3を参照する。)
− 通信終了信号 E
パリティビットは,付加しない。
LSB MSB
S b1 b2 B3 b4 b5 b6 b7 E
図2−短フレーム
6.2.3.2 標準フレーム
標準フレームは,データ交換に使用され,次の順に構成する。
− 通信開始信号 S
− n×(8データビット+奇数パリティビット)(n≧1)
各バイトは,LSBから伝送される。各バイトの後に奇数パリティビットを付ける。パリティビッ
トPは,b1b8及びPの中にある“1”の個数が奇数となるように設定する。
− 通信終了信号 E
PCDの標準フレームを図3に示す。
図3−PCDの標準フレーム
例外として,フレームが伝送速度fc/64,fc/32及びfc/16の場合は,PICCの標準フレームの最後のパリテ
ィビットは,反転しなければならない。PICCの標準フレームを図4に示す。
――――― [JIS X 6322-3 pdf 11] ―――――
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X 6322-3 : 2011 (ISO/IEC 14443-3 : 2011)
伝送速度fc/128に対するPICCの標準フレーム
伝送速度fc/64,fc/32及びfc/16に対するPICCの標準フレーム
図4−PICCの標準フレーム
6.2.3.3 ビット対応衝突防止フレーム
2枚以上のPICCが同時に伝送したビットパターンにおいて,1か所以上のビット位置で補数となる値
(b“0”及びb“1”)が同時に伝送された場合,PCDは,そのような衝突を検出するように設計しなければな
らない。衝突があった場合,ビットパターンは,重畳され,搬送波は,ビット間隔全体にわたって副搬送
波で変調された状態になる(JIS X 6322-2の8.2.5.1参照)。
ビット対応衝突防止フレームは,衝突防止ループの間だけに使われる7バイト長の標準フレームであり,
二つの部分に分かれている。
− 第1部分 : PCDからPICCへの伝送
− 第2部分 : PICCからPCDへの伝送
第1部分及び第2部分の長さは,次の規則を適用しなければならない。
− 規則1 : データビットの合計は,56ビットとする。
− 規則2 : 第1部分のデータビットは,最小16ビットとする。
− 規則3 : 第1部分のデータビットは,最大48ビットとする。
したがって,第2部分のデータビットは,最小8ビット,最大40ビットとなる。
バイトをいかなるビット位置でも分割可能とするため,次の二つの場合を規定する。
− FULL BYTEの場合 : バイトの終わりで分割した場合,第1部分の最終データビットの後にパリテ
ィビットが付加される。
− SPLIT BYTEの場合 : バイトの途中で分割した場合,第1部分の最終データビットの後にパリティ
ビットは,付加されない。
BCCは,先行する4バイトの排他的論理和で計算する。
次に,ビットの構成及び伝送順序を説明するために,FULL BYTEの場合,及びSPLIT BYTEの場合の
例を示す。
注記 この事例では,NVB及びBCCとして適切な値を設定している。
――――― [JIS X 6322-3 pdf 12] ―――――
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X 6322-3 : 2011 (ISO/IEC 14443-3 : 2011)
図5−FULL BYTEの場合のビット構成及び伝送順序
図6−SPLIT BYTEの場合のビット構成及び伝送順序
6.2.4 CRCA
CRCAを含むフレームは,そのCRCA値が有効な場合にだけ,正しいものとしなければならない。フ
レームCRCAは,フレーム中の全てのデータビットからパリティ,S及びE並びにCRCAそのものを除
いたk個のデータビットの関数である。データは,バイト単位で符号化されているので,ビット数kの値
は,8の倍数となる。
エラー検出のため,2バイトのCRCAは,データバイトの後でEの前につけて,標準フレームで伝送
――――― [JIS X 6322-3 pdf 13] ―――――
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X 6322-3 : 2011 (ISO/IEC 14443-3 : 2011)
される。CRCAは,JIS X 5203で規定されるが,レジスタ初期値は“6363”とし,計算の後,レジスタの内
容を反転してはならない。
事例を附属書Bに示す。
6.3 PICCの状態
A型PICCのビット衝突検出プロトコルの状態について規定する。
図7に示す状態遷移図は,この規格で規定するコマンドによって発生し得る全ての状態遷移を示す。PICC
は,有効なフレームを受信したときに限り状態遷移する。ACTIVE又はACTIVE*状態のPICCを除き,エ
ラーが発生した場合は,応答してはならない。
図7の中の略語を次に示す。
AC ANTICOLLISIONコマンド(UIDが一致した場合)
nAC ANTICOLLISIONコマンド(UIDが不一致の場合)
SELECT SELECTコマンド(UIDが一致した場合)
nSELECT SELECTコマンド(UIDが不一致の場合)
RATS JIS X 6322-4で規定するRATSコマンド
DESELECT JIS X 6322-4で規定するDESELECTコマンド
Error 伝送エラーを検出したフレーム,又は予期しなかったフレーム
――――― [JIS X 6322-3 pdf 14] ―――――
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X 6322-3 : 2011 (ISO/IEC 14443-3 : 2011)
図7−A型PICCの状態遷移図
この規格に適合しているが,JIS X 6322-4によるRATSで選択されないでいるPICCは,製造業者独自の
コマンドによって,ACTIVE状態又はACTIVE*状態から離脱してもよい。
6.3.1 POWER-OFF状態
定義 :
POWER-OFF状態において,PICCは,PCDの動作磁界によって電力が供給されてない。
状態遷移条件 :
PICCがHmin(JIS X 6322-2参照)以上の動作磁界にあるとき,箇条5で規定する遅延時間以内にIDLE
――――― [JIS X 6322-3 pdf 15] ―――――
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JIS X 6322-3:2011の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO/IEC 14443-3:2011(IDT)
JIS X 6322-3:2011の国際規格 ICS 分類一覧
- 35 : 情報技術.事務機械 > 35.240 : 情報技術(IT)の応用 > 35.240.15 : IDカード及び関連装備
JIS X 6322-3:2011の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISX5203:1998
- システム間の通信及び情報交換―ハイレベルデータリンク制御(HDLC)手順
- JISX6320-6:2006
- ICカード―第6部:交換のための産業間共通データ要素
- JISX6322-2:2011
- 識別カード―非接触(外部端子なし)ICカード―近接型―第2部:電力伝送及び信号インタフェース
- JISX6322-4:2011
- 識別カード―非接触(外部端子なし)ICカード―近接型―第4部:伝送プロトコル