JIS Y 37160:2022 スマートコミュニティインフラストラクチャ―電力インフラ―火力発電インフラの質の評価方法並びに運用及び管理のための要求事項 | ページ 2

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Y 37160 : 2022 (ISO 37160 : 2020)
3.14
計画外停止率,FOR(forced outage rate)
ユニット(3.2)が計画外の強制停止のために利用できない時間の割合
3.15
需給調整能力(ability to adjust power supply to demand)
需要の変動に応じて出力を調整するユニット(3.2)の能力
3.16
需給調整能力制約時間(restricted time of the ability to adjust power supply to demand)
需要の変動に応じて出力を調整する能力が制限される時間
注釈1 次のa)及びb)の時間の総和を含む。
a) 計画外の原因によって,発電所における自動周波数制御(AFC)又は負荷周波数制御(LFC)
の利用が制限された時間。
b) 計画外の原因によって,ユニット(3.2)の出力が一定であった時間。
注釈2 自動周波数制御とは,電気系統の周波数を基準値内に維持するために,自動周波数制御装置を
使用した出力調整をいう。
注釈3 負荷周波数制御とは,負荷変動によって引き起こされる周波数変動及び相互に接続された電力
変動を検出し,出力を制御して通常運転時に周波数及び電力フローを標準値内に維持すること
をいう。
3.17
排出原単位(emission rate)
ユニット(3.2)において,特定の汚染物質の一定期間における排出量
例 年間排出量を年間発電電力量で除した値。
注釈1 (煙突からの)排出原単位は,一般的に,ユニットから排出される硫黄酸化物(SOx),窒素酸
化物(NOx),二酸化炭素(CO2),及び粒子状物質(PM)を指す。
3.18
労働安全災害発生率(industrial safety accident rate)
200 000人·時間,又は1 000 000人·時間当たりで,災害によって働けなくなった人数,業務が制限さ
れた人数,及び死傷者数を考慮した係数

4 営業運転期間における火力発電インフラの質の評価指標

4.1 火力発電インフラの質

  火力発電インフラの質は,火力発電インフラが次の事項に関する要求事項又は期待を着実に満たす又は
上回る程度を示す。
− 初期運転性能
− 持続性
− 信頼性
− 環境及び社会への配慮
− 安全性

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− ライフサイクルコスト(LCC)
注記1 3E+S(エネルギー安定供給,環境保全,経済効率及び安全性)が火力発電インフラの質を表す
ために使用される。
注記2 火力発電インフラ固有の,エネルギー安定供給という構成要素は,次の三つに細分される。
− 初期運転性能
− 持続性
− 信頼性
注記3 環境及び社会への配慮は,いずれも一般的なインフラの質の側面を示すために使用される。
図1−火力発電インフラの質の構成要素

4.2 火力発電インフラの質の構成要素

4.2.1 一般
発電所運用者は,営業運転期間において火力発電インフラの質を維持し,持続的な向上を図るために,
4.2.24.2.7に規定する要素を考慮しなければならない。図1を参照。
4.2.2 初期運転性能
初期運転性能とは,関連する仕様及びユニット固有の条件に従って,計画及びスケジュールどおりに,
火力発電インフラの運用を開始する能力をいう。
4.2.3 持続性
持続性とは,火力発電インフラが電力を必要に応じて安定的に供給する能力をいう。

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4.2.4 信頼性(運用信頼性及び早期復旧)
運用信頼性とは,火力発電インフラの計画外停止を実現可能な範囲で最小限に抑え,設備を損傷するこ
となくインフラを安全に停止することをいう。
早期復旧とは,計画外停止から実現可能な範囲で早く復旧することをいう。
注記 計画外停止は,発電所で対策を講じておくことで影響を受けにくくできる,発電所の意図とは無
関係に起こる稼働停止又は出力抑制を意味する。これは計画的な保守などによる停止又は出力制
限を除いた,外部及び内部の要因が原因で起こり得る。
4.2.5 環境及び社会への配慮
環境及び社会への配慮とは,火力発電インフラに起因する環境への影響の防止又は抑制,及び地域社会
との共生の必要性への配慮を意味する。
注記1 環境負荷低減の観点から考慮する必要がある要素としては,大気保全対策,排水処理対策,温
排水対策,騒音対策,その他の廃棄物及び温室効果ガス排出の抑制などが含まれ得るが,これ
らに限定されるものではない。
注記2 社会的観点から考慮する必要がある要素としては,地域社会との交流,運用の透明性,情報開
示が含まれ得るが,これらに限定されるものではない。社会的配慮の詳細は,JIS Z 26000を参
照する。
4.2.6 安全性
安全性とは,人が負傷するのを防止する能力を意味する。
注記 労働安全衛生管理の詳細については,JIS Q 45001及びJIS Q 45100を参照する。
4.2.7 ライフサイクルコスト
火力発電インフラにおけるライフサイクルコストとは,火力発電インフラが4.2.24.2.6の火力発電イ
ンフラの質の構成要素の全ての要求事項を満たすことを前提とした上で,そのライフサイクルを通じて発
生するコストの総和を意味する。
ライフサイクルコストは,一般的に,エンジニアリングコスト,調達及び建設(EPC)コスト,運転·保
守コスト並びに廃棄費用を含む解体コストに分類され得ることに留意する。火力発電インフラの場合,通
常,燃料コストが運用コストの大部分を占める。ライフサイクルコストには,次のようなその他の費用も
含まれる。
− 計画外停止によって生じる費用
− 排出ガスに関する要求事項を満たさない結果として生じる補償金又は課徴金による費用
− 汚染物質の要求事項を満たさない結果として生じる補償金又は課徴金による費用
4.2.8 火力発電インフラの質のパフォーマンス指標及び火力発電インフラの質の評価
発電所運用者は,表1表10に規定するとおり,火力発電インフラの質の評価者(以下,評価者という。)
による評価のために要求されるデータを収集しなければならない。評価者には,保険会社,政府,電力供
給者,NGO,環境団体などのステークホルダーが含まれる。評価者は,火力発電インフラの営業運転期間
における火力発電インフラの質の適切な測定のために,4.3に規定する評価指標を利用してもよい。評価方
法及び算定式については,評価が要求事項又は状況に関連する変化に対応できるように,適宜,見直しを

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行わなければならない。

4.3 評価指標

4.3.1 持続性
4.3.1.1 稼働率
火力発電インフラの運転·保守能力及びユニットの質をあらかじめ定めた間隔で評価するために必要な,
評価方法,算定式,評価期間,単位及び評価範囲を表1に示す。
表1−持続性の評価指標−稼働率
評価方法 対象ユニットの季節要因を考慮しない等価稼働可能係数(EAF,XS)を算定する。
算定式 FEAF,XS=(tAH−tEUNDH)/tPH×100
ここで,
FEAF,XS : 季節要因を考慮しない等価稼働可能係数
tAH : 稼働可能時間
tEUNDH : 出力制限等価停止時間
tPH : 算定対象期間
評価期間 評価者が決定する期間(例えば,5年間)
単位 %
評価範囲 ユニット
4.3.1.2 熱消費率の変化
ユニット又はプラントの熱消費率の変化を評価するために必要な,評価方法,算定式,評価間隔,単位
及び評価範囲を表2に示す。
表2−持続性の評価指標−熱消費率の変化
評価方法 最初の性能試験時の熱消費率と最新の性能試験時の熱消費率との差を算定する。
性能試験は,通常,定期的な保守点検の際に実施するため,最新の性能試験で測定した値を採用し
なければならない。
算定式 DHR=HR,PEV−HR,1PEV
ここで,
DHR : 熱消費率の増分
HR,PEV : 評価期間内の最新の性能試験(性能評価)時の熱消費率
HR,1PEV : 最初の性能試験時の熱消費率
評価間隔 評価者が決定する間隔
単位 kJ/kWh
評価範囲 ユニット
4.3.1.3 需給調整能力
需要の変化に対応して発電を調整するユニットの能力を評価するために必要な,評価方法,算定式,評
価期間,単位及び評価範囲を表3に示す。

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表3−持続性の評価指標−需給調整能力
評価方法 ユニットの並列運転時間に対する需要に対して,電力の供給を調整する能力が機能している時間の
割合を算定する。
算定式 RDSA=(1−tDSA,NA/tSH)×100
ここで,
RDSA : 需給調整能力の維持度合(%)
tDSA,NA : 需給調整能力制約時間
tSH : 並列運転時間
評価期間 評価者が決定する期間(例えば,5年間)
単位 %
評価範囲 ユニット
4.3.2 信頼性(運用信頼性及び早期復旧)−計画外停止率
プラントの信頼性及び迅速な復旧能力を評価するために必要な,評価方法,算定式,評価期間,単位及
び評価範囲を表4に示す。
表4−運用信頼性及び早期復旧の評価指標−計画外停止率
評価方法 対象となるユニットの計画外停止率を算定する。
算定式 RFOR=tFOH/(tSH+tFOH)×100
ここで,
RFOR : 計画外停止率
tFOH : 計画外停止時間
tSH : 並列運転時間
評価期間 評価者が決定する期間(例えば,5年間)
単位 %
評価範囲 ユニット
4.3.3 環境及び社会への配慮
4.3.3.1 SOx,NOx及びPM排出原単位
大気汚染物質の排出量を評価するために必要な,評価方法,算定式,評価期間,単位及び評価範囲を表
5に示す。

――――― [JIS Y 37160 pdf 10] ―――――

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  • ISO 37160:2020(IDT)

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