JIS X 9202:1999 製版ディジタルデータ交換―入力スキャナこう(較)正のためのカラーターゲット

JIS X 9202:1999 規格概要

この規格 X9202は、(印刷・出版のための準備工程に使用する)写真製品と入力スキャナとの組合せをこう(較)正するために使用するターゲット(機器の色再現特性評価用色票及びディジタルデータの総称)の割付け及び測色値を規定。ターゲットは,カラー透過フィルム及びカラー印画紙の2種類で規定。

JISX9202 規格全文情報

規格番号
JIS X9202 
規格名称
製版ディジタルデータ交換―入力スキャナこう(較)正のためのカラーターゲット
規格名称英語訳
Graphic technology -- Prepress digital data exchange -- Colour target for input scanner calibration
制定年月日
1999年4月20日
最新改正日
2019年10月21日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

ISO 12641:1997(IDT)
国際規格分類

ICS

35.240.30, 37.100.99
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
1999-04-20 制定日, 2004-11-20 確認日, 2009-10-01 確認日, 2014-10-20 確認日, 2019-10-21 確認
ページ
JIS X 9202:1999 PDF [31]
                                                                    X 9202 : 1999 (ISO 12641 : 1997)

まえがき

  この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日
本工業規格である。
JIS X 9202には,次に示す附属書がある。
附属書A(参考) 色域の選択−計算上の基準
附属書B(参考) 応用事例に関するメモ
附属書C(参考) データファイルの書式

(pdf 一覧ページ番号 )

――――― [JIS X 9202 pdf 1] ―――――

                                                                    X 9202 : 1999 (ISO 12641 : 1997)

pdf 目次

ページ

  •  序文・・・・[1]
  •  1. 適用範囲・・・・[1]
  •  2. 引用規格・・・・[1]
  •  3. 定義・・・・[1]
  •  4. 要件・・・・[3]
  •  4.1 ターゲットの設計・・・・[3]
  •  4.2 透過ターゲット・・・・[3]
  •  4.2.1 ターゲットの割付け及び物理特性・・・・[3]
  •  4.2.2 色票の大きさ・・・・[8]
  •  4.2.3 色域対応・・・・[8]
  •  4.2.4 中性スケール及び染料スケールの値・・・・[9]
  •  4.2.5 中性スケールの目標値・・・・[9]
  •  4.3 反射ターゲット・・・・[10]
  •  4.3.1 ターゲットの割付け及び物理特性・・・・[10]
  •  4.3.2 色票の大きさ・・・・[12]
  •  4.3.3 色域対応・・・・[12]
  •  4.3.4 中性スケール及び染料スケールの値・・・・[12]
  •  4.3.5 中性スケールの目標値・・・・[13]
  •  4.4 色票の値に対する許容誤差・・・・[13]
  •  4.4.1 未こう(較)正ターゲット・・・・[13]
  •  4.4.2 こう(較)正済みターゲット・・・・[13]
  •  4.5 分光測定及び測色計算・・・・[13]
  •  4.6 データの報告・・・・[13]
  •  4.7 データファイルの書式・・・・[14]
  •  4.8 ターゲットの有効期限・・・・[16]
  •  附属書A(参考) 色域の選択-計算上の基準・・・・[17]
  •  附属書B(参考) 応用事例に関するメモ・・・・[19]
  •  附属書C(参考) データファイルの書式・・・・[22]

(pdf 一覧ページ番号 )

――――― [JIS X 9202 pdf 2] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
X 9202 : 1999
(ISO 12641 : 1997)

製版ディジタルデータ交換−入力スキャナこう(較)正のためのカラーターゲット

Graphic technology−Prepress digital data exchange− Colour target for input scanner calibration

序文

 この規格は,1997年に第1版として発行されたISO 12641 (Graphic technology−Prepress digital data
exchange−Colour target for input scanner calibration) を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更すること
なく作成した日本工業規格(日本産業規格)である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格にはない事項である。

1. 適用範囲

 この規格は,(印刷・出版のための準備工程に使用する)写真製品と入力スキャナとの組合
せをこう(較)正するために使用するターゲット(機器の色再現特性評価用色票及びディジタルデータの
総称)の割付け及び測色値を規定する。
ターゲットは,カラー透過フィルム及びカラー印画紙の2種類で規定する。

2. 引用規格

 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの規格は,最新版を適用する。
JIS X 0201 7ビット及び8ビットの情報交換用符号化文字集合
備考 ISO/IEC 646 : 1991 Information technology−ISO 7-BIT coded character set for information
interchangeがこの規格と一致している。JIS X 0201には,片仮名用図形文字集合が追加
されている。
JIS K 7520 一般撮影用シートフィルムの寸法
備考 ISO 1012 : 1991 Photography−Film dimensions−Pictorial sheetsがこれらの規格と同等である。
JIS K 7523 一般用シート写真印画紙の寸法
備考 ISO 1008 : 1992 Photography−Paper dimensions−Pictorial sheetsがこれらの規格と同等であ
る。
ISO 13655 : 1996 Graphic technology−Spectral measurement and colorimetric computation for graphic arts
images
CIE 15.2 : 1986 Colorimetry(第2版)
CIE 17.4 : 1987 International Lighting Vocabulary(第4版)

――――― [JIS X 9202 pdf 3] ―――――

2
X 9202 : 1999 (ISO 12641 : 1997)

3. 定義

 この規格で用いる主な用語の定義は,次のとおりとする。
3.1 CIE3刺激値 (CIE tristimulus values) CIEで規定された3色表色系において,試料の色刺激に色合
わせするために必要な原刺激の量。
備考 CIE1931標準表色系では,3刺激値は,記号X, Y及びZで表す。
3.2 CIELAB色差,CIE1976L*a*b*色差,△E* (CIELAB colour difference ; CIE1976L*, a*, b* colour
difference, △E*ab) *, a*, b*色空間上でそれらが表される点と点との間の距離として定義される二つの色
刺激値の差。
△E*ab=[( )2 + ( 愀 )2 + ( 戀 )2]1/2
ここで,△L*, 愀 及び 戀 は,二つの色刺激に対する刺激値の間の差を表す。
3.3 CIELAB色空間,CIE1976L*a*b* colour space (CIELAB colour space ; CIE1976L*a*b* colour space)
3次元のほぼ均等な色空間であって,次式で表現される量,すなわちL*, a*及びb*を直交座標軸として描く
色空間。
L*=116 [f (Y/Yn) ]−16
a*=500 [f (X/Xn) −f (Y/Yn) ]
b*=200 [f (Y/Yn) −f (Z/Zn) ]
ここで, X/Xn>0.008 856ならば,f (X/Xn) = (X/Xn)1/3
Y/Yn>0.008 856ならば,f (Y/Yn) = (Y/Yn)1/3
Z/Zn>0.008 856ならば,f (Z/Zn) = (Z/Zn)1/3
X/Xn≦0.008 856ならば,f (X/Xn) = (X/Xn)1/3
Y/Yn≦0.008 856ならば,f (Y/Yn) = (Y/Yn)1/3
Z/Zn≦0.008 856ならば,f (Z/Zn) = (Z/Zn)1/3
ISO 13655によって
Xn=96.422
Yn=100.000
Zn=82.521
さらに, C*ab= (a*2+b*2)1/2
hab=tan-1 (b*/a*)
ここで, a*>0,かつb*≧0の場合,0°≦hab<90°
a*≦0,かつb*>0の場合,90°≦hab<180°
a*<0,かつb*≦0の場合,180°≦hab<270°
a*≧0,かつb*<0の場合,270°≦hab<360°
3.4 透過率係数 (transmittance factor)測定装置の測定用開口部に試料がない場合の測定光束に対す
る,試料がある場合の測定光束の比。
3.5 透過率係数の逆数の常用対数。
透過濃度 (transmission density)
3.6 完全拡散反射面が反射する測定光束に対する,試料が反射する測
反射率係数 (reflectance factor)
定光束の比。
3.7 反射率係数の逆数の常用対数。
反射濃度 (reflection density)
3.8 色域 (colour gamut) 装置又は媒体によって再現可能な知覚できる色の部分集合。
3.9 染料セット (dye set)入射光の選択的吸収(減法混色)によって目的の色を作り出す,個々の写真
製品に用いる光を吸収する染料[通常はシアン,マゼンタ及びイエロ(黄)]の組合せ。

――――― [JIS X 9202 pdf 4] ―――――

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X 9202 : 1999 (ISO 12641 : 1997)
3.10 染料スケール (dye scale) 1種又は複数の染料[シアン,マゼンタ及びイエロ(黄)]の量を変化さ
せた色票の配列。
彩度がゼロ又はそれに近い染料の組合せをもつ色票の配列。
3.11 中性スケール (neutral scale)
3.12 条件等色の色刺激 (metameric colour stimuli) 同じ3刺激値をもち,分光分布が異なる色刺激。
3.13 最小濃度 (minimum density, D−min) 写真製品が達成できる最大透過率係数(フィルムの場合)
又は最大反射率係数(印画紙の場合)。
備考 色は必ずしも中性でなくてよい。
3.14 最小中性濃度 (minimum neutral density)写真製品がC*ab=0で達成できる最小濃度。
備考 必ずしも最小濃度でなくてよい。
3.15 最大濃度 (maximum density, D−max) 写真製品が達成できる最小透過率係数又は最小反射率係
数の濃度。
備考 色は必ずしも中性でなくてよい。
3.16 最大中性濃度 (maximum neutral density) 写真製品がC*ab=0で達成できる最大濃度。
備考 必ずしも最大濃度でなくてよい。
3.17 入力スキャナ (input scanner)写真材料(又は他のハードコピー)の反射率係数又は透過率係数を
電気信号に変換する装置。この装置は,評価対象の空間領域と電気信号との間に,組織的な関係を得る。
3.18 製品固有領域 (product-specific target areas) 要件が明確に定義されているが,それらの値が,タ
ーゲットの作成に使用する特定の製品に固有である試験ターゲットの一部。
3.19 製造業者自由使用領域 (vendor optional target areas) ターゲットの製造者が使用してよい試験タ
ーゲットの一部でその内容は規定されていない。

4. 要件

 この規格におけるすべての測色的な参照基準は,D50測色用光源,CIE1931標準測色観察者(2°
視野観測者)及び4.5の測定及び計算の手順による。白色の基準は,D50測色用光源とする。

4.1 ターゲットの設計

 ターゲットは,次の五つの部分に分けて,設計する。
a) サンプル色領域
b) カラー染料スケール
c) 中性色染料スケール
d) 最小濃度領域及び最大濃度領域
e) 製造業者自由使用領域

4.2 透過ターゲット

4.2.1 ターゲットの割付け及び物理特性

4.2.1.1  タイプ1[10.2cm×12.7cm(通称4×5)フィルム] カラー透過入力こう正ターゲットのタイプ
1の割付けは,フィルムのベース面から見て,図1のとおりとする。この割付けは,JIS K 7520の大きさ
10.2cm×12.7cmのフィルム材に用いることを前提にする。
ターゲットの非画像領域は,ほぼ中性色とし,約50の明度 (L*) をもつ。非画像領域は,上端部及び両
側部で色票の行及び列の境界の外側に,幅4.5mm以上なければならず,下端部で識別情報のために幅10mm
以上なければならない。
ターゲットの行及び列には,図2に示すとおり,高濃度で番号を付ける。列12と13とを,列15,16と
17とを,及び列19と20とを,それぞれを分離するために,縦線を使用してもよい。ターゲット色票の境
界の交差する位置に印を入れてもよい。これらの印は点,十字,その他の記号とし,濃度及び色は自由と

――――― [JIS X 9202 pdf 5] ―――――

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